犬とあなたと珈琲と。Vol.100 アニマル・ドネーション

聞逃し配信中(音楽は全てダミーです)
収録:レディオ湘南
宝製菓presents radio café『犬とあなたと珈琲と。』FM83.1MHz レディオ湘南(第1.第3土曜 16:00~16:29)放送
湘南の海を見下ろす、小さなコーヒーショップ『TAKARA CAFÉ』。オーナーは心理士でドッグカウンセラーのしらたゆうこ。店長はカフェオレ色の17歳、愛犬の“うり”。美味しい珈琲を飲みながら、お客様との会話に耳を傾けてみませんか。
今回のお客様は『公益社団法人アニマル・ドネーション』のリサーチャーリーダー今崎湘子さんとリサーチャーの寺田文さん。日本では犬や猫をはじめ、動物たちを取り巻く問題はまだまだ山積み状態です。そこで、少しでも人と動物が笑顔になれるお手伝いをしたい…。そんなあたたかな想いに応えてくれるのが『アニドネ』が運営するオンライン寄付サイトです。アニドネ独自の厳しい基準をクリアした団体だけが登録されるその仕組みとは…。そして支援方法は?人と動物と社会をつなぎたい!頑張っている人たちを応援したい!の願いを届ける、小さな幸せづくりのお話を伺いました。

――こんにちは。文さん、湘子さん、お待ちしておりました。
寺田文さん(以下:寺田):祐子さん、こんにちは!お邪魔します
今崎湘子さん(以下:今崎):私もお店に伺いたかったのでやっとこれました。噂通り看板犬もいるんですね。うり店長、こんにちは!よろしくお願いします。
――よろしくお願いしますわん。今日はお二人揃ってお越しいただいて、嬉しいです。
目次
オンライン寄付サイト
アニマル・ドネーションとは

――寺田文さんと今崎湘子さんは『公益社団法人 アニマル・ドネーション』のリサーチャーとリサーチャーリーダーとして活躍されていらっしゃいます。『TAKARA CAFÉ』には犬猫が大好きで、保護活動をされているお客様も沢山ご来店くださっていますので、今日の会話には興味津々じゃないかと思います。私もとても楽しみにしていました。さっそくですが『アニマル・ドネーション』、略して『アニドネ』って呼ばれていますが、まずは、リサーチャーリーダーの湘子さん『アニドネ』について、改めて教えていただけますか。
今崎:では、私から説明させていただきますね。アニドネは今期で活動15年目を迎えた公益社団法人で「日本の動物福祉を世界トップレベルに」を目標に掲げて活動しています。具体的には”動物のために頑張っている団体”と”自分も何かしたいと思う人や企業”を結びつける、オンライン寄付サイトを運営する中間支援組織です。これまでに個人の方や企業の皆さまから、約5億8,000万円の寄付金をお預かりしてお届けしてきました。
――5億8,000万!すごい!そして、設立15周年にあたるんですね。おめでとうございます。私はペットの流通も含めて、犬猫を取り巻く環境に対して一言では言い表せない複雑な感情とか…ペット業界の光と闇の「闇」の部分を知ったからには「なんとかしなくちゃ!」と湧き出る勝手な責任感と焦りのようなものも持っていて、一方で自分ができる範囲以外の所には「寄付というカタチで少しでもお手伝いしたい」という、活動する側と応援する側のどちらの想いも持っているんです。この両方の想いに手を差し伸べてくれるのが「アニドネ」なんですよね。
応援システムは
とっても簡単!

