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犬とあなたと珈琲と。Vol.52

聞逃し配信中(オープニングや曲はカットされています)
ミキサー:レディオ湘南 高橋優佳

宝製菓presents radio café『犬とあなたと珈琲と。』FM83.1MHz レディオ湘南(毎週金曜 16:00~16:29)放送中

湘南の海を見下ろす、小さなコーヒーショップ「TAKARA CAFÉ」。ここで“宝物”の話をすると探し物が見つかるとか?…オーナーは心理士でドッグカウンセラーのしらたゆうこ。店長はカフェオレ色の17歳。愛犬の“うり”。美味しい珈琲を飲みながら、お客様との会話に耳を傾けてみませんか。

今回のお客様はみかん専門店『柑熟屋』店長の赤岩美波さん。2019年に辻堂新町へ移転したのを機に本格的なカフェを併設。みかんのうま味を丸ごと楽しめるフロートやパフェが大人気です。「藤沢で1年父と一緒に仕事をしましたが、とにかく気が合わないんですよ。藤沢を退去する時、他に就職も決めていたぐらいです」。そう語る美波さんですが、気が付けば「柑橘ソムリエ」の勉強を続けるなど、すっかり柑橘マニアの仲間入り。フルーツ好きの心と体を満たしてくれるオアシス『柑熟屋』。美波さんの「宝物」はやっぱり、自分の好きを詰め込んだ「このお店」です。お気に入の柑橘は甘みと苦み、酸味のバランスがいい「紅まどか」という文旦と教えてくれたので、さっそく買いに行きたいと思います。


―こんにちは。美波さんようこそお越しくださいました。
赤岩:こんにちは。祐子さん。お久しぶりです。今日はれもんも連れてきました(写真文末)。

―こんにちは、れもんちゃん。ミニチュアダックスのれもんちゃん。あっ、うり店長が挨拶に来ました。
赤岩:うり店長こんにちは。かわいい。

―こんにちワンワン。れもんちゃんは何歳になりましたか。
赤岩:4歳です。いつかお店の看板犬として出勤できるようになればいいなって思っているので、うり先輩にアドバイスを貰いたいです。

―できるかなぁー(笑)

藤沢駅前から
辻堂へ移転


―美波さんは、辻堂新町にあるみかん専門店『柑熟屋』さんの店長さんでいらして、カフェの隣ではお父様がみかんなどを販売されていますよね。元は藤沢駅北口のビッグカメラの向こう側にあった「みかん屋さん」と言えば、「あっ」って思う人も多いと思います(写真上)。

赤岩:ありがとうございます。
そうなんです。2011年に父が藤沢駅前でみかんの販売をはじめて、私が入社した2018年からソフトクリームやジュースのテイクアウトをはじめました。それで翌年の2019年7月に今の場所・辻堂に移って、辻堂に移ってからはカフェスペースを設けてメニューも増やしました。

―現在の『柑熟屋』さん(写真下)。辻堂駅から徒歩10分ちょっとでしょうか。線路沿いのちょうど『事務キチ』さんの辺りですよね。大人気ですね。

赤岩:ちょっと不便な場所かもしれないけど、駐車場も併設しているし、ウォーキングの途中や自転車なので来る方も多いです。ロードバイクの方も多いので、リクエストに応えて先月サイクルラックを設置したばかりです。

―あっ、オレンジ色の蜜柑色のやつね。
赤岩:そうです。

メニューはブレず
柑橘一色!


―『柑熟屋』って検索すると、沢山の紹介記事が出てきます。取材したくなるお店、紹介したくなるお店というのがよくわかります。とにかく柑橘一色。潔くてブレないメニュー。そして美味しい。メニューの『100%みかんジュース』は「えーそんなに沢山!」っていう位、目の前で搾ってくれますよね。そこに『みかんソフト』をのせた『みかんフロート』も格別でしかも秘密つき(笑)。それから、みかんモリモリの「みかんパフェ」。やっぱりフロートやパフェが人気ですか。

赤岩:はい。みかんジュースは旬の柑橘の中から、ジュースに向いているものを2.3種類選んで、ラインナップを揃えています。それから「フロートの秘密」(笑)。これは、通常、フロート系ってアイスが沈まないように氷をたくさん入れてあるんですが、うちの店では氷は少なめにして、代わりにみかんを土台として入れているんですね。

「みかんが入っています」という説明書きをあえてしないことで「あっ!」って、皆さん喜んでくださって。その様子を見て私も嬉しくなります。みかんパフェは新しいメニューを入れたくて考えたのがキッカケで、嬉しいことに今では名物みたいになっています。


