ブログ

  1. HOME
  2. ブログ
  3. ラジオカフェ
  4. 犬とあなたと珈琲と。Vol.20 矢部 香織
 

犬とあなたと珈琲と。Vol.20 矢部 香織

聞逃し配信中
ミキサー:レディオ湘南 高橋優佳

宝製菓presents radio café『犬とあなたと珈琲と。』FM83.1MHz レディオ湘南(毎週金曜 16:00~16:29)放送中

湘南の海を見下ろす、小さなコーヒーショップ「TAKARA CAFÉ」。ここで“宝物”の話をすると探し物が見つかるとか?…オーナーは心理士でドッグカウンセラーのしらたゆうこ。店長はカフェオレ色の愛犬“うり”。美味しい珈琲を飲みながら、お客様との会話に耳を傾けてみませんか。

今回のお客様は行政書士の矢部香織さん。矢部さんの宝物は愛猫の“うさお君”と“うさこちゃん“。子供の頃、映画『仔猫物語』を観てから白猫は特別な存在。そんな白猫ちゃんと保護猫カフェで「運命の出会い」を果たします。小さい頃から猫と暮らすために家を買おうと思っていたと語る矢部さん。そのために働く。高校を途中で辞めしっかりと地に足をつけ個人事業主として働き、現在は行政書士の道へ。「沢山の保護された猫たちと暮らしたい。そのためにはもっと大きな家が必要。だから働いていると言っても間違いじゃありません」。シンプルな人生目標と猫愛が心地よく響きました。


――こんにちは!いらっしゃいませ。

矢部香織さん(以下 矢部):こんにちは、行政書士の矢部香織と申します。

――香織さんですね。友達からお話しは聞いていました。はじめまして。
矢部:はじめまして。今日はうり店長にも会いたくて、近くに来たので寄ってみました。

――ありがとうございます。お待ちしておりました。
矢部:素敵なお店ですね。うりちゃん、こんにちは。

想いをカタチに。
それが遺言書

――香織さんは行政書士さんですよね。行政書士は「身近な街の法律家」とよく言われます。法律系の国家資格の中でも特に業務内容が幅広くて、より生活に密着したサービスを提供していると聞いています。

矢部:そうですね。行政書士の業務内容は幅広くて作成できる書類は1万通りあると言われています。ただ、行政書士全員が1万通りの業務をできるわけではないですね。その中でも大きく許認可申請と民事法務に分けることができます。

――それぞれ専門分野を持って棲み分けできるんですね。香織さんはどのような事を専門にされていますか。

矢部:私は2016年に「矢部かおり行政書士事務所」を開設しまして、遺言・民事信託・遺産整理業を専門にしています。

――遺言や民事信託…いわゆる“終活”という部分でしょうか。遺言などを専門にされたのは何か理由が?

矢部:一番の理由は“もめない相続”を実現するためです。日本の相続は、昔は家督相続と言って長男が相続するのが当たり前のようになっていたので、家族間でもめる事は少なかったです。でも、現在は家族全員が自分にも相続する権利があると主張します。 また、親の介護をした子には「他の子よりも財産を相続させたい」と口約束をしていたとしても、遺言書がなければその想いを実現させることは難しいです。

いくら想いがあってもそれを遺言書としてカタチにしないと実現することはできません。そのようなことが起こらないように遺言書を専門にすることにしました。

男性の方が
遺言書を残さない?


