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犬とあなたと珈琲と。Vol.39

聞逃し配信中(オープニングや曲はカットされています)
ミキサー:レディオ湘南 高橋優佳

宝製菓presents radio café『犬とあなたと珈琲と。』

FM83.1MHz レディオ湘南(毎週金曜 16:00~16:29)放送中

湘南の海を見下ろす、小さなコーヒーショップ「TAKARA CAFÉ」。
ここで“宝物”の話をすると探し物が見つかるとか?…
オーナーは心理士でドッグカウンセラーのしらたゆうこ。
店長はカフェオレ色の愛犬“うり”。
美味しい珈琲を飲みながら、お客様との会話に耳を傾けてみませんか。

今回のお客様はWebデザイナーでイタリア生まれのラブラドールと暮らすカイウェイゆかりさん。カナダ人のご主人の転勤でイタリア暮らしを始めたゆかりさん。その生活は緊張の連続だったそう。それを救ってくれたのが語学学校の先生が連れて来ていたラブラドール。愛犬ゆずの母犬です。ゆずとの出会いや犬と一緒だったから乗り越えられた異国の暮らし。素敵な人達との出会い。4年半暮らして感じたイタリアと日本の犬事情の違いなど、とても興味深いお話しを伺いました。イタリアの風を感じる写真も満載です。

―こんにちは!ゆかりさん、ようこそお越しくださいました。

こんにちは。今日は“ゆず”も一緒にきました。うりちゃーん!こんにちは。

―お互いクールな対応ですね。ゆずちゃんももうシニアですものね。

そうです。ゆずももう9歳です。最近はラブラドールも長生きと言われていますが大型犬の9歳は充分シニアですよね。

ーでは、今日は大人女子2人と2匹ということでクリスマスイブイブを過ごしましょう。

やっと湘南に戻ってきた!

―ゆかりさんとは犬友達で、コロナの前ですから4年くらい前でしょうか。最初から犬も人も「カジュアルに挨拶してサラッと別れて」みたいな感じでしたよね。

そうですね。素敵な女性が可愛いワンちゃん連れてるなってイメージで、スカートがすごい印象的でした(笑)

―私も「わぁかっこいい」と思って見ていました(笑)最近知りましたが、あの頃は引っ越してきたばかりだったんですね。

そうなんですよ。
主人の転勤で関西に2年いて、その前はイタリアで4年半暮らしていました。東京生まれなんですけど、20年前にサーフィンを始めて鎌倉に移住していたので「やっと湘南に戻ってこれた」って感じです。

イタリア生まれのゆずです
Buongiorno!

ーゆずちゃんはイタリアにお住まいの時に出会ったんですよね。

私が通っていた語学学校の先生はいつもチョコラブのイヴァちゃんっていう女の子を連れて来ていて、授業中はいつもみんなの机の下に寝転がっていたんです。「ずいぶん大きいな子だな」って思っていたら妊娠中だったんです。それで、その子がゆずのママです(写真下)。

―そうなんですね!ゆずは生粋のイタリアっ子!Buongiorno!(笑)

―ゆかりさんはご自宅でグラフィックやホームページ、動画の編集をされているんですよね。広告代理店にお勤めになってから、知り合いのレストランに転職されて、そこでご主人の出会ったそうですね。

そうなんです。
そのとき、ドイツから仕事できていたカナダ人が日本に来るたびにそのお店に寄るようになって…

―ビビビと来た!

うーん…どうだろ?(笑)
私は全然好みのタイプじゃなかったのに(笑)。ただ、東日本大震災をきっかけにグッと距離が近くなりましたね。

―2011年…

そうです。私はあの時、出勤途中で地下鉄に乗っていたんです。携帯も繋がらないまま暗い線路の中を2時間歩いてやっと地上に出て、はじめて津波の事とかを知ったんですけど、その時e-mailだけは繋がっていました。

ドイツから彼が「TVで見たけど大丈夫か」って何度も連絡をくれていたんです。あの頃、海外の人たちはみんな帰国していたと思うんですけど、彼は「今から行く!」って言って、ドイツから駆けつけてくれて一気に距離が縮まったかな。

イタリア生活は緊張の日々

―ご主人がイタリアに転勤になってゆかりさんも海外暮らしがスタート。イタリア生活はどうでしたか?

