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うちのこ、なんだか最近、抱っこが嫌い?


今回も心理士でドッグカウンセラーのしらたゆうこがパーソナリティを務めるラジオ番組、宝製菓presents radio café『犬とあなたと珈琲と。』に寄せられたお便りにお答えします。

柴犬は抱っこが嫌い…。
でも、ちょっと寂しい

今回のお便り:あまひめさん

豆柴を我が家に迎え、8ヶ月が過ぎました。コロコロの子犬から手足が長くなり、柴犬らしい姿になりつつあります。子犬の時は抱くと安心したように目を閉じていましたが、最近は抱っこをすると降りようとします。柴犬は抱っこが好きじゃないと聞きますが、私は抱っこをして温もりを感じたいです。ただ、無理に抱くのはかわいそうですし、これからはあまり抱かない方がいいのでしょうか。祐子さん教えてください。ちょっと寂しいです。

🐾🐾🐾🐾

あまひめさんありがとうございます。豆柴のパピーちゃん‥本当可愛いですよね!私も抱っこしたいです。

子犬が抱かれ上手なのは
生き残るため


子犬は動き回っている最中でも、抱き上げるとダランと力が抜けたようになって、身体をこちらに捧げてきますよね。実はこれ、進化の過程を通して受け継がれてきた、特有の行動なんです!って、言うとちょっと大袈裟に聞こえるかもしれませんね。

野生のイヌ科の動物は、土に穴を掘ってそこを寝床にしていますので、子犬たちを危険から守る時は、その巣穴に子犬を隠します。その時、母犬は子犬の首筋をくわえて、子犬を持ち上げて巣穴まで移動させます。持ち上げられた子犬は地面から足が離れると同時に身体をダランとさせます。

なぜなら、もがくと、自分の身体が傷ついたり、母犬に「この子は大変」って思われたら、置き去りにされる可能性もあるから。だから、身体を委ねておとなしくする。そうした方が相対的に生き残る確率が高いので、その行動が脈々と受け継がれ固定されていったと考えられています。

なので、私たちに抱き上げられた時も、子犬の時は同じように力を抜くんですね。

抱っこの拒否は
成長している証

そう考えるとどうでしょう…。成長とともに、このような行動…されるがままに抱っこをされて、身体をおとなしく預けてくる…という行動が減っていくのは、自然のことかもしれない…と納得するのではないでしょうか。

外の世界への興味関心と、自分自身で考え行動したいという欲求が成長とともに高まるにつれ、自分の行動を規制されることに対して、抵抗をするようになります。これは健全に成長している証でもあります。とはいえ、ときには、腕の中でリラックスしたいときもあるでしょうね。

一方で、何歳になっても、抱っこされるのが大好きなわんちゃんも沢山いますよね。「抱っこ好き」は犬種によるものも、とても大きく、あまひめさんが言うように、柴犬などはあまり抱かれるのが好きではない傾向にあると思います。

抱っこに慣らしておくのは
いいことです


あまひめさんは「抱っこするのが好き」とのこと。たとえば、動物病院でチュッとお尻に注射をするときなどは、抱っこをされて落ち着いていられるとスムーズですよね。それから緊急事態のときなど、抱いて移動をした方が素早く安全な時もあります。ですから、抱っこが苦手になり過ぎないように、日頃から、膝枕など体の半分をこちらに預けられる体勢を増やしたり、ボディタッチの機会を増やして、犬の自立心を大切にしたうえで、時々、抱っこをして慣らしておくことは大切なことだと思います。

どうでしょう。
あまひめさん、少しは参考になったでしょうか。抱き方でも居心地は随分変わります。成長にあわせて、いい具合の抱き方を見つけてくださいね。またお便りお待ちしております。

この記事はFM831レディオ湘南:radio café『犬とあなたと珈琲と。』(第1.第3土曜16:00~16:29放送)2025年4月5日放送分を加筆修正しました。

本記事は「こちら」から視聴可能(後半20分以降です)

レディオ湘南は全国どこからでもワンクリックで視聴可能です。
番組サイトにもぜひ遊びにきてね→犬とあなたと珈琲と。』

◎『With a Dog』は犬の認知行動療法と飼い主のコーチングという“心理学を軸”としたドッグトレーニングを行う立場から、ヒトと犬の心と行動の関係についてお伝えしています。

文:白田祐子(しらたゆうこ)

うり店長のInstagram
ル・ブラン湘南のInstagram


白田祐子(しらたゆうこ)
プロフィール:認定心理士。ヒトと犬の心と行動カウンセリングラ「ル・ブラン湘南」代表・ドッグカウンセラー。

1990年代から犬の行動や心理を独学し、保護施設などでしつけのボランティア活動を開始。現在のパートナーは沖永良部島出身、雑種の女の子で名前は“うるる”(うり店長は2023年お空組)。大学で心理学を専門的に学び、人と犬の社会心理学と犬の心の成長が専門。2013年にパーソナルドッグカウンセリングを開始。人と犬のパーソナリティを重視したコーチングは特に多くの女性に支持されている。

保護犬猫の譲渡会開催や地域行政と連携した“犬のしつけ”相談業務など、教育、行政、法律と多方面で人と犬の問題に向き合う。講師、犬専門雑誌の監修や執筆を行う。愛玩動物飼養管理士、ホリスティックケア・カウンセラー、ペット災害危機管理士、小動物防災アドバイザー、猫防災アドバイザー他、ペット関連資格多数。湘南ビジョン大学講師。2014年より神奈川県動物愛護推進員。2019年よりFM83.1Mhzレディオ湘南にレギュラー出演、2022年4月から新番組『radio cafe犬とあなたと珈琲と。』がスタート。神奈川県三浦郡葉山町にて『お寺でわんにゃん縁結び』を主催

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