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犬とあなたと珈琲と。Vol.33 中山 ゆき

聞逃し配信中(オープニングや曲はカットされています)
ミキサー:レディオ湘南 高橋優佳

宝製菓presents radio café『犬とあなたと珈琲と。』FM83.1MHz レディオ湘南(毎週金曜 16:00~16:29)放送中

湘南の海を見下ろす、小さなコーヒーショップ「TAKARA CAFÉ」。ここで“宝物”の話をすると探し物が見つかるとか?…オーナーは心理士でドッグカウンセラーのしらたゆうこ。店長はカフェオレ色の愛犬“うり”。美味しい珈琲を飲みながら、お客様との会話に耳を傾けてみませんか。

今回のお客様は保護シェルター付きトリミングサロン『イヌと暮らす』の中山ゆきさん(2度目の出演)。昨年・今年と愛犬を続けて亡くし、泣いてばかりいたと話すゆきさん。「私はお店の名前にするくらい犬と暮らすことに真面目に取り組んでいます。でも、思い返してみるとお店が忙しくなり始めた頃からの思い出が、急に少ない気がするんです。忙しさにかまけて犬と全然遊んでいなかった。その事に気付かされて後悔ばかりしています」。限られた時間の中、どうやって犬との時間を作るか…。ワンワンワンワンの11月11日、犬の話を少し真剣にしました。お便りのコーナーも愛犬との別れについて。最近積極的に参加している譲渡会のお話しも伺いました。


―こんにちは!ゆきさん、ようこそいらっしゃいました。

中山ゆきさん(以下 ゆき):祐子さん、こんにちは。また来ちゃいましたー。

―いつもありがとうございます。今日は「はじめまして」の子と一緒ですね。
ゆき:はい。九太君です(最後に写真があります)。うり店長と同じ茨城の野犬でまだ生後3か月。絶賛!新しい家族募集中です。

―元気いっぱいで可愛い。同じ茨城出身でも見た目はうりとは全然違って、久太君は耳周りにフワっとした毛が生えているんですね。
ゆき:そうなんです。大きさもうり店長より大きくなるかなって印象です。うり店長挨拶してくれてありがとう。

―茨城犬のパイセンだよー。今日は犬連れのお客さんが多くてすごく嬉しいんです
ゆき:あっそうですね。どうしてですかね?

―11月1日は「犬の日」だったでしょ。でも、今日はさらにワンが多くて、ワンワンワンワン。だから「犬が賑やかに挨拶する日」なのかなって勝手に思っています。
ゆき:確かに!じゃあ、今日はたっぷり犬談義ですね。

―いつもとんでもない方まで話が飛んで行ってしまいますけど…(笑)

12月の繁忙期の前に。
ゆっくり一息


―今日もお届けの帰りですか。
ゆき:そうです。トリミングが終わったワンコのお届けしてきました。12月は予約がいっぱいで全員フル稼働になるので、今少し息抜きです。

―そうか。来月はもう師走、年末は「トリミングサロンの予約が取れない~」って声をよく聞きますが、今からの予約じゃもう遅い位なのかな?

ゆき:12月は後ろから予約は埋まっていきますが、まだ空きがあると思いますので、早めに連絡してください。

―じゃあ友達にそう伝えますね。そうそう、10月30日の葉山の『お寺でわんにゃん縁結び』お疲れ様でした。
ゆき:祐子さんもお疲れ様でした。「人×まち×ペット つながる!お祭り」というサブタイトル通りホンワカした雰囲気でよかったですよね。

―これからも定着していくといいですよね。

お店を飛び出して
積極的に譲渡会を開催!

