犬とあなたと珈琲と。Vol.90 山田庸子
聞逃し配信中(音楽は全てダミーです)
収録:レディオ湘南
宝製菓presents radio café『犬とあなたと珈琲と。』FM83.1MHz レディオ湘南(第1.第3土曜 16:00~16:29)放送
湘南の海を見下ろす、小さなコーヒーショップ『TAKARA CAFÉ』。オーナーは心理士でドッグカウンセラーのしらたゆうこ。店長はカフェオレ色の17歳、愛犬の“うり”。美味しい珈琲を飲みながら、お客様との会話に耳を傾けてみませんか。
今回のお客様は『東商舶備株式会社』取締役社長の山田庸子さん。前回ご来店いただいたとき「今の仕事をもっと突き詰め、もう少し業務を拡大していきたい。そして、モノづくりをする感覚を取り戻しながら、作品作りをして生きていけたら…」とこれからのコトを話していました。そうしたらなんと、仕事では社長に就任し、モノづくりでは、応募したデザインが希少価値の高いワインのエチケットに採用!今回は仕事面の変化やエチケットに選ばれた経緯などをお聞きしました。相変わらずのハッピートークで笑顔満開。そして巷で盛り上がっている「遊行寺50over」とは…?その謎がわかる、前回放送もぜひお聴きください(前回の放送は⇒「こちらから」)
―庸子ちゃん、ようこそお越しくださいました。お待ちしていました
山田庸子さん(以下:庸子):こんちはー、お邪魔します。うりー!なんか久しぶりー。最近はどう?
―やっと涼しくなってきたわーん
庸子:そうだね。本当暑かったもんね。じゃあ、カフェオレにしようかな。んー…でも、まだアイスブレンドでー
目次
有言実行
二つの想い叶う
ーさて、庸子ちゃん。山田庸子さん。話したいことがいっぱいあるのよ。「TAKARA CAFÉ」では、いつもお店の名前にもなっている「タカラ」。ここで「宝物」について話すと願いが叶った!って、言って下さるお客様は結構多いんだけど…その中でも、どういうことでしょう!庸子ちゃんは、ここで話した2つのことが、とんでもないことになってる!
庸子:えっ。なんだっけ?私、なに話したっけ…
―まず、あのとき、今の宝物は「自分の仕事」って言ったのね。お父様の会社「東商舶備株式会社」に入社して8年目?位のときの言葉でした。
庸子:そうだった。2014年に入社して、今年は10年目だよ。ちょうど節目だったんだね。あの頃よりはね、成長しているとは思うけど…、まだまだこれからも前進あるのみ。
―でね、最後に「今探している宝物はなんですか?」って聞いたら、「仕事とプライベートの充実。もっと今の仕事を突き詰めたいし、もうちょっと業務を拡大したいと思っている。そして、モノづくりをする感覚を取り戻しながら、作品作りをして現実世界を生きていけたらな~って思っています」って言っていたのよ。そうしたら、なんと仕事面では社長になって、モノづくりに関してはワインのエチケット、それもとても希少価値の高いワインのエチケットのデザインに採用されていて、びっくり仰天!
庸子:えっ!本当にすごいね。本当に有言実行?夢が叶っちゃってるって言うかね…
―ねっ!ひまわりのような、私の大好きな庸子ちゃんであることは、変わらないんけど。ちょっと違った庸子ちゃんにも出会える。だから、今日は「仕事の話」と「ワインの話」を聞きたいなーって思っています…
庸子:私のコトでよければ、もちろん!
