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犬とあなたと珈琲と。Vol.62

赤い椅子に座る茶色の犬とカフェオレとコーヒー豆
聞逃し配信中(音楽はダミーになっています)
収録:レディオ湘南

宝製菓presents radio café『犬とあなたと珈琲と。』FM83.1MHz レディオ湘南。(第1.第3土曜 16:00~16:29)放送

湘南の海を見下ろす、小さなコーヒーショップ「TAKARA CAFÉ」。オーナーは心理士でドッグカウンセラーのしらたゆうこ。店長はカフェオレ色の17歳。愛犬の“うり”。美味しい珈琲を飲みながら、お客様との会話に耳を傾けてみませんか。

今回のお客様は『ドッグフレンドリー株式会社』取締役社長の齋藤比沙子さん。ドッグフレンドリー株式会社は自社サイトに投稿された愛犬の写真と飼い主さんの思いを一冊の本にまとめる、出版事業を主軸とする会社です。本のタイトルは『犬とあなたの素敵な物語』。サイトへの投稿も本に掲載するのも無料。「ワンちゃん達に何か恩返しができたら」「思い出を永遠に残せたら」。いくつもの会社を経営しているオーナーが少年時代を一緒に過ごした愛犬への感謝の気持ちから誕生したプロジェクト。「本は手元から消えても、図書館で守られ続けます」。社長として副編集長として、オーナーの想いを引き継いだ物語を伺いました。


――こんにちは、比沙子さん。ようこそお越しくださいました

齋藤 祐子さん、こんにちは。やっと来ることができました。うり店長にも会いたかったです。うりちゃん、こんにちは。

――うりとは「はじめまして」ですよね。犬たちには辛い夏ですが、うり店長17歳と8か月、なんとか頑張っています。

齋藤 長生き~。目もちゃんと見えているんですね

――そうなんですよ。なんでもじっくり観察するのが好きなので、今も色々なものをジッと見ています。
齋藤 面白い(笑)

犬との素敵な物語。
とは


――比沙子さん。齋藤比沙子さんは出版事業を主軸とする『ドッグフレンドリー株式会社』の取締役社長でいらっしゃって、このお店「TAKARA CAFÉ」の常連客、トリミングサロン『イヌと暮らす』のオーナー中山ゆきさんの紹介で知り合ったんですよね。

齋藤 本当にトントンと不思議なご縁です。「面白い人がいるから、ぜひ会ってほしい」と言われたのが祐子さんでした。

――いやぁ、ありがたい。比沙子さんのお仕事内容を伺って、驚きの声しか出なかったんですよね。まず、ドッグフレンドリー株式会社の事業は、今話したように「出版」ですよね。出版物は『犬との素敵な物語』という、ワンコと家族の実話集。今はVOL.2が出ていて、物語は全て一般の方から募集したもの。普通はここまで聞くと作品の公募があって、その中から「優れたものだけが掲載されるのかな」とか、あるいは自費出版のように「掲載料が必要なのかな」とか想像してしまうんですけど、『犬との素敵な物語』は違うんですよね。

齋藤 はい。「ドッグフレンドリー」のホームページから、愛犬の写真とストーリーを投稿してもらうところから始まります。

――うちのワンコがサイトに掲載されだけでも嬉しいのに、さらに、みんなの投稿が100集まったら「1冊の本」になる。そういうシステムなんですよね。何か料金がかかったり、出版された本を絶対に買わないとならないとか、そういった縛りは全くない。投稿すればいつか本になる。とってもシンプルでわかりやすいですよね。しかも、その本には広告掲載がない。これはいったい、どうやって利益をあげているんですか!と驚いた(笑)。

齋藤 そうなんです。よく聞かれます。実は「ドッグフレンドリー」のオーナーは、他にもいくつか会社を経営しているので大丈夫なんです。

というのも、オーナーは小さい頃「めぐちゃん」というマルチーズを飼っていて、オーナー曰く「自分がまっすぐに育ったのはメグのお陰」って、スマホの待ち受け画面もメグちゃんにしているくらい、今でも愛犬の存在に感謝しているんです。