―イベントと言えば、ゆきちゃんのお店、トリミングサロン『イヌと暮らす』さんは保護犬猫の支援店でもあるんだけど、最近はお店を飛び出して譲渡会により力を入れている印象があります。

ゆき:そうなんです。最近は積極的に参加しています。譲渡会はイメージとしては2パータンあって、一つは定期的に開催する「定例会」って呼んでいる譲渡会。もう一つはイベントが開催されている時に出店させてもらう「イベント型」。この2つがあって、イベント型が増えていますね。

―「定例会」と「イベント型」。この二つでは感覚的にやっぱり違うものですか。

ゆき:違いますね。「定例会」の場合はリピーターの方が多いですし、事前に譲渡会に参加する犬たちの情報を発信しているので、「この子に会いにきた」って、目星を付けてくる方がほとんどなんですね。だから、私たちも犬の状態をしっかり伝えて、新しい家族とマッチングすることがメインになってきます。でも、「イベント型」は色々な方がくるので、私たちは「たまたまそこにいる」って感じです。活動を知ってもらうのがメインになりますよね。

保護犬が文化。
そんな家族を増やしていきたい

現在里親募集の犬たち(最新情報をご確認ください)

―定例会での「リピーターの方が多い」というのは、2頭目、3頭目ということ?

ゆき:はい、そうですね。これはもう、私の所属している保護団体PAK(パック)の老舗のすごさなんですが、20年やっていると「うちの子が虹の橋に旅立ちました」って連絡が入ることも多くて、そうすると「また保護犬を」って縁を繋げる。そういうリピーターさんですね。あと保護犬を迎えた家族で、当時は子供だったのに「自分も世帯を持ったので」って来てくれたり。そういう「保護犬が文化」になっている家族っているんですよね。

―保護犬を迎えることが「家族の文化」。「一族の文化」になっていく!

ゆき:そういう文化の家族が増えているなって実感しています。

―「保護犬は文化」の家族がどんどん枝葉分かれて増えていくといいですよね。世代を超えて…。
ゆき:そこを目指したいですね。

今後は活動内容も
知ってもらいたい


―イベントはどちらかというと、いわゆる啓発活動ですね。

ゆき:はい。イベントでは実際に譲渡まで話が至ることは少ないんですけど、ふと足をとめて少しでも興味をもってくれた人がいた時は嬉しいですね。「なんでも聞いてください!」って思います。

―興味を持つ方って、例えば、どんなことを聞いてきたりするんですか?

ゆき:例えば「自分は飼えないけど、寄付とかした方がいいんですか」って、声をかけてくれる方もいます。“何かをしたくて来てくれた人”の気持ちが伝わってきますね。

―確かに、自分は飼ってあげられないしボランティアも難しい。でも何かしてあげたい。そんな中、実際に活動している人たちと出会うことで、フワッとしたものがもう少し現実的になるかもしれないですね。

ゆき:そうですよね。「何かしたいけど」っていう“ボランティア難民”みたいな人って案外多いと思います。なので、これからは保護動物のことだけではなく、保護団体の活動内容なども知ってもらうことが大事だなと思っています。そういう情報発信とかも頑張っていきたいと思っているんですけど、情報発信基地でもあるこの『TAKARA CAFÉ』って大切な場所ですね。

―そうです。「私の宝物」なんです。そしてみんなの宝物になると嬉しいなと思っています。


ゆき:宝製菓の商品を見ると、もはや祐子さんを思い出しますね。そういえば、葉山の『お寺でわんにゃん縁結び』もイベント型。長く続けて行って、そのうち「あそこに行けばわんにゃんがいる」って思ってもらえたら嬉しいなぁ。

―「ここで家族になったコです」って、遊びに来てくれるようになるといいよね。お寺だからずっと変わらずそこにあるし、ご住職もずっといるから、里帰りみたいになるといいですよね。

ゆき:それ最高!おばあちゃんになっても遊びにいきたい的な(笑)。

―そうそう。20年後、30年後も「ここでまた会おう」って約束できる場所だよね。

愛犬との別れで
遊ぶことの大切さを痛感


―そういえば、この前、虹の橋に旅立った子の話をしていたね。
ゆき:昨年と今年と2頭、うちの子を虹の橋へ見送りました。

―去年が今日太郎君で、今年がゼブラ君(写真上)。今日太郎君って「きょう」って「today」「今日」なんだよね。これはどうしてそういう名前に?

ゆき:「今日も楽しく」っていう「今日」です。毎日が今日!

