家の中を走り回って困った!
今回も心理士でドッグカウンセラーのしらたゆうこがパーソナリティを務めるラジオ番組“宝製菓presents radio café『犬とあなたと珈琲と。』”に寄せられたお便りにお答えします。
目次
家の中では
落ち着いてほしい!
今回のお便り:サファリさんからいただきました。
祐子さん、うり店長、こんにちは。我が家の愛犬は1歳半のチワプーの女の子です。常に家の中を走り回り、なんでもイタズラしようとします。まだ若いから仕方ないと言われますが、若くても落ち着いている子もいますよね。どうすると穏やかになってくれますか?何かアドバイスはありますか。
🐾🐾🐾
はい。サファリさんご相談ありがとうございます。元気いっぱい、チワワとプードルのミックスのチワプーちゃん。まだまだ1歳半ですのでエネルギーに満ちていますよね。でもエネルギーの発散はお外や遊びの時間にして、それ以外はリラックス。そういうメリハリのある生活を目指せるといいですよね。
そのためには、まず「家の中を走り回る」。そして「イタズラをしようとする」。この2つの原因と対策を考えてみましょう。
家の中を走り回る!
まずは「家の中を走り回る」について。
まだ全ての事が嬉しくて仕方がない年齢ですよね。でも、あまり過剰であればそれは問題。問題というのは「犬」ではなく、「生活習慣」や「家での過ごしかた」です。
遊ぶときは集中して遊ぼう!
パワフルなエネルギーをしっかり発散させてあげていますか?小さい犬を「家の中で走り回れるから運動はそれで充分」と言って販売するペットショップが多いようですが、それは間違いですよね。
大きくても小さくても運動と散歩はたっぷり必要。特にトイプードルはとても活発で運動神経のいい犬種です。ジャンプなど縦方向の激しい動きが多いのも特徴の一つです。
チワワとのミックスとはいえ、特徴を充分把握して、例えば、紐の先におもちゃを付けて、魚釣りのように縦運動を促す遊びを取り入れるなどしてみてはどうでしょう。あまり過剰にやると膝の負担になりますので、横運動の隙間に縦を組み込むイメージです。
生活に動と静の
メリハリをつける
小型犬の1歳半は人間でいうと20歳前後です。見た目は小さくて可愛らしくても、赤ちゃんではありませんので「可愛がる」だけではなく、たっぷりのお散歩や集中して遊ぶ時間を持っているか。生活習慣をもう一度見直してみることも大切です。
それから、リラックスできる「自分だけの静かな空間」を持っていなければ、作ってあげてくださいね。
イタズラは自分の力を
知る“力試し”
次にお家の中でのイタズラです。
子犬の頃はなんでも口に入れたり、齧ったりして、確認する時期がありますが、1歳半ともなれば「自分の力や能力を試したい」という意欲に満ち溢れてきます。そのため、家の中にある大きくて重い物を倒したり、ひっくり返したりすることが増えてくるもの。一種の「力試し」だと思ってみるといいかもしれません。
ですから「自分の力や能力を試したい」という“チャレンジ精神”をしっかり充たしてあげると、室内での破壊行動は抑えられます。それにはやはり遊びと散歩が重要となります。
たとえば、散歩の時に色々な場所を歩かせたり、様々な経験や探索をさせてあげる。そして、他の犬と走ったり、遊んだりすることで自然に自分の能力やその限界を知っていく。そうやって、自分の力や世の中のコト、他の犬のコトを知っていくと、体も心も満たされ、一人で力試しをするような行動はグッと改善されます。
穏やかな時間は
充実感とセットで訪れる
若くて快活な犬と穏やかな時間を過ごすには、真剣に遊び、たっぷり体を動かせる時間を作ってあげることが必要です。
遊びとリラックス。
「静」と「動」の区別をはっきりつけて、振り子を大きく振るようにメリハリの持った生活をすることが大事なのですね。そして、退屈だと家の中で遊べるものを探し周りますから、イタズラされたら困るものは、最初から犬の届かない所に置く。イタズラ対策はそれに尽きると思います。
サファリさん、どうでしょう。
少しは参考になったでしょうか。ノーズワークなど頭を使うゲームも充実感・満足感を味わうことができるようですよ。あまり外で遊ぶ時間のない時は家遊びもぜひ工夫してみてくださいね。これからも素敵なドッグライフをお楽しみください。
この記事はラジオ番組:radio café『犬とあなたと珈琲と。』(毎週金曜16:00~16:29/FM83.1Mhzレディオ湘南)の2023年1月13日放送分を修正しました。
本記事は「こちら」から視聴可能。後半部分にお便りのコーナーがあります。
レディオ湘南は世界中どこからでもワンクリックで視聴可能です。
番組サイトにもぜひ遊びにきてください→『犬とあなたと珈琲と。』
◎『With a Dog』は犬の認知行動療法と飼い主のコーチングという“心理学を軸”としたドッグトレーニングを行う立場から、ヒトと犬の心と行動の関係についてお伝えしています。
文:白田祐子(しらたゆうこ)
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白田祐子(しらたゆうこ)
プロフィール:日本心理学会認定心理士。ヒトと犬の心と行動カウンセリングラボ「ル・ブラン湘南」代表/ドッグカウンセラー。
1990年代から犬の行動や心理を独学し、保護施設などでしつけのボランティア活動を開始。現在のパートナーは2005年生まれの雑種の女の子で名前は“うり”。大学で心理学を専門的に学び、人と犬の関係や犬の心の成長の研究を行い独自のメソッドを確立する。2013年にパーソナルドッグカウンセリングを開始。人と犬のパーソナリティを重視したコーチングは特に多くの女性に支持されている。
里親制度の普及や地域行政と連携した“犬のしつけ”相談業務など、教育、行政、法律と多方面で人と犬の問題に向き合っている。愛玩動物飼養管理士、ホリスティックケア・カウンセラー、ペット災害危機管理士、小動物防災アドバイザー、猫防災アドバイザー他、ペット関連資格多数。2014年より神奈川県動物愛護推進員、湘南ビジョン大学講師。2019年よりFM83.1Mhzレディオ湘南にレギュラー出演中、2022年4月(毎週金曜16:00~16:30)から新番組『radio cafe犬とあなたと珈琲と。』がスタート。