社長に就任。
働き方に変化
―まずは、社長になってどう?仕事の変化とか新たな発見みたいのは、ありましたか
庸子:そうだね。変化かぁー。一番はね、外の活動が多くなったこと。これまでお付き合いがあったり、今もお付き合いのあるお客さんのところに小まめに顔を出すようにしている。だから、勤務スタイルはちょっと変わったよね
―これまでは、世界中を航行している主に貨物船の…たとえば、エンジンに関わる部品であったり、クルーたちが船の中で暮らすために必要な生活用品であったり、「欲しいものリスト」みたいなものが届いたら、それらを一つ一つ取り寄せて、港や船まで届けたり輸出したりする。そういう納品をするお仕事をしているんだよね。
庸子:そうそう。よく覚えているね。一つ一つリクエストを確認して発注して、届いたら間違いないかって確認して…とか。そういう、細かいことをすることは、もうだいぶ少なくなってきているんだよね。細かな仕事は新しく雇った社員に引き継ぎをしているところ。まだまだ、仕事の入り口と出口は私がやっているけど、途中の書類作りとかを任せられるようになってきたから、その部分を外回りにあてているんだよね。
人と直接会うことの
大切さを実感
庸子:この前、いつも話を聞いてもらっている大きな船会社の取締役の人がいて、そこに挨拶をしに行ったら「実は、社長になったんだよ」って言うからさ、「えー私も!」ってなって、二人で爆笑(笑)それで、色々話をしていて思ったんだけど、「やっぱり人に会いに行かなきゃ、何もはじまらない」ってね。うん、それが最近すごく重要だって気付いた。
―わかる!大切。「ちょっと近くまで来たので顔を出しましたー」って感じが大事なんだよね。それが「あーちょうどいいところに来た!」ってなることもある。その場で話がトントンって進んだりして、それって『face to face』だからなんだよね
庸子:そうそう!「ちょうど今、困ってることがあってさー」ってね。私もそれで一度、手助けをしてあげたことで、その部分の仕事が回ってくるようになったもんね
―えーすごい!
庸子:うん。それはさ、外国船に納品するには「NACCS(ナックス)」っていう、輸出許可申請を税関にしないとならないんだけど、「シリンダーライナー」っていうエンジンの部品のひとつなんだけど、それを申請したら通らないっていう相談だったのね。私は何度も申請を通してるから「税関に直談判してあげる!」ってなってさ…「無事、通関通りましたー」…みたいなね。
―すごいね!それは神だったね。そうか、これまでの経験があったから「これは行ける」って自信があった訳でしょ。どれだけ多くの品目を扱っているのかっていうのが大きかったのかな
庸子:うーん、そんなにすごいことじゃないんだけどね…。まぁ、品目でいうと、これまでは、たとえば、トランシーバーに使うリチウムイオンバッテリーとかは「危険品」扱いのもので、これを通関を通すのってすごい大変。だから今までは断っていたんだよね。
でも、最近はそれが出来るようになったの。この前も、穴の開いた鉄のパイプを水中でも補修できるっていう補修材があって、それは無事に台湾に輸出したよ。危険品だったんだけどね。断らなくてもいいって「なんて気持ちがいいんだー!」って思ったよね。
音楽:Sam Smith『Baby, You Make Me Crazy』(楽曲はYouTubeにリンクしています)
ワインバーで
ナチュールワインと出会う
―ワインのエチケットの話も聞きたい。まず、採用されたのが「楽しい酒」っていうナチュールワインで、販売元は湘南エリアでは知らない人はいないんじゃないっていうくらい有名なお店。石上にある自然派ワインの専門店「ロックス・オフ」。「ロックス・オフ」が話に絡んでいるだけで、もう、その瞬間「やばくない!」っていう感じ…
庸子:えー本当?うりママもそう思った?私はそんな風にまったく思わなかったんだけどさ、湘南海岸公園駅の近くに、いつも言っているワインバーがあるんだけど、そこはナチュールワインオンリーのお店で、いわゆる酸化防止剤をほとんど使っていないワインを出すお店なのね。
そこでナチュールワインの味にすっかりはまって、「ロックス・オフ」を紹介してもらってね、お付き合いがはじまったんだけど、そのワインバーのお姉ちゃんにも、「私のエチケット採用されるっぽい」って言ったら、「やばくない!」って。「もしかしたら世界に羽ばたくかもしれないよ」とまで言われたよ。
―本当にそうそう。私もこのワインのストーリーをSNSで観たときに同じこと思った。私のワイン好きの友達もたまたま、行きつけのお店で飲んで「世界に羽ばたくできだ」ってSNSにあげてた…
庸子:私はまだ飲んでないんだけどね。製造数が少ないから、多分、一般販売はされてないと思うよ。基本「ロックス・オフ」が卸している、お店でしか味わえないと思う。当然、こだわりの強い店主だから、卸すお店も限定されると思う。そんなワインを1本もらえるというコトが一番嬉しいです。
―確かにね…そもそも、どういう経緯があったの?