―いいね。ゼブラ君とは私、亡くなる2週間位前に会っていたんだよね。すごく驚きました。

ゆき:ゼブラは持病もあったんですけど、まさかっていう感じで突然逝ってしまって…。2頭を失って「イヌと暮らす」って言うのを、私はお店の名前にするくらい真面目に取り組んでいるんですけど、思い返してみると思い出が少ないというか…。お店を始める前は、海に行ったり、キャンプに行ったり、いくつかの思い出をパラパラと思い出せるんですけど、お店を始めて、忙しくなり始めた頃からの思い出が急に少ない気がするんです。忙しさにかまけて「犬と全然遊んでいなかったんだな」っていうのを、ひしひしと感じましたね。

それって結局、時間を作るのは自分。犬のために、〝犬と遊ぶ〟という時間のために休みをとってもいいくらいだったんだなって、本当に後悔しています。遊んでいた時の記憶では、鬼ごっこも大好きだったし、隠れん坊も大好きだった。遊ぶのが大好きな子たちだったのに、それに対して私は時間を取っていなかったってことが、もう取り返しがつかなくて…その事に気付かされて…悲しくて、後悔ばかりして泣いていました。

嬉しい・楽しい!
もっと笑って


―「どうしてあのとき」「どうしてもっと」ってね…。私も愛犬とのお別れから1-2か月の記憶がすっぽり抜け落ちている位、心に穴があいた経験があります。時間が経ってみると、辛い痛みを伴ったけど、結局犬たちは「いつでも私たちに色々なことを教えてくれているんだ…」って、私は思えたかな…。

ゆき:本当にうちの子たちは「もっと遊んで!」「もっと一緒に笑って!」って。楽しむこととか、思い出作りが一番大大切だって言っていたような…。

―犬は「あの時は楽しかったなぁ」って過去の記憶を反芻しないって考えられているから、「思い出」というのはちょっと人間寄りになっちゃうのかもしれないけど、「楽しい!」って感じる幸福感や充実感、それからその余韻を楽しみながら満足して眠るとか、そういう心の動きは科学的に解明されているよね。だから、そういう「幸福感」を感じた時を「思い出」って置き換えてみると…とってもいいかも。

「思い出作り」はハードルの高いものを目指さなくても、普段の生活にメリハリをもたせて「楽しい!」「嬉しい!」って感じる、小さな幸せ。そういう小さな幸せをいっぱい与えてあげることが犬と暮らす醍醐味なのかなって私は感じているんです。

ゆき:なるほど…。納得です。満足して爆睡中の幸せそうなこと。あの顔いいですよね。

―その姿を見て、また私たちも幸せを貰えるよね。

犬の世話は“義務”ではなく
“楽しむ”こと


ゆき:ただ犬と長く生活しているといつの間にか、自分でも気づかないうちに、お世話することが「義務」になってしまうことってあると思うんです。散歩をしたり、ご飯をあげることは出来ている。でも、だから「いい」ではなくて、大事なのは犬への向き合い方っていうのかな。時間があるから「できる」、ないから「できない」じゃなくて、犬と一緒に「楽しむことが」できているのか、できているのか…。

―時間がなくても、その時間の中身なのかな。でも、やっぱり、基本的にはあまり時間のない人が犬と暮らすのは難しいかもしれないよね。「時間がない」というより「犬のために時間が作れない人」っていった方が正しいかな。だって、犬は自分の事を自分ですることはできないし、社会勉強や穏やかに生きるために必要な経験も飼い主の技量にかかってくるよね。

ゆき:責任重大。

―そうね…。でも、私も20代の時に犬と同居をはじめて、一人と1匹、一人と二匹の生活で、とんでもない飼い主でした。だから「どうしても犬と暮らしたい」っていう人の気持ちはわかります。

ゆき:どうしても飼いたい人ね。私もどうしても飼いたい人でしたし、そういう人たくさんいますよね。どうすればいいんですかね。

協力者に頼りながら
究極の時間を作る


―ちゃんと犬の事を考えて工夫ができるか、それと協力者がいるか。かな。

ゆき:協力者は絶対に必要ですよね。私もどれだけ家族に協力してもらっているか。例えば、自分がどうしても夜遅くなっちゃう時に散歩行ってくれるとか、おトイレのお世話してくれるとか、ご飯あげてくれるとか、とっても助かりますよね。

―たとえ週5で留守番をさせても、残りの2日間や留守番時間以外を犬だけのために使って、充実させてあげられるか。ゆきちゃんの言うように、犬とどれだけ遊んで「思い出作り」をする時間を作れるか。

