ブログ

  1. HOME
  2. ブログ
  3. 犬の心理
  4. 怖がり犬のカート散歩。歩かせる?歩かせない?
 

怖がり犬のカート散歩。歩かせる?歩かせない?

白と黒のカートに乗って大きな目で見つめる白黒のパピヨン。

今回も心理士でドッグカウンセラーのしらたゆうこがパーソナリティを務めるラジオ番組、宝製菓presents radio café『犬とあなたと珈琲と。』に寄せられたお便りにお答えします。

歩かせない方が可哀想。
わかってもらえない

今回のお便り:ゴン太のかーさん、さんからいただきました。
祐子さん、うり店長こんにちは。今日は我が家のゴン太ではなく、実家で暮らす1歳半のマルチーズのことで相談です。母が毎日散歩をしていますが、カートに乗せたままです。理由を聞くと「ブルブル怖がるので可哀想」と言います。「歩かせない方が可哀想」と言っても、わかってもらえません。どう説明するといいのでしょう。教えてください。

はい。ゴン太のかーさんさん、ありがとうございます。

これは、お母様自身が解決したいという気持ちがないと、説得するのはなかなか難しいかもしれませんね。

カートから降ろすと
対応できないのかも

詳しい状況がわかりませんが、まず知りたいのは、子犬の時からずっとカートに乗せっぱなしなのかという点です。

もしそうだとしたら、「怖がり」になってしまった原因はそこにあると思いますから、怖がりを克服するには、一から世の中の色々を教えてあげる必要があります。

怖がる度合いがどの位なのか分かりませんが、カートから降ろして歩かせた時、お母様は愛犬を安全にコントロールできそうですか?

もしかすると、怖がるワンコを落ち着かせるなどの対応に自信がなく「無理」という気持ちから、「歩かせなよ」という言葉に対して、首を縦に振らないのかな…と、ちょっと思いました。どうでしょう。その場合はトレーナーなど専門家にお願いすることをおススメします。

カートが落ち着かせる
手段であるなら

でも、最初はちゃんと散歩をしていたのに、ある時期から怖がるような行動が出てきて、そこでカートに乗せてみたら落ち着ていられるようになった。

そういう話でしたら、散歩を諦めずに、とりあえずの解決策を見つけたのですから、ある程度はカートでのお散歩も認めてあげてもいいのかなと思います。

ただ、ずっと今のままでいいと言う訳ではありません。

これからは、人や犬がいっぱいいる賑やかな場所に積極的に行ってもらいましょう。カートに乗っていても、様々な環境に慣れることができれば、いつかカートから降ろしても落ち着いていられるようになるものです。

私がいるから大丈夫。
強いメンタルが必要

カートから降ろして歩かせた時、ブルブルと震えて怖がったり、ちょっと困った様子を見せたりしても次のことは守ってもらいましょう。

すぐに手を出さずに犬を信頼して見守ってあげること。「私がいるから大丈夫」と、母犬のような穏やかな強さを伝えてあげることがとても大切です。

怖がりの犬に強いメンタルで接することは、その場を落ち着かせるだけではなく、犬のその先の行動も決定づけていきます。

「穏やかに強く」
お母様はどうでしょう。できそうですか?

なにか、犬の散歩で不安なことや心配なことがあるのかもしれません。一度ゆっくり日常生活に関する話を聞いてみるのもいいかもしれませんね。

保護するだけが
愛情ではない

怖がり屋さんの犬をみると同情心が高まります。

でも、人間目線で「可哀想」って保護するだけではなくて、新しいコトにチャレンジさせて、世界を広げてあげる。

そうして犬が本来持つ能力を開発して伸ばしてあげると、犬はイキイキとしてきますよね。

そういう幸せや喜びを見つけられるように「アシストしていく」こと。それも大切な愛情です。そのような犬との関係の在り方もお話しされるといいかもしれませんね。

どうでしょう。ゴン太のかーさんさん。
少しは参考になったでしょうか。ドッグカフェに行ったり、ドッグランに行ったり、お母様がワンコと一緒にチャレンジできることを見つけて、ぜひサポートしてあげてくださいね。

ル・ブラン湘南までご連絡くだされば、私もお手伝いさせていただきます。 これからも楽しいドッグライフをお過ごしくださいませ。

この記事はFM831レディオ湘南:radio café『犬とあなたと珈琲と。』
(第1.第3土曜16:00~16:29放送)2023年9月16日放送分を加筆修正しました。

本記事は「こちら」から視聴可能。
レディオ湘南は世界中どこからでもワンクリックで視聴可能です。
番組サイトにもぜひ遊びにきてください『犬とあなたと珈琲と。』

◎『With a Dog』は犬の認知行動療法と飼い主のコーチングという“心理学を軸”としたドッグトレーニングを行う立場から、ヒトと犬の心と行動の関係についてお伝えしています。

文:白田祐子(しらたゆうこ)

うり店長のInstagram
ル・ブラン湘南のInstagram

白田祐子(しらたゆうこ)

プロフィール:日本心理学会認定心理士。ヒトと犬の心と行動カウンセリングラボ「ル・ブラン湘南」代表/ドッグカウンセラー。
1990年代から犬の行動や心理を独学し、保護施設などでしつけのボランティア活動を開始。現在のパートナーは2005年生まれの雑種の女の子で名前は“うり”。
大学で心理学を専門的に学び、人と犬の関係や犬の心の成長の研究を行い独自のメソッドを確立する。2013年にパーソナルドッグカウンセリングを開始。人と犬のパーソナリティを重視したコーチングは特に多くの女性に支持されている。

里親制度の普及や地域行政と連携した“犬のしつけ”相談業務など、教育、行政、法律と多方面で人と犬の問題に向き合い、犬専門雑誌の監修や執筆も行う。
愛玩動物飼養管理士、ホリスティックケア・カウンセラー、ペット災害危機管理士、小動物防災アドバイザー、猫防災アドバイザー他、ペット関連資格多数。湘南ビジョン大学講師。2014年より神奈川県動物愛護推進員。2019年よりFM83.1Mhzレディオ湘南にレギュラー出演、2022年4月から新番組『radio cafe犬とあなたと珈琲と。』がスタート。

関連記事

カテゴリー

  • ラジオカフェ
  • 犬の心理
  • 講演・イベントレポート
  • お悩み相談
  • 犬と暮らす
  • 日々のあれこれ
  • うりパイセンの独り言
  • 湘南しっぽラジオ
//サムネイルを取得 //ここから構造化データの記述