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犬とあなたと珈琲と。Vol.130 本間 裕徳

聞逃し配信中(音楽は全てダミーです)
収録:レディオ湘南  

宝製菓presents radio café『犬とあなたと珈琲と。』FM83.1MHz レディオ湘南(第1.第3土曜 16:00~16:29)放送

湘南の海を見下ろす、小さなコーヒーショップ『TAKARA CAFÉ』。オーナーは心理士でドッグカウンセラーのしらたゆうこ。2代目店長はカフェオレ色の愛犬の“うるる”。美味しい珈琲を飲みながら、お客様との会話に耳を傾けてみませんか。

今回のお客様は、片瀬海岸の『本間整体院』院長・柔道整復師の本間裕徳さん。「強さ」とは何か。そして、人はなぜ無理をしてしまうのか‥‥。本間さんは、高校1年生で経験したぎっくり腰をきっかけに整体の世界へ興味を持ち、その後、プロキックボクサーとしても活動。しかし、限界を超えて走り続けた先で待っていたのは、ドクターストップという現実でした。「強さとは、前に出続けることだと思っていた」そう語る本間さんが、怪我や挫折を経て辿り着いた答えとは――。身体と心のつながり、思い込みが不調に与える影響、そして「力を抜くこと」の大切さについても深く伺います。「根性だけではどうにもならないことがある」だからこそ、心と身体を少し緩めてみる。頑張り続けている人にこそ聴いてほしい、静かで力強い対話の時間です。


――いらっしゃいませ。こんにちは。本間先生、お待ちしておりました。

本間裕徳さん(以下本間):こんにちは。おじゃまします。いつも話にでてくる“うるるちゃん”ですね。かわいいですね…

――ありがとうございます。はじめまして、わんわんわん。

本間:はじめまして(笑)

不調が変わる余地。
まだ残っているかも

――さて、本間さん。本間裕徳さんは、柔道整復師でいらして、片瀬海岸1丁目にある『本間整体院』の院長をされていらっしゃいます。私は通い始めて2年目…3年目かな?3週に1度のペースで通院させてもらっています。「タカラカフェ」の常連客のゆきちゃんも通っていたり、先生のところが秘密基地のようになっています(笑)今は私も整体通いが生活の一部になっています。肩こりや腰痛がひどくなって慌てて駆け込むのではなく、セルフケアを怠りがちな私にとっては、定期的に整えてもらうことの大切さや安心感のようなものを感じています。

本間:少し楽になるとすぐに忘れてしまうものですが、定期的なメンテナンスは大切ですね。どうしても、痛みが長く続くと「年齢だから」とか「変形があるから」って、 諦めてしまう方が多いように思います。でも、実際には“まだまだ変わる余地が残っている”方も多いので「もう良くならないかもしれない」って思っている方にこそ、まだ身体が変わる可能性があるということを届けたいと思っています。

――整体ってひとことで言っても、色々な施術法がありますよね。「バキバキされるのだったら怖いな」っていう方もいると思います。でも、先生はバキバキ系ではないんですよね。

本間はい。痛いところだけではなくて、関節の可動域や筋肉の緊張、姿勢の歪みなどをみながら、身体が出しているサインを一つ一つ読み取って整えていきます。バキバキと動かすというよりは、身体全体のバランスや動きを見ながら自然に動ける状態に近づけていく整体です。西洋医学の考えだけでなく、心があって体があるという人間全体を見ることも大切にしています。


――先生は私たちに「あれをしろ」「これはダメ」とか全然言われないので、最初は拍子抜けしたんですけど、今となってはそういうプレッシャーを与えられないから、気楽に通い続けられるのかなとも思っています。でも、先生のSNSでの発信を見ると、そこに教示は沢山あって、とてもホリスティックな考え方なんですよね。犬の話しになって申し訳ないですけど、犬のトレーニングの場面でも私は先生と似たようなことを言っているんです。例えば、問題になっている部分だけではなく、全体を見ること。生活環境や生活習慣、身体や行動の癖、周囲との関係性とか、全部が繋がっているという考え方はとても共感できます。

本間:ありがとうございます。犬の話しも共通する部分はある気がします。一般的な腰や肩の痛みなどは良くなっていくことが多いと思っています。ただ、なかなか治りにくくしている要因が、例えば、「もう治らないかも」という思い込みやネットや周囲からの情報、考え方の癖や生活環境なども身体には大きく関係していると思っています。

――思い込みしないこと!大切ですね。

高校1年で整体に出会う。
これってすごい!


