犬とあなたと珈琲と。Vol.12 富田 弘子
宝製菓presents radio café『犬とあなたと珈琲と。』FM83.1Mhz レディオ湘南(毎週金曜 16:00~16:29)放送中
湘南の海を見下ろす、小さなコーヒーショップ「TAKARA CAFÉ」。ここで“宝物”の話をすると探し物が見つかるとか?…オーナーは心理士でドッグカウンセラーのしらたゆうこ。店長はカフェオレ色の愛犬“うり”。美味しい珈琲を飲みながら、お客様との会話に耳を傾けてみませんか。
今回のお客様はオリジナルのブランド野菜を生産・販売している『リッチフィールド株式会社』の富田弘子さん。富田さんの宝物は「ゆったりとしたおうち時間」。この数年はお家時間が強制的に増えたことで断捨離や片づけをして清潔な空間でのんびりティータイム。「これってなんて幸せな事!」。当たり前の生活の中に幸せを感じる心の大切さに気付きました。美しい野菜たちや近代農園のしくみ、人材確保についてなど、たっぷり話を伺いました。
――今足元にいる“うり”は今年17歳ですが、弘子さんの愛犬ジャックラッセルテリアの“ジャック君”も、15歳とお聞きしました。年齢なりだとは思いますが元気に過ごしていますか。
富田弘子さん(以下 富田):はい。昔はイノシシのように走り回っていましたが、この2年位でだいぶお爺さんになっちゃいました。走り回ったりはできませんが「おじいちゃん犬」って感じで、元気に過ごしています。毎日、パプリカを食べたり、イチゴの時期にはイチゴを食べたりして食欲旺盛なので安心しています。
目次
キラキラの
ブランド野菜
スナックパプリカ
――私は犬の食についてのセミナーでは、パプリカ、特に「赤パプリカ」はアンチエイジング効果の高い食材として紹介しています。カリウムが豊富なので腎臓の悪いワンちゃんには、あまりおすすめできませんが、VCやベータ―カロテンも豊富で元気になれる野菜ですよね。弘子さんがそういう野菜たちを育て、出荷から販売まで行う近代農園の代表でいらっしゃると聞いたときは本当に驚きました。
富田:”リッチフィールド株式会社”は生産から販売までやっていて、藤沢の北部に「湘南農場」があります。私は毎日そこに通っています。全て水耕栽培なので真夏以外はずっと収穫があるんですよ。
――リッチフィールドで作られているオリジナルの野菜たちは、カラフルでキラキラしていて、野菜好きの女性が見ると「可愛い!」って大興奮しちゃうくらい目にも美味しいですよね。極めつけは「パプリカ」と「トマト」だと思います。
富田:そうですね。パプリカは系列農場で大きいのを作っているんですけど、湘南農場では小さい「スナックパプリカ」というのを作っています。糖度が10以上あってとても甘くて、小さいお子さんにも食べやすいんです。もともと「スナックパプリカ」は、オランダで子供たちがスナック菓子ばかりを食べていて困っていて「お野菜を食べた方がいいよね」ってことで、生でも食べやすい「スナック菓子のようなお野菜」として作られました。名前もそのまま「スナックパプリカ」で、うちは商標をとって販売しているんです。本当に栄養もあって糖度も高いので生でもいいし、加熱するともっと甘くて美味しくなります。
ブランドトマト
富田:トマトはやはりオリジナル品種で「富丸ムーチョ」という大玉のトマトがあります。オランダの会社と一緒に10年ほど開発してやっとできました。湘南農場では少量しか作っていませんが、スライスしてもゼリー質が少ないのでサンドイッチなどでも扱いやすく、加工用と生食の両方のいいところをとったトマトでおススメです。 “リッチリコピントマト”はリコピンが普通の3倍くらい入っています。“湘南エリー”という名前をつけたトマトなどもあってちょっと珍しいものをつくっています。
湘南サラダブーケ
――葉野菜で作られた「湘南サラダブーケ」は名前も見た目も可愛くて、そして新鮮で美味しいので贈り物にしても喜ばれます。
富田:特に女性に人気です。私は「レストランみたいなサラダ」を作ってもらいたいと思っています。でも、色んな種類を買うと高くなっちゃうので、カラフルで栄養価のあるスイスチャード・ルッコラ・からし菜・紫の水菜とかをブーケのようにしました。それ自体も美しいけれど「カットするだけ」でサラダがものすごく美しくなるようにと思って作った商品なんです。スーパーに置いていたら、ちょっと人気のカフェのシェフから「うちでも取り扱いたい」って言われて出荷もしました。量はそんなに獲れないんですけどとても人気のある商品の一つです。
――お洒落なお店の店頭に並んでいても美しいですもんね。
富田:そうですね。
――業務用としては私も大好きなサラダバーで有名なレストランにも卸していらっしゃったとか。
富田:はい。トマトはサラダバー向けにと思って、カラフルでキレイなトマトを集めて栽培しています。
大人気のイチゴ狩り。
もう幻~!