それで「世の中のワンちゃん達に何か恩返しができたらいいな」って考えた結果、「思い出を永遠に残せたら」。そういう想いから誕生しているんです。

永遠に
守られつづけるのが本


――わぁ、愛犬への純粋な恩返しから生まれたんですね。今手元にある、2020年発行の『犬との素敵な物語』Vol.2を開くと、出版への想いが綴られていますね。『44年前、1匹の白いマルチーズに救われた10歳の少年。その時から続く、感謝の気持ちを永遠のものにするためにドッグフレンドリーは存在しています。愛犬との思い出を写真とともに、永遠に残すプロジェクト』。この少年こそがオーナーの荒井隆是(あらいたかゆき)さんなんですね。

齋藤 そうです。とっても優しくて温かな方です。

――「犬たちに恩返ししたい」「思い出を綴ってもらおう」「それを本にしよう」。本当に素敵な流れですよね。

齋藤 ありがとうございます。日本で発行した出版物は国立国会図書館に納本する義務が出版社にはありますので、「出版物にすること」に大きな意味があると思っているんです。手元から本が消えても、図書館で守られ続けます。

――私たちがこの世からいなくなって、みんなの記憶から消え去っても、図書館の書架には永遠に残る。そう話すと、なんだか一気に村上春樹ワールドになりますね…。キーワードは図書館。

自信を持って
大切な思いを受け継いでいく


――比沙子さんとは、出会った時から「なにかケミストリーが起こりそう」という気がしてならないんですが、そもそも「ドッグフレンドリー」の社長にはどのような経緯でなられたんですか。

齋藤 大学卒業後に新卒採用で教育関係の会社に就職したんですが、結婚を機に退職して、2年ほど専業主婦をして、その後ですね、現在のオーナーと出会ったんです。社長秘書として勤めて4年位した頃「ドッグフレンドリーを任せるよ」と、言っていただいたんです。

――「任せる」と言われた時は、どんな気持ちでしたか。

齋藤 そうですね…嬉しかったです。オーナーの荒井は自費出版の会社も持っていますので、そこで出版の経験を積ませてもらっていましたし、荒井の大切な想いを受け継いでいく自信はありました。

――素敵な会社に導かれましたね。素晴らしい縁!

音楽:Marvin Gaye 『What’s Going On』(楽曲はYouTubeにリンクしています)

齋藤 このお店って『TAKARA CAFÉ』っていうじゃないですか、最近、ちょっと考えていたことにリンクしていて、縁を感じているんです。どうして『TAKARA CAFÉ』っていう店名にしたんですか?

――『TAKARA CAFÉ 』はここで宝物の話をしたら、失くした宝物が見つかったり、新しい宝物に出会えたりする。そういう場所になるといいなと思って付けた名前なんです。

齋藤 あー、やっぱり!なんだか今の私にピッタリの感じがします!

――えっ!宝探しでもはじめましたか?もしよかったら、比沙子さんも宝物の話、聞かせてください。

人生が宝物。だから、
自分は自分の味方でいたい


――比沙子さんの宝物はなんですか。

齋藤 それなんですけど…。最近すごく自分と向き合うことが多くて…。

「一番大切なことって何だろう?」みたいな。それで、このお店の名前を聞いた時に、大切なものって「人生そのもの」じゃないかって思ったんです。人生そのものが『タカラ』だよなって…。

――人生そのものが「宝物」。

齋藤 はい。だから、何か失敗したり、うまくいかないことがあると、つい自分を責める言葉が浮かんだりしちゃうんですけど、どんな時でもどんな人生を歩んでいる時でも、自分を信じて、自分は自分の味方でいてあげなくちゃって思いました。

――すごい…自分を信じて、自分は自分の味方でいてあげる。どうですか、そう切り替える事でなにか気持ちに変化を感じられましたか。

齋藤 そうですね・・・誰に何を言われても気にならなくなりましたね。結局は「自分がどうしたいか?」が大事で、「誰にどう思われるか」を気にしなくていいんだなと思えました。

――わぁ、自分を愛して、「そんなこともあるよね」って、ポンコツな自分も許してあげることができれば、他の人に対しても寛容的になれますよね。でも、なかなか自分を許すのって難しいのかな…。

子供と歩む
人生は刺激的!


