犬とあなたと珈琲と。Vol.10 寺西 恵
FM83.1Mhz レディオ湘南(毎週金曜 16:00~16:29)放送中。宝製菓presents radio café『犬とあなたと珈琲と。』
湘南の海を見下ろす、小さなコーヒーショップ「TAKARA CAFÉ」。ここで“宝物”の話をすると探し物が見つかるとか?…オーナーは心理士でドッグカウンセラーのしらたゆうこ。店長はカフェオレ色の愛犬“うり”。美味しい珈琲を飲みながら、お客様との会話に耳を傾けてみませんか。
今回のお客様はフラダンス教室“Smile Hula”の寺西恵さん。めぐ先生で親しまれているフラの先生です。めぐさんの宝物は「思い出のおばあちゃんの家」と「笑顔」。中学3年まで過ごしたおばあさまのお家は大家族!ご両親や祖父母は忙しかったけれど、ご近所付き合いや、自然や動物たちに囲まれた生活はちっとも寂しくなんかなかったそう。まるでハワイの人達の暮らしみたい!フラやハワイの文化に魅了されていったのは神様のお導き!フラの踊りに使われるハンドモーションもレクチャーしていただきました。
目次
フラダンスを
一生やっていく!
――めぐみさんの愛犬シュナウザーのPONOちゃんとは、いつもお散歩でお会いしていますね。
寺西恵さん(以下 めぐみ):PONOは今13歳でうちに来てすぐの頃に会っているので、PONOはうりちゃんのあとを10年以上追いかけています(笑)。
――めぐみさんは小麦色の肌にマスクをしていても笑顔が伝わる太陽のような方で、そのイメージの通り、メグ先生の愛称で親しまれているフラダンスの先生なんですよね。
めぐみ:はい。フラ歴は25年位です。健康で心豊かなライフスタイルを目的に始めた「Smile Hula」という教室を始めたのが11年前です。今は湘南を中心に横浜などでもレッスンをさせていただいています。
――フラダンスは身近に習っている人は多くて、湘南に住んでいればとても親しみもあります。ダンスや運動とは縁遠い人でもチャレンジできますか?
めぐみ:フラダンスは少し敷居が高いって感じる方もいるかもしれませんが「smile Hula」は性別や年齢に関係なく気軽に楽しんでもらえるプログラムです。ヒップを左右に動かす事で体幹が鍛えられ、膝を曲げた中腰姿勢で踊るので脚力もつきます。そして、ゆったりとしたハワイアンミュージックに合わせて踊ってみると、きっと気持ちがよくて、ココロも癒されていくこと間違いなしです。
父の憧れのハワイで
本場のフラに出会う
――めぐさんがフラダンスに興味を持ったきっかけは?
めぐみ:私が19歳の時に初めて家族でハワイ旅行をしたんです。その時、父は「やっと夢が叶った」って到着ロビーで泣いていました。旅行中にフラを観る機会があって、その時からやってみたいって思いましたね。でも、なかなか機会はありませんでした。30歳を過ぎて下の子がまだ半年くらいの時、昔の知り合いがフラの先生になったと聞いて、実際に踊る機会を得て「私はこれを一生やる!」ってその瞬間思いました。
――ハワイが好きなお父さんは喜んだでしょうね。お父さんは踊らないんですか?
めぐみ:父は踊りません。でも、私がフラをしていることは、とても嬉しいみたいです。
めぐみ:ところでこのお店の名前どうして宝caféなんですか?
――よく聞かれます。ここで宝物の話をしたら、失くした宝物が見つかったり、新しい宝物に出会ったりする、そんな場所になるといいなって思ってつけたんです。
めぐみ:宝物の話ってなんだかワクワクしますね。
――めぐさんのご両親がされているラーメン屋さんも「宝島」っていう名前ですよね。
めぐみ:本当ですね!気が付かなかったです。大切なお店なのに!