――withコロナの時代、食に対する事情も大きく変わってきたと思います。でも、湘南リッチフィールドさんには変わらないものがありますよね。「予約のとれないイチゴ狩り」です。
富田:今までやっていたイチゴのスペースがすごく狭いので「予約」と言ってもせいぜい2組位でした。ですから1組だけの予約制にして「その場所をそのグループだけ」にしたら、コロナで他のイチゴ狩りはストップしているような時も、家族だけ・お友達グループだけでやれましたからとても好評でした。
椅子やテーブルを置き、時間制限もなくやっていたので、一緒に来たおじいちゃんやおばあちゃんも、ゆっくりと座りながらお孫さんたちがイチゴ狩りをして楽しむ姿を見ていました。慌ただしくせかせかしないで楽しめる感じにしていたら、口コミで予約がどんどん入ってきて大好評だったんです。
――もう幻過ぎるんですけど(笑)
富田:味の評判もよかったですね。あまり農薬とかを使わずに手作りの肥料を作り、虫避けにも納豆菌やヨーグルト菌を培養させたようなものを作っています。お子さんが「そのまま食べても安心できるもの」をと思って使っていたら、それが味にも影響して美味しくできました。来期は10倍位作ろうかなと思っていて6000株位にします。エリアも10倍にしてメインハウスの方で作ろうと苗も既に予約して計画をしています。
――楽しみです。私も事前に予約を入れたいと思います。
富田:ぜひぜひお待ちしています。
富田:そういえば、ちょっと思い出したんですけど、このお店って「TAKARA CAFÉ」っていいますよね。ここのお店で宝物の話をするとなにか「いいこと」があるって聞いたんですけども。
――そうなんです。ここで宝物の話をしたら、失くした宝物が見つかったり、新しい宝物に出会えたりする。そんな場所になるといいなって思ってTAKARA CAFEってつけたんですけど、誰かいいことあったのかな。そうだと嬉しいんですけど。
富田:なんか縁起のいいお名前でいいですよね。とってもね。
――ありがとうございます。もしよかったら、弘子さんも宝物の話聞かせてください。
ゆったりとおうち時間で
心をピュアに
――弘子さんの宝物はなんですか。
富田:漠然としているんですが“家の中でゆったりとリラックスする時間”がとっても宝物だなぁと思っています。実はそのことに気付いたのはつい最近なんです。2-3年ほど前…コロナになる前は外食したり、飲みに行ったりとか、そういう時間が楽しいと感じていました。
でも、そういう時間がコロナで強制的になくなって、お家時間が増えて色々断捨離したり、色んなところを片付けてキレイにしたり掃除をしたらなんかすごく気持ちが良くて。そういう所でゆっくりお茶を飲んだりするのが「本当に幸せな時間だな」「宝物だな」って思うようになりました。
――身近な幸せをグッと感じ始めたんですね。
富田:そうですね。今の世界情勢を見ていると、本当に日本って安全で幸せな国だなって思うようになりました。経済的にはちょっと大変になってきていますけど、アメリカで乱射事件があったり、ロシア・ウクライナもありますよね。それに比べたらすごく安全で、食事も和食がすごく美味しいとか、キレイな水が豊富だとかね。そういう“当たり前の幸せ”を見つけて「幸せ」って思うことが、とても大事だなぁって最近思うようになりました。年取ったからかもしれないんですけど…。
――幸せを感じる日々を過ごすためのセミナーなどにも参加されていると聞きました。
富田:セミナーに参加したり本を読んだり、最近ではYouTubeで色んな本の要約を解説しているのがあったり。なにしろ私通勤時間が往復2時間半あるのでそこでなるべく勉強しています。
――例えば、どんなものを観たりするんですか。
富田:私が好きなのは斉藤一人さんのYouTubeです。それと気持ちをすごく明るくするにはBTSが大好きなので彼らのYouTubeを見ます。とっても素敵なんですよ、歌とか踊りとか。あとすごく仲が良くて、気持ちがピュアになるので、寝る前はなるべくそういう、気持ちがピュアになるようなものを観ています。
悩みは夜まで
持ち越さない!
