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ハーネス装着時に逃げ回るのなぜ?


今回も心理士でドッグカウンセラーのしらたゆうこがパーソナリティを務めるラジオ番組“宝製菓presents radio café『犬とあなたと珈琲と。』”に寄せられたお便りのご相談にお答えします。

毎回なので大変…

ご相談内容:ドーナッツパーティさんよりいただきました。
我が家の犬は散歩に行こうと言うと喜びます。でも、ハーネスを着けようとすると家じゅうを走り回るのでなかなか着けられません。散歩は大好きなので一度着けてしまうとルンルンで歩きます。外す時もスムーズです。着けるときだけ逃げるのは何か理由があるのでしょうか。毎回なので大変です。

🐾🐾🐾

早くお散歩に出たい時だと「あーもー!」ってなっちゃいますよね。逃げ回っている時の状態が把握できないので一概には言えませんが、次の3つの原因のどれかに当てはまるように思います。

手足の痛み

1つ目は手足の痛みです。
ハーネス装着時、前脚を持ち上げていませんか?その時に関節が痛いから嫌がるというケースは割とあります。特に小型犬に多いです。病院で検査をしてもわかない事が多いので、日頃から手を持ち上げても嫌がらないか観察してみてください。

興奮状態の習慣化

2つ目は興奮状態の習慣化です。
リードやハーネスを見た瞬間、犬は「わー!お散歩だ!」って気分が高まりますよね。そこでリードをスムーズに装着しないと、ジッと待っていられない子は一旦その場から離れることが多いと思います。

その時、「ほらほら!こっちに来て」など大きな声を出したり、追いかけたりするとどうでしょう。『ハーネス』=『大興奮』または『ハーネス』=『鬼ごっこ』の合図となり、そのまま関連付けされ、習慣化します。最初にそういう対応をしていなかったか思い出してみましょう。

ハーネス=嫌な気分

3つ目はハーネスと嫌な感情の関連付けです。
ハーネスを装着するときに「早くしなさい」って怖い声で言われたりすると『ハーネス』=『嫌なこと』と、関連づけされてしまいます。あるいは、背中でカチッとはめるときに、毛や皮膚を挟んでしまうなど、痛い思いをさせてしまった経験も同様。『ハーネス』とネガティブな感情が結びつき、装着を嫌がるようになります。

ハーネスの形状を見直そう

今回は以上の3つの原因を考えてみました。
このように見ていくと、最初に取り組むべきことは「ハーネスの見直し」です。今のハーネスはどのような形状でしょう。前脚を持ち上げて通さないと装着できない形じゃありませんか?このようなタイプはスムーズに装着しにくいように思います。原因はこの”もたつき”かもしれません。

留め具を外して開き、横向きに置くとアルファベットの「H」や「X」になるもの(首を通してから胴回りを留めるカタチ)を選ぶと、前脚を持ち上げて通す必要はなく、立たせたままの状態で素早く簡単に装着できますので探してみてくださいね。

正しい行動を覚えさせよう


次に必要なのは正しい行動の習慣化です。
犬が騒ぎ出したら「じゃあ辞めた」とハーネスを置き、一旦椅子に座るなどしましょう。

ハーネスを装着しないと散歩に行けないことは犬も理解していますから、自分の行動をコントロールする練習になります。しばらく経過し、 大人しくしたら素早く装着して褒めます。それを繰り返す事で散歩に行くときの正しい行動は“静かにハーネスを着ける”ことだと学んでいきます。

おやつも効果的に使う

いやいや、そんな時間も根気も私にはありません!という方は、仕方がないので奥の手を使いましょう。

先ほどすすめた形状のハーネスの“首を通す部分”から手を出しておやつを見せます。そしておやつを「パクっ」としたときに、腕からそのまま首にスッとスライドさせます。あとは胸周りを止めるだけですから、素早く装着完了。そのうちおやつを使わなくても自分から首を通すようになるでしょう。

ドーナッツパーティさんどうでしょう。
少しは参考になったでしょうか。素早く外に出られるかどうかは、災害時のキーポイントでもあります。ぜひ練習してみてくださいね。

この記事はラジオ番組:radio café『犬とあなたと珈琲と。』(毎週金曜16:00~16:29放送中)FM83.1Mhzレディオ湘南の2022年6月3日放送分の内容を一部修正したものです。

本記事は「こちら」から視聴可能。後半部分にお便りのコーナーがあります。
レディオ湘南は世界中どこからでもワンクリックで視聴可能です。
番組サイトにもぜひ遊びにきてください→『犬とあなたと珈琲と。』

◎『With a Dog』は犬の認知行動療法と飼い主のコーチングという“心理学を軸”としたドッグトレーニングを行う立場から、ヒトと犬の心と行動の関係についてお伝えしています。

文:白田祐子(しらたゆうこ)

Instagram:@doggy_uri
      @ル・ブラン湘南

白田祐子(しらたゆうこ)

プロフィール:日本心理学会認定心理士。ヒトと犬の心と行動カウンセリングラボ「ル・ブラン湘南」代表/ドッグカウンセラー。
1990年代から犬の行動や心理を独学し、保護施設などでしつけのボランティア活動を開始。現在のパートナーは2005年生まれの雑種の女の子で名前は“うり”。大学で心理学を専門的に学び、人と犬の関係や犬の心の成長の研究を行い独自のメソッドを確立する。2013年にパーソナルドッグカウンセリングを開始。人と犬のパーソナリティを重視したコーチングは特に多くの女性に支持されている。

里親制度の普及や地域行政と連携した“犬のしつけ”相談業務など、教育、行政、法律と多方面で人と犬の問題に向き合っている。愛玩動物飼養管理士、ホリスティックケア・カウンセラー、ペット災害危機管理士、小動物防災アドバイザー、猫防災アドバイザー他、ペット関連資格多数。2014年より神奈川県動物愛護推進員、湘南ビジョン大学講師。2019年よりFM83.1Mhzレディオ湘南にレギュラー出演中、2022年4月(毎週金曜16:00~16:30)から新番組『radio cafe犬とあなたと珈琲と。』がスタート。

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