―みかんパフェは、みかんのコンポートやゼリー、みかんピールなどなど、色々な姿になったみかんたちが積み重なって、美味しそうと可愛いが溢れかえっています。でも、やっぱり“生のみかん”そのままを活かした手をくわえ過ぎない、まるごとみかん。ゴロンとみかん。そこがフルーツ好き、柑橘好きにはたまらない魅力なんじゃないかなって思います。

赤岩:そう感じてもらえると嬉しいです。みかんそのものの美味しさをお伝えしたいので、コーンフレークやスポンジケーキなどは入れず、上から下まで4種類ほどの柑橘を詰め込んでいます。

―4種類を同時に味わえる。じゃあ味の違いも感じられますよね。
赤岩:そうなんですよ!柑橘の「食べ比べ」をメインに考えたので、甘いみかんは一番下に入れるっていう工夫をしています。

―甘いのが一番下…

赤岩:はい。甘いのを先に食べちゃうと、その後の味が分かりづらくなっちゃいますよね。あと、香りとか食感とかも楽しんでもらいたいので、間にレモンのゼリーを入れたり、いまだと西伊豆で栽培されている「温州みかん」の一つの『寿太郎』や『レモネード』っていう名前の珍しい柑橘まで、その日の私の気分で色々と入れています。

取り扱う柑橘は
年間40種類


―『寿太郎』や『レモネード』。すでに色々な種類、名前が出てきていますが、それらのほとんどが小田原の江之浦や早川、西伊豆や西湘産のもので、お店では40種類くらい扱っていると聞いて驚きました。

赤岩:私も今の仕事を始めるまでは『温州みかん』と『デコポン』くらいしか知らなかったです。旬で見てみると、柑橘シーズンのトップバッターは『極早生みかん』で、旬は9月頃になります。そこから、冬を越して、春過ぎの6月頃まで途切れることなく、色んな柑橘が入荷してきます。

―そんなに長い間、旬を楽しむことができるんですね。みかんって冬のイメージがありました。

赤岩:そうですね。みなさんが「みかん」って言われて想像するのは、こたつの上に置いてあるようなオレンジ色のみかんだと思います。あれは『温州みかん』ですね。

温州みかんは栽培方法によって多少前後はするんですけど、だいたい11月頃から3月頃までがシーズンなんです。冬に旬を迎える果物ってあまりないので、スーパーに温州みかんと苺がドーンと山積みになっているのを目にしていれば、みかんは冬ってイメージになると思います。

―確かに。

赤岩:春になると『デコポン』や『せとか』などの「中晩柑」というカテゴリーの柑橘、夏には「夏みかん系」の酸味のある柑橘が旬を迎えます。こんな感じで、意外と柑橘ってシーズンが長い果物なんですよ。知れば知るほど柑橘の世界は奥が深くておもしろいですよ。

―だから『柑熟屋』さんでは、年間40種類くらいの柑橘を扱えるんですね。

赤岩:はい。レモンや柚子などの「香酸柑橘」と呼ばれるものを合わせると日本ではいま約200種類以上の柑橘が栽培されているんです。『紅まどんな』や『甘平』って聞いた事ありますか?

―ちょっとないかな…

赤岩:これは、ここ数年で作られた新しい柑橘で、新しい種類も次々と生まれているんです。名前も可愛いですよね。一度ハマると本当に抜け出せません。

わたしが好きなのは
紅まどか


―その沢山ある中から、美波さんの、お気に入りを一つ教えてって言われたら、困りますか?

赤岩:すごく困ります。でも、あえて選ぶと『紅まどか』っていう文旦です。見た目はサッカーボールの一回り小さい位になるので、小学生用のサッカーボールみたいに大きくて、色も黄色いので、見かけても手に取らない方が多いかもしれないですね。食感がぷちぷちシャキシャキしていて、甘味と苦味があって、さらに酸味もあって、すごく美味しいです。

―グレープフルーツみたいな味?

赤岩:そうです。味は本当にグレープフルーツみたいな感じで、グレープフルーツがちょっと甘味が強くなった感じです。ちょうど今が旬で店頭にも並んでいるので、ぜひ見に来てください。

―行きます、行きます。解説つきで旬の柑橘を選べるのもお店の特長ですものね。
赤岩:ありがとうございます。


―チョコレートとか大丈夫ですか?
赤岩:もう大好きです!

