仲間外れにされてお散歩が台無し……
今回も心理士でドッグカウンセラーのしらたゆうこがパーソナリティを務めるラジオ番組“宝製菓presents radio café『犬とあなたと珈琲と。』”に寄せられたお便りにお答えします。
目次
「放しなよ」と言われ
断ったのがきっかけ
今回のお便り:どうしてそうなるの?さんからいただきました。
うり店長、祐子さん、はじめまして。お元気にお過ごしでしょうか。最近、お散歩で遭遇する飼い主さん達に悩まされています。その方たちはいつも4-5人で犬を放して遊ばせています。当然、それは歓迎できる行為ではありませんが、その気持ちは理解できます。でも、始めて会った私や友人にも「放してあげなよ」と言うのです。断ると嫌な顔をされました。お気に入りの散歩コースなので頻繁に通りますが、私の犬が近づいていくと、反対側に犬を集めたり、おやつをあげて、仲間外れの状態を作られたりすることも。せっかくのお散歩時間を台無しにされようで、嫌な気分になります。どうすると心穏やかにいられるのでしょう。
🐾🐾🐾
どうしてそうなるの?さん。ありがとうございます。これは気が滅入ってしまいますよね…。わかります。実は私も15年位前になりますが同じような経験をしたことがあります。そして、やはり同じ経験をして、ため息をついているお友達がいました。飼い主さん達の「派閥」みたいなものなのでしょうか。難しい…。
心の持ちようで
自分を守ろう
ドッグランなど以外の場所で犬を放して遊ばせることは、本来、神奈川県の条例違反でもありますから罰則が伴います。でも、そこは一筋縄には行かないのが現状ですよね。それなら「その人達がいない場所」「いない時間」に散歩をすることが一番の対策なのですが、それではちょっと不本意…。ですよね。
じゃあ、どうするか。
今回のご相談は「せっかくの楽しい散歩が嫌な気持ちになる」ということですから、「心の持ちよう」に注目してみたいと思います。
心の準備で
ストレス軽減
まず、その場所に近くなった時に「あの人達いるかなぁ、どうかなぁ」って考えるのではなく、家を出た時から「また、あの人たちがいる時間だな」って思う。そういう「心の準備」がとても有効と心理学では考えられています。心の準備はそれがたとえ「嫌なこと」であっても、結果として受け入れやすくなってストレスが軽減される。そうわかっているんです。
相手の態度に
期待しないこと
それから「世の中には嫌な人が多い」と思う事も大切なようです。言い換えれば「期待しないこと」です。「今日は何事もなく終わるかな」なんてことは考えず、意地悪されて当たり前、「はい!きました~!想定内」。そういう感覚をもっていると、嫌なコトにあまりストレスを感じなくなると考えられています。
愛犬と心を繋ぐ
時間にしよう
なんとなく仲間外れにされることで「愛犬が傷ついているかも」って、思っていたら、あまり気にしないようにしましょう。もし、他の犬がおやつをもらっていることに気付いて、欲しそうにしていたら、すぐに、自分であげればいいですよね。他の人があげているおやつに執着せず、こちらを見たなら、それ天才犬じゃないですか!自分に注目させる練習時間。そういうワクワクにかえて行きましょう。
相手は変わらない。
自分の心を軽くして
愛犬に向かって「美味しいね」「楽しいね」と明るい声をだして、笑顔をつくる。そして、顎をあげて堂々と歩く。そうすることで、強い心がうまれることもわかっています。
どうしたって、他人が変わることはありません。嫌いな人を好きになる必要はないと思います。ただ、嫌いな人にとらわれて、心を引っ張られることは、限りある時間もったいないですから、気にしない自分をつくっていくことも大切。
そういったところでしょうか。私からアドバイスできるのは…。難しいかもしれませんがチャレンジです!
どうでしょう。どうしてそうなるの?さん。少しは参考になったでしょうか。
その先に行けば、ふと笑顔になれる、ハッピーをくれる人たちもたくさんいますよね。「さあ、行きましょう!」前へ進んで!これからも素敵なドッグライフをお過ごしください。
この記事はレディオ湘南FM831radio café『犬とあなたと珈琲と。』の2023年3月24日放送分を修正しました。
本記事は「こちら」から視聴可能。後半部分にお便りのコーナーがあります。
レディオ湘南は世界中どこからでもワンクリックで視聴可能です。
番組サイトにもぜひ遊びにきてください→『犬とあなたと珈琲と。』
◎『With a Dog』は犬の認知行動療法と飼い主のコーチングという“心理学を軸”としたドッグトレーニングを行う立場から、ヒトと犬の心と行動の関係についてお伝えしています。
文:白田祐子(しらたゆうこ)
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白田祐子(しらたゆうこ)
プロフィール:日本心理学会認定心理士。ヒトと犬の心と行動カウンセリングラボ「ル・ブラン湘南」代表/ドッグカウンセラー。
1990年代から犬の行動や心理を独学し、保護施設などでしつけのボランティア活動を開始。現在のパートナーは2005年生まれの雑種の女の子で名前は“うり”。大学で心理学を専門的に学び、人と犬の関係や犬の心の成長の研究を行い独自のメソッドを確立する。2013年にパーソナルドッグカウンセリングを開始。人と犬のパーソナリティを重視したコーチングは特に多くの女性に支持されている。
里親制度の普及や地域行政と連携した“犬のしつけ”相談業務など、教育、行政、法律と多方面で人と犬の問題に向き合っている。愛玩動物飼養管理士、ホリスティックケア・カウンセラー、ペット災害危機管理士、小動物防災アドバイザー、猫防災アドバイザー他、ペット関連資格多数。湘南ビジョン大学講師。2014年より神奈川県動物愛護推進員。2019年よりFM83.1Mhzレディオ湘南にレギュラー出演、2022年4月から『radio cafe犬とあなたと珈琲と。』がスタート。