――ご家族はどうですか?家族の存在も「宝物」である「人生」に欠かせない存在ですよね。

齋藤 そうなんです!男の子が二人いるんですが、子供たちとの暮らしは本当に刺激的です。

例えば、息子が駅のホームで電車が行き過ぎるまで、ずっと手を振るんですけど、そうすると車掌さんが必ず手を振り返してくれるんですよね。それって、経験して初めて知ることじゃないですか。子供といると、ほっこりさせてもらうことも多いですし「一緒に人生を歩んでいる」「一緒に成長している」という感覚が大きいですね。

――電車好きなの?

齋藤 はい。

――私と一緒(笑)笑顔が溢れて、賑やかそうな雰囲気が伝わってきます。

齋藤 はい。自分が母親になって、ようやく親の気持ちが分かってきました。家族が健康でいてくれたら、それだけで幸せだなって。でも、子供たちとは、もっと沢山の経験を一緒にしていきたいし、思い出作りももっとしたいと思っています。旅行とか行きたいですね。

――忙しいですものね。なかなかね…息子君たち、おいくつですか?

齋藤 長男が小学校4年生、次男が年長さんです。

――美人で明るくて、自慢のお母さんなんじゃないですか?

齋藤 どうなんでしょう。ただ、いつまでも「綺麗なお母さんでいたい」と思っているので、美容の勉強をしています。

――なんて素敵なママさん!

犬と心を通わせる幸せ


――まだまだワンちゃんと暮らすのは、てんやわんやで無理ですね。

齋藤 そうですね(笑)
私が子供の頃はオールドイングリッシュシープドッグがいたんです。1代目がハッピーで2代目がウェルビンで、ハッピーとは不思議な縁で家族になったんですけど、私にとって特別な存在だんたんです。

中学校の頃、家の鍵を忘れて中に入れずに困っていたら、窓の鍵を開けてくれたり(笑)偶然じゃないと私は信じています(笑)。体調が悪い時や元気のない時には、そっと寄り添ってくれたし、一緒にお泊りにも行ったり、楽しい思い出がいっぱいあります。

別れはとても辛かったですけど…息子達にもいつか、ワンコを通して、命の尊さや心を通わせることの幸せを感じてほしいなと思っています。

――大切…その時は、ぜひ声をかけてください。

齋藤 はい。犬の専門家とお話ししたのは、祐子さんが初めてでしたので、その日が来た時はもっと色々教えてほしいなって思っています。

――楽しみに待っています。

泣きながら
編集したことも

――ワンコとその家族、『犬との素敵な物語』にこれまで掲載してきたなかで、印象に残っているお話しはありますか。もし、よかったら教えてください。

齋藤 あります。一つは、流産の経験がある飼い主さんの物語です。とても不思議な物語だったのでよく覚えています。それと、飼い主さんの出産を待って亡くなってしまった愛犬の物語で、泣きながら編集したのを覚えています。

――カタチとなったものを手に取っていただけていたら、嬉しいですね。

齋藤 本当にそう思います。『犬との素敵な物語』は100話で1冊が出来上がりますから、どうしても物語が集まるまでお待たせしてしまうことがあって、そこが心苦しいところなんです。

なので、少しでも多くの方にドッグフレンドリーの活動を知っていただいて、もっと沢山の方に参加していただけるようにと、日々奮闘中です。

コラボ企画を開催!


――素敵な活動、応援しています。私にもお手伝いができることがあれば、いつでも協力させてください。

齋藤 本当ですか!じゃあ、さっそくいいですか!