――まず「寄付をしたい」と思う側からの視点に注目していきたいと思います。アニドネの応援システムは本当に簡単なんですよね。
今崎:はい。『アニドネ』のホームページで【寄付する】という項目を開くと、犬猫のための9つの寄付方法が見えて、それを選択していただければ実行できるんです。
――スクロールしていくと「ふるさと納税」や「商品購入」などの支援方法もありますが、やっぱり柱となるのは『まとめて全団体へ寄付』や『支援したい団体を選んで寄付』でしょうか
今崎:そうですね。
――それぞれの特徴を教えてもらえますか
今崎:『まとめて全団体へ寄付』は、寄付する「期間」と「金額」を選ぶだけで、アニドネの認定団体全体へ寄付することができます。
――支援したい団体を選べなくて「迷ってクリックできない」という人は多いと思うのでこれいいですね。寄付する「期間」というのは?
今崎:「毎月」か「今回だけ」のどちらかを選べます。金額も1.000円から選ぶことが可能なので、できるだけ、寄付いただく方のお気持ちに沿って届けられるっていうのも、オススメポイントだと思います。
――もう一つの『支援したい団体を選んで寄付』は認定団体が(こちらはのちほど詳しくお聞きしたいと思っているんですけど)ずらっとでてくるので、そこから選べばいいんですね。だいたい何団体くらい出てくるんでしょうか…
今崎:今、認定団体は全国に45団体あります。寄付先を選ぶときは、ホームページに各団体の「活動レポート」とか「寄付したお金の使い途レポート」っていう記事を公開しているので、ぜひ参考にしていただけると嬉しいです。リサーチャーみんなで…文さんも一緒に各団体と確認しながら記事にしているんですよね。こういった記事が充実しているのもアニドネの特徴の一つで、「だから、アニドネを通して寄付をした」と言ってくださる方もいて、本当にありがたいです。
――レポート読みました。事例報告が中心なので認定団体に限らず、保護活動に関わっている誰かも「なるほど」って思える情報に出会えるんじゃないかなと思いました。
今崎:祐子さんも読んでくださったんですね!ありがとうございます。他にも、ご寄付いただいた方々と認定団体の皆様には『animal donation magazine』という会報誌を年一回郵送したり、メルマガ配信もしていますので、色々な情報を読めるかと思います。
――寄付したら終わり。じゃないところがいいですね。
動物福祉の向上を目指し
幅広い分野へ支援

今崎:あと「活動分野から選ぶ」というのもあるので、そちらをクリックすれば、その活動内容の団体にまとめて寄付することもできるんですよ。
――「活動分野」…、今、文さんに資料をいただきましたが『保護団体』『介在団体』『伴侶団体』『啓発団体』の4分野なんですね。保護活動だけではなくて、“動物と人の関わり”という広い視野で考えている人もいるでしょうし、選択肢が多いのも面白いですね。
寺田:こちらも「まとめて」だけではなく、個別に支援先を選ぶこともできるので、支援先を選ぶときは「その活動自体に共感できるか」でもいいと思いますし、ご自身が住んでいるエリアとか、ご実家があったり近くであったり、エリアで選ぶのも一つの方法なのかなぁと思います。
――アニドネの寄付サイトはどんどんワンクリックで進んでいけるのでストレスがないし、「寄付した額の15%は運営費に充てます」と明記されているのもとても信頼ポイントだと思いました。
寺田:あともし付け加えるならばですね、アニマル・ドネーションは「公益社団法人」なので、アニドネを通した寄付ですと「優遇税制」の対象にもなります。
――そこに意味を持って寄付活動する人もいるので大切ですよね
寺田:本当にそう思います。

