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怖がりで散歩ができず可哀想

今回も心理士でドッグカウンセラーのしらたゆうこがパーソナリティを務めるラジオ番組“宝製菓presents radio café『犬とあなたと珈琲と。』”に寄せられたお便りにお答えします。

元繁殖犬だから?
撫でてあげてもダメです

今回のお便り:かおりさんからいただきました。
我が家の愛犬トコちゃん(マルチーズ5歳の女の子)は繁殖犬出身の保護犬です。うちに来て1年程経ちます。お散歩をしていて他に犬が来たり、大勢いの人が歩いて来たりすると怖がって尻込みするので可哀想でなりません。やはり元繁殖犬は社会を知らないので怖がりなのですね。すぐに足を止めてしまうのでお散歩も半分以上は抱っこです。「怖くないよ」と優しく撫でてあげますが、なかなか慣れません。何かいい方法はありますか。

はい。お散歩などで怖がる犬の対処法ですね。

その時の様子を実際に見てみないとピンポイントのアドバイスはできませんが、どのような状態でも共通して言える大切なことが1つあります。

それは、怯える犬に必要なのは「同情よりもサポート」ということです。

必要なのは同情よりも
前へ進む気持ち

かおりさんの言うように、繁殖犬の多くは外の世界を知らずに暮らしてきたので、ビクビクしてしまうと思います。トコちゃんの様子もとっても想像がつきます。そんな姿を見ると「可哀想」って守ってあげたくなりますよね。

でも、外の世界を怖がるのは繁殖犬だったからではありません。

外の世界に慣れていないから。
色々な出来事に対する経験が不足しているからと考えてみてはどうでしょう。

犬は今を生きる動物です。

トコちゃんは新しい暮らしを始めてもう1年ですよね。必要なことは、過去のことよりも「今を楽しむ」こと。

ですから「これまでやって来られなかったことに、いっぱいチャレンジして、楽しいコト、嬉しいコトを沢山見つけようね!」って、前進していく気持ち。そういうイメージを持つことが大事になります。

私がいるから大丈夫!

具体的には、他の犬と出会ったら「私がいるから大丈夫」とその場をリードします。

もし、かおりさんの中に「他の犬はちょっと怖いな」っていう気持ちがあるなら、そのままにしていてはいけませんよ。勇気をだして相手の飼い主さんに話しかけてみませんか?

「まだ慣れていなくて、大丈夫ですか?」と話しかけたら、「うちの子は吠えるかも」「平気ですよ!」など教えてくれるはずです。そうすると近所のワンちゃんの情報も知ることができますよね。

飼い主同士が穏やかに話せば、その場が友好的な雰囲気になって緊張がゆるみます。

自分自身が「大丈夫かな」「心配だな」とドキドキしていたら犬にも伝わりますから、まずは自分が安心すること。そうして、犬同士の様子を静かに見守ってあげる。

そのステップを焦らず、ゆっくり繰り返してみてはどうでしょう。

決して、すぐに抱き上げないでくださいね。

抱き上げてしまうと「犬」=「怖いもの」。
だから「抱き上げて助けてくれた」って間違った関連付けをしてしまいます。黙って優しく見守りながら、犬のコトは犬に任せてみるのです。

でも、全ては任せられない。
だから飼い主同士が声をかけあうことが重要なんですね。

同情は犬を不安にさせることも

人と犬はペアですよね。
気持ちも行動もリンクしていきます。

だからこそ、同情は優しさの一つかもしれませんが、時にその弱さが犬を不安にさせてしまうのです。

色々なことにチャンレンジできるように、犬が楽に生きられるように「保護者」から「サポーター」に変わる。そうすると、ワンコにも必ず変化が生まれるはずです。

かおりさん。どうでしょう。
少しは参考になったでしょうか。お散歩で顔なじみさんを作って、まずは飼い主同士が仲良くなることも大切。ぜひ、楽しいドッグライフをお過ごしください。

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この記事はラジオ番組:radio café『犬とあなたと珈琲と。』(毎週金曜16:00~16:29/FM83.1Mhzレディオ湘南)の2022年12月9日放送分を修正しました。

本記事は「こちら」から視聴可能。後半部分にお便りのコーナーがあります。
レディオ湘南は世界中どこからでもワンクリックで視聴可能です。
番組サイトにもぜひ遊びにきてください→『犬とあなたと珈琲と。』

◎『With a Dog』は犬の認知行動療法と飼い主のコーチングという“心理学を軸”としたドッグトレーニングを行う立場から、ヒトと犬の心と行動の関係についてお伝えしています。

文:白田祐子(しらたゆうこ)

うり店長のInstagramは『こちらから』
ル・ブラン湘南のInstagramは『こちらから』

白田祐子(しらたゆうこ)

プロフィール:日本心理学会認定心理士。ヒトと犬の心と行動カウンセリングラボ「ル・ブラン湘南」代表/ドッグカウンセラー。
1990年代から犬の行動や心理を独学し、保護施設などでしつけのボランティア活動を開始。現在のパートナーは2005年生まれの雑種の女の子で名前は“うり”。
大学で心理学を専門的に学び、人と犬の関係や犬の心の成長の研究を行い独自のメソッドを確立する。2013年にパーソナルドッグカウンセリングを開始。人と犬のパーソナリティを重視したコーチングは特に多くの女性に支持されている。

里親制度の普及や地域行政と連携した“犬のしつけ”相談業務など、教育、行政、法律と多方面で人と犬の問題に向き合っている。
愛玩動物飼養管理士、ホリスティックケア・カウンセラー、ペット災害危機管理士、小動物防災アドバイザー、猫防災アドバイザー他、ペット関連資格多数。2014年より神奈川県動物愛護推進員、湘南ビジョン大学講師。2019年よりFM83.1Mhzレディオ湘南にレギュラー出演中、2022年4月(毎週金曜16:00~16:30)から新番組『radio cafe犬とあなたと珈琲と。』がスタート。

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