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犬とあなたと珈琲と。Vol.73犬のボディランゲージを真似しよう。

赤い椅子に座る茶色の犬とカフェオレとコーヒー豆
聞逃し配信中(音楽は全てダミーです)
収録:レディオ湘南

宝製菓presents radio café『犬とあなたと珈琲と。』
FM83.1MHz レディオ湘南
(第1.第3土曜 16:00~16:29)放送

お客様は常連客のゆきさん(株式会社イヌと暮らす代表取締役)。今回のテーマは「犬のボディランゲージを真似しよう」。世界中の犬たちの共通言語「ボディランゲージ」。いわゆる『犬語』はどうやって獲得されていくのでしょう。また、最近「犬語」を上手に使えない犬たちが増えてきている理由とは。さらに、私たちにも使える「犬語」を、保護活動をしながらトリミングサロンを経営しているゆきさんと、人と犬の関係を研究しているドッグカウンセラーの白田祐子がそれぞれの視点で考えていきます。

祐子 こんにちは。ゆきちゃん、いつもありがとうございます。

ゆき こんにちわ、祐子さん。今年もよろしくお願いします。

祐子 ご来店は今年初めてでした。2024年もよろしくお願いいたします。

ゆき うりちゃんも、今年もよろしくお願いします。

祐子 今日は珍しく抱っこ犬だね。トイプーちゃん。

ゆき そうなんです。トイプードルの3歳の女の子、育子ちゃんです。去年の体育の日に保護したので育子ちゃん。最近、やっと抱っこもできるようになったんだよねー。

祐子 へー。警戒心バリバリだったの?

ゆき はい。PAK(Paws Adoption かながわ)で保護する前は繁殖場のケージ育ちだったので、全然人慣れしていなくて…。顔つきも随分変わりましたね。

祐子 今はニコニコ!これからはもっと笑顔がでてくるといいね。

ゆき はい。でてきます!じゃあ、いつものカフェオレお願いしまーす。

コミュ力不足は
負のスパイラルのはじまり

祐子 トリミングサロンの予約争奪戦ともいえる、怒涛の12月を乗り越えて、ゆきちゃんのお店『イヌと暮らす』のスタートはどんな感じですか。

ゆき のんびりスタートさせてもらってます。今年も精進して参ります。

祐子 あっという間に、春だ!夏だ!秋だ!って駆け回っているのが想像つくなぁ(笑)この前一緒だった「うら君」は元気ですか?

ゆき うら君はどんどん成長していて、もう10㎏を超えてきました。譲渡会に参加していて『ずっとの家族』絶賛募集中です!今年のいいご縁に期待です。

祐子 うら君は小さい時から、沢山の人や犬と接しながら成長していて、物おじしない子だから、最高の相棒になるよね。いいご縁がありますように。

ゆき そうそう。それで思い出しました。去年、犬同士のコミュニケーションって「ボディランゲージ」が上手に使えるかどうかが、とても大きく関係しているという話をして、すごく面白かったです。

祐子 そうでした。ボディランゲージは自分の気持ちや意思を伝えるだけではなくて、礼儀作法・マナーのような意味合いを持つものも多いから、もしマナー違反があれば、コミュニケーションはスムーズに行われないってことだよね。特に犬はルールやマナーには厳しい動物だから。

ゆき 例えば、犬同士が出会ったときに「いい感じ」で近寄れるか、「ガウガウしちゃうか」って、大きな別れ道だと思うけど、「はじめまして」の挨拶をするときには、頭をさげて横から近づくのが本来のマナー。

祐子 そう。「争う気はありませんよ」って気持ちをしっかり表しながら近づく。

ゆき もし、正面から近づいちゃうと、本人にその気はなくても、相手は喧嘩を売られたと思ってトラブルに発展することもある。

祐子 「その態度はなんだ!」ってね。あるいは完全に無視されちゃう。ボディランゲージができない犬にしてみると「みんな一体なんなの?」って犬不信になっちゃうよね。その結果、吠えられる前に吠えろみたいに、どんどんコミュニケーションに支障がおきて、負のスパイラルに陥ってしまう。

