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犬とあなたと珈琲と。Vol.24

聞逃し配信中
ミキサー:レディオ湘南 高橋優佳

宝製菓presents radio café『犬とあなたと珈琲と。』

FM83.1MHz レディオ湘南(毎週金曜 16:00~16:29)放送中

湘南の海を見下ろす、小さなコーヒーショップ「TAKARA CAFÉ」。
ここで“宝物”の話をすると探し物が見つかるとか?…
オーナーは心理士でドッグカウンセラーのしらたゆうこ。
店長はカフェオレ色の愛犬“うり”。
美味しい珈琲を飲みながら、お客様との会話に耳を傾けてみませんか。

今回のお客様は“江ノ電もなか”で親しまれている和菓子司『扇屋』の若おかみ杉並夏子さん。創業200年の歴史を持つ「扇屋」は、その昔、日蓮宗の本山でもある地元龍口寺の境内で茶店を開いていました。江戸の時代から江の島詣の人々の憩いの場所だったことでしょう。今は江ノ電博物館のような店先でご主人の作るお菓子を愛し、お客様とのんびり過ごす時間が大好きな若おかみと大おかみが笑顔でお客様を迎えます。夕食後に集う家族の時間が大切で、子供の頃の宝物は「おじいちゃん、おばあちゃんとのんびり過ごした空間」。タイムトラベルしたような扇屋は若おかみにピッタリの場所なのでした。

-こんにちは!夏子さん、ようこそお越しくださいました。

こんにちは。素敵なお店を始めたと聞いてずっと来たかたんです。

―嬉しいです。ありがとうございます。いらっしゃいませ。

いつもお散歩をしているのを見かけているうりちゃんが、ちゃんと看板犬していますね。

―そうなんです。居眠りしながらも人間ウォッチングが大好きなのでみなさんが来るのを楽しみに待っています。

天保創業の和菓子店

―いつも、うりが散歩しているのを見守ってくださるように、夏子さんとお母様は『江ノ電もなか』で有名な『扇屋』さんの店頭に立ってらっしゃいますね。

はい。いつも町を眺めています。
以前はうりちゃんが横断歩道を元気に渡ってきたのを目にしていましたが、今はのんびりゆっくり歩いていますね。

―はい。のろのろと(笑)。少し後ろから押したりしています。扇屋さんは地元では知らない人はいないと思います。創業が天保時代と聞きました。

はい。そうなんです。実は詳しい創業年ははっきりしないんですけれども、天保年間に既に創業されていたことはわかっているんですね。天保は1831年~1845年と短いですから、それ以前から存在していたと考えると、創業200年位というところでしょうか。

―私は池波正太郎の時代小説や落語や講談が大好きなので江戸時代の話を読んだり、聞いたりしているんですが、その時代にはあったんですね。「ちょっと茶店でお団子を食べて」というのが、扇屋さんだったかも!と思うとワクワクします。

ありがとうございます。創業当時から明治の中期ごろまでは龍口寺さんという目の前のお寺の境内にあって、茶店のようなものだったとも言われていますので、実際に江の島詣などに来られた方が立ち寄ってくださっていたかもしれませんね。

―歴史を感じますね。店内には明治と大正の頃の貴重なお店の写真も飾っていますものね。

まるで江ノ電博物館

―扇屋さんは博物館レベルで神奈川県指定銘菓の『江ノ電もなか』に象徴されるように、とにかく江ノ電ファン、鉄道マニアなどのお客様も多いのではないですか?

そうですね。店舗の横にある工房は昭和45年から走っていた実物の651車両ですからね。

―昭和45年!確か600形はもともと玉電の廃車車両と聞いたことがあるので、実際はもっと古いんですよね。そんな骨董品がお店に食い込んでいるんですね(笑)

丸々1両は無理なので、実際にはお面だけ切って組み込んでいるんですけど、平成2年の3月に「廃車になるからどうですか?」と当時の社長さんからお声がけいただいて譲り受けたので、私たちの所に来てからはもう32年ですね。

―反対車線から見るとちゃんと上の方にパンタグラフもあって、店内には江ノ電ユーザーは一目でわかる客席もあって、今はこのシートでお客様がのんびりとしていく。古いものがそのまま残されていることにみなさん喜んでいるのではないでしょうか。

わたし達のお店には江ノ電で使われていた運転のハンドルー通称マスコンと言うんですけれどもーあと駅名盤もあります。でも他にも色々あるので実際にお店に見に来ていただきたいです。

―お菓子だけではなく、江ノ電ファンのお客様も多いと思います。

お店の前は江ノ電の撮影ポイントなので、沢山の方がカメラを抱えてお店に来てくださいます。「美味しい」と喜んで下さったり、「他の撮影ポイントでもお饅頭を食べながら待ってるんだ」なんて話をきくと本当に嬉しいですね。

―夏子さんはもしかして普段は和菓子の方が多いですか?