庸子:まずね、店主が自分のワインを作る目的で長後で畑をはじめたわけよ。で、ぶどうを収穫して第1回目のボトリングをすることになったとき、「エチケットを募集します」ってなったわけよ。その情報を耳にして「私やる!」って、手を挙げたのがはじまり
―やっぱり直接的な情報なんだね。今、そのエチケットの写真を見ているんだけど…地球を思わせるような円の1/4が右下に描かれていて、それはきっと緑の大地かな。その大地に白い服を着た少年のような子供が立っていて、隣には茶色の大きな犬。犬の胸元はツキノワグマみたいな模様。背景は濃いブルーのグラデーションで黄色の小さな星々、そしてオレンジの月。私にはそういう風に見える。
庸子:うんうん、その通り。
エチケットデザイン。
「楽しい酒」に採用!
庸子:実はこっちが最初に応募したときの絵。女の子と猫バージョン
―うわ!グレーの猫。ヤマネコみたいですごくいい!その猫が人間とほぼ同じ大きさっていう、サイズ感の奇妙さがいいね。私これすごく好きだ
庸子:この絵は私が20歳位のときに、ある絵のコンペに応募して入賞した作品のオマージュで、書き直したものなんだけど、「ロックス・オフ」から電話がきて「これ猫じゃなくて犬にできませんか?」って…。店主の若林さんが「犬派」だったってことと、エチケットの応募作品に猫が多かったってこともあったみたい。それで「いいよー」って犬に書き直して、人物も男の子っぽく書き換えたのね。そしたら、また電話がきて「ここにある液体をこの色に変えて」って
―これね、大地からは3本の草木が生えていて、一番大きいのはお花の部分がグラスのカタチになっているんだよね。中にはオレンジに近い暖色系の液体
庸子:うん、最初はね、白ワインを書いていたんだけど、実際にボトリングするワインの写真が送られてきてさ。その色に変えたの。そこだけ消して…塗りなおしてさ…また送ってって
―そこまで指示があったなら、途中で「もう私の採用でしょ」って思ったでしょ?
庸子:ううん。それがそんなこと全然思わなくてさ、書き直すのもすごく楽しくて。だから「付き合ってあげてるだけでいいや」って感じで、本当に楽しかった。それで途中で若林さんから「山田さんのに決まりそうです」って言われて、「えー!」ってなってさ。それで、ワインバーのお姉ちゃんに話したら「やばくない!」って。
―自分の絵が採用されたとき、「どうだ!」って感じではなかったってことね
庸子:そうそう。若林さんがこれまで頑張ってきた畑からぶどうを育てて、ワインを作るというこの「ロマン」。これにワクワクしているのよ。なにより久しぶりに絵を描けたことが本当に楽しくて、嬉しかった。
―そうかぁ。本当に最高のめぐり逢いだったね。私も自分のことのように聞いていたらワクワクする。ワインやブドウ畑のことは、いつか若林さんにお会いしてお話が聞けたらいいなぁ。でもきっと無理だなぁ…難しいだろうなぁ…
庸子:ぜひ、聞いてみてもらいたい!私も詳しく聞いてないんよ
―うん。聞いてみたいね
愛犬チョコがそこにいる。
風が吹き抜けるまで
―前回ね、うりとも友達だった、庸子ちゃんの愛犬チョコが天使になって、犬と過ごしていた時間を仕事以外に回したりはしないの?って、聞いたとき、「チョコがいなくなって、私ってもともと絵を書いたり、モノを作ったりするのが好きだったってことを思い出したんだよね」って言っていたの、庸子ちゃん。覚えている?
でも「そのためには、ふと、外に出たときに、春や秋のような気持ちのいい風が細胞の中をひゅーとすり抜けていくような。そんな感覚を取り戻さなくちゃいけない。その感覚が戻ってきたら、きっと、チョコが近くにいるって感じられるようになるんじゃないかな」って。すごい詩的で…しんみりしちゃうような言葉…があったんだけど。気持ちのいい風、吹きはじめましたか…
庸子:うん。まだまだだけどね…でもね、きっかけは掴んだと思う…。うん
―そうだね。時間はまだかかるよね。ここで一息、なにかお好きな曲をおかけしましょうか
庸子:じゃあ、ちょっと前向きに進むために、マイケルジャクソンの『Black or White』(楽曲はYouTubeにリンクしています)
前向きに!
