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犬とあなたと珈琲と。Vol.108 奥山 敏美

聞逃し配信中(音楽は全てダミーです)
収録:レディオ湘南

湘南の海を見下ろす、小さなコーヒーショップ『TAKARA CAFÉ』。オーナーは心理士でドッグカウンセラーのしらたゆうこ。店長はカフェオレ色の17歳、愛犬の“うり”。美味しい珈琲を飲みながら、お客様との会話に耳を傾けてみませんか。

今回のお客様は音楽講師の奥山敏美さん。大学卒業後『YAMAHA』に就職し、現在はフリーランスでYAMAHA MUSIC SCHOOL『有隣堂 藤沢ミュージックサロン』で音楽講師をされています。講師歴半世紀!途中で飽きたりはしなかったのでしょうか…。「今は生徒さんの“このくらいになりたいわ”っていう希望を叶えながら、でも、できない壁にぶつからないよう、一人一人の『ちょうどいい』を見つけることが満足感に繋がっている」。そう哲学的に話す奥山先生に「ちょっと一曲お願いします」…。夏の夕方に心地よいウクレレサウンドをお届け。今回は音楽多めの『TAKARA CAFÉ』です


―こんにちは。奥山さん、お待ちしておりました。

奥山敏美さん(以下:奥山):こんにちは。お邪魔します。うりも元気だったかな?

―ありがとうございます。元気だわん!そう…5月に音楽発表会というのでしょうか…。コンサート会場でチラッとご挨拶だけさせていただきましたが、ゆっくりお話しするのは久しぶりです。

奥山:そうそう。ちょっと挨拶できてあれは本当に久しぶりでしたね。やっぱり楽器店のレギュラーレッスンがあるのでなかなか時間がとれなくてね、本当に久しぶりでした。

―ご来店はちょうど3年ぶりだと思います…これまでの、そんなこんなのお話をぜひ…

奥山:はい。わかりました。

講師一筋半世紀。
楽しみは尽きず

最近は気軽にレコード盤を楽しむ


―さて、奥山先生、奥山敏美さんは有隣堂 藤沢ミュージックサロン』の講師をされていらして、もう40数年?

奥山:そうですね。有隣堂っていうのは『YAMAHA』の特約店なんですよ。私はYAMAHAで採用されたわけですけど、そこから有隣堂さんに個人契約で移ってトータルすると半世紀以上になりますかね。

―半世紀以上!本当に音楽一筋…途中で「もうイヤだな」って思ったことはないんですか?飽きちゃうとか…

奥山:それはないですね。特に音楽については「嫌だ」ってことは全くなかったんだけど、組織ですので、それはみなさんと同じように色々あります。やっぱり組織だといろんなルールがあったり、縛りがあったりね…。まぁ、それは仕方のないこと。そういうことを除けば、楽しくやってきたかな…。という感じがします。

―どんな楽しさですか。楽器を演奏する楽しさ、それとも講師として生徒さんの成長を見るのが楽しい…?

奥山:一言で「楽しい」と言っても、いろんな楽しいがあると思うんですよね。我々みたいな講師は、やっぱり生徒さんの成長も楽しいですよね。それから、自分が望んだ「音楽」という仕事をできるという楽しさとか。私はエレクトーンの講師として採用されたので、最初の頃は「エレクトーン」という新しい楽器の楽しさとか楽器を追求する楽しさ。それをまた生徒さんに伝える楽しさとか、でき上がってくると「やったぞ!」という楽しさとか。そういった色々な楽しさがありましたけど、段々と時代とともに「楽しさ」の色合いも変わってくるわけじゃないですか。それでやっぱりその人、生徒さんの「ちょうどいい」「私、このくらいになりたいわ」っていう、「ちょうどいい」を見つけるっていうのかな。それを見つけることが満足感に繋がっている…と思いますね。

“ちょうどいい”を
一緒に見つけたい

生徒さんの発表会(ご夫婦での連弾)


―生徒さんの「ちょうどいい」を見つける。

奥山:うん。なかなかデリケートな部分なんですけど、年数やっていると段々成長しますよね。そうすると、段々難易度の高い曲をやっていくような…そういう風に思われがちなんだけど、僕は難易度をあげていくよりも、一つ一つの音がキレイに弾ける。シンプルな曲でもキレイな音で弾けるようになったときに「満足感」を感じてもらえる。そうなってほしいなと思っています。