――こうして話をしていると宝探しをするみたいでしょ。もしよかったら宝物の話聞かせてください。
南の島が好きな
父の“宝島”
めぐみ:両親がやっている「宝島」は今は善行にありますが、最初は鵠沼海岸にオープンしたのでトータル50年くらい経ちますね。
――今も現役で頑張っているってすごいですね。
めぐみ:実は父は体調を崩して1年半ほど休業していたんです。そうしたらみんなに励まされたり、同じ病気の人も元気でやっているなどの話を聞いて、勇気が出たり、救われた気持ちになったのでしょうね。だんだん元気がでてきたみたいです。営業時間は短いけれどマイペースで無理せず頑張っています。
――「宝島」という店名にはどういう想いがあったのでしょう。
めぐみ:そう言われると、改めて聞いた事はないですが父は南の島が好きなんですね。「宝島」の本も大好きでお店にもありました。あと、父の父、おじいちゃんは戦死したんですが、おじいちゃんは島が好きだったので、ニューブリテン島に行ったきり戻ってこないだけで、そこで生活していると父は信じていて、きっとそういう理由もあるのかもしれないですね。
ハワイスタイルの
大家族で育つ
めぐみ:両親はとても働き者でポジティブで強い人たちです。両親は仕事が忙しかったので、私は父方のおばあちゃんに育てられたって感じですが、子供の頃からずっと「愛されてる」「守られてる」っていう実感はありました。
――おばあちゃんは一緒に暮らしていたんですか?
めぐみ:中学3年生まで茅ヶ崎で一緒に暮らしていました。もうその家はありませんが、おばあちゃんの家が大好きでした。そう…私の「宝物」だったと思います。おばあちゃんのお家の庭はいつも季節の花が咲き乱れていて、大きなポプラの木もあってその葉っぱのサラサラを見ながら縁側でお昼寝をするのが大好きでした。私が小さい頃は犬がいて、ウサギ、リス、インコは40羽位いて、あとウズラもいました。
――賑やか!いつもお花の写真を撮っていますよね。お花好きなんですね。
めぐみ:はい。お花好きのおばあちゃんの影響かもしれませんね。私は子供の頃、いつも近所のお気に入りの木に登って夕陽を見たり、葉っぱとお話しをしたりしていました。家のボーイスカウトの訓練地にポンポンベッドを持ちだしてアイスを食べたり。そういう自然の中にいる時間が大好きでした。
私が生まれた時は、おばあちゃんの家にはまだ高校生と中学生だった叔父や叔母がいて大家族でした。おじいちゃんもおばあちゃんも働いていましたが、昔って近所のお家にあがりこんで焼きたてのパンをご馳走してもらったり、一人暮らしのおばあちゃんのお家に話を聞きに行ったり、そんな生活をしていたので、全然さみしいと感じたことはありませんでした。
――なんだか、想像がつきます。
めぐみ:実は3年前からハワイアンカルチャーの学校に通ってハワイの文化とかを勉強しているんです。そこでハワイの人たちは、おじいちゃん、おばあちゃんが畑を耕しながら家を守って、子供たちは畑仕事や漁も手伝い、大きい子が小さい子の面倒をみたり、色んな人から色んな知恵や礼儀を学んでいく。そういう風にハワイの人達は暮らしているって聞きました。
子供の頃は「自分の家ってちょっと普通と違う…」。そんな違和感もありましたが、いま考えると暮らし方や家族もなんだかハワイみたいだなって気づきました。
笑顔でいれば
幸せになれる
――家族に愛され、守られ、助け合っていく。メグさんがハワイやフラに魅了されたのは神様のお導きのような気がします。
めぐみ:そういえばこの前『Smile hula』に通っている7歳の女の子が「マスクの下でも笑顔を心掛けるようにしています」ということを私に教えてくれたのがすごく嬉しかったです。
――めぐさんがいつも「笑顔を作って」と伝えているからかしら。
めぐみ:そうですね。フラは上手に踊れても表情が硬いと楽しそうじゃないですよね。上手に踊れなくても笑顔なら見ている方も楽しいですよね。
――本当にそう思います。笑顔はハッピーを伝染しますよね。実はうり店長の「うり」って言う名前にはハッピーがいっぱい含まれた名前なんです。「う」はキスするときの女の子が一番可愛い顔で、「り」は口角をあげて笑顔になりますよね。だから名前を呼んでも、呼ばれる方も、それを見ている人も“ハッピー”になる。そんな心理学的効果が隠されているんです。
めぐみ:すごく素敵なお話しですね。私のモットーも「スマイル」です。父から「いつでも笑顔でいればみんな優しくしてくれる」と小さい頃から言われてきました。「笑顔になれば幸せになれる」。そう信じています。私にとって「笑顔」も大切な宝物です。
――家族の笑顔のリレーは今も続いていますか。
めぐみ:そうだといいですね。私は子育てにあまり熱心じゃなかったように思います。でも、主人も息子もいつも私のやりたい事を文句ひとつ言わずに協力してくれて、その姿を見ながら、ノビノビと育ってくれたように思います。
レッツ!
