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犬とあなたと珈琲と。Vol.83 保護犬はばっちり性格把握ずみ?

聞逃し配信中(音楽は全てダミーです)
収録:レディオ湘南  

宝製菓presents radio café『犬とあなたと珈琲と。』FM83.1MHz レディオ湘南(第1.第3土曜 16:00~16:29)放送

湘南の海を見下ろす、小さなコーヒーショップ「TAKARA CAFÉ」。オーナーは心理士でドッグカウンセラーのしらたゆうこ。店長はカフェオレ色の17歳、愛犬のうり。美味しい珈琲を飲みながら、お客様との会話に耳を傾けてみませんか。

今回のお客様は常連客のゆきさん(株式会社イヌと暮らす代表取締役)。人と犬が快適に暮らすには犬種の特性と自分の生活スタイルのマッチングが大切。でも、雑種犬の特性はどう見極める?ご安心ください、保護犬であれば保護団体がわんこの性格をばっちり把握しています!今回も保護活動をしながらトリミングサロンを経営しているゆきさんと、人と犬の関わりを研究しているドッグカウンセラーの白田祐子が犬に関する真面目な雑談をお届けします。


祐子 こんにちは。ゆきちゃん、いつもありがとうございます。
ゆき
こんにちわ、祐子さん。今日はケンタ君と来たんです~(写真は本文最後)

祐子 柴犬のケンタ君。かわいい、大人しいよね。まだ、ちょっとまだしょぼくれた感じが…
ゆき まだちょっとそんな感じですかね。ブリーダーからのレスキューですが「食べるの大好き」「人大好き」のチャーミングな子です。ただ、目からの刺激が強すぎちゃって、こういうのなんていうんでしょうかねー…外を歩くのが大変だったんですけど…たくさんの力と愛情をうけてどんどん「普通?」になってきています。おうちの中にいる時はのんびりグウグウの可愛い子です。

祐子 「目からの刺激が強い」って、見るものに反応しやすいってこと?
ゆき
そうです、そうです。

祐子 特に子犬時代に五感への刺激が少ないと、どうしても視覚に頼りがちになって不安感や興奮が強くでてきちゃうよね。ゆっくりゆっくりマイナスからゼロへ、犬らしくなろう…ってところか。
ゆき マイナスからゼロに。そんな感じですね。

*中山ゆきさんが所属する保護団体の譲渡会の情報は「PAK」(Paws Adoption かながわ)

譲渡会の見学者
ぞくぞく増えています!


ゆき 祐子さん、この前は…犬を選ぶ時にどんなのことに注意すべきか…「犬を選ぶ時のコツ」について話しましたけど、その後、譲渡会が続いたので色々思うことがありましたぁ。

祐子 そうか…ゆきちゃんは5月からずっと週末は休みなしの譲渡会だったものね。お疲れ様でした。

ゆき 出会いがあるのは本当に嬉しくて、犬たちも「譲渡会慣れ」してくれて楽しいんですけど、そのためには準備段階から「よし!今日も頑張って!」って奮い立たせて、帰って来たらちょっと疲れちゃったりして。保護団体の方もお疲れ様でした。最近では「初めて犬を飼いたい」という方や、いろんな方に来ていただけるのでありがたいです。

祐子 どんどん認知されていっているんだね。犬を選ぶコツの一つは、まず自分たちの性格や暮らし方を振り返ること。そして犬の特性も調べて、犬とどう暮らしていきたいのか未来予想図に合った犬、相性のいい犬を迎えることだよね。

ゆき 本当にそう思います。家族と犬の「相性」が合わなければ「困った行動」とか、しつけの問題にも発展していってしまうから、お互いが不幸…見た目だけで選ぶとおそろしいことになりますね。

大人より子供の方が
自分との相性がわかる?


