愛犬を呼んでも来ない!ナメられてるの?

今回も心理士でドッグカウンセラーのしらたゆうこがパーソナリティを務めるラジオ番組、宝製菓presents radio café『犬とあなたと珈琲と。』に寄せられたお便りにお答えします。
父の「おいで」には
反応するのに、私には…
今回のお便り:上下関係グレーゾーン さん
祐子さん、うるるちゃん、そしてタカラカフェのみなさんとうりちゃん、こんにちは。うちの犬なんですが、私の言うことだけ、ちょっと軽く聞いている気がします。家族の中でも、父の「おいで」は一発で行くのに、私の「おいで」は一度考えてから、来たり来なかったり。しかも目が「まあ、今じゃなくてもいいよね?」って言ってる気がします。これって、やっぱり“ナメられてる”んでしょうか?それとも、私の気のせいでしょうか。
🐾🐾🐾🐾
上下関係グレーゾーン さん。ありがとうございます。私だけ“ナメられてる”?っていうご質問ですね。文面が面白すぎて、かなりお気に入りです(笑)
この人の言葉は本気かな?
で判断されているのかも
これ、結論から言うと、“ナメられてる”というより、「この人の言葉は、どれくらい本気かな?」って測られてる状態なんだと思います。
犬って上下関係で動いているように見えるけど、実は、特に家庭犬においては、かなり現実的。この行動をすると、「いいことが起きるかどうか」で判断していることが多いと考えられています。
なので、お父さんの「おいで」は、呼ばれたらいいことが起きると思っているのではないでしょうか。例えば、いつもいないお父さんが今日はいるから「スペシャルな遊びをしてくれるかもしれない!」とか「お散歩に一緒に行けるのかもしれない!」ってね。犬にとって、お父さんの「おいで」は、とても大きな”期待の合図”になっているのかもしれません。
あるいは、毎回、だいたい同じ結果になるというのも、犬にとってはとても大切なことです。たとえば、行くと必ずおやつがもらえる、とか、行くと必ず喜んでもらえて、それが嬉しいとか。これは、「おいで」が“信頼できる合図”になっているとも言えます。
一方で、あなたの「おいで」に反応しないのは、呼ばれても何も起きないときがあったり、楽しいことが終わる合図になっている可能性が考えられます。たとえば、「おいで」と呼ばれて行ったら、持っているものを回収されたり、ドッグランでリードを着けられて、楽しい遊びの時間が終わってしまうとか…。
「おいで」を楽しい合図に
上書きさせよう!
なので、ここで一回「ナメられてるのかも」という、視点を変えてみましょう。
大事なのは、犬は「人を見下して言うことを聞かない」わけではなくて、「この合図に従う価値があるかどうか」を、すごく冷静に判断しているということ。
じゃあ、どうすればいいかですよね。それは、とってもシンプル。
あなたの「おいで」を、「行くといいことがある合図」に作り直すこと。まずは、呼ばれて行ったら、必ず「ちょっと嬉しいこと」があると印象づけること。たとえば、おやつをあげる、撫でる、簡単に遊んであげるなど。愛犬が何に喜ぶかは、飼い主のあなたが一番知っていると思います。
それから、楽しいを「終わらせる合図」にしないこと。たとえば、ドッグランなどでフリーにしているときは、呼び寄せて終わらせるのではなく、自分から近づいていって、リードを装着するといいでしょう。
そして、いつでも、同じ声のトーンで、同じ呼び方で、同じ表情で呼ぶこと。呼んでもなかなか来なくてイライラしてしまったら、犬はもっと来なくなります。だって、犬はイライラしている人には近づきたいくないですよね。さらに、「遅い!」なんて怒られたら、最悪!「おいでって言われたから行ったのに、なんで怒られるの?」「怒られるから行きたくない1」って信頼関係にも傷がついてしまうかも。
「おいで」と呼ぶときは
①楽しい合図にする
②楽しいを終わらせる合図にしない
③いつも同じマインドで呼びよせる
犬と人は上下関係ではなく
信用スコアに上に成り立つ
以上のことを続けていくと、犬のなかで、この「おいで」は、「気持ちがいいな」「楽しいな」「その言葉に乗っておいた方が得だな」って、評価が変わっていきます。関係性って、上下じゃなくて、“信用スコア”みたいなものなんですね。
なので、安心してください!
あなたは、ナメられてるわけじゃなくて、まだ、伸びしろがあるってこと!
そしてたぶん、その”ちょっと考えてから来る時間”も、犬なりに、ちゃんとあなたを見てる時間なんだと思います。それは「愛」なのか「観察」なのかは、乞うご期待…。
どうでしょう。上下関係グレーゾーンさん。少しは参考になったでしょうか。ニコッと微笑んであげると、尻尾が勝手にパタパタしだして、なんだかカラダがモゾモゾして、あなたのところに駆け寄りたくなる。そんな、笑顔の魔法もぜひ試してみてくださいね。
この記事はFM831レディオ湘南:radio café『犬とあなたと珈琲と。』(第1.第3土曜16:00~16:29放送)2026年5月6日放送分を加筆・修正したものです。
本記事は「こちら」から視聴可能(後半20分以降です)。レディオ湘南は全国どこからでもワンクリックで視聴可能です。
◎『With a Dog』は犬の認知行動療法と飼い主のコーチングという“心理学を軸”としたドッグトレーニングを行う立場から、ヒトと犬の心と行動の関係についてお伝えしています。
回答とテキスト:白田祐子(しらたゆうこ)
うるる店長のInstagram
ル・ブラン湘南のInstagram
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白田祐子(しらたゆうこ)
プロフィール:日本心理学会認定心理士。ヒトと犬のカウンセリングラボ「ル・ブラン湘南」代表/ドッグカウンセラー
1990年代から犬の行動や心理を独学し、保護施設などでしつけのボランティア活動を開始。現在のパートナーは沖永良部島出身、雑種の女の子で名前は“うるる”(うり店長は2023年お空組)。大学で心理学を専門的に学び、人と犬の社会心理学と犬の心の成長が専門。2013年にパーソナルドッグカウンセリングを開始。人と犬のパーソナリティを重視したコーチングは特に多くの女性に喜ばれています。
保護犬猫の譲渡会開催や地域行政と連携した“犬のしつけ”相談業務など、教育、行政、法律と多方面で人と犬の問題に向き合い、セミナー講師、犬専門雑誌の監修や執筆も行う。愛玩動物飼養管理士、ホリスティックケア・カウンセラー、ペット災害危機管理士、小動物防災アドバイザー、猫防災アドバイザー他、ペット関連資格多数。湘南ビジョン大学講師。2014年より神奈川県動物愛護推進員。2019年よりFM83.1Mhzレディオ湘南にレギュラー出演、2022年4月から新番組『radio cafe犬とあなたと珈琲と。』がスタート。神奈川県三浦郡葉山町にて『お寺でわんにゃん縁結び』を主催