INUBITO Diary イスタンブールの旅する犬
いま世界で話題の犬は?と聞かれたら、「トルコの野良犬ボジ!」と答える人は多いと思います。ボジは旅する犬で有名になりました。イスタンブール市内の地下鉄や電車、バスやフェリーに単身乗り込み、1日に少なくとも29の駅を利用しながら、約30㌔を移動する日もあるそうです。駅のエレベーターや車内、船内へ乗り込むときには順番を守り、空いていれば座席に寝ころび、混雑していれば床に伏せる。そんなマナーの良さも人気の秘密のようです。
さまざまな交通機関を乗りこなし、颯爽とホームを歩き、目的をもって駅から駅へと移動する姿は“旅”というより“通勤”という雰囲気も感じられます。
ボジはトルコの言葉で真ん中の意味。いつも地下鉄の中央辺りの車両に乗ることから名付けられたそうです。犬種はアナトリアン・シェパードドッグとカンガールドッグの雑種と推測されていて、どちらもトルコ原産でよく似た外見をしています。トルコの野良犬自体がみんなよく似ているので、ボジが首輪と耳のマイクロリップを外して仲間に紛れてしまえば、見分けがつかないかもしれません。
ボジはどうして旅をするのか。何かの拍子に人と犬が入れ替わり、犬の姿で家族を探している…。思慮深く哀愁漂う表情からは色々なストーリーを想像してしまいます。
文:白田祐子(しらたゆうこ)
Instagram:@doggy_uri
@ル・ブラン湘南
白田祐子(しらたゆうこ)
プロフィール:公益社団法人日本心理学会認定心理士。ヒトと犬の心と行動カウンセリングラボ、ル・ブラン湘南代表。
1990年代から犬の行動や心理を独学し、保護施設などでしつけのボランティア活動を開始。現在のパートナーは2005年生まれの雑種の女の子で名前は“うり”。
大学で心理学を専門的に学び、人と犬の関係や犬の心の成長の研究を行い独自のメソッドを確立する。2013年にパーソナルドッグカウンセリングを開始。人と犬のパーソナリティを重視したコーチングは特に多くの女性に支持されている。
里親制度の普及や地域行政と連携した犬のしつけ相談業務など、教育、行政、法律と多方面で人と犬の問題に向き合っている。愛玩動物飼養管理士、ホリスティックケア・カウンセラー、ペット災害危機管理士、小動物防災アドバイザー、猫防災アドバイザー他、ペット関連資格多数。2014年より神奈川県動物愛護推進員、湘南ビジョン大学講師、2019年よりFM83.1Mhzレディオ湘南にレギュラー出演中。