イタリアではずっと緊張して生活していたということもあるんだけど、自分にはちょっと…全然合わなくてノイローゼになりかけていましたね。

―ゆかりさんの感じたイタリアはどんな風でした?北イタリアの美しい街トリノでしたよね。

はい、トリノです。
トリノは地理的には北にあってミラノとフランスが近い感じなんですけれど、とってもコンサバな街です。普段からみんなお洒落してキレイにしていて、美意識がとっても高いっていうとそれまでなんですけど、女性の方は毎日髪の毛をセットしに美容室に行ったりするので、朝から美容室が賑わって行列ができたりしていましたね。

―イタリア人はジーパンも靴下もアイロンをかけるって言いますもんね。

パンツもですよ(笑)。
その反面、みんな車の運転が荒くて信号も守らないんです。だから、ゆずと歩いていたら、ゆずが轢かれそうになったり、本当に危険でイタリアでは一度も運転しなかったですね。治安も悪いので家を出た瞬間から緊張していました。

でも、ゆずがいてくれたから、一日のルーティンができて、川沿いを歩きながらパン屋さん寄って、肉屋さんに寄って、公園に行って犬友たちと遊ばせてっていう生活ができました。それ以上は頑張らないって決めていましたね。

ゆずを通じて
素敵な人たちと出逢えた

―それ以上は頑張らない。イタリア生活って聞いたら、羨ましいなって単純に思っちゃいますし、TVや雑誌を見て憧れたり、観光客として遊びに行ったりするのとは全く違う世界ですものね。

そうですね。やっぱり観光とは違い、住んでいるとヘイトクライムとか人種差別があるので、それがすごく嫌でしたね。

―そうか…

でも、私が出会った人達は本当に優しくて素晴らしい方だったんです。ジェラート屋さんとかパン屋さん、肉屋さん、ピザ屋さん、みんなに愛されて、いつもゆずはおやつもらっていましたね。なので、ゆずのおかげで良い街の人に出逢えました。

―やっぱり犬が結んでくれる縁に感謝ですよね。

そうですよね。

イタリア語の「Tesoro」は宝物

『TAKARA CAFÉ』は、なんだか一人でノンビリ寛げる空間だなって思ったんですけど、イタリア繋がりで言っちゃうと、宝物って「Tesoro(テゾーロ)」って言うんですね。自分の子供とかワンちゃんとかを「テゾーロ」って呼んだりするんですけど、大事なものへの思いが詰まった言葉だなと思います。

―テゾーロ。いいですね。『TAKARA CAFÉ』はここで宝物の話をしたら、失くした宝物が見つかったり、新しい宝物に出会えたりする。そんな場所になるといいなと思って付けた名前なんです。

なんか素敵ですね、とっても。

―ありがとうございます。もしよかったらゆかりさんも宝物の話きかせてください。

人生そのものがわたしの宝物

―ゆかりさんの宝物はなんですか。

そうですね。まず、ゆずとサーフィン、友達、そして大好きな父との思い出ですね。

―たくさんの宝物に囲まれていますね。

はい。ゆずとの出会いは精神的にもとても大きかったので、今ではもう「ゆずなしでは生きていけない」って感じです。それから、小学校からずっと一緒の友達や大学の部活の仲間やサーフィンの仲間、私の人生はとっても友達に恵まれている人生だなとつくづく思っています。

ゆずに救われて友達に救われて、サーフィンに救われて。なので〝私の人生そのものが宝物〟ですね。

―今も犬友達と一緒にビーチで遊んだり、お出掛けしたり。「ハッピーな人の周りにはハッピーな人が集まるな」って思っていつも見ています。ワイワイと楽しそうですよね。

そうですね。今も海岸とかでみんなとワンちゃんと遊んで、とっても幸せな時間をもらっているという感じですね。

―ダーリンは?年末年始は?

彼は今オランダに単身赴任中で半年に一度くらい帰ってくると言うスタイルなんです。「今日、明日には出発する」って言っていたので、明後日くらいに日本着だと思います。

―ぎりぎりクリスマスには遅れる…って言う感じなんですね。

そうですね。あっ!ギリギリかな。

―そっか、ギリギリ間に合うのか!

イタリアのクリスマス

―ヨーロッパのクリスマスはどうでしたか?例えば、ドイツはクリスマスマーケットが有名だし、フランスはカウントダウンでエッフェル塔がとんでもなくキラキラしたりという印象があるんですけど。イタリアは?

イタリアは実はそんなにきらびやかではないですね。日本人が想像するクリスマスは多分、北欧とか北米のクリスマスだと思うんですよね。大きなクリスマスツリーがあって、「Babbo Natale」ってイタリアでは言うんですけど、サンタクロースがいて。

ヨーロッパは赤い服に白いひげのキービジュアルはないです。代わりにキリストが生まれる納屋のシチュエーションの置物が街の中あちこちに現れます。イブには揺りかごにベイビーはいないんですけど、25日の朝になるとベイビーが置かれというシチュエーションですね。

―あーなるほど!。そのシチュエーションの置物なんとなくわかります。ダーリンのカナダのご実家は?