―本当良かった!クレープにもチョコレート入りってあったけ…
赤岩:ありますね。「チョコバナナ」。みかん関係ないですけど(笑)「チョコバナナ」と、あとはバレンタインの時期にちょっとだけ「オランジェット」みたいな感じで、みかんとチョコレートをやっていました。
―大好きー(笑)

「完熟」×「柑橘」=
『柑熟屋』


―『柑熟屋』さん。みかんが完熟した美味しさが伝わる響きですよね。文字でみると「かん」は「みかん」の「柑」で、とってもいいネーミングです。美波さんが考えたんですか?センスがいいですよね。

赤岩:ありがとうございます。なんですけど、『柑熟屋』は父が考えた名前です。祐子さんが今仰ってくださったように、果物の「完熟」と「柑橘」を掛けて、文字だけで何屋さんなのかわかるように今の名前になったようです。すごいですよね。私もとても気に入っていて、父ながら「いいセンスしてるな」って思いました。

――うん。みかんパパ(笑)
赤岩:ここは『TAKARA CAFÉ』ですよね。なんかイイコトが起こりそうな素敵名前ですね。

―ありがとうございます。まさしく、『TAKARA CAFÉ』は、ここで宝物の話をしたら、失くした宝物が見つかったり、新しい宝物に出会えたりする。そんな場所になればいいなと思って付けた名前なんです。
赤岩:あーなるほど。へー。

―もしよかったら、美波さんも宝物の話聞かせてください。

「好き」だけを
詰めこみました


―美波さんの宝物は何ですか

赤岩:当然、愛犬れもんは私の大切な宝物なんですけど、今は「お店」が大事ですね。辻堂のいまのお店は、一から私が好きなように考えて作ってやっているので、とても大事にしています。

―店舗のデザインとかも美波さんが考えたんですか?

赤岩:そうなんです。海外のジューススタンドをイメージして作りました。まぁ、行ったことはないんですけど…。都会にあるお洒落なお店というよりも、明るくて木の温もりがあって、みかんならではの「馴染みやすさ」というか、そういうのを大事にしています。

地元の方々に愛されるお店になりたいなと思って始めたんですけど、今では市外や県外からもわざわざ足を運んでくださる方も増えて、本当に嬉しいです。

―美波さんのお店って雰囲気が感じわかります。美波さんはもともと他のお仕事をされていたと聞きましたが、お父様と一緒に新しいフィールドで働いてどうでしたか。

赤岩:いやあ、藤沢で父と1年一緒に仕事しましたが、まあ、とにかく気が合わないんですよ(笑)どっちも頑固なので、未だに色んなことで喧嘩していますね。色々あって藤沢のお店を退去することになったときに、「もう、こんな人のとこで働きたくない」って思って、他のところに就職も決めていたぐらいです。

―そんなに!
赤岩:はい(笑)

―でも、他にはいかなかったんですね
赤岩:はい。なんだかんだ、たくさん考えてみて、父一人じゃちょっと心配だったので、まぁ…偉そうですけど「私が立て直す!」って気持ちで辻堂で再始動しました。

父に誘われ
柑橘の世界へ


―すごい、美波さんは癒し系のタイプに見えますけど、その芯の強さはとても感じます。もともと「よしやるぞ!」っていうタイプだったんですか。

赤岩:いえ、子供の頃から何かに執着することってあまりなかったんですよね。高校も「家から一番近い高校でいいや」って決めましたし、高校卒業後も母に勧められるがまま、美容師を目指しましたが、5年ほどで辞めましたね。その後も特にやりたいことがなくて「とりあえず調理師に」って感じでした。

―調理師の世界にもいたんですね。だからクレープとか冬限定だったお汁粉とかのスイーツが格別に美味しい。その理由がわかりました。

赤岩:ありがとうございます。20歳を過ぎて、色々なごはんを食べに行くようになってから、食べることが好きになって、24歳くらいのときに料理を作るほうに興味が湧いて、イタリアンで働きながら勉強していたんです。ただ、「ちょっと興味あるな」という程度ではじめたので、気持ちが続きませんでした。それで悩んでいたときに、父からちょうど誘われましたね。

―お父様の会社ですね。食品の卸しなどをされていると仰ってましたね
赤岩:そうなんです。江の島のお店にも海産物などを卸しています。

―カフェ横の販売所にもイカの塩辛とかありますものね。
赤岩:はい。

―みかんが旬じゃない季節のときには、イカの塩辛メインで売ってると聞きました。
赤岩:よくご存じですね。

―「すごく美味しい」って、友達が言っていました。
赤岩:本当ですか。ありがとうございます。伝えておきます!