――農場経営のストレスは大きいですか。
富田:環境的には自然がいっぱいあっていいんですけれど、経営していると売上の悩みとか人間関係とかはありますね。私、女性で社長なんでね、男性の社員とかパートさんを扱う時に、たまにちょっと難しいなって思うことがあるんです。
――ストレスの解消法とかはありますか?
富田:なるべくストレスがあったらその日じゅうに解決する。夜までは持ち越さないようにしています。寝る前に悩みがあるのって嫌なので、寝る前までに出来るだけ解消するようにしています。
――悩みを夜まで持ち越さない。めちゃくちゃ短期決戦ですよね。
富田:短期決戦です(笑)
――農場のスタッフは圧倒的に女性が多いと聞きました。
富田:そうですね、ほとんどが女性です。最初、農場をはじめたときは人集めがすごく大変でした。やっぱり農業って人が集まらない職種で本当に困っていたんです。でも、友人の奥さんが湘南農場に近い幼稚園にお子さんを入れていて「幼稚園のママさん達はどうだろう」って思ったんです。幼稚園は保育園とは違ってお迎え時間があるので、ほとんど働いている人がいないんです。 午前中の数時間ですけど、その人達の数時間を仕事に充ててもらえればいいかなと思って声をかけたら、結構な人数が集まりました。それで働きやすい環境を設定したら定着率がよくて、今すごくいい感じで人手不足は今のところ解消されました。
グローバルGAPで
安全安心野菜
――「グローバルGAP」というのを耳にしました。
富田:農業のISOみたいなものです。オリンピックはどこの都市でやっても必ず選手村の食材はグローバルGAPの認証をとった食材しか使えなかったんですね。それでオリンピックの何年か前くらいに、日本でも「グローバルGAPをみんなとって下さい」って言う感じで推奨され始めました。うちはたまたま10年位前からグローバルGAPは取得していました。
どのようなものかというと、安心で安全な農薬や肥料とそれらの管理。それから従業員の福祉とか環境とかヨーロッパ発の認証なので社会福祉系とか環境系というのもあって取得にはかなりハードルは高いですが、毎年1回更新でやっています。
――きちんと整えられたクリーンな場所で仲良く楽しく野菜を育てる。だから、ニコニコとパワーのある野菜に育っているのかなってお話しを聞いていて思いました。さて、ここで一息、何かお好きな曲、おかけしましょうか。
富田:嬉しいです。私、Bruno Marsが大好きなので、BTSも大好きですけど(笑)。Bruno Marsの「Leave the Door Open」をお願いします(楽曲はYouTubeにリンクされています)。
感謝の気持ちを
大切に
――今探している宝物はなんですか
富田:同じようになりますが「今以上の穏やかな気持ち」です。With コロナで大変なことがありましたけど、家の中で過ごす事や日常生活に幸せを見つけることができたんじゃないかと思っています。そして、気持ちよく過ごすには、自分の心も穏やかであることがとても大事だなと改めて思いました。これからも、もっと感謝の気持ちを大切に過ごしていきたいなと思っています。
――素敵!これからも、見ても食べてもハッピーになれる、オリジナルブランドの野菜たちを食卓に届けてください。
富田:ありがとうございます。がんばります。
――今日、お話しを聞かせていただいたお礼にもう1杯いかがでしょうか。
富田:ありがとう、いただきます。
――ごゆっくりお過ごしくださいませ。
富田:ありがとうございます。
リッチフィールド株式会社のホームページは「こちら」
番組サイト⇒『犬とあなたと珈琲と。』
インタビューと文:白田祐子(しらたゆうこ)
Instagram:@doggy_uri
@ル・ブラン湘南
白田祐子(しらたゆうこ)
プロフィール:日本心理学会認定心理士。ヒトと犬の心と行動カウンセリングラボ「ル・ブラン湘南」代表/ドッグカウンセラー。
1990年代から犬の行動や心理を独学し、保護施設などでしつけのボランティア活動を開始。現在のパートナーは2005年生まれの雑種の女の子で名前は“うり”。大学で心理学を専門的に学び、人と犬の関係や犬の心の成長の研究を行い独自のメソッドを確立する。2013年にパーソナルドッグカウンセリングを開始。人と犬のパーソナリティを重視したコーチングは特に多くの女性に支持されている。
里親制度の普及や地域行政と連携した“犬のしつけ”相談業務など、教育、行政、法律と多方面で人と犬の問題に向き合っている。愛玩動物飼養管理士、ホリスティックケア・カウンセラー、ペット災害危機管理士、小動物防災アドバイザー、猫防災アドバイザー他、ペット関連資格多数。2014年より神奈川県動物愛護推進員、湘南ビジョン大学講師。2019年よりFM83.1Mhzレディオ湘南にレギュラー出演中。