ゆき 負のスパイラルかぁ…。そういう子を結構見かけることがありますね。

前回の話⇒『コミュ力と犬社会のルールとマナー』

犬の共通言語
カーミングシグナル

ゆき トリマーの私がよく見るボディランゲージは「あくび」とかあるけど、そういうボディランゲージは「カーミングシグナル」って言われるものでした。

祐子 そう。「大変だ!緊張してきた!自分落ち着こう」って、自分の気持ちを落ち着かせたり、「大丈夫だから落ち着いてね」って相手に伝えたり、「僕は仲間だよ」って争う気持ちがないことを表明したりする行動がカーミングシグナル。犬の感情表現は本来とてもシンプルでストレートだってことだよね。

ゆき 私たちが思う以上に「犬は色々と気持ちを伝えあっているんだ」って、思うと驚きだけど、「無駄な争いを起こさないため」にボディランゲージはあるってところが本当すごい。でも、こういうボディランゲージやカーミングシグナルって、どうやって彼らは学んでいくんでしょうね。

祐子 カーミングシグナルは、だいたい27種類前後あることがわかっていて、そのほとんどがオオカミ時代から脈々と受け継がれる「遺伝子レベル」のもの。残りのいくつかは、子犬時代に他の犬や人と関わりの中で身に付けていくそう。カーミングシグナルは世界中のどんな犬にも共通することがわかっているんだけど、納得の理由だよね。

ゆき 遺伝子レベル!そして、それ以外は子犬時代の経験。やっぱり、子犬の時の交流って大切ですね。生まれてから数か月の期間が一生ものになるんだって思うと、うかうかしていられない。

祐子 本当だよね。ぼんやりしていたら、犬の成長に追いつかない。カーミングシグナル以外にも「ボディランゲージ」、いわゆる「犬語」は100種類以上あるって分かってきたみたい。

ゆき 面白い!発見した人ってすごいですね。だって昔は、尻尾を振っていたら「喜んで」いる、下がっていたら「怖がって」いる程度で、犬は尻尾でしか話さないって聞いていたから、色々わかってきていることがすごいですね。

ドラえもんの『翻訳こんにゃく』を使わなくても、犬と会話できるようになるかもしれない。そういう、希望があるってことですもんね。

祐子 やっぱり、ゆきちゃん最高!『翻訳こんきゃく』があれば、世界は平和になるかなぁ…

ゆき うーん…知らなくていいこともあるか(笑)

音楽: Diana Ross『Thank You』(楽曲はYouTubeにリンクされています)

小型の愛玩犬は
犬語のレパートリーが少ない

ゆき 祐子さん。「ボディランゲージをちゃんと使えない犬が増えてきた」って感じませんか。例えば、相手のボディランゲージの意味が分からないから、とりあえず尻尾を振りまくって興奮するトイプードルとか。

祐子 確かに(笑)。小型の愛玩犬はオオカミにより近い日本犬に比べると、ボディランゲージの種類が少ないことがわかっているんだよね。まぁ「だよね」って感じもするけど。

ゆき えー!少ない!でも、仕事柄、多くの愛玩犬を見てきて、納得の感じではありますね。興奮が高まり過ぎてやたら吠えちゃうトイプードル、いつまでも緊張がほぐれなくて、カッチカチのチワワとか。犬らしくなくって…って感じますね。

祐子 セルフコントロールっていうのかな、自分で自分を落ち着かせることができないんだよね。

ゆき あと、フレンチブルちゃんとかは、突進型の挨拶になっちゃうから、相手に叱られ続ける結果になったり。

選択的繁殖による
犬種の特殊性も

祐子 人間が選択的繁殖をして、姿かたちを変えていった結果、本来サインとして使えるパーツが使えなくなったという事情もあるよね。

例えば、尻尾。尻尾は振る方向やスピードで色々な感情を伝えあう、一番わかりやすいパーツだけど、それを短くしたり、細くしたりして、動かしにくく改良しちゃうと、段々使わなくなるし、自分が使わないと相手の合図も読めなくなる。あと、顔もそうだよね。たるんだ皮膚や顔を覆う長い毛とか、顎が極端に短いとか。表情の変化が伝わらない。

ゆき なるほどね。フレブルやパグなんかが、他の犬にやたら緊張感を与えちゃうのは、そういうこともあったんですね。他の犬からするとわかりにくいかー。

祐子 短頭種は「犬に犬と思われない犬」ってよく言われるよね。でも、まぁ、犬ほど色々な大きさや姿形をした仲間をもつ動物はいないのに、犬は持って生まれた柔軟性をいかして、犬社会をちゃんと平和に保っているよね。