ゆき ただ「かわいい!」っていう、気持ちもわかるんだよなぁ。

祐子 ねっ。好みって誰でもあるしね。出会ったときのフィーリングやエネルギーを感じるコトもあって、特に子犬はひたすら「可愛い!」の塊だけど、成長したコとはシンパシーを感じるというか…ビビビってきたりね。

ゆき 確かに…シンパシーあります!以前、譲渡会に来た親子で、お母さんは元気な子犬を見て「この子可愛いね」って言うんですけど、小学生の男の子は8歳になる柴犬を見て「この子がいい」ってずっと離れないの。お母さんは「えー」みたいな。仔犬もいたんでね。

祐子 親としては「元気な仔犬でしょー」って思うよね。でも、きっとその子にとっては「友達選び」だから、自分と気の合いそうな子を自然に感じ取ったのかな…

ゆき 自然に「友達選び」かぁ、感激しちゃいますね。子どもの頃って、いつの間にかクラスでも同じくらいのエネルギーの子が集まっていましたよね。猫ちゃんでもいましたね。おばあちゃんとお孫さんで、やっぱりおばあちゃんは小さな子を見て「かわいいね」って言ってるのに、子供は「この子がいい」って、どっしりと構えた少し疲れ気味の成猫を選んだりして。

 でも、おばあちゃんはそれに対して、何も言わずに尊重してあげていましたね。結局、その犬も猫も子供の意見で決まりました。

祐子 それはいい話。大人ってついつい、私もそうだけど…子供を誘導しがちだから、反省しなくちゃいけないかも
ゆき  まさしく。私もいつのまにか誘導しているかも…反省です。

一緒に生活するから
性格把握しています


祐子 犬種の特性とか特徴と言ってしまったけど、「雑種犬」の場合は保護団体経由であれば、ある程度は犬の性格がわかっているから、直接保護団体さんに教えてもらうことができるよね。あっ、前回はここで話が終わっちゃったんだよね。

ゆき  そうです、そうです。保護犬の話をさせてください!祐子さんが言うように、やっぱりそこが一番大切なところだと思うんです。

祐子 たとえば、犬を保護してから新しい家族に譲渡するまでの間「一時預かりさん」と呼ばれるボランティアさんがいて、そのボランティアさんが自分の犬のように愛情をもって自分の家で育ててくれる。だから、そのワンコの色々な面を把握しているんだよね。

ゆき そうですね。一緒に生活することで問題点も良いところも一番近くで見ているのが、預かりボラさんですね。特に私が所属する『PAK』では、譲渡前に色々なケアをしてからお渡しするので、結構長い時間、預かりさんの所で暮らすんです。そういう継続した時間があるから、その犬の生活の様子がわかってくるんです。一番大事なところですよね。

祐子 本当だよね。

色々な視点から
性格を見抜いていく


祐子 一般家庭で生活しない保護犬もいるよね。
ゆき はい。シェルターのあるところはそうですね。お散歩や健康状態、性格はわかっても、基本的にシェルターで暮らすので、本当ならリビングでの様子も見てあげたいなっていつも思っています。

祐子 そっか…実はソファーの一番座り心地のいい場所を陣取るタイプだったりしてね(笑)。でも、色々なボランティアさんがお散歩をしたり、面倒をみてくれるから、人に慣れるのは早いのかな?

ゆき そうですね。それに、色々な人が接するので、より性格がわかってきますよね。

祐子 でも、たとえば、Aさんは「散歩しやすい」って言うのに、Bさんは「全然歩いてくれない」とか、言うことが違っていて、逆に分からなくなることはないの?

ゆき そういう時は「この子は初心者の方でもOKなんだな」とか「ベテランじゃないと難しいかな」とか、わかりますよね。

祐子 あー、確かに!沢山の目、色々な目があるから思い込みも減るし、見えてくることもある。これはすごいことだ!

ゆき 祐子さん、そこなんですよね。みんなそれぞれの目線で色んなことを言ってくれます。色んな目線があるからいいんだなって思いますね。だから、スタッフとかボランティアさんが多い団体を選ぶのも保護団体を選ぶ時のポイントかもしれないですね。あと、性格だけではなく、ご飯のことや健康面や必要な医療とか、ペットショップでは説明しないことも「もう、うるさいっ!」て位、説明します。

祐子 やっぱり「犬とはじめて暮らします」という方や、暮らしてきた経験はあるけれど「ここでもう一度、色々知っておきたい」とか。そういう方々にこそ、保護犬を迎える。そういう選択を加えてもらえるといいね。そのときは健全な保護団体からね。

ゆき そう願ってます。

音楽:Aretha Franklin『Don’t Play That Song』(楽曲はYouTubeにリンクされています)

保護動物は
譲渡条件が厳しい?

