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犬の散歩が“もっと”楽しくなるポイント4つ #2

前回に引き続き、愛犬の正しい交流を助けてあげながら、飼い主さん自身も気持ちが楽になり、散歩がもっと楽しくなる4つのポイントをお伝えします。どれも基本的なことばかりですがとても大切なポイントです。

前回の記事→『犬の散歩が“もっと”楽しくなるポイント4つ #1』

犬の交流をサポートしよう!

ポジティブな言葉を使って交流を楽しむ

もし愛犬が他の犬を苦手にしているなら、あなたが他の犬に対して友好的な感情を持っていることを日頃から伝えてあげることが大切です。例えば他の犬を見た時、穏やかな口調でポジティブな言葉を声に出してみましょう。「可愛い子がきたね」「優しそうだね」など、自分自身がリラックスでき、笑顔になれる言葉を選びます。声には感情が現れるので、あなたの心が言葉を通じて犬に伝播するのです。

何事もなく通り過ぎたり、挨拶をしたりした後は「良かったね」「楽しいね」「上手だね」などの言葉をかけてあげましょう。その繰り返しで「他の犬に会うこと」=「優しく幸せな気持ちになれること」と関連付けされていきます。*あなたとあなたの犬が幸せな気持ちになれる“魔法の言葉”を見つけましょう*

人はそれが良い方法だと思っていても、なかなか実行できないこともあります。少し面倒とか、恥ずかしいと感じたりすることもあるかもしれません。でも、あなたの気持ちが愛犬に影響を与えていることを忘れないでほしいのです。くれぐれも「怖いね、怖かったね」など、気持ちがマイナスになる言葉は控えるようにしてくださいね。

犬を信じて今と向き合う

犬を連れた人と出会ったとき、どちらかの犬が近づこうとしたり歩みを緩めたりするなど、気にかけている様子が見られたら、立ち止まって機会を与えてあげましょう。ネガティブな部分ばかりに目を向け過ぎないことも大切です。飼い主の都合でせっかくのチャンスを奪わないようにしてあげたいものです。また、犬には犬のルールがあるため、犬だけの時間を尊重してあげることはとても大切です。あれこれ話しかけたり手を出したりせず、静かに見守ってあげることも大事です。

「いつも上手くできないから、今日もダメ」「きっと失敗する」と決めつけて行動をすると、その通りの結果になるものです。大切なのは*目の前の状況に向き合い、良いイメージを持つこと*。そして〝先入観を捨て、犬を信じ行動を犬に任せてみる“ことも、時には大切だと思います。

交流のときに大切なこと

終わりのタイミングを見極める

フレンドリーな子にしたいからと、犬のリズムを無視して無理に他の犬へ近づけることは、逆に犬を苦しめることに繋がります。また相手の犬がおとなしくても、顔を背けるなどして「今は嫌」と意思を伝えていることもあります。愛犬が喜んでいるからといって交流を続けさせては、相手の犬にストレスを与えます。成功体験で終わらせられるよう、遊びや挨拶の“終了のタイミング”を見極めるのは飼い主の腕の見せどころです。お互いが「良かったね」と*楽しい気分で終わらせることが大切*です。

友好的なだけが正しい行動選択ではない

あなたの犬が「気が合わない」「交流を避けたい」と感じた犬と出会ったとき、落ちついてやり過ごす回避行動(スルー)をとれるようであれば、それは正しい判断をしている証しです。回避行動が続いていても心配する必要はありません。そのうち近づきたいと思える犬に必ず出会えるものです。心を許せる仲間がいる一方でうまく交流できない相手がいるのは、私たちも同じですよね。一生のうちにお互いが穏やかに触れ合うことのできる「親友」と呼べるような犬が1、2頭できればいい。それだけでとても幸せなことではないでしょうか。

おわりに

犬と暮らし犬と付き合うということは、人と犬のプライベートな関係だけではなく「人と人」や「人と社会」といったパブリック(公的)な関係も背負うことになります。そこではさまざまな努力を求められるのも事実です。でも、その努力は犬を幸せにするだけではなく、それまで縁のなかった習慣や考え方などに出会うきっかけにもなります。〝犬との暮らしの先には人としての成長や新たな幸せが待っている“と考えることができると素敵ですよね。

◎『With a Dog』は犬の認知行動療法と飼い主のコーチングという“心理学を軸”としたドッグトレーニングを行う立場から、ヒトと犬の心と行動の関係についてお伝えしています。

文:白田祐子(しらたゆうこ)
この記事は初出2017年6月19日『犬の心を育む3~毎日の散歩が“もっと”楽しくなるポイント4つ』(「犬のココカラ」掲載)を大幅に加筆・修正しました。

Instagram:@doggy_uri
      @ル・ブラン湘南

白田祐子(しらたゆうこ)
プロフィール:公益社団法人日本心理学会認定心理士。ヒトと犬の心と行動カウンセリングラボ、ル・ブラン湘南代表。1990年代から犬の行動や心理を独学し、保護施設などでしつけのボランティア活動を開始。現在のパートナーは2005年生まれの雑種の女の子で名前は“うり”。大学で心理学を専門的に学び、人と犬の関係や犬の心の成長の研究を行い独自のメソッドを確立する。2013年にパーソナルドッグカウンセリングを開始。人と犬のパーソナリティを重視したコーチングは特に多くの女性に支持されている。里親制度の普及や地域行政と連携した犬のしつけ相談業務など、教育、行政、法律と多方面で人と犬の問題に向き合っている。愛玩動物飼養管理士、ホリスティックケア・カウンセラー、ペット災害危機管理士、小動物防災アドバイザー、猫防災アドバイザー他、ペット関連資格多数。2014年より神奈川県動物愛護推進員、湘南ビジョン大学講師、2019年よりFM83.1Mhzレディオ湘南にレギュラー出演中。

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