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イタズラしそう‥目が離せない愛犬に困った!


今回も心理士でドッグカウンセラーのしらたゆうこがパーソナリティを務めるラジオ番組“宝製菓presents radio café『犬とあなたと珈琲と。』”に寄せられたお便りにお答えします。

注意の声がうるさいと
旦那に言われて…

今回のお便り:H/Rさんからいただきました。
祐子さん、うり店長、はじめまして。元気にお過ごしでしょうか。うちの愛犬はいつも元気いっぱいです。でも、その分、常になにかをイタズラしようとする感じがあって目を離せず気になります。ダメなコトを覚えさせようと注意をしていたら、私の声も大きかったのかもしれませんが、旦那に「うるさい」と言われました。いったい、なにをどうしたらいいのでしょう。

🐾🐾🐾

はい。元気いっぱいの様子が目に見えてきます。なにをどうしたらいいのか、わからない…。では、困っていることを整理しながら考えてみましょうか。

アクティブとリラックスを
しっかり分ける

まずはお家の中での過ごし方です。

こちらはいつも繰り返しになってしまいますが、アクティブとリラックスをしっかり分けて、メリハリのある生活を送れるようになると気持ちがいいですよね。お散歩や運動はしっかり楽しんでいますか?ロングリードを使った自由運動やドッグランに行くのもいいですよ。

たっぷり遊んで、たっぷり褒めて。心も体も満足したら、お家の中では静かで少し暗い場所にある寝床で休む。もし、そういう場所にベッドがなければ作ってあげてくださいね。

本当はリラックスしたいのに、環境が整っていないというケース。案外ありがちかなと思います。

その注意は
本当に必要?


次に注意のタイミング。

ですが、その前に。その注意、本当に必要ですか?一旦立ち止まってみませんか?あまり気にしすぎると疲れちゃいますよ。パッと言葉の出る「瞬発力のいい」方って、発話数が多くなりがちですよね。

例えば、ワンコの名前がチャッピーなら「チャッピーこら!」「ほら!チャッピー!」「チャッピ~!」とかね。本人は無意識でもポンポンと言葉が出てくるので、注意が多くなりがち…かもしれませんよ。

実際は、ちょっと見ていただけ、ちょっとニオイを嗅いでいただけで、本来見守るだけで充分な場面だったり。注意すべき行動を見極めてどこまでが「いいのか悪いのか」。しっかり境界線を引くと、注意の回数も減って、気持ちも少しは楽になると思います。

見たり嗅いだり。
それは注意の対象外

なんだかイタズラをしそうでドキドキしても、何かに近付いたり、ジッと見たり、匂いを嗅ぐのはいい。でも、そこに手を掛けるのはダメ。そう境界線を引くと犬の学習効果は上がります。

手をかけようと前脚を持ち上げた時に注意をする。あるいは、かけた手を払う。そうすると「手をかけるのはダメなんだ」と明確ですから学習しやすいのです。見たり、近づいたり、ニオイを嗅ぐのは自然の行動。それを注意されても犬には何がダメなのか、わからないのです。それに、見たり嗅いだりするのを注意されるのって、ちょっと酷ですよね。

注意の仕方
・声の出し方


最後に注意の仕方です。

頻繁な注意や声かけは犬にとっては「単なる雑音」になってしまいがち。そうなると「聞こえていないのかな?」と注意する声がさらに大きく…。でも、その大きな声も次第に犬は慣れてしまいます。犬は人間よりもずっと耳がいいですから、聞こえていない訳ではないのですね。注意はここぞという時に一度だけ、短くハッキリ、低い声で伝えることがコツです。

そして、声の大きさよりも大切なのは本気のエネルギーです。「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」ではなく「一発命中」の真剣な気持ちが大切です。1回で決めるためにも「その注意が本当に必要なのか」。家族全員の共通ルールを作って、一貫性のある態度で示す。まずは第一ステップとして、そこから見直してみるのはどうでしょう。

H/Rさん、どうでしょう。
少しは参考になったでしょうか。ゆったりとした心持ちで見守ることは努力と忍耐力が必要だったりもしますが、それもきっと人生のどこかで役に立つと思います。あまり完璧を求めず、愛犬と一緒に私たちも一緒に成長できるといいですね。

関連記事⇒「家の中を走り回って困った!」
「犬に伝わる注意の仕方と教え方のコツ6つ#1」
「犬に伝わる注意の仕方と教え方のコツ6つ#2」

この記事はラジオ番組:radio café『犬とあなたと珈琲と。』(毎週金曜16:00~16:29/FM83.1Mhzレディオ湘南)の2023年1月27日放送分を修正しました。

本記事は「こちら」から視聴可能。後半部分にお便りのコーナーがあります。
レディオ湘南は世界中どこからでもワンクリックで視聴可能です。
番組サイトにもぜひ遊びにきてください→『犬とあなたと珈琲と。』

◎『With a Dog』は犬の認知行動療法と飼い主のコーチングという“心理学を軸”としたドッグトレーニングを行う立場から、ヒトと犬の心と行動の関係についてお伝えしています。

文:白田祐子(しらたゆうこ)

うり店長のInstagramは『こちらから』
ル・ブラン湘南のInstagramは『こちらから』

白田祐子(しらたゆうこ)

プロフィール:日本心理学会認定心理士。ヒトと犬の心と行動カウンセリングラボ「ル・ブラン湘南」代表/ドッグカウンセラー。
1990年代から犬の行動や心理を独学し、保護施設などでしつけのボランティア活動を開始。現在のパートナーは2005年生まれの雑種の女の子で名前は“うり”。大学で心理学を専門的に学び、人と犬の関係や犬の心の成長の研究を行い独自のメソッドを確立する。2013年にパーソナルドッグカウンセリングを開始。人と犬のパーソナリティを重視したコーチングは特に多くの女性に支持されている。

里親制度の普及や地域行政と連携した“犬のしつけ”相談業務など、教育、行政、法律と多方面で人と犬の問題に向き合っている。愛玩動物飼養管理士、ホリスティックケア・カウンセラー、ペット災害危機管理士、小動物防災アドバイザー、猫防災アドバイザー他、ペット関連資格多数。2014年より神奈川県動物愛護推進員、湘南ビジョン大学講師。2019年よりFM83.1Mhzレディオ湘南にレギュラー出演中、2022年4月(毎週金曜16:00~16:30)から新番組『radio cafe犬とあなたと珈琲と。』がスタート。


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