因みに、アメリカの心理学者のスタンレー・コレン博士の観察研究では、ボディランゲージのレパートリーが少なかった犬種に、キャバリアキングチャールズスパニエル、ノーフォークテリア、フレンチブルドッグ、シェトランドシープドッグがあがっていた。

シェルティは意外だなって思ったかな。でも、以前一緒に暮らしていたうちのシェルティも、周りのシェルティたちも、あまり犬同士の交流をしないんだなって感じていたから、この結果をみたときは「あー!そういう理由もあるのか」って、目から鱗だった。

ゆき なるほどー。私も目から鱗です。実家のキャバリアは出産後も親兄弟や親戚一同と暮らす、とても恵まれた環境のブリーダーさんで産まれ子なので、もともと大人しくて平和的なのに、どういう訳か、他の犬がメッセージを伝えても伝えても、ヨダレを垂らして逃げたり、隠れたりするばかりだったりして、この「コミュ力」の低さはなんだろう?って思っていたんです。

なるほどー。ボディランゲージ恐るべし、ですね。

繁殖の仕方でも
ボディランゲージは損なわれる

祐子 身体的な影響以外では、他の犬と交流する機会が少なかった犬が親犬となって、継続的に繁殖されているってこと。そうなれば、ボディランゲージはどんどん薄まって、損なわれていく。環境や繁殖の仕方による影響だよね。

ゆき もったいないですね。本来持っているものが失われていくって、ちょっとひどい話しですね。そういう環境を作っている人間は責任重大。市場に出す、繁殖業者の子犬は圧倒的にそのパターンですね。

祐子 そうね。まぁ、この話はモヤモヤ案件というか…、ギリギリ案件だから、やめておこうか。

ゆき モヤモヤで終わらないですもんね。

人間のやり方は
犬のストレスになることも

ゆき 祐子さんは前回、あくびの「犬語」を使うって、言っていたじゃないですか。

祐子 そうそう。緊張したり、怯えたりする犬に「安心してね」って、伝える場面が多いから、結構「あくび」は使うかな。他には同じ理由で「目を細める」「明後日の方向を見る」「仰向けに寝る」もよく使うかな。リラックス、リラックスってね。

ゆき おー!メモメモ!!他に私たちが使える「犬語」ってなんでしょうね。

祐子 あとね、背中を向ける、目を見ない、においを嗅がせるは「犬語」の初級編。犬と友好的な関係を築くためには絶対には大切だから、小学校の「出張授業」で子供たちにも教えています。

ゆき 目の前にしゃがんで、目を見て「こんにちは」ってやりますよね。私たちには、とても礼儀正しいことだけど、それは人間のやり方ですよね。

祐子 こっちは好意を示しているのに、犬にはストレスってこと結構あるかもしれないよね。

私たちも使える!
割って入る、ゆっくり動く

祐子 ゆきちゃんは、他にどんなボディランゲージを思い出しますか。

ゆき 割って入るとか、立ち止まる…、ゆっくり歩く、ニオイを嗅ぐ…は、違いますか。

祐子 全部、カーミングシグナルだ。耳の裏を掻くとかもそうだよね。割って入るっていいね、すぐに使える犬語だ。

ゆき よく夫婦喧嘩していたら、犬が間に入ってきて、喧嘩やめちゃったって話は、あるあるですよね。

祐子 「まぁまぁ落ち着いて」って。

ゆき 本当にそのまんまなんですね!犬と人間共通のカーミングシグナル。

祐子 面白いよね。私たちの場合、例えば、犬同士に不穏な空気が漂ったら、犬たちの間に入る。これは割と私も使っていて、うりもよく使っている。うりにとってはどっちも友達なんだけど、その子達は不仲っていうとき、うりが間に入って争いが起こらないようにするんだよね。優しいし、強いなって思う瞬間かな。

ゆき うりちゃんの毅然とした態度。かっこいい!

