犬とあなたと珈琲と。Vol.5 かもしたともみ
FM83.1Mhz レディオ湘南(毎週金曜 16:00~16