ハンドモーション
――フラダンスは「神々に捧げる神聖な踊り」だと聞いたことがあります。
めぐみ:はい。そして言葉がまだなかった時代に用いられたのがフラです。フラにはハンドモーションというのがあって、それは手話なんです。なので、その一つ一つに意味があるんです。
――ハンドモーション。もしよかったら何か教えてもらえますか。
アロハ
めぐみ:最初は「アロハ」です。「愛してる」とか「こんにちは」の意味でハワイに行くと「アローハ-!」ってハワイの人達みんな言ってくれますよね。
プア
めぐみ:次は私の大好きな「お花」。ハワイ語で「プア」です。花や海草、貝など全部使えるんです。
ナルー
めぐみ:次は私たちのおうちの近くにある海の「波」。「ナル―」です。
――ナル―。ワンちゃんに名前つけている人多いですね。
めぐみ:そうですね、お店の名前でもありますよね。
――これは「フラ踊って」と言われたらよくやる典型の動きですね。
めぐみ:コマーシャルとかでも、フラっていうと波のハンドモーションをしている人が多いですよね。
へウイ
めぐみ:最後に私の宝物でもある「笑顔」。ハワイ語で「へウイ」です。
――笑顔を相手に届けるように、手のひらを返すっていう感じですね。
――ゆっくり動いたり、指を動かしたりすると気持ちもいいしですし心も落ち着きますね。ダンスというよりも心が癒されるっていう印象です。
めぐみ:まさにそうですね。ハンドモーションは「手話」なので、踊っている歌詞の意味を手話で表現しています。なので、見ている人がハワイ語の曲だったとしても、なんとなく意味が伝わるんですよね。
――ありがとうございました。ではここで、お好きな曲をおかけしましょうか。
めぐみ:私の宝物でもありモットーでもある大好きな曲をお願いします。Nat King Coleの「Smile」(楽曲はYouTubeへリンクされています)。
みんなが
笑顔になれる世界に
――今、探している宝物はありますか。
めぐみ:色々な知識も身につけたいですけれども、みんなが笑顔になれる世界かな。そのためにも、自分がずっと笑顔でいられるように、子供の頃に「幸せ」や「大好き」って感じた、そういう時間や体験を増やしていければいいなと思います。
――うん素敵。めぐ先生の笑顔に勇気づけられている人たちは沢山いると思います。これからも素敵な笑顔をふりまいてください。今日はお話しを聞かせていただいたお礼にもう1杯いかがでしょうか。
めぐみ:はい。もう少しのんびりしていきます。
――ごゆっくりお過ごしくださいませ。
めぐみ:ありがとうございました。
番組サイト⇒『犬とあなたと珈琲と。』
インタビューと文:白田祐子(しらたゆうこ)
Instagram:@doggy_uri
@ル・ブラン湘南
白田祐子(しらたゆうこ)
プロフィール:日本心理学会認定心理士。ヒトと犬の心と行動カウンセリングラボ「ル・ブラン湘南」代表/ドッグカウンセラー。
1990年代から犬の行動や心理を独学し、保護施設などでしつけのボランティア活動を開始。現在のパートナーは2005年生まれの雑種の女の子で名前は“うり”。大学で心理学を専門的に学び、人と犬の関係や犬の心の成長の研究を行い独自のメソッドを確立する。2013年にパーソナルドッグカウンセリングを開始。人と犬のパーソナリティを重視したコーチングは特に多くの女性に支持されている。
里親制度の普及や地域行政と連携した“犬のしつけ”相談業務など、教育、行政、法律と多方面で人と犬の問題に向き合っている。愛玩動物飼養管理士、ホリスティックケア・カウンセラー、ペット災害危機管理士、小動物防災アドバイザー、猫防災アドバイザー他、ペット関連資格多数。2014年より神奈川県動物愛護推進員、湘南ビジョン大学講師。2019年よりFM83.1Mhzレディオ湘南にレギュラー出演中。