――私の周りにも40代、50代で既に遺言書を作成している友達もいます。多くのお客様と向き合うなかで、何か傾向のようなものを感じることはありますか。

矢部:印象に残っているケースでいうと、どの遺言書も印象に残っています。お客様がどのような状況で、なぜ遺言書を残すことにしたのか。それはお客様それぞれ違いますので、遺言書は唯一無二の物だと思っています。その中でも強く印象に残っているのは、男性が残される遺言書です。日本は先進国の中でも遺言書を残す件数が少なく、その中でも男性が残すケースは少ないんです。理由としては男性が先にお亡くなりになった場合、配偶者が残っていますので「一旦は配偶者が全部相続するだろう」と遺言書を残す必要性を感じてないことが多いからです。

それから、男性は死という現実を考えたくない傾向がありますね。男性が遺言書を残すというのは、過去にご自身が相続で辛い経験をしたり、家族に対して残さないといけない事由があったりする場合なので本当に奥が深いです。特に配偶者に向けられた遺言書は感動的な内容が多いです。長年連れ添った想いなどが書かれていて素敵ですよ。

――なかなか普段の生活の中で家族や配偶者に感謝の気持ちを伝えることってないですものね。気持ちを一旦リセットして、ゆっくりと自分の人生に向き合う。そういう時間としても、とても大切なことだって思います。

自分の力で
生きていきたい!

――香織さんが行政書士を目指すこととなったきっかけはなんでしょう。

矢部:高校の頃に見た海外ドラマです。主人公が女性の弁護士で可愛くて更に歌も唄える。それを観て“歌って踊れる弁護士”に凄く憧れていたんです。

――もしかして『アリーマイラブ』? 
矢部:そうです(笑)

矢部:ただ、憧れはあったんですが「その道に進もう」とまでは思ってはいなかったんですね。というのも、高校になる頃には既にアルバイトをしていて「早くお金をためて、自分の力で生きていきたい」と思っていたんです。そうしたら「学校に行く意味ってあるのかな?」って思えてきて、学校も中退したんです。家族と仲が悪かった訳ではなかったので、その話を親に伝えたときはもちろん反対されましたが、私は一度決めたら結構貫くタイプなので親も理解してくれました。その後、行政書士の試験に合格するまでの15年間はアロマインストラクターの個人事業主として仕事をしていました。

――アロマインストラクターはエスティシャンのようなお仕事ですか。

矢部:そうですね。はい。

諦めない気持ちが
一番大事


――全く違う畑からの転身なんですね。すごいですね。

矢部:はい。30になった頃、自分のお店を持つか、それとも子供の頃に憧れていた弁護士になるか迷ってはいたんですが、さすがに弁護士は難しいなと思いました。私、子供の事から民法が好きだったのもあったので、行政法をなんとか頑張れば大丈夫かなと思って行政書士の試験にチャレンジしました。

――スムーズでしたか?

矢部:仕事をしながら勉強をしていましたので色々大変でしたが、2年目でなんとか合格することができました。

――働きながらの勉強は本当に大変だったと思います。合格するための「コレ」というものはありましたか。

矢部:そうですね。一番はやっぱり“諦めない気持ち”ですね。仕事を終えて帰宅して集中して勉強をしていたんですけど、試験の3か月前くらいからは睡眠時間が3時間とかでした。それから「受験する」ということを周りの誰にも言ってなかったんですね。言ってしまうと、何となく「そんな今更」とか「無理じゃない」など、ネガティブな言葉を言われそうな気がしたので、自分の目指すところだけを見て進んできました。

――確かにそれいいですね。周りには「えー」とか言う人がいるかもしれませんものね。全くの畑違いから6年前に始めて、今は専門家として活躍されて、ステップアップできた秘訣はありますか。

矢部:専門性をとにかく出して、そこからブレなかったことだと思います。


矢部:ところで『TAKARA CAFÉ』で話をすると「願いが叶う」って聞いたんですけど、お店の名前も面白いですよね。

――ありがとうございます。ここで宝物の話をしたら、失くした宝物が見つかったり、新しい宝物に出会えたりする、そんな場所になるといいなと思って付けたんです。

矢部:素敵な由来ですね。本当に宝探しですね

――ありがとうございます。もしよかったら宝物の話きかせてください。

匹の白猫が
心を正してくれる


――香織さんの宝物はなんですか。

矢部:猫の“うさお”と“うさこ”です。

――猫なのに“うさお君”と“うさこちゃん”なのね。今一緒に暮らしている猫ちゃんですか?