――先生は大学は政経学部で、そこから『柔道整復専門学校』に入学されて――柔道整復師は、医療の一端を担う専門職ですので3年制なんですね――その後、国家試験に合格して整骨院や整形外科での勤務を経て、平成26年に独立…だから、独立して10年越えましたね。

本間:はい。あっという間でしたね。

――普通の大学生がどうしてその道に?って興味を持ったんですけど、先生のホームページでそのヒストリーが解明されて…読んで納得しました。まず、高校1年生のとき。本間少年は剣道部に所属していて「重いものを挙げること」が強くなることだと信じて、トレーニングに励んでいたら、ぎっくり腰になってしまう。でも、整形外科では湿布だけの処方…。“これで本当に良くなるのかな”って不安になっていたら、整体を紹介されて、少しずつ歩けるようになった。…これ、かなり衝撃だったんじゃないですか?

本間:はい。痛めた時は全く動けなかったんです。でも、施術してもらって、そのとき初めて「整体ってすごい」って思いました。「身体の仕組みってどうなっているんだろう?」って興味が湧いて、後に整体師を志すきっかけにもなりました。

――15歳のぎっくり腰の経験が原点なんですね。「あの時の自分に今の自分が声をかけるとしたら」、どんな言葉をかけますか?

本間:「 ここからがスタートだ」と言いたいです。まさか、ここまで腰痛と付き合う人生になるとは思っていませんでした。

――腰痛と付き合う人生でしたか…。

圧倒的な強さに憧れて
プロキックボクサーへ


――でも、その後も剣道は続けて、大学・専門学校では空手、その後、総合格闘技やK-1ブームに乗って、キックボクシングに転身するわけですが。なんと、プロテストにも合格して!どうして、数あるスポーツの中で格闘技を選んだんですか?

本間:子どもの頃に感じていた息苦しさを、打ち破ってくれたのが格闘技でした。身体を鍛えることで自信が持てて、違う自分になれる気がしたんです。

――当時、本間先生にとっての“強さ”って何だったんですか?

本間:当時の強さは、もうマイク・タイソン のような圧倒的な強さです。「タイソンみたいにやってやる」って、そんな気持ちだったと思います。80年代のプロレスブームのときも「プロレスラーこそ最強」って本気で思っていましたから。ただ、今は、精神的な“気持ちの強さ”のほうを求めるようになりました。

――精神的な強さの重要性に気付くには、もちろん、それまでの道のりがあったからだと思いますが、当時は強さを求めて身体を鍛えて、プロキックボクサーに実際になってどうでしたか?

本間:印象的なのはやっぱりデビュー戦ですね。デビュー戦は、不思議なくらい体調が良くて、KO勝ちでした。そこで、はじめて、今までの苦労が報われたような、最高の気分になりました。

――アドレナリンばしばしですね。怖いって感じる瞬間はないんですか?どんな時に怖いって感じるものなんですか。

本間:怖いと感じるのは、自分の弱さを知ったときですかね。「こんなに痛いんだ」って知って、 気持ちだけではどうにもならないことがあるんだなって。でも、その時は、がむしゃらにやることや、苦しさに耐えることで「強くなれる」って思っていたんです。なので、今思えば、10代、20代は頑張ってはいたけれど、空回りしている感じがあって、30代は正直ボロボロでした。

まさかのドクターストップ。
自分の弱さを知る


――30代はボロボロ?頑張り過ぎた皺寄せがきたんですか?