今では柑橘マニア!
柑橘ソムリエになる


―美容師にしろ、調理師にしろ、しっかり勉強をしなくてはいけません。勉強をはじめたらそれに向き合う真剣さとか集中力とか、そういうことに優れているのでしょうね…。そして実際、また勉強しはじめているんですよね。柑橘ソムリエ。

赤岩:そうです。『柑橘ソムリエ』って、まだ出来て2年ほどの新しい資格で愛媛の農家さんが講師をされているんです。講義と試験があって、その時は全国から「柑橘マニア」の方が集まってくるので、お話しするだけでも、すごく楽しかったです。中には「『柑熟屋』を知っている」という方もいて、お友達になれました。

―そうよね。きっと「柑橘マニア」の間では有名だと思いますよ
赤岩:いやぁ、嬉しかったですね。

―へー、どんなことをそこでは学んだりするんですか。
赤岩:試験内容は柑橘の歴史や分類などを答える筆記と、目利き・味覚・表現を掘り下げた実技があります。それから、食べなくてもわかる「美味しい柑橘の選び方」の基本やテイスティングの講義もあって、こんなに楽しく勉強しながら、試験を受けたのは初めてだったので、もっと学びたいなと思いました。

―それは本当にワインのソムリエみたいですね!目利き・味覚・表現。味を表現する。さっきのお気に入り『紅まどか』の解説もすごくわかりやすかったですもの。
赤岩:ありがとうございます。

直接は言えないけれど
父に感謝


―普段から、柑橘たちを触って意識していることはありますか。

赤岩:例えば、同じ箱のみかんでも「美味しそうなもの」と「あまり美味しそうに見えないもの」を選んで、食べ比べてみたり、気になったことをネットや本で調べたり。あとは、自分のお店以外の柑橘も食べたりしています。

最近だと、試験で知り合った方が運営している「柑橘の定期便」を注文しました。うちでは扱っていない柑橘も入っていますし、付属の読み物も読み応えあって毎月届くのが楽しみです。

―それはいいテキストになりますね。完全に柑橘の世界に入り込みましたね。これはお父様に感謝ですね。
赤岩:いやぁ、本当にそうですね。直接は言えないですけど。本当に感謝しています。

―本当にそうですね。子供の頃からあまり執着することはなかったって仰っていたのに…。
赤岩:はい。

―じゃあ、ここで何か、柑橘みたいにすっきりさっぱりできる1曲おかけしましょうか。

赤岩:わぁ、嬉しいです。じゃあ、いつもお店でも流している大好きな曲にします。Simple Planの『Summer Paradise』(楽曲はYouTubeにリンクしています)

いつか自分の農園を
持ちたい!


―今探してる宝物はなんですか。

赤岩:自分の「農園」を持つことです。
少し前までは『橘熟屋』の柑橘は親戚の農園からのものをメインで使っていたんですが、もうその方が引退してしまったので、今は父が昔からお世話になっている農家さんの柑橘を扱っているんですね。だから、いつか自社農園を作りたいなって思っています。

まぁ、夢のまた夢ですね。今のお店がもっと愛されるように柑橘のことをもっと勉強して、面白いコトができればいいなって。その方法を探っていきたいです。

―はぁ、すごい!農園。もしその夢が叶ったら、私も一緒に働きたいです。
赤岩:お願いします。ぜひ!

―今日はお話しを聞かせていただいたお礼にもう1杯いかがでしょうか
赤岩:ありがとうございます。遠慮なくいただきます。

―では、ごゆっくりお過ごしくださいませ。
赤岩:ありがとうございます。もう少し、ゆっくりだけゆっくりしていきます。

―れもんちゃんも大人しいね。
赤岩:寝てまーす。

『完熟屋』のInstagram⇒「こちら」

番組サイト⇒『犬とあなたと珈琲と。』

インタビューと文:白田祐子(しらたゆうこ)

うり店長のInstagramは『こちら』
ル・ブラン湘南のInstagramは『こちら』

白田祐子(しらたゆうこ)

プロフィール:日本心理学会認定心理士。ヒトと犬の心と行動カウンセリングラボ「ル・ブラン湘南」代表/ドッグカウンセラー。
1990年代から犬の行動や心理を独学し、保護施設などでしつけのボランティア活動を開始。現在のパートナーは2005年生まれの雑種の女の子で名前は“うり”。大学で心理学を専門的に学び、人と犬の関係や犬の心の成長の研究を行い独自のメソッドを確立する。2013年にパーソナルドッグカウンセリングを開始。人と犬のパーソナリティを重視したコーチングは特に多くの女性に支持されている。

里親制度の普及や地域行政と連携した“犬のしつけ”相談業務など、教育、行政、法律と多方面で人と犬の問題に向き合っている。愛玩動物飼養管理士、ホリスティックケア・カウンセラー、ペット災害危機管理士、小動物防災アドバイザー、猫防災アドバイザー他、ペット関連資格多数。湘南ビジョン大学講師。2014年より神奈川県動物愛護推進員。2019年よりFM83.1MHzレディオ湘南に出演中。

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