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犬同士の上下関係って

今回も心理士でドッグカウンセラーのしらたゆうこがパーソナリティを務めるラジオ番組“宝製菓presents radio café『犬とあなたと珈琲と。』”に寄せられたお便りのご相談にお答えします。

年上の犬と年下の先住犬。どっちを優先すべき?

ご質問内容:ぶち犬さんからいただきました。
こんにちは。今1歳のオス犬と暮らしていますが、もう1頭、2歳位の保護犬を迎えたいと思っています。犬の上下関係を考えると、先住犬を優先するのか年上の犬を優先するのか迷っています。後から迎える犬は年下の方が理想的なのでしょうか。教えてください。

多頭飼育時の上下関係についての質問ですね。
これから飼育頭数を増やしたい方、もうすでに2頭以上の犬を飼っているご家庭では「犬同士の関係性」に頭を悩ませている方も多いと思います。実際、そのようなご相談は多いですし、私も以前は多頭飼いでしたのでとてもわかります。

“新たな犬”を迎えるとき、特にぶち犬さんのご質問にあるように「犬の上下関係」を気にする方は多いように思います。

絶対的な順位付けはない

犬同士の間に上下関係や順位付けがあるのかというと、実際には「絶対的な上下関係はない」と考えられています。これは人間と犬の関係においても同様です。

犬が上下関係を作る、順位付けをするという考え方は、オオカミの群れの観察からきたものですが、これは隔離された不自然な環境下のサンプル結果です。のちに自然界のオオカミには該当しないことがわかりました。

でも、このオオカミの上下関係を強調した考え方は非常にわかりやすい構図でした。

困った行動やコントロールできない犬の原因を「犬が人より上だと思っているから」と言えば単純明快。しつけの一環として広く流布してしまい、未だに信じられています。

ただ、この事実に対して「動物園の状態と現代の犬の状態は同じ。自然で暮らしていないのだから」との意見もあるようです。確かに、一部の行政施設(動物保護センター)や保護シェルターなど、多数の犬を1か所の狭いスペースに閉じ込め、動物の福祉が充分満たされているとはいえない環境下ではそうかもしれません。実際に強いものと弱いものの構図はあるようですが、一般家庭でも同一に解釈するのは無理があるように思います。

欲求が強い犬が優先される

多頭飼育の暮らしを覗いてみるとわかるかもしれません。

例えば、おやつを食べるときは先住犬のAだけど、頭を撫でられるのはB、おもちゃで遊ぶのは最後に加わったCがいつでも先。そういうようなことがあります。「すべてにおいて優先権をもった犬」は存在せず、そのことで争いが起こるということもあまりないようです。

これは群れを維持していくために必要な“平和主義”の犬の特長と言えるでしょう。

また、カーミングシグナルをはじめとするノンバーバルコミュニケーションや犬同士におけるルールなど、相手への配慮ができる生き物だから争いは起きないのですね。 自分よりも、相手がそれを「欲しがっている」と感じると譲ってあげる。

言い換えれば「それが好き」「それが欲しい」という執着心や欲求が強い方が手に入れるのです。

犬と人が信頼関係を結ぶのが肝心

多頭飼育では上下関係や順位付けを心配するよりも、まずはそれぞれの犬と信頼関係を築くことが重要になってきます。そして、犬の関係は犬に任せるのが理想的です。

そのためにも、私たちがするべきことは「家庭内のルール」をしっかり決めること。

ダメなコトといいコトをしっかり教え、必要な時には飼い主がしっかりコントロールしてあげる。そうすることで犬同士の諍いは避けられると思います。

ただ、どんな犬にも相性があり、ストレスの対象はさまざま。保護犬は「トライアル期間」がありますので、相性などをじっくり観察しながら答えをだすといいですよね。

ぶち犬さん、どうしょう。
少しは参考になったでしょうか。保護犬の選択を胸に素敵な出会いが生まれるといいですね。楽しいドッグライフをお過ごしください。

この記事はラジオ番組:radio café『犬とあなたと珈琲と。』(毎週金曜16:00~16:29/FM83.1Mhzレディオ湘南)の2022年9月16日放送分の内容を修正しました。

本記事は「こちら」から視聴可能。後半部分にお便りのコーナーがあります。
レディオ湘南は世界中どこからでもワンクリックで視聴可能です。
番組サイトにもぜひ遊びにきてください→『犬とあなたと珈琲と。』

◎『With a Dog』は犬の認知行動療法と飼い主のコーチングという“心理学を軸”としたドッグトレーニングを行う立場から、ヒトと犬の心と行動の関係についてお伝えしています。

文:白田祐子(しらたゆうこ)

うり店長のInstagramは『こちらから』
ル・ブラン湘南のInstagramは『こちらから』

白田祐子(しらたゆうこ)

プロフィール:日本心理学会認定心理士。ヒトと犬の心と行動カウンセリングラボ「ル・ブラン湘南」代表/ドッグカウンセラー。
1990年代から犬の行動や心理を独学し、保護施設などでしつけのボランティア活動を開始。現在のパートナーは2005年生まれの雑種の女の子で名前は“うり”。
大学で心理学を専門的に学び、人と犬の関係や犬の心の成長の研究を行い独自のメソッドを確立する。2013年にパーソナルドッグカウンセリングを開始。人と犬のパーソナリティを重視したコーチングは特に多くの女性に支持されている。

里親制度の普及や地域行政と連携した“犬のしつけ”相談業務など、教育、行政、法律と多方面で人と犬の問題に向き合っている。
愛玩動物飼養管理士、ホリスティックケア・カウンセラー、ペット災害危機管理士、小動物防災アドバイザー、猫防災アドバイザー他、ペット関連資格多数。2014年より神奈川県動物愛護推進員、湘南ビジョン大学講師。2019年よりFM83.1Mhzレディオ湘南にレギュラー出演中、2022年4月(毎週金曜16:00~16:30)から新番組『radio cafe犬とあなたと珈琲と。』がスタート。

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