本間:そうなんでしょうね。25歳までは無理がきいたんです。専門学校の通学と整骨院での研修。その合間を縫ってキックボクシングの試合。自分の体はどこまでも動くものだと思っていました。でも、ハードな生活を続けるうちに、いつもなら踏ん張れる場面で、体が思うように動かない。気持ちは前へ出ようとしているのに、足がついてこない。パンチを出したくても、腕が重い。という、決定的な異変を感じるようになって。それでも、「まだやれる」と信じていたんですが…。ところが、無理を続けていたら、とうとうドクターストップがかかりました。激しい運動は禁止と…。

――その時、率直にどう感じましたか?

本間:率直にいうと、不思議と楽になった感覚がありました。ずっと背負っていたものが、ふっと下りたような感じでした。今となれば、自分の小ささ、弱さを知った時でした。そして、人には制限時間があることを実感した瞬間でもあります。

――深い。人生の方向性も変わりましたか

本間:そうですね。人生が大きく変わった出来事の一つです。

――人生が変わった瞬間。他にもありますか?

本間:うーん…最近、思い出したんですけど、12歳の頃「THE BLUE HEARTS」を聴いたときも、言葉や音から、すごくエネルギーをもらいました。

――うわ、ヒロトのあの感じ、本間少年にぐっさり刺さったのイメージできます(笑)ちょっと似てますよね。見た目も。院内にもブルーハーツのCD置いたありましたね。

本間:今もしっかり持ってます。

――そう、ここタカラカフェではいつも「宝物」について、お話しを伺っているんです

本間:宝物ですか…

――はい。宝物です。本間先生にも是非宝物について伺いたいです。


音楽:THE BLUE HEARTS 『リンダ リンダ』(楽曲はYouTubeにリンクされています)

心と身体を緩めて。
今この瞬間が宝物

――今日は『本間整体院』の院長、柔道整復師の本間裕徳さんとお話しをしています。ではでは、伺います。本間先生の「宝物」はなんですか。

本間:宝物は、「今」です。若い頃は、先のことばかり考えて無理をしていました。でも今は“今この瞬間”を大切にすることのほうが、大事なんじゃないかと思っています。普通に生活できること。仕事ができること。人と話せること。そういう日常が、今は宝物です。

――「今」を大切に。本当にそうですね。先生は人見知り?っていうか、慣れるまではほとんど喋らないじゃないですか。私も話しかけない方なので、最初はお互いずっと無言でしたよね(笑)でも、会話をしだしたら、色々なことに興味や関心があって、辛口評価もあったりで(笑)やっぱり、今、普通に生活ができて、人と話せる、変わらぬ日常が宝物っていうのは、勝負での高揚感や強さの追求から、少し離れられた感覚だと思うんですけど、どうですか?

本間:そうですね。根性だけではどうにもならないって気づいて。30代で「なんでこんな状態になったんだろう」と自問し続け。40代になって、ようやく新しい見方ができるようになった感じがあります。

自然の中で過ごすことも
大切なメンテナンス

休日:自然の中でカヤック体験


――――新しい見方…。例えばどんなことですか?現在の施術にも関係や影響はしていますか?

本間:していると思います。例えば、目標が大切と言われますが、実際には思うようにいかないことが多いと思います。トレーニングや施術にも「これをやれば必ず良くなる」というものはなくて、その人に合わせて柔軟に考えることも大事だなって思っています。試合でもそうです。自分は弱かったので勢いで前に出ていたんですけど、本当に強い人は、相手との距離や立ち位置を見て、力の流れやタイミングをはかるんです。無理にぶつかるのではなく、受け流し、さばいて、必要なところだけ力を使うんです。

――力を抜くことで本来の強さが発揮できる?