祐子 見習わなきゃ。あと、立ち止まる、ゆっくり歩く、ニオイを嗅ぐも「自分落ち着け」とか「ちょっと落ち着いて」の合図だよね。例えば、散歩を急いでいるときに限って、ノロノロうろうろ、立ち止まって、振り向いたりとか。

ゆき あるあるですよね。「ちょっと落ち着いてくださーい」って言われてますね。

祐子 そうそう(笑)だから、早く帰りたいときは、急かすんじゃなくて、「いえーい!」ってノリノリでスキップしながら帰った方が、犬も人もストレスなく早く帰れるかもしれない。

逆に騒がしい犬に対しては、わざとゆっくりとした動作で対応すると、段々待っていてくれるようになるよね。

ワシャワシャしたワンコの飼い主さんって、案外、ワシャワシャしている人が多くて、それは、飼い主さんがカーミングシグナルを出してないから。ワシャワシャしていても、二人のテンポがそれで合っているなら、なんの問題もないけど。

ゆき なるほどー。ゆっくーり動く。やってみます!私、結構、ワシャワシャしていました(笑)早速勉強になります。

祐子 まだ、他にもあるんだけど、またおいおいとだね。

ゆき あー、まだまだ聞きたーい!あっ、あれはどうですか!泣いていると顔を舐めてくるっていうのはどうですか?

祐子 それは、犬の不思議な能力の代表でもある「同調力」に関係していて、この話をしたら、また止まらなくなっちゃう。でも話したい(笑)

音楽: Al Jarreau『Mornin’』(楽曲はYouTubeにリンクされています)

犬はいつでも純真で
待っていてくれる

ゆき 「犬語」面白いですねー。犬をちゃんと見ていれば、わかることもある。それなのに、忙しいと見えなくなっちゃうし、何かを伝えてくれていても「わかってる。大丈夫だから、あとからやるから」って、優先順位が自分になっちゃったりもする。

祐子 それはきっと、みんな同じ気持ちなんじゃないかな。その時は忙しいから、サーっと流れてしまうから、気づけないんだけど、ちょっと心に余裕ができると「さっきはごめんね」ってなるよね。でも、人間と違うから、あとから謝っても、犬には通じないところがちょっと辛いよね。

あと、わんことお別れしたときは「もっと見てあげられたのに」「たった1分のことだったのに」って、思い詰めたりね。犬はいつだって純真で我慢して、待っていてくれる。

ゆき 優しいな…

祐子 ねっ。時間はまだ大丈夫ですか?…そういえば、育子ちゃんは?

ゆき ゆうこさんの声に「はい!」って反応しています。「人といるのっていいなぁ」って思ってもらえるといいです。

祐子 ゆきちゃんや小島代表はじめ、PAKのみなさんは素晴らしい人たちばかりだもん。絶対に人間大好き、ワンちゃん大好きになると思う。今日も楽しい犬談義のお礼にもう1杯いかがですか。

ゆき はーい。いつも、ありがとうございまーす。

トイプーの育子ちゃん(左)

番組サイト『犬とあなたと珈琲と。』
保護犬猫支援店/トリミングサロン『イヌと暮らす』

放送構成と文:白田祐子(しらたゆうこ)

うり店長のInstagram
ル・ブラン湘南のInstagram

白田祐子(しらたゆうこ)

プロフィール:日本心理学会認定心理士。ヒトと犬の心と行動カウンセリングラボ「ル・ブラン湘南」代表/ドッグカウンセラー。
1990年代から犬の行動や心理を独学し、保護施設などでしつけのボランティア活動を開始。現在のパートナーは2005年生まれの雑種の女の子で名前は“うり”。
大学で心理学を専門的に学び、人と犬の関係や犬の心の成長の研究を行い独自のメソッドを確立する。2013年にパーソナルドッグカウンセリングを開始。人と犬のパーソナリティを重視したコーチングは特に多くの女性に支持されている。

里親制度の普及や地域行政と連携した“犬のしつけ”相談業務など、教育、行政、法律と多方面で人と犬の問題に向き合い、犬専門雑誌の監修や執筆も行う。
愛玩動物飼養管理士、ホリスティックケア・カウンセラー、ペット災害危機管理士、小動物防災アドバイザー、猫防災アドバイザー、他、ペット関連資格多数。湘南ビジョン大学講師。2014年より神奈川県動物愛護推進員。2019年よりFM83.1MHzレディオ湘南に出演中。

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