―そこで先生がちょうどいい感じの楽曲を提供したり、ちょうどいいレベルの指導をしたり…

奥山:そうだね。「ちょうどいい」っていのは、今やっている壁から一旦その子を逃がしてあげるということ。それも大事じゃないですか。

―ふっと肩の力が抜けて「この曲楽しいな」「弾けて嬉しいな」っていう気持ちに、また戻れるかもしれないですよね。

奥山:そうですよね。先生も一緒に抜けてあげればいいんですよ

―私も小学生のときエレクトーン習っていましたし、大人になってからはギターを習っていたので、そういう先生に出会えていれば、もっと楽しかったかもしれないです…

奥山:もうちょっと早くお会いしたかったね(笑)

ギター3本。
バンドを結成した理由

T-rod


―5月にお見掛けしたというのが、元々先生の生徒さんで私のお友達でもある御年85歳のムッシュのハワイアンバンドと奥山先生のバンドのツーバンドライブ。場所は『鎌倉生涯学習センターきららホール』でした。このホールは結構、先生のお仕事場になることも多い印象です。

奥山:ちょうど先月そちらのステージに立ったばっかりで、あそこのホールはちょうど我々みたいな小規模なバンドでちょうどいいところなんですよ。

―先生のバンド名なんでしたっけ…

奥山:『T-rod』と言いまして。「T」はスリーの頭文字ですね。それで、我々3人でギター2丁にベースが一人ということで、そういった弦楽器はネックの部分を「竿」っていうんですね。その竿が3本あるのでスリーロッド。で、「T-rod」

―結成何年目ですか?

奥山:えーと、正確にはちょっと覚えていないんですけど、だいたい7-8年になってるんじゃないでしょうかね。私がやっていたエレクトーンは非常に贅沢な楽器なんですよね。いろんな楽器の音がでる。だからそういうのをずっとやっていると、逆にシンプルな「これしかでないよ」というような、制限のある楽器を逆にやりたくなるって言うこともありましたね。

―すぐにうまくいきましたか

奥山:いかないですよ。そりゃ(笑)

―どんなことがありましたか

奥山:ずっと私は先生稼業が長いものですから、どうしてもいろんな譜面を書き過ぎちゃうんですよね。その贅沢な楽器をやっていた弊害といいますか。なので「これやって」「あれやって」「この譜面の通りにやって」…みたいなね。それは僕が一番いけないんですけども、まぁそういった癖がでちゃいまして…。そうなると「バンドってなに?」って話になるわけじゃないですか…

―7-8年続ける中で、今はなんとなくうまくいく…

奥山:そうですね。やっぱりいろんな曲を持ち寄って、それなりの個性みたいなものがぶつかりあって、そこで互いにいい意味で妥協しあいながら、一つのモノを作っていく。そういう過程が楽しいですね。

音楽:Ed SheeranPerfect(楽曲はYouTubeにリンクしています)

若い頃からの変化?
フィジカルではない…でも…


―今日はミュージシャンで『有隣堂 藤沢ミュージックサロン』の講師、奥山敏美さんとお話をしていています。奥山先生はどんな楽器でもこなせちゃいますけど、長年やってきてカラダの変化ってありますか?若い時とは違よ…みたいなことありますか

奥山:それはありますよね。僕だって孫4人もいますからね。若い頃のように同じようにできると思ったら大間違い。ただ、フィジカルな面で「だんだん落ちてきた…」って、いうのはそんなに感じないんです。でも、やっぱりスピード感ですかね。言ってみれば「動体視力」みたいなもの。楽譜は止まっていますから、動体視力とは言いませんけれども(自分が動いているだけですからね)、なかなか先を読んでいくというか…。感知していくスピード感がちょっと遅くなったかなっていう感じがします。

―ふつうは指が動かなくなるとか…。そういう回答かなって思っていたので、ちょっと想像と違う答えでした…。今、見ましたら、今日もウクレレを持っていらっしゃって…

奥山:そうなんですよ。今日もちょっと仕事の帰りだったものですから

―ちょうど今、お客さんが誰もいませんので、ぜひ1曲お願いします!