新たな犬を迎えたい!
―今、探している宝物はなんですか
庸子:まずは英語の勉強をしたい。この間オランダの人と合って、その時は社員が通訳をしてくれたんだけど、やっぱりある程度は、直接コミュニケーションをとらないと営業にならないなって実感した。英語の勉強だね。あとは、チョコが死んでから部屋がゴミ部屋なんだよね。だから、部屋を片付けて、新たな子を迎えようかなーって思ってる
―きたー!!
庸子:大きな犬が好きだからさ、プロットハウンドがいるって聞けば会いに行ってとかやってるんだけど…。そうだ、この店の常連客のゆきさん、インスタもフォローしたよ。大きなコいるかなぁ
―いるいる。いるよ!芝生のドッグランで犬たちが自由に走り回ってる定例の譲渡会もあるから、一緒に行こうよー。
庸子:えー、ちょっと予定見てみる!
―ねっ。わー、なんか楽しくなってきたー
庸子:それからね、こないだ来た時に、結成しようって言ってた、歌って踊れるアイドルグループ「遊行寺50over」。めちゃくちゃ反応あるんだけど(笑)もうね、みんなね、加入したいって(笑)
―えー(笑)
庸子:この前ワインバーでその話になったら、お姉ちゃんが「もしかして50歳以上が入れるってこと?」って聞いてきたから、「そう」って答えたんだよね。この話は盛り上がる盛り上がる
―じゃあ、今度そのワインバーに連れていてください―!
庸子:うんうん。女子会やろうよ!このお店の常連の大岡ゆうこさん。「地図の編集者」って、あまり聞いたことのない不思議な仕事してる人も呼んでさ
―めっちゃ、私の友達じゃん。よく知ってるね
庸子:そりゃそうよー、『TAKARA CAFÉ』のヘビーウォッチャーだもん
―ありがとうございます。確かに(笑)。じゃあ、大岡さんも呼んで、ゆうこ、ゆうこ、ようこでちょっと混乱するけど…
庸子:うん、トリプル「Y」だね。大岡さんにも『遊行寺50over』入ってもらわないとね。ん?50overなのかな?
―「どうかなー…きっとそうなんじゃないかなぁ…」(笑)。あー面白い!楽しいお話のお礼にもう1杯、同じのでいい?カフェオレにする?時間はまだ大丈夫?
庸子:大丈夫―!
番組サイト⇒『犬とあなたと珈琲と。』
インタビュー・構成・文:白田祐子(しらたゆうこ)
うり店長のInstagram
ル・ブラン湘南のInstagram
白田祐子(しらたゆうこ)
プロフィール:認定心理士。ヒトと犬の心と行動カウンセリングラ「ル・ブラン湘南」代表・ドッグカウンセラー。
1990年代から犬の行動や心理を独学し、保護施設などでしつけのボランティア活動を開始。パートナーは2005年生まれの雑種の女の子で名前は“うり”。大学で心理学を専門的に学び、人と犬の関係や犬の心の成長の研究を行い独自のメソッドを確立する。2013年にパーソナルドッグカウンセリングを開始。人と犬のパーソナリティを重視したコーチングは特に多くの女性に支持されている。
保護犬猫の譲渡会開催や地域行政と連携した“犬のしつけ”相談業務など、教育、行政、法律と多方面で人と犬の問題に向き合い、犬専門雑誌の監修や執筆も行う。愛玩動物飼養管理士、ホリスティックケア・カウンセラー、ペット災害危機管理士、小動物防災アドバイザー、猫防災アドバイザー他、ペット関連資格多数。湘南ビジョン大学講師。2014年より神奈川県動物愛護推進員。2019年よりFM83.1Mhzレディオ湘南にレギュラー出演、2022年4月から新番組『radio cafe犬とあなたと珈琲と。』がスタート。