音楽:Macy Gray『Beauty In The World』(楽曲はYouTubeにリンクしています)
信頼性の確保。
アニドネの見る目とは

――さて、寄付の方法はわかりましたが、もう一つ知りたいのは認定団体についてです。これは「信頼できる先に寄付をしたい」という応援者側から見ても重要なところですよね。まず、どのようにすれば「認定団体」になることができますか。
寺田:最初は書類審査です。書類審査に通過すれば現地訪問をして大切にしているポイントをチェックしていくんですけれども、最終的には外部の有識者による審議会を経て決定されます。また、一度認定されても2年に1回「再審査」というのがありまして、そこで再度審査をさせていただいております。
――書類審査がクリアすれば現地調査も行うということですが、それは活動状況を見たり、代表の方やスタッフさんのお話を伺ったりするということでしょうか?
寺田:そうです。オンライン寄付サイトという立て付けで始まったアニドネなんですけども、現地訪問にはこだわっています。やっぱり動物福祉はやはり現場あってこそ。皆さん、活動には本当に強い想いをもっておられますし、時には「このエリアはこんな課題があります」と熱く説明をしてくださります。
――不安点を口にしてくれる人の方が信頼できるってことありますよね。信頼性とかって数値化や可視化できない部分もあると思うんでけど…文さんは特にどんな点を重視していますか?
寺田:私はですね…認定団体さんには、それぞれの地域をけん引できる存在であってほしいなぁと思っています。なので「地域の行政や病院さんとシナジーがあるのか」であるとか、そのエリアにおいて「新しいことにチャレンジしているか」というような先駆性ですかね。あとは、この団体さんって3年後、5年後の未来に向けて「こんな風に成長していかれるんだろうなぁ」というのが見えるか…みたいなところも大事かなと思っています。当然、財務の公示性も大事ですよね。
――すごい…たしかにそうですよね…ずっと続けていけるのか…今後どう進んでいくのか…って大切ですよね。納得です。せっかく寄付をしたのに「あの団体、今はなにしているんだろう…」では悲しいですよね。心の目でしか見えない部分は、しっかり現地まで足を運んで、直接見て聞いて肌で感じてきている。ということですね。
寺田:そうなんです!現地訪問することで、なんというか…私自身も改めてこの活動を支援したいなぁという風に心から思います。
――そういうパッション大切!
私もアニドネの
一員になって応援したい!

――そうなると今度はリサーチャーの見る目も重要になってきます。
寺田:そう思います。最低限の見るべきポイントはアニドネが定めているので、私のような新米リサーチャーも「ここはしっかり確認してきてね」ってところは、みんな横並びで合っているかなと思います。ただ、日々動物福祉について考え、自分の意見をもって団体さんと向き合わないと恥ずかしいな…という気持ちもあります。それが、アニドネが定めている「見る目」なのかなと思います。
今崎:そうですね…私も保護団体と介在団体も担当しているんですけど、介在活動をしている犬たちの笑顔とか健康管理とか環境への配慮とか…。そういった犬たちの一生が引退後もどう守られているのかといった点も大切なポイントとして見ながら話を聞かせてもらっていますね。
――ここまで話を聞くと私も「アニドネさんのお手伝いをしたい!」って思ってきました。
今崎:嬉しいです。ありがとうございます。アニドネサイトではボランティアに参加するというページもあるのでぜひご覧くださればと思います。あと「公式サポーター」も募集していまして、たとえば、18歳未満の方なら、毎月500円からの支援から届けられるんですね。先ほどお話した会報誌とか会員シールがもらえたり、年に一度の動物福祉オンラインセミナーにご招待されたりといった特典もあるので、もしお子さんと一緒に動物のための社会貢献活動をと求めている方がいたら、ぜひご紹介してもらえたら、すごく良い機会になるかなと思います。
――宣伝活動しますね(笑)
さきほど「リサーチャーの見る目が重要」なんて話をしましたが、文さんは冷静と情熱のあいだというか、クールで論理的…元は「クックパッド」の営業部長さんだったと聞いてなるほどと膝を打ちました。今は動物病院を支援する会社にお勤めなんですよね。先月も私の出身地、札幌に出張されていたとか…
寺田:はい!普段の仕事では、動物病院の経営をお手伝いするような仕事をしています。札幌でお会いしてきた先生は、本当に素敵な先生で『札幌を日本一動物と暮らしやすい街にする!』というミッションを掲げられていて、病院のスタッフさん一眼となって取り組まれている年中無休の病院です。
――365日!?わー過酷…。湘子さんは、アニドネの活動報告もそうですが、ライティング活動をされていると聞きました
今崎:はい。『INUMAG(イヌマグ)』という犬のためのwebマガジンで、ペットフーディストとして犬ごはんとか食材の記事を書いています。このメディアは、全ての犬に幸せになってほしい、その為には飼い主が正しい知識を持つことから、という想いで犬に関するいろんな情報を発信しています。ちょうどこの『TAKARA CAFÉ』と同じ湘南に事務所があって、湘南地域での犬同伴の楽しい情報も色々掲載されているので、ぜひ見ていただけたらと思います。
――検索します!じゃあ、今度逆に私主催のイベントとか掲載してもらおうかしら…(笑)
今崎:楽しくなりそうです(笑)
――では、ここで一息。文さんか湘子さん、なにかお好きな曲をおかけしましょうか
寺田:いいんですか!ありがとうございます。じゃあ、湘子さん私からでいいですか?私はですね「色んな事をやりたいなぁ」っていうタイプなので、一個一個が70点でも気にしないという風に思っています。なので「自己肯定」とか最近よく言いますけど、もっともっとユルい「許し」みたいなものを感じられるこの曲の歌詞が好きなので。Jason Mrazの『I’m Yours』(楽曲はYouTubeにリンクしています)
ずっと一緒に…
飼い主力のUPも必要