イタリアから何度かカナダにクリスマスシーズンに行きましたね。地球の真上から北極を越えて行くんですけど、カナダのクリスマスは日本人の人たちが想像する海外の「The X‘mas」っていう感じです(写真下)。

―大きなツリーとプレゼント。そして家族が集まる感じなんですね。

どこでも一緒のイタリア犬事情

―イタリアの犬事情はどうでしたか?例えばフランスでは2024年からペットの店頭販売が禁止されますし、ドイツでは犬税が課されたりします。イタリアも州によって違うと思いますが···。

イタリアではペットショップでの生体販売はないですし、教会や博物館など一部の建物を除けば、乗り物やスーパーなど、犬はどこでも自由に一緒に入れます。

それから、私がゆずと暮らそうと思って大家さんに相談したとき「この州ではペットを理由に断ってはいけない。そういう決まりがあるから大丈夫」って言われましたね。

―ペットを理由に断ってはいけない。その違いは大きいですね。保護施設も充実していますよね。

そうですね。一度迷い犬を保護したことがあって困っていたら、犬友に「マイクロチップが入っているはずだから、近くの獣医さんに行きな」ってアドバイスされて連れて行ったんです。でも、そこで調べた時はチップは入ってなくて、そしたら獣医さんが「カニーレに行け」って言うんですよね。

―カニーレは保護施設ですね。

はい。私は日本の保健所のような場所を想像していたので「そんなところに連れていったら殺されちゃう!」って半泣きで訴えたら「殺されるわけないだろ!」ってびっくりされました。カニーレでは新しい家族が見つからなくても、そこで犬生をまっとうできるので殺処分なんてないんですね。そういう日本との違いには驚きました。

犬のしつけはステータス

―家族を失ったり、家族がいなくても犬生をまっとうできて、犬とどこでも一緒に行ける。犬のしつけ事情もそもそも違いますよね。

そうですね。しつけができていることは重要なステータスです。

飼いたての頃はまだしつけができていないので、それは恥ずかしいことっていう感覚ですね、見ていると。しつけもできているからフリーで遊ばせられるし、そのためには去勢や避妊手術というのはスタンダードなことです。

―海外は大型犬の方が多いのも特徴ですよね。日本でも大型犬はしっかり躾をしないと家族も大変。でも小さいとうっかりしがち。そういう傾向はあるように思います。

そうですよね。

―さぁ!明日はクリスマスイブ。なにか思い出の曲をおかけしましょうか。

はい。お願いします。
じゃあ、20年前に大好きな父を亡くしてしまったんですけど、その時に出会った曲で「与えられるのを待つのではなく、誰かに何かを与えていこう」っていう、「何か1つでもいいから、1日1個、良いことをしてみよう」と、前向きな気持ちにさせてくれた曲なんです。Blueの『The Gift』(楽曲はYouTubeにリンクされています)

イタリアの犬友さんに
言われたことを守って

―今探してる宝物はなんですか。

ゆずとの幸せな日々を守ることです。
イタリアで近所の犬友のおじさんに言われたんです。犬の幸せは「遊ぶこと・食べること・飼い主と一緒にいること」。この3つだって。だからこれからもその言いつけを守っていきたいなと思っています。本当だったら、不幸な犬を減らす魔法の杖が欲しいですけどね。

―いつか介護が始まるかもしれないからと、体重28㌔のゆずちゃんを抱っこして練習をしているそうですね。スポーツウーマンのゆかりさん、これからも足腰鍛えて、ゆずちゃんとダーリンとも一緒に湘南で遊び続けてください。今日はお話しを聞かせていただいたお礼にもう一杯いかがでしょうか。

いいんですか?じゃあ遠慮なく。

―はい、ごゆっくりお過ごしくださいませ。

ありがとうございます。じゃあ、もう少しゆっくりしていきますね。

カイウェイゆかりさんの
犬とイタリアとクリスマス

番組サイト⇒『犬とあなたと珈琲と。』

インタビューと文:白田祐子(しらたゆうこ)

うり店長のInstagramは『こちら』
ル・ブラン湘南のInstagramは『こちら』

白田祐子(しらたゆうこ)

プロフィール:日本心理学会認定心理士。ヒトと犬の心と行動カウンセリングラボ「ル・ブラン湘南」代表/ドッグカウンセラー。
1990年代から犬の行動や心理を独学し、保護施設などでしつけのボランティア活動を開始。現在のパートナーは2005年生まれの雑種の女の子で名前は“うり”。
大学で心理学を専門的に学び、人と犬の関係や犬の心の成長の研究を行い独自のメソッドを確立する。2013年にパーソナルドッグカウンセリングを開始。人と犬のパーソナリティを重視したコーチングは特に多くの女性に支持されている。

里親制度の普及や地域行政と連携した“犬のしつけ”相談業務など、教育、行政、法律と多方面で人と犬の問題に向き合っている。
愛玩動物飼養管理士、ホリスティックケア・カウンセラー、ペット災害危機管理士、小動物防災アドバイザー、猫防災アドバイザー他、ペット関連資格多数。湘南ビジョン大学講師。2014年より神奈川県動物愛護推進員。2019年よりFM83.1MHzレディオ湘南に出演中。

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