本間:そうですね。自分は若い頃から、ぎっくり腰や太ももの肉離れを繰り返していたので、身体が硬くなっていたんだと思います。100%のエネルギーで仕事とキックボクシングを両立しようとしていたから、うまくいかなかったんだと思います。だから、本当は心や体を緩める時間が必要だったんだと思います。自分もそうした経験があったからこそ、今は体のケアの大切さを本当の意味で理解できたのかもしれません。身体と向き合うとはどういうことか。あの時の事が、今の自分につながっていると思います。

――怪我や不調も大切な学びの一つ。でも、根性や気合だけで乗り越えようとせず、心や体を緩める時間を作ること。そして、正しい情報と環境をキープすること。本当にそうですね。あと、せっかくなので教えていただきたいのですが、今日からできる、簡単な身体のケアや意識すべきポイントがあれば教えてほしいです。

本間:スマホを見ない時間を増やすことですね

――すごく現代的な答えが返ってきましたね(笑)やっぱり、身体にはかなり影響がありますか?

本間:はい。かなり影響があると思います。スマホって目だけじゃなくて、脳でもずっと処理を続けているんですね。姿勢も前かがみになりやすいです。気づかないうちに身体も頭も休まらなくなっている方が多いように思います。なので、ほんの少しでもスマホを見ない時間を作って、ぼーっとしたり、自然の中で過ごすだけでも身体の反応は変わってくると思います。

――はい。気を付けたいと思います。先生、私のことを見ながら(笑)さて、ここで一息、なにかお好きな曲をおかけしましょうか。

本間:ありがとうございます。じゃあ、若い頃の話しをしていて、昔、よくラジオでかかっていた曲を…『Stand By Me』(楽曲はYouTubeにリンクしています)

誰かの日常に少し関われることに
大きな意味を感じる

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――では、最後に本間先生。これから見つけたい宝物はなんですか

本間:人とのつながりです。身体の不調をきっかけに出会うことが多いですが、 施術を通して、その人の人生や日常に少し関われることに、大きな意味を感じています。これからも、人とのつながりを大切にしながら、整体を続けていきたいと思っています。

――いつまでも、私たちの秘密基地であり、心と身体を整えるオアシスであってください。今日は“強さって何か”を考えさせられる時間でした。まだお時間ありますか?
本間:はい。まだ大丈夫です。

――では、楽しいお話を聞かせてくださったお礼に…私からもう1杯、いかがでしょうか。
本間:ありがとうございます。遠慮なくいただきます。


関連サイト
『本間整体院』

番組サイト『犬とあなたと珈琲と。』 
⇒⇒過去のお客様一覧も見られます

インタビュー・構成・文:白田祐子(しらたゆうこ)

うるる店長のInstagram 
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白田祐子(しらたゆうこ)
プロフィール:日本心理学会認定心理士。ヒトと犬のカウンセリングラボ「ル・ブラン湘南」代表/ドッグカウンセラー

1990年代から犬の行動や心理を独学し、保護施設などでしつけのボランティア活動を開始。現在のパートナーは沖永良部島出身、雑種の女の子で名前は“うるる”(うり店長は2023年お空組)。大学で心理学を専門的に学び、人と犬の社会心理学と犬の心の成長が専門。2013年にパーソナルドッグカウンセリングを開始。人と犬のパーソナリティを重視したコーチングは特に多くの女性に喜ばれています。

保護犬猫の譲渡会開催や地域行政と連携した“犬のしつけ”相談業務など、教育、行政、法律と多方面で人と犬の問題に向き合い、セミナー講師、犬専門雑誌の監修や執筆も行う。愛玩動物飼養管理士、ホリスティックケア・カウンセラー、ペット災害危機管理士、小動物防災アドバイザー、猫防災アドバイザー他、ペット関連資格多数。湘南ビジョン大学講師。2014年より神奈川県動物愛護推進員。2019年よりFM83.1Mhzレディオ湘南にレギュラー出演、2022年4月から新番組『radio cafe犬とあなたと珈琲と。』がスタート。神奈川県三浦郡葉山町にて『お寺でわんにゃん縁結び』を主催

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