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犬の1歳は人間の何歳?週単位で大きく変わる

床に寝ころぶ白い大型犬の子犬

今回も心理士でドッグカウンセラーのしらたゆうこがパーソナリティを務めるラジオ番組、宝製菓presents radio café『犬とあなたと珈琲と。』に寄せられたお便りにお答えします。

週単位の出来事で
ビビリ犬になる?

今回のお便り:ねむの木さんからいただきました。
祐子さん、うり店長、こんにちは。暑中お見舞い申し上げます。前回の放送で犬の怯えやビビリ度合は、仔犬のときの成長過程の影響が大きいと話していましたね。母犬との関係の話はとても興味深かったです。その中で、大切な時期が生後5週や6週などなど、とても細かくて驚きました。1週間単位でそんなに変わるものなのでしょうか。教えてください。よろしくお願いいたします。

*前回の放送『怖いの心理とストレス耐性』はこちらから聴くことも読むこともできます。

🐾🐾🐾

ありがとうございます。とても真剣に聴いてくださっていて嬉しいです。確かに、ねむの木さんが仰るように、母犬からの豊かな母性行動によって、仔犬は成長後も「ストレス耐性」や「寛容性」が高くなり、その影響を最も受けるのが5週齢の頃。など、短いスパンでの変化、週単位のピンポイントの話が多かったと思います。

ですので「数日でそんなに違うモノなのか」という疑問も当然かもしれません。

犬の時間。
ヒトの時間の差


では、犬の年齢を人間に換算してみると、少しイメージが沸くかもしれません。犬の時間、人の時間の差ですね。その前に注意点があります。犬の年齢の換算方法は確率されておらず、公開されている早見表を見比べても相当な差があります。

今は2019年に米カリフォルニア大学サンディエゴ校の研究チームが導き出した計算式がかなり正確だとされています。ただ、研究対象が大型犬限定だったため、小型犬だと正確に計算ができませんので、今回は脇に置きたいと思います。計算式も自然対数㏑を使っていて、説明するにはちょっとやっかいなんです。

そんな中でも、共通してわかっていることは、小型犬の場合、幼い頃に歳を取るスピードが早くて、成犬になってからは緩やかになる。大型犬の場合は、その逆で幼い頃は歳を取るスピードが遅いけれど、成長後は早くなるということです。

子犬は生後1か月で
人間の1歳!



これから伝える数字は概ねですが、参考になると思います。

小型犬の場合、生後1か月で人間の1歳に該当します。
生後6か月だと9歳、1歳で17歳!人間であればもう高校生ですよ!

大型犬は、1か月で1歳は変わらず、6か月で6歳、1歳で12歳。

30日が人間の365日に匹敵!単純に計算すると1週間は3か月弱に相当します。そう考えると、1週間の違い、一日の違いって、とても大きいことがわかると思います。

*因みに4歳を超えた頃から、小型犬と大型犬の人間換算年齢は逆転して、10歳時は小型犬だと56歳、大型犬だと75歳とかなり差が広がっていきます。ただ、成長スピードはサイズだけではなくて、犬種や個体差もあるので「参考程度」にすることが大切です。

人間の赤ちゃんの
イメージでは間に合わない


このように、子犬を人間の赤ちゃんを育てる気持ちでゆっくりしていると、溢れ出す好奇心や欲求など、犬の心の成長に、アッと言う間に追いつけなくなってしまいます。置いてきぼりにならないためにも、犬と暮らし始める前から「どんな暮らし」を目指し、「どう成長してほしい」のか。理想や目標を持つこと。

そして、家族で話しあい、勉強をしておくこと。それがとても大切なことだと、今回の質問を受けて私も改めて実感しました。

どうでしょう。ねむの木さん、少しは参考になったでしょうか。
春夏秋冬、私たちの1年間は、犬にとって5年にも7年にも匹敵します。犬の寿命と犬の時間を考えたとき、今日一日をどう過ごすか。幸せなとき、寄り添うときを、もっともっと大切にしていければいいですよね。お便りありがとうございました。

この記事はFM831レディオ湘南:radio café『犬とあなたと珈琲と。』(第1.第3土曜16:00~16:29放送)2023年8月5日放送分を修正しました。

本記事は「こちら」から視聴可能。後半部分にお便りのコーナーがあります。
レディオ湘南は世界中どこからでもワンクリックで視聴可能です。
番組サイトにもぜひ遊びにきてください→『犬とあなたと珈琲と。』

◎『With a Dog』は犬の認知行動療法と飼い主のコーチングという“心理学を軸”としたドッグトレーニングを行う立場から、ヒトと犬の心と行動の関係についてお伝えしています。

文:白田祐子(しらたゆうこ)

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白田祐子(しらたゆうこ)

プロフィール:日本心理学会認定心理士。ヒトと犬の心と行動カウンセリングラボ「ル・ブラン湘南」代表/ドッグカウンセラー。
1990年代から犬の行動や心理を独学し、保護施設などでしつけのボランティア活動を開始。現在のパートナーは2005年生まれの雑種の女の子で名前は“うり”。大学で心理学を専門的に学び、人と犬の関係や犬の心の成長の研究を行い独自のメソッドを確立する。2013年にパーソナルドッグカウンセリングを開始。人と犬のパーソナリティを重視したコーチングは特に多くの女性に支持されている。

里親制度の普及や地域行政と連携した“犬のしつけ”相談業務など、教育、行政、法律と多方面で人と犬の問題に向き合い、犬専門雑誌の監修や執筆も行う。愛玩動物飼養管理士、ホリスティックケア・カウンセラー、ペット災害危機管理士、小動物防災アドバイザー、猫防災アドバイザー他、ペット関連資格多数。湘南ビジョン大学講師。2014年より神奈川県動物愛護推進員。2019年よりFM83.1Mhzレディオ湘南にレギュラー出演、2022年4月から新番組『radio cafe犬とあなたと珈琲と。』がスタート。

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