そんなことはないですよ(笑)。
もちろん和菓子も食べますけど、美味しいモノが大好きなので洋菓子も好きです。わたし達のお店は『扇屋』で、扇は末広がりの縁起物ですが『TAKARA CAFÉ』も縁起のいい名前ですよね。

―ありがとうございます。訪れたお客様にいい縁が生まれるといいですよね。TAKARA CAFÉはここで宝物の話をしたら、失くした宝物が見つかったり、新しい宝物に出会えたりする。そんな場所になるといいなと思って付けた名前なんです。

宝物ですね!

―そうです。もしよかったら夏子さんも宝物の話きかせてください。

宝物はのんびりとした空間

―夏子さんの宝物はなんですか。

そうですね。わたしは子供の頃、学校から帰ってくると掘り炬燵で大好きなおじいちゃん、おばあちゃんとおやつを食べながら「大岡越前」や「水戸黄門」の再放送を観て、その日学校であったことを話したり、宿題をしたりしていました。おじいちゃんとおばあちゃんとのんびりした空間は、今思えばキラキラした私の宝物でした。

―のんびりとした家庭の雰囲気。なんだか今の姿と重なりますね。

そうですか(笑)。でも、今も家族と一緒に夕食の時間に映画やテレビをみたり、お茶を飲みながら、お喋りする時間がとても好きなんです。二人の娘たちも大きくなったら一緒に過ごせる時間が少なくなっていくと思うので、とっても大切な時間です。考えてみると、子供から大人になった今も、幸せな時間、大切な時間というのはずっと変わっていないですね。

―時間がゆったり流れているみたいでいいですね。夏子さんは暮らす町も変わっていないんですよね。

はい。うちは腰越で今の場所のすぐ近所です。父がお祭りが好きで私も子供の頃からお祭りに参加していました。その頃高校生だった主人もお祭りで見かけるお兄さんの一人でした。

―ずっと顔見知りだったんですね。でも、将来扇屋さんに嫁ぐとは当然思ってもいなかったでしょ?

それは、そうです(笑)
幼稚園からピアノを習っていたので、小さい頃はピアノの先生になりたいと思っていました。短大を卒業して就職して、そんなある日、電車の中で「あれ、お祭りで会う扇屋さんの…」なんて思って見ていたら、目が合って、そこからどういう訳かこうなっています(笑)

―なんとなんと!電車って江ノ電?

そうだとロマンチックなんですけど、その時は小田急線でした!(笑)

お菓子が結ぶ笑顔が大好き

―ご主人と結婚すると決めたときは、もう扇屋さんを継ぐというのがわかっていたんですか?

なんとなく意識はしていました。
結婚したのはもう23年前ですが、先代もとても元気で、主人は先代から多くのことを学びながらお店をやっていましたし、技術的にもお義父さんは主人に継いでほしかったそうです。

お義父さんやお義母さんは私のことをとても可愛がってくれていましたので、とても自然に今の状況になったと感じています。

お菓子を作るのは主人ですし、主人のつくるお菓子は美味しいので、お客様が「美味しかった」って喜んでくださる笑顔を見たり、「ここに来たかった」って言ってくださるお客様とお話する時間が大好きでしたから、それは今も変わっていませんね。

“難除けぼたもち”とは

―私も『江ノ電もなか』は大好きです。手土産にも喜ばれるのでとても重宝しています。定番の片瀬饅頭もふわふわで上品な甘さが大好きです。もうすぐお彼岸ですし忙しくなりますか?

そうですね。9月は11日から13日まで『龍ノ口法難会(たつのぐちほうなんえ)』が開催されます。

ご近所の方はもちろん、全国から参拝に来られた方々が「難除けぼたもち」を買いにいらっしゃいますので、毎年とても忙しくさせていただいています。

―9月12日は龍口寺では“ぼたもち”を撒く習慣があると聞いた事があります。

そうですね。毎年本堂で撒いているんですけど、やはりコロナ禍の影響で今年は手渡しするということを聞いています。

―龍口寺といえば“ぼたもち”なんですね。

龍口寺はもともと処刑場だったところで、日蓮上人も処刑される場所でした。でも処刑される前に“ぼたもち”を差し入れたおばあさんがいて、その“ぼたもち”で処刑を免れたというか、振りかざした刀に雷が落ちて処刑を免れたという話があるのでそれ以来「難除けのぼたもち」と言われています。

