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犬の去勢・避妊の意味

今回も心理士でドッグカウンセラーのしらたゆうこがパーソナリティを務めるラジオ番組“宝製菓presents radio café『犬とあなたと珈琲と。』”に寄せられたお便りのご相談にお答えします。

犬の発情サイクル

ご質問内容:7歳のオス犬を飼っています。お友達のメス犬がヒートすると家を出るなりその子の家まで猛烈な勢いで走っていきます。そしてその子が家から出てくるまで、いつまでも待ち続けるので困っています。なんだか可哀想な気持ちにもなります。犬の発情期っていつなのでしょう。H.K

はいH.Kさん。犬の発情サイクルについてのご質問ですね。
頑固に動かない、微かなニオイでも気づいて走り出す。大変ですよね。

お便りの「ヒート」とはメスの生理、発情のことですね。
メスのオオカミの発情期は春先に1回なのに対して、メス犬は季節に関係なく年に2回あります。オス犬はというと、発情中のメス犬のフェロモンに刺激されて、はじめて発情します。なので、避妊していないメス犬が近くに数頭いれば年中発情状態になってしまいます。これは結構大変ですよね。

病気の予防や発情期のストレス、そして不幸な命を増やさないためにも、去勢・避妊はとても大切なことです。

去勢・避妊はかわいそう?

去勢・避妊しない理由として、「自然な状態でいさせたいから」という声をよく耳にします。

でも、本当にそうでしょか。
ほとんどの犬は人工的に改良されて私たち人間と暮らして、そして繁殖の機会はありません。果たしてそういう状態がすでに自然と言えるのか…。

そう言うと多くの方は次に「病気じゃないのに体を切るなんて、手術をするなんて!」と仰います。確かにそうかもしれませんね。私も愛犬の避妊手術のときは一緒にお腹が痛くなりました。

でも、犬に多い病気にはオスは前立腺肥大。メスは子宮蓄膿症があります。

オス犬は高齢になると「ほとんどの犬が前立腺肥大になる」と言われほど発症率が高く、メス犬の婦人科の病気も同様だそうです。高齢になると手術のリスクは高まります。

ですから、発症率の高い「病気の予防」と「かわいそう」という気持ちを天秤にかけて、どちらが犬のために良いかを検討することが大切だと思います。

事故の危険や災害時にも

それから、発情中の雌を追いかけて、道路に飛び出して事故に遭う。ヒートに気づかずにドッグランを利用してしまって妊娠してしまった。このような予想外の事故も実際に起きています。また、災害時の避難所ではヒート中の犬の受け入れは難しいと思っていた方がいいでしょう。

災害時に多くの犬が逃げ出し、はぐれてしまったとき、未避妊の犬はどうなるでしょう…。

動物の福祉という考え方

未去勢・未避妊は、その重要性を「知らなかった」という方が多いように思います。

うっすら知っていても「なんだか、かわいそう」という気持ちが優先してしまう。
このような「かわいそう」や「可愛い」という動物愛護の精神はかけがえのない大切なものです。

でも、これからはプラスアルファで動物の福祉という考え方も必要かもしれません。

精神的にも肉体的にもストレスがなく、快適な環境で過ごせ、周囲と調和しているか。動物の幸福感を“感覚的”ではなく“科学的データ”を基に詳らかにしていく。動物を主体として考えていくのが動物の福祉のあり方です。

このような動物の福祉の観点から避妊や去勢を考えてみると、どのような答えが見えてくるでしょう。

愛犬を大切な家族と思うのであれば、愛護と福祉両方の観点から幸せを考えてあげる。そういうことも「大切だよね」って思っていただけるとうれしいです。

この記事はラジオ番組:radio café『犬とあなたと珈琲と。』(毎週金曜16:00~16:29/FM83.1Mhzレディオ湘南)の2022年7月8日放送分の内容を修正しました。

本記事は「こちら」から視聴可能。後半部分にお便りのコーナーがあります。

レディオ湘南は世界中どこからでもワンクリックで視聴可能です。
番組サイトにもぜひ遊びにきてください→『犬とあなたと珈琲と。』

◎『With a Dog』は犬の認知行動療法と飼い主のコーチングという“心理学を軸”としたドッグトレーニングを行う立場から、ヒトと犬の心と行動の関係についてお伝えしています。

文:白田祐子(しらたゆうこ)

うり店長のInstagramは『こちらから』
ル・ブラン湘南のInstagramは『こちらから』

白田祐子(しらたゆうこ)

プロフィール:日本心理学会認定心理士。ヒトと犬の心と行動カウンセリングラボ「ル・ブラン湘南」代表/ドッグカウンセラー。
1990年代から犬の行動や心理を独学し、保護施設などでしつけのボランティア活動を開始。現在のパートナーは2005年生まれの雑種の女の子で名前は“うり”。
大学で心理学を専門的に学び、人と犬の関係や犬の心の成長の研究を行い独自のメソッドを確立する。2013年にパーソナルドッグカウンセリングを開始。人と犬のパーソナリティを重視したコーチングは特に多くの女性に支持されている。

里親制度の普及や地域行政と連携した“犬のしつけ”相談業務など、教育、行政、法律と多方面で人と犬の問題に向き合っている。
愛玩動物飼養管理士、ホリスティックケア・カウンセラー、ペット災害危機管理士、小動物防災アドバイザー、猫防災アドバイザー他、ペット関連資格多数。2014年より神奈川県動物愛護推進員、湘南ビジョン大学講師。2019年よりFM83.1Mhzレディオ湘南にレギュラー出演中、2022年4月(毎週金曜16:00~16:30)から新番組『radio cafe犬とあなたと珈琲と。』がスタート。

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