ゆき:それですね!残りの2日間での思い出作り。休日にがっつり遊ぶんですよね。またはお休みを取ったりしてね。それ以外は誰かに見てもらうようなことがあってもいいと思うんですよね。

―そうね、世話を充分しきれない部分は誰かに任せる。そうやって、犬が苦痛なく快適に過ごせるようにニーズを満たしてあげる。そこは犬を飼う人の義務であり、責任でもあるよね。愛情や気持ちだけでは犬を育てられないから。だから、親兄弟でもシッターでもプラスアルファの人に助けてもらう。私も一人暮らしの時は犬の世話をしてくれる彼氏の存在が重要でした!

ゆき:彼氏の条件が「犬の世話!」。でも、わかります!そうだ、あれいいですよね。忠犬ハチ公と教授。飼い主は大学の先生だから日中は留守番させていて、絶対的にお世話は奥さんだったはずなんですよね。だけど、一日のちょっとした時間、駅までの行き帰りが究極の時間として描かれていて、好きと信頼関係がぎゅっと詰まった二人の時間でしたね。

―あー、いいね。ゆきちゃんのその解説はどの映画評論家よりも素敵な解説ですね。じゃあ、ちょっと一息、ぎゅっと詰まった時間を感じるハッピーな曲、チョイスしてください。

ゆき:じゃあ今の私の気持ちにもピッタリな「いつも一緒に居た方がいいんだ」って歌う、ジャックジョンソンの『better together』お願いします(楽曲はYouTubeにリンクされています)。

一緒に笑った
幸せな時間を思い出して


―犬との「思い出作り」。これからはどんなことをしていきたいですか?

ゆき:今、「犬と遊ぶ」ってことを色々やってみたり参加してみたりしているんです。ミニアジリティとかドッグダンス、パックウォークや一緒に泊れるホテルとかキャンプ場。高速道路のサービスエリアだってドッグランがどんどん増えて行って充実しています。「遊ぼう!」「参加しよう!」と思うと、結構色々あるんですよね。なので、そういう予定を組んで「いっぱい遊ぼう!」ってやっています。

でも、とにかく犬って寿命が短くって、見送った後に「何したかな」って後悔するんですよね。だから「その時その時をどうか一緒に過ごして、一緒に笑った幸せな時間を思い出してほしい」。それが犬からのお願いです。って急に犬目線(笑)。

―うん。その意見に賛成だワン。今日はもう少し時間ありますか?
ゆき:はい。あります。

―じゃあ、大切なお話を聞かせていただいたお礼にカフェオレのおかわりをどうぞ。
ゆき:嬉しいです。遠慮なくいただきます。

遊びにきてくれた九太君(ずっとの家族募集中!)

「イヌと暮らす」のHPは「こちら」
番組サイト⇒『犬とあなたと珈琲と。』

インタビューと文:白田祐子(しらたゆうこ)

うり店長のInstagramは『こちら』
ル・ブラン湘南のInstagramは『こちら』

白田祐子(しらたゆうこ)

プロフィール:日本心理学会認定心理士。ヒトと犬の心と行動カウンセリングラボ「ル・ブラン湘南」代表/ドッグカウンセラー。
1990年代から犬の行動や心理を独学し、保護施設などでしつけのボランティア活動を開始。現在のパートナーは2005年生まれの雑種の女の子で名前は“うり”。大学で心理学を専門的に学び、人と犬の関係や犬の心の成長の研究を行い独自のメソッドを確立する。2013年にパーソナルドッグカウンセリングを開始。人と犬のパーソナリティを重視したコーチングは特に多くの女性に支持されている。

里親制度の普及や地域行政と連携した“犬のしつけ”相談業務など、教育、行政、法律と多方面で人と犬の問題に向き合っている。愛玩動物飼養管理士、ホリスティックケア・カウンセラー、ペット災害危機管理士、小動物防災アドバイザー、猫防災アドバイザー他、ペット関連資格多数。湘南ビジョン大学講師。2014年より神奈川県動物愛護推進員。2019年よりFM83.1MHzレディオ湘南に出演中。

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