―その歴史は聞いた事があります。

その後9月の20日のお彼岸の入りがあり、それから9月26日のお彼岸の明けまでは、ずっと忙しいんです。この時期は「おはぎ」を販売します。

―「難除けぼたもち」の販売は明後日9月11日からですね。先月までは水菓子などの涼し気な和菓子が並んでいたので、お菓子で秋を感じられますね。

そうですね。夏のお菓子から秋のお菓子に変わる時期ですね。
10月からはお芋や栗を使ったお菓子も並ぶので、ちょうど9月は谷間の感じではありますが、おはぎは「こし餡」「粒あん」の他に「きなこ」「ごま」「お茶」と5種類あるので楽しんでいただけると思います。

―楽しみです。おはぎも大好きなので買いに行きます。お茶味は初体験になりそうです。

おはぎとぼたもちの違い

―さっきの話に出てきたのは“ぼたもち”ですが、お店で販売するのは“おはぎ”なんですね。

名前は違うんですけど、実はどっちも同じものですね。

―えっ!私は北海道出身なので「ぼたもち」はなく、おはぎの形状も北海道と関東では若干違いがあるんですけど“ぼたもち”と“おはぎ”って同じなんですか?

ものは同じです。“ぼたもち”は牡丹、“おはぎ”は萩ですね。
ですので、春は「ぼたもち」、秋には「おはぎ」。そういう呼び方をするのが正しいんです。でも、今は通年でどちらも呼びますけどね。

―知らなかったです。北海道は365日おはぎです。そして北海道民はおはぎが大好きなんです。ここで20年以上の謎が解き明かされました。

スッキリしていただけてよかったです(笑)

―何かお好きな曲をおかけしましょうか。

そうですね。今は何となくオリビア・ニュートン・ジョンの『Country Roads』が聴きたい気分です(楽曲はYouTubeにリンクされています)。

お客様との一期一会を大切に

―今探している宝物はなんですか。

これから出会うお客様との一期一会です。
お菓子やお店を通じて、お客様の笑顔や会話が私たちの宝物になっていくよう、これからも変わらず、主人のつくるお菓子をわたしが笑顔で販売していけたら嬉しいです。

―ずっと変わらない景色も守り続けていただければ地元の住民もみんな嬉しいです。ところで、ご主人の小さい頃の夢って聞いた事ありますか。

産まれた時から目の前を江ノ電が通っていたので、電車の運転手さんや車掌さんもなりたかったみたいですよ。

―へー!江ノ電の?

はい。それがお父さんに「店の前を何度も行ったり来たりされたら気になって仕事にならない」と言われたみたいで(笑)叔父さんか営団地下鉄に勤めていたのでもしかしたら地下鉄だったかもしれませんね。

―江ノ電の元車掌さんが『江ノ電もなか』を作る…だったら、より面白かったですけどね(笑)今日はお話しを聞かせていただいたお礼にもう一杯いかがでしょうか。

いいんですか。じゃあお言葉に甘えてお願いします。

―ごゆっくりお過ごしくださいませ。

ありがとうございます。なんだか色々懐かしくなってきちゃったので、少しのんびりしていきたいです。

番組サイト⇒『犬とあなたと珈琲と。』

インタビューと文:白田祐子(しらたゆうこ)

うり店長のInstagramは『こちら』
ル・ブラン湘南のInstagramは『こちら』

白田祐子(しらたゆうこ)

プロフィール:日本心理学会認定心理士。ヒトと犬の心と行動カウンセリングラボ「ル・ブラン湘南」代表/ドッグカウンセラー。
1990年代から犬の行動や心理を独学し、保護施設などでしつけのボランティア活動を開始。現在のパートナーは2005年生まれの雑種の女の子で名前は“うり”。
大学で心理学を専門的に学び、人と犬の関係や犬の心の成長の研究を行い独自のメソッドを確立する。2013年にパーソナルドッグカウンセリングを開始。人と犬のパーソナリティを重視したコーチングは特に多くの女性に支持されている。

里親制度の普及や地域行政と連携した“犬のしつけ”相談業務など、教育、行政、法律と多方面で人と犬の問題に向き合っている。
愛玩動物飼養管理士、ホリスティックケア・カウンセラー、ペット災害危機管理士、小動物防災アドバイザー、猫防災アドバイザー他、ペット関連資格多数。2014年より神奈川県動物愛護推進員、湘南ビジョン大学講師。2019年よりFM83.1Mhzレディオ湘南にレギュラー出演中。

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