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一緒に寝ないと夜鳴きするように…

白い寝具の上で丸まって眠る白黒の小型犬

心理士でドッグカウンセラーのしらたゆうこがパーソナリティを務めるラジオ番組、宝製菓presents radio café『犬とあなたと珈琲と。』に寄せられたお便りにお答えします。

万が一のために
ケージで寝られるよう練習したけれど…

今回のお便り:パン好きさんからいただきました。
祐子さん、うり店長こんにちは。11歳のヨーキーと暮らしています。ずっと寝室で一緒に寝ていましたが、年齢を重ねるごとに「万が一の時、一匹で寝られなかったらより辛い思いをするのでは」と思い、心を鬼にして練習を繰り返し、やっとリビングのサークルで一人寝できるようになりました。

ところが、半年ほど前に心臓の病気で入院をしてから、一緒に寝たいと夜鳴きをするようになりました。留守番はこれまで通りちゃんとできます。悲しそうに鳴くので一緒に寝てあげたいのですが、また入院をすることがあったら「余計寂しがるのでは」という心配や、せっかく一匹で眠れるようになった「苦労が水の泡」になるという色々な気持ちが入り混じり、どう接するといいのか分からなくなりました。祐子さんはどう思いますか。

パン好きさんありがとうございます。1人寝できなくなった愛犬への接し方というご相談ですね。

まずは素晴らし!
万が一の時を考えて、サークルで寝られるように練習をされたとのこと。途中でくじけそうになったこともあったのではないでしょうか。それでも「この子のため」って覚悟されて取り組まれたのでしょうね。

シニアの
心細さもあるのでは?

私はパン好きさんの「今の気持ち」を大切にすることが、一番いいのではないかと思います。

ワンちゃんは11歳ですよね。小型犬ですから、まだまだ元気な姿を見せてくれると思いますが、犬と一緒に暮らすために与えられた「神様からの時間」は減っていくばかりです。

もし、お別れのときが来たとき「悲しそうな声に応えてあげられなかった…」って。そんな想いを胸に抱えて生きていくのは、とても苦しいことなのではないでしょうか。

犬も年を重ねていくと、できていことができなくなって、だんだん自信もなくなって、なんだか心細いと感じていくもの。入院をして離れていた時間もあるんですよね。安心できる家族や仲間に近くにいてほしい、何か起きた時のために守ってもらいたいと感じるのは、自然なことだと思うのです。

どんな時間が大切か。
比べてみる

特にヨークシャー・テリアは「コンパニオン・ドッグ」を用途として改良された犬種ですから、より人間の近くにいたいと感じる傾向にあります。

入院するかもしれないという「限定的な時間」と「穏やかな毎日の時間」。

11歳の我が子にどちらの時間が大切なのか…というところに、視点を向けてみてはどうでしょう。それに、もっと年を重ねていくと、介助が必要になって、結局、ずっと一緒に寝る日々が来るかもしれません。

ですので。今、自分が「してあげたい」と思う気持ちに従う。それが、最善の答えなのではないかと私は思います。

どうでしょう。パン好きさん。
少しは参考になったでしょうか。一緒に寝ることを再開しても「留守番が出来なくなった」なんてことも、まずないと思います。

「大丈夫?寂しくない?」って声をかけると不安感が伝わって、行動が変化してしまいます。これまで通りに接すること。「寝て待っていれば、ママはちゃんと帰ってくる」。そういう素晴らしい信頼関係ができているのですから、これからも素敵な関係を続けていってください。また、お便りお待ちしております。

この記事はFM831レディオ湘南:radio café『犬とあなたと珈琲と。』
(第1.第3土曜16:00~16:29放送)2023年12月2日放送分を加筆修正しました。

本記事は「こちら」から視聴可能。
レディオ湘南は世界中どこからでもワンクリックで視聴可能です。
番組サイトにもぜひ遊びにきてください『犬とあなたと珈琲と。』

◎『With a Dog』は犬の認知行動療法と飼い主のコーチングという“心理学を軸”としたドッグトレーニングを行う立場から、ヒトと犬の心と行動の関係についてお伝えしています。

文:白田祐子(しらたゆうこ)

うり店長のInstagram
ル・ブラン湘南のInstagram

白田祐子(しらたゆうこ)

プロフィール:日本心理学会認定心理士。ヒトと犬の心と行動カウンセリングラボ「ル・ブラン湘南」代表/ドッグカウンセラー。
1990年代から犬の行動や心理を独学し、保護施設などでしつけのボランティア活動を開始。現在のパートナーは2005年生まれの雑種の女の子で名前は“うり”。
大学で心理学を専門的に学び、人と犬の関係や犬の心の成長の研究を行い独自のメソッドを確立する。2013年にパーソナルドッグカウンセリングを開始。人と犬のパーソナリティを重視したコーチングは特に多くの女性に支持されている。

里親制度の普及や地域行政と連携した“犬のしつけ”相談業務など、教育、行政、法律と多方面で人と犬の問題に向き合い、犬専門雑誌の監修や執筆も行う。
愛玩動物飼養管理士、ホリスティックケア・カウンセラー、ペット災害危機管理士、小動物防災アドバイザー、猫防災アドバイザー他、ペット関連資格多数。湘南ビジョン大学講師。2014年より神奈川県動物愛護推進員。2019年よりFM83.1Mhzレディオ湘南にレギュラー出演、2022年4月から新番組『radio cafe犬とあなたと珈琲と。』がスタート。

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