うりは雨がきらい
雨降りちゅう
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トイレは完全外派だから 雨が降ろうが
槍が降ろうが(いや槍はやばいか?)
トイレ散歩には 出なくちゃいけない。
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でも
なんとか エントランスから一歩出て
外を歩きだしても すぐに雨宿りをしたがる。
雨に濡れると 身体が冷えて死んじゃうよ
だから こうするんだよ…って
教えてくれるように うりは軒下に入る。
ママもどうぞ…
ちょっとだけ スペースもあけてくれる。
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冷たい雨は時に命取りになる
だから 雨の日は活動しない
多くの野生動物がそうであるように。
野犬の子うりは 特別 雨を嫌がった。
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そのうえ 傘もさせなかった。
うりが わたしの元に来てくれた時
男の人とおばあさんを怖がった
長い物と 手に持つものを怖がった
だから傘も怖がった。
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傘をさすと首を縮め 背中を丸めて
必死で逃げようとする。
過去を想像するしかない
そして過去を容易に想像できた。
少しだけ 保護団体さんに
話を聞いていたから
保護されてからうちに来るまでのこと。
だから
うりがいるときは 傘はささない
そう決めた。
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それから 少しずつ わたし達は歩み寄った。
今はもちろん傘はさせる
雨宿りもあまりしない。
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でも いつかまた雨宿りをしよう
和菓子屋さんの軒先 パン屋さんのシェード
改札の前 射的屋の角
雨が降っても 傘がなくても
ずっと一緒に歩けたらいいな。
13.Mar.2021 Instagramより一部改稿
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文と写真・白田祐子(しらたゆうこ)