これは、数年前に流行ったケアリ・レイシェルというハワイアンのシンガーの曲で『Ka Nohona Pili Kai』という曲なんですよ。『Ka Nohona Pili Kai』は、「涙そうそう」が原曲でそれをケアリが聴いて流行ったんですよね。

♪♪♪ウクレレ演奏と歌:奥山敏美

ありがとうございます。遊びに来て下さったのに、演奏までお願いしちゃってすみませんでした。では、ここで一休み…今日はすっかり音楽デーになっちゃいますが…なにかお好きな曲をおかけしましょうか

奥山:じゃあ…『so in love』っていう曲なんですけど、これって僕が幼い頃にみていた『日曜洋画劇場』っていう番組のエンディングにかかっていた曲で、これはオーケストラでちょっと壮大すぎるので…軽くPeggy LeeとかジュリーロンドンのJAZZアレンジで聴けたらいいなと思います。『so in love』(楽曲はYouTubeにリンクしています)

片側に落ちないように
稜線を歩く


―いつもご来店くださる皆さんに「宝物」について伺っていて、最後に「今探している宝物はなんですか」って尋ねているんですけど、3年前は今探している宝物について「心の不健康」って答えていました(笑)。人間は不完全な生き物で人生は綱渡りのようなもの。綱を渡るには±0のちょうど中央を歩かなくちゃいけない。だから、これからは「体の健康」が必要でそれをプラスだと考えるとマイナスもなくちゃバランスが悪くなる。たとえば、独りよがりで、人には言えないような部分とか、そういう心の不健康も必要。そんな名言をいただきましたが、今聞いてどうですか…

奥山:そうですね。基本的には変わってないですね。綱渡りというのは要するに山の稜線ですよね。稜線を歩くような感じなんだけども、たとえば、右に落ちると「いい人」で、左に落ちると「悪い人」だってことがあると思うんです。「いい人」と「悪い人」ってね。もちろん悪い人にはなりたくないと思うんですけど、いい人になるのも結構窮屈だと思っているんですよ

―「いい人になろう」「いい人になろう」って考えていると、バランスを崩して転んでしまうかもしれませんね。真ん中をちょっとグラグラしながらでも歩いた方が安心かもしれない。

奥山:まぁスリルもあるし

―確かに(笑)今日はまだお時間はまだありますか?今日も楽しい会話のお礼に私から…もう1杯いかがでしょうか

奥山:ありがとうございます。

南米フォルクローレ
コンサート


―そうそう忘れていました。なにか新しい演奏会などのご予定はありますか?

奥山:さっきから何回か出てきている『鎌倉生涯学習センターきららホール』で、 7月27日にアンデスのフォルクローレという企画で、プレイヤーを二人招いて、楽器はチャランゴとか、ケーナ、サンポーニャとか…。皆さん耳慣れない楽器だと思いますが民族音楽をやります。

―7月27日の日曜日。何時からになりますか

奥山:12:30分開場、13:00開演で『南米フォルクローレコンサート』です。

―「フォルクローレ」はラテンアメリカ諸国の民族音楽・大衆音楽のことで「コンドルは飛んでいく」は有名ですよね。今回で3回目。入場料は2.000円。そこにピアノやフルートも加わって聞きやすくて、馴染みやすいサウンドになっています。7月27非の予定空けておきます!

奥山:はい、お待ちしております。うりちゃんはお留守番だけどね…しょうがないよね…


関連サイト:
有隣堂藤沢ミュージックサロン⇒「こちら」

番組サイト『犬とあなたと珈琲と。』 
⇒⇒過去のお客様が一覧で見られます 

インタビュー・構成・文:白田祐子(しらたゆうこ)

うり店長のInstagram 
ル・ブラン湘南のInstagram


白田祐子(しらたゆうこ)
プロフィール:認定心理士。ヒトと犬の心と行動カウンセリングラ「ル・ブラン湘南」代表・ドッグカウンセラー。

1990年代から犬の行動や心理を独学し、保護施設などでしつけのボランティア活動を開始。現在のパートナーは沖永良部島出身、雑種の女の子で名前は“うるる”(うり店長は2023年お空組)。大学で心理学を専門的に学び、人と犬の社会心理学と犬の心の成長が専門。2013年にパーソナルドッグカウンセリングを開始。人と犬のパーソナリティを重視したコーチングは特に多くの女性に支持されている。

保護犬猫の譲渡会開催や地域行政と連携した“犬のしつけ”相談業務など、教育、行政、法律と多方面で人と犬の問題に向き合う。講師、犬専門雑誌の監修や執筆を行う。愛玩動物飼養管理士、ホリスティックケア・カウンセラー、ペット災害危機管理士、小動物防災アドバイザー、猫防災アドバイザー他、ペット関連資格多数。湘南ビジョン大学講師。2014年より神奈川県動物愛護推進員。2019年よりFM83.1Mhzレディオ湘南にレギュラー出演、2022年4月から新番組『radio cafe犬とあなたと珈琲と。』がスタート。神奈川県三浦郡葉山町にて『お寺でわんにゃん縁結び』を主催

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