祐子 保護団体目線では、こういう家族に向いているとか、見取り図のようなものが出来すぎちゃって、マッチングに困ることもあるでしょ?

ゆき 難しいですね。犬を見てきた私たちからすると、こういう飼い主さんがいい、こういう家族がいいって、希望を言い出したらきりがなくなっちゃいますね。だから、譲渡の条件ってあるんですけど、お断りするケースも多くてジレンマですね。せっかく「保護犬を」って望みを持って来てくれたのに、お断りすることで、「そうは言われても自分は平気」「自分ならできる」って、結局、ペットショップに行って買っちゃったり…

祐子 そうか…残念だけど…お断りするケースも多いってことなんだね…
ゆき はい、そうです。

祐子 よく「保護団体は条件が厳しい」って言われるよね。でも、「最後までずっと一緒に穏やかに幸せに暮らしてもらいたい」。その想いからきてるんだよね。途中で犬猫を手放してしまう傾向を持っている条件の人は事前に避けたいわけで。まぁ、そうは言っても…実際に厳しいのかもしれないけど、現実離れし過ぎている訳ではないんだけどね…。

ゆき はい。「厳しい」とか「ハードル高い」って思われていますね。でも「犬を飼う」っていうキラキラした憧れや漠然とした思いを、具体的に自分ごととして考えた場合、どうかってことだと思うんです。保護団体の提示する条件って、キラキラから現実に引き下ろすための、超現実的なことを伝えているだけなんですけどね。キラキラした想いは全然悪いものではないし、犬たちや猫たちにも、いい影響を及ぼしているとは思うんですが。

祐子 キラキラから現実に引き下ろす。まさにだね。名言かもしれない。ただ、キラキラから「ちょっと難しいですね」と言われると誰だってショックだよね。

条件はうるさい?
それとも大切?


祐子 たとえば、一人暮らしであれば預かってもらえる先やペットホテルやシッターさんを明確にするとか、保険をかけるというか、他の力をかりることで補完できることってあると思うのね。だから、条件ありきで「断る」スタンスではなくて「譲渡を可能にする提示」が、今より、もう少し保護団体側にもあってもいいのかなー

ゆき なるほど。積極的に「譲渡を可能にする提示」をする。私たちもお勉強ですね。どんなことを提示できるか…

祐子 なかなか簡単ではないよね…。個別の対応を細かく強化していくと、ただでさえ忙しい団体運営の負担になることは目に見えているから、余裕を持って対応できる相談窓口があるといいのかな…

ゆき そうなんですよー。断られた方は一方的に言われてしまって、ショックを受けたり、怒りにかわったり、いい感情ではないですよね。言い方も難しいし、提示内容も難しい…。ご高齢の方、持病をお持ちの方、フルタイムで働いている方、どうやったら健全に犬猫との生活を始めたり、維持していけるか…。どうすればいいんでしょうね。新しい窓口があれば、すごくいいですね。

祐子 これは近々の課題として、簡単なものから、もっとヘビーなものまで仕組みづくりをしていきたいよね。さっき「ペットショップでは説明しないことも、うるさいってくらい説明しちゃう」って言っていたけど、それはどんなこと?

ゆき たとえば、脱走防止のために環境を変えるのはかなり提案させてもらってます。実際にリフォームをしていただける方もいるくらい。

祐子 それを「うるさい」って思われるか「大切なこと」って思ってもらえるか。犬猫のことだけど、実際に話し合うのは「人」と「人」。ボランティアさんには折衝役が得意な人も必要かもしれない。
ゆき
まずは、そこに気づいてもらうことですね。

音楽:Ambrosia『Biggest Part of Me』(楽曲はYouTubeにリンクされています)

返すのもOK!
トライアルで相性を確認しよう


祐子 あとね、よく「2頭目を迎えたいんだけど…」っていう相談を受けるんだけど、そういうときこそ、保護動物がおすすめって言ってるのね。保護団体の方に聞かれると、ちょっと怒られちゃうかもしれないけど、私的にはそういう時こそトライアル!って言ってるの…

ゆき いやいや、ぜひトライアルを利用してもらいたいです。「ダメなら返してください」っていうのは、どこの団体も同じだと思います。もちろん「よくわかんないんだけど、ちょっと試してみたい」って、「この洋服似合うかな」みたいな軽い気持ちはお断りですけど、迎える気持ちがあって試してみるのはいいと思います。

祐子 心強い!