矢部:そうです。この2匹の白猫なんですが、実は保護猫カフェで出会ったんですね。私が猫を好きになったきっかけは子供の頃に観た映画の『仔猫物語』なんです。その映画は茶虎と白猫が主役で、私にとって白猫は特別な存在だったので白猫を見た瞬間「運命」だと感じました。

――本当に真っ白で本当にうさぎさんみたいですね。

矢部:そうなんです。うさぎみたいに真っ白だったので、名前もこれは“うさこ”しかないと思って付けまして、次は雄猫だったので“うさこ”ときたら“うさお”かなって思って付けたんです。今思うとネーミングセンスはないですよね…(笑)私にとって猫は自分を正してくれるような存在なんです。18歳で家を出て、そこから猫を飼い始めているんですけど、猫を飼えばしっかり世話をしないといけないですし、餌代や病院費も掛かります。ペットが飼えるマンションは家賃も高めなのでお金が本当にかかります。

なので、本当に「猫のため」に仕事をしていました。色々大変なことありましたが、猫の存在がなければ18という年齢で好き勝手な生活を送っていたと思うんですよね。だから、今思うと、私が猫を育てたのではなく、多分逆に私を育ててもらったんじゃないかなと思っています。

――とても共感できます。私が犬と暮らし始めたのは香織さんより、もう少し後でしたが、犬の場合は散歩をしないといけない、長い時間留守番はさせられない、しっかり面倒をみないと困った行動も起き始める。私も犬に育てられたと思っています。

猫と暮らすために
稼いで家を買う!


――香織さんはもともと猫派だったんですか。

矢部:はい。子供の頃は家で猫を飼える環境ではなかったので、始めて猫と暮らしたのは実家を出て少しした18歳の時でした。それまでは野良猫を⾒つければ眺めたり、追いかけていって何時間も家に帰らないこともありました。「猫を飼うには⾃分で家を買わないといけないんだな」と、家を買うことを⽬標にしてたぐらい猫を飼うのが夢だったんです。

――猫のために稼がねば!現実的な目標ですよね。猫と暮らし始めた時は嬉しかったでしょう。

矢部:本当にそうですね。最初の夢が叶ったっていう気持ちでした。その後事情があって引っ越しをしないといけなかったので、一旦実家に預けたんですけど、母がその猫のことを私だと思って可愛いがってしまって「もう返さない」ってなってしまい、その子はそのまま実家の子になっちゃいました。でも、その後、スコティッシュフォールドを飼い、その後もう1匹飼って、保護猫カフェで“うさお”と“うさこ”が来たので一時期4匹いました!

――“うさお君”と“うさこちゃん”は保護猫カフェで出会ったと仰っていましたが、動物の保護活動に興味はありますか。

矢部:あります。ただ、保護活動に参加するからには継続することが大事だと思っています。でも私には今その力はないので、自分がどういうカタチで参加していけるのか、協力できるのかを考えているところです。本当は自宅でもっと猫を保護したいと思っているので、そのためにはもっと広い家が必要になります。だから「そのために働いている」って言っても間違いじゃないかもしれません。

努力と同じくらい
“運”も大事


――そういえば神社が好きって聞きました。

矢部:神社大好きです。先ほども話したように私は18歳から個人事業主として働いているので、努力も大事なんですが、それと同じぐらい運も大事だと思って神社に行っていました。神社に行くと気持ちが落ち着きますし、なぜだか神社って猫が多いんですよね。


――本当に神社と言えば猫ですよね。あれはどうしてなんでしょう?落ち着くからですか?