これまでは飼い主さんとダイレクトな繋がりが多かったんですが、これからは犬と関わるお仕事をされている方々ともタッグを組んでみたいなと思っているんです。そこで、祐子さん繋がりの方々に参加していただいて、その方たちだけで1冊作るっていうのはどうですか?

――面白い!いいですね。「〇〇繋がり」という括りがあれば、登場するワンコ達もどこかで、誰かと繋がりがあったりして、ページをめくるごとに「あっ、この子!」って、より愛着や親しみが高まりそう。面白いですね。うーん、ただ比沙子さんが仰っていたように、「100話集まるか」が心配なところね。自由投稿なので、どうやって一般投稿との違いを判別していきますか?

齋藤 「ドッグフレンドリー」のHPのTOPページに「愛犬の写真を投稿」というボタンがあって、そこから入力していただくんですが、その中に「このサイトを何で知りましたか?」という質問があるんです。そこで「その他」を選らぶと、文字入力ができますので、何か共通の言葉を入れてもらえれば、祐子さん繋がりだっていうのが分かります。

――わかりました。じゃあ、色々あると混乱するので私の名前「しらたゆうこ」って入れてもらいましょうか。会員登録をするとか、面倒な操作も必要なくて、ワンクリックで簡単に投稿完了。ワンコと暮らしている方も、暮らしていた方も参加していただければ嬉しいですね。
【投稿は「こちら」から】

齋藤 そうですね。

――本当に集まるといいなぁ…。ここで何か、思い出の曲でもおかけしましょうか。

齋藤 そうですね。じゃあ、今、アフリカの子供たちへ支援をしているんですけど、中学生の頃に聞いて、歌詞やこの曲が作られた背景にとても感動したことを覚えています。U.S.A. For Africaの『We are the world』(楽曲はYouTubeにリンクしています)

誰にも依存することなく、
生きていきたい


――今探している宝物はなんですか。

齋藤 これからも自分の人生を「宝物」にしていきたいです。誰に依存することもなく、しっかり一人の女性として生きていければいいなって思っています。そのためにも、子離れしていかないと、将来が心配ですね。

――まだ時間はありそうです(笑)そう、オーナーの新井さんにもよろしくお伝えくださいませ。今日はお話しを聞かせていただいたお礼にもう一杯いかがでしょうか。

齋藤 ありがとうございます。遠慮なくいただきます。

――ごゆっくりお過ごしくださいませ。

齋藤 もうちょっと、うりちゃんを見ながらノンビリしていきます。


『ドッグフレンドリー株式会社』のホームページ⇒「こちら」

番組サイト⇒『犬とあなたと珈琲と。』  

インタビューと文:白田祐子(しらたゆうこ)

うり店長のInstagram
ル・ブラン湘南のInstagram

白田祐子(しらたゆうこ)

プロフィール:日本心理学会認定心理士。ヒトと犬の心と行動カウンセリングラボ「ル・ブラン湘南」代表/ドッグカウンセラー。
1990年代から犬の行動や心理を独学し、保護施設などでしつけのボランティア活動を開始。現在のパートナーは2005年生まれの雑種の女の子で名前は“うり”。
大学で心理学を専門的に学び、人と犬の関係や犬の心の成長の研究を行い独自のメソッドを確立する。2013年にパーソナルドッグカウンセリングを開始。人と犬のパーソナリティを重視したコーチングは特に多くの女性に支持されている。

里親制度の普及や地域行政と連携した“犬のしつけ”相談業務など、教育、行政、法律と多方面で人と犬の問題に向き合い、犬専門雑誌の監修や執筆も行う。
愛玩動物飼養管理士、ホリスティックケア・カウンセラー、ペット災害危機管理士、小動物防災アドバイザー、猫防災アドバイザー、他、ペット関連資格多数。湘南ビジョン大学講師。2014年より神奈川県動物愛護推進員。2019年よりFM83.1MHzレディオ湘南に出演中。

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