――さて、文さんと湘子さん。これからの目標を教えてください。まずは湘子さん…
今崎:「動物にも心がある」ということを伝えていきたいです。そうすることで、動物と人との絆を深めて、家族としてずっと一緒に、保護犬や猫が増えないような活動に続けていきたいです。そしてもっと犬と一緒に自由に行ける場所が増えて、動物も人も共に生きやすい社会になればいいなと思います。
――文さんは?
寺田:動物病院は本当にさっき365日って言いましたけど、長時間労働とか人手不足とか多くの問題を抱えているんだということが今の仕事を通じて初めてわかりました。なので、動物医療の現場を少しでも改善をしていきたいと思っています。そしてその先は、ペットとのライフスタイルを欧米に近づけていくのがいいんじゃないかと今思っていて、たとえばドイツではしつけのできない人は犬を飼うことができないそうです。「飼い主力」がとても高いと聞きました。なので、飼い主力を高めることにもすごく興味があります。実はそれが祐子さんとの出会いのきっかけですしね。
――そうなんですよね。文さんとワンズは私のレッスン生なので、それきっかけで今がある「ワンコの縁」なんですよね
寺田:あのときは本当にありがとうございました。チャカチャカ系のミニチュアシュナウザーの7歳のクライネと2歳のアメリア
――クーちゃんとアメちゃん。ピカピカでとっても美しい子たちでした。湘子さんもワンちゃんと暮らしているんですよね。
今崎:はい。2020年に保護団体からリリーをお迎えしまして、当時、推定5、6歳といわれたので今は9歳か10歳ぐらいだと思うんですがとっても元気なトイプードルです。
――写真見ました!超かわいい!今度はワンコと一緒に遊びにきてください
寺田:今崎:はい、ぜひ!
――まだお時間は大丈夫ですか?
今崎・寺田:はい大丈夫です!
――では。とってもためになるお話と楽しい会話のお礼に私からサービス…もう1杯いかがでしょうか
寺田・今崎:遠慮なくいただきます。ありがとうございます。

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アニマル・ドネーションのHP⇒「こちら」
インタビュー・構成・文:白田祐子(しらたゆうこ)
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白田祐子(しらたゆうこ)
プロフィール:認定心理士。ヒトと犬の心と行動カウンセリングラ「ル・ブラン湘南」代表・ドッグカウンセラー。
1990年代から犬の行動や心理を独学し、保護施設などでしつけのボランティア活動を開始。パートナーは2005年生まれの雑種の女の子で名前は“うり”(2023年お空組)。大学で心理学を専門的に学び、人と犬の関係や犬の心の成長の研究を行い独自のメソッドを確立する。2013年にパーソナルドッグカウンセリングを開始。人と犬のパーソナリティを重視したコーチングは特に多くの女性に支持されている。
保護犬猫の譲渡会開催や地域行政と連携した“犬のしつけ”相談業務など、教育、行政、法律と多方面で人と犬の問題に向き合い、犬専門雑誌の監修や執筆も行う。愛玩動物飼養管理士、ホリスティックケア・カウンセラー、ペット災害危機管理士、小動物防災アドバイザー、猫防災アドバイザー他、ペット関連資格多数。湘南ビジョン大学講師。2014年より神奈川県動物愛護推進員。2019年よりFM83.1Mhzレディオ湘南にレギュラー出演、2022年4月から新番組『radio cafe犬とあなたと珈琲と。』がスタート