矢部:住職さんには猫好きの方が多いですね。

――可愛がってもらえるんですね。香織さんお気に入りの神社はありますか。

矢部:猫がいる神社でお気に入りなのは、虎ノ門にある『愛宕神社』ですね。そこは猫と“うり”ちゃんみたいな犬もいます。

――柴犬?雑種かな?狛犬じゃなくて、本物の犬なんですね。

矢部:多分…(写真下がそのワンコ)


――多分?(笑)愛宕神社は東京23区の自然の山としては一番標高が高いとされていますよね。確か86段の急な階段『出世の石段』。別名男坂は上りますか?

矢部:上ります。あれは必ず上ります。

――運動とかされていた?もともと
矢部:いえ、私は吹奏楽部で…吹奏楽部も運動みたいなものなんですけど(笑)。その階段を上る時って、だいたい仕事の途中で虎ノ門に用事のある時ですのでハイヒールなんですけど、ハイヒールで上ります。

――すごい!それはもう強運がついていると思います。さて、ここで一息、何かお好きな曲をおかけしましょうか。

矢部:ありがとうございます。今日は私が昔好きだった『アリーマイラブ』のお話しがでてきたので、アリーが落ち込んでいるときに…アリーって幻想が見えるんですよね(笑)その時に目の前で歌ってくれるのがアルグリーン。今日はその曲を流していただけたらと思います。『How Can You Mend a Broken Heart』(楽曲はYouTubeにリンクされています)。

子供の頃の宝物を
取り戻していきたい


――今探している宝物はありますか。

矢部:好きなことを取り戻す時間です。私は来月40歳になりますので、ちょうど人生の折り返し地点かなって感じているんですけど、それで「人生の後半戦は好きな事だけをもう一度やりたい」って思っています。それも子供の頃にやっていたこと、好きだったことをやりたいと思っていまして、手始めにピアノの再練習を始めています。子供の頃、好きだったもの、まさしく『宝物』だったはずのものをゆっくり思い出しながらそれをまたやってみる。そういう「好き」な時間をまた取り戻していければって思います。

――素敵。ますますの活躍を私も応援しています。今日はお話しを聞かせていただいたお礼にもう一杯いかがでしょうか。
矢部:もう一杯。ぜひお願いします。

――ごゆっくりお過ごしくださいませ。
矢部:はい。のんびりしていきます。

矢部かおり行政書士事務所のHPは「こちら」です。
番組サイト⇒『犬とあなたと珈琲と。』

インタビューと文:白田祐子(しらたゆうこ)

うり店長のInstagramは『こちら』。ルブラン湘南のInstagramは『こちら』

白田祐子(しらたゆうこ)

プロフィール:日本心理学会認定心理士。ヒトと犬の心と行動カウンセリングラボ「ル・ブラン湘南」代表/ドッグカウンセラー。
1990年代から犬の行動や心理を独学し、保護施設などでしつけのボランティア活動を開始。現在のパートナーは2005年生まれの雑種の女の子で名前は“うり”。大学で心理学を専門的に学び、人と犬の関係や犬の心の成長の研究を行い独自のメソッドを確立する。2013年にパーソナルドッグカウンセリングを開始。人と犬のパーソナリティを重視したコーチングは特に多くの女性に支持されている。

里親制度の普及や地域行政と連携した“犬のしつけ”相談業務など、教育、行政、法律と多方面で人と犬の問題に向き合っている。愛玩動物飼養管理士、ホリスティックケア・カウンセラー、ペット災害危機管理士、小動物防災アドバイザー、猫防災アドバイザー他、ペット関連資格多数。2014年より神奈川県動物愛護推進員、湘南ビジョン大学講師。2019年よりFM83.1Mhzレディオ湘南にレギュラー出演中。

関連記事

カテゴリー

  • ラジオカフェ
  • 犬の心理
  • 講演・イベントレポート
  • お悩み相談
  • 犬と暮らす
  • 日々のあれこれ
  • うりパイセンの独り言
  • 湘南しっぽラジオ
//サムネイルを取得 //ここから構造化データの記述