ゆき 特に猫を含めた多頭飼育には必要ですよね。トライアルで戻ってくるのって、だいたい「相性」なんです。それって「しつけ」でどうにかなるものじゃないんですよね。ただ、いくらお試しです、トライアルですって言っても、ころころ住む環境を変えると大きなストレスを抱えるので、本気の人だけの話です。

祐子 やっぱり、トライアル前のマッチングが肝心だね
ゆき はい!

祐子 多分、みんなも色々言いたいことはあると思うけど、とりあえず多くの人たちに譲渡会に足を運んでもらいたいよね。専門家に相談しなくても、譲渡会に行けば、気軽に無料で相談できるし。それに、開催場所にもよると思うけど「散歩してみますか」とか…犬の場合はあるでしょ?

ゆき はい!先月葉山で開催した、祐子さんと一緒に実行委員もやっている『お寺でわんにゃん縁結び』では、結構、多くの方にお散歩体験してもらいました。トライアル決定したわんこ、それから里親がばっちり決まったにゃんこもいて、実りある会でした。


祐子 わぁ、おめでとう!よかったぁ。このお店のもはや常連わんこの「うら君」も参加していたね(写真上)。うら君は「わんにゃん縁結び」3回目の登場?

ゆき あっ、3回目かぁ!やだぁー(笑)今回もまた、ただただ楽しんじゃってましたね。うら君の「ずっとの家族」まだまだ募集中です!可愛いですよー。素直で天真爛漫で子供らしくて。それでいて、今は、こちらの気持ちや言うことをしっかり聞く子に成長してます。初めて飼うお宅にもおすすめです。うーんと毎日が豊かになると思います。

祐子 TV通販みたいになってる(笑)うん。長丁場の譲渡会でもうら君、遊んだり休んだり、自分でちゃんとコントロールしていた。さて、これから暑くなると、譲渡会はしばらくお休みになるのかな?

ゆき やります!今まで通り!大きな会場でのイベントはなくなりますが定例はあります。クリスタルホテルさんなんかは、木漏れ日と風がとっても気持ち良かったりします。

祐子 あそこは芝生で気持ちがいいもんね。ではでは、とりあえず、怒涛の5月お疲れ様でした。わんにゃんに代わって、カフェオレをもう1杯どうぞ
ゆき いつもありがとうございます。いただきます。


番組サイト『犬とあなたと珈琲と。』  
保護犬猫支援店/トリミングサロン『イヌと暮らす』 

放送構成と文:白田祐子(しらたゆうこ)

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白田祐子(しらたゆうこ)
プロフィール:日本心理学会認定心理士。ヒトと犬の心と行動カウンセリングラボ「ル・ブラン湘南」代表/ドッグカウンセラー。
1990年代から犬の行動や心理を独学し、保護施設などでしつけのボランティア活動を開始。現在のパートナーは2005年生まれの雑種の女の子で名前は“うり”。大学で心理学を専門的に学び、人と犬の関係や犬の心の成長の研究を行い独自のメソッドを確立する。2013年にパーソナルドッグカウンセリングを開始。人と犬のパーソナリティを重視したコーチングは特に多くの女性に支持されている。

里親制度の普及や地域行政と連携した“犬のしつけ”相談業務など、教育、行政、法律と多方面で人と犬の問題に向き合い、犬専門雑誌の監修や執筆も行う。愛玩動物飼養管理士、ホリスティックケア・カウンセラー、ペット災害危機管理士、小動物防災アドバイザー、猫防災アドバイザー他、ペット関連資格多数。湘南ビジョン大学講師。2014年より神奈川県動物愛護推進員。2019年よりFM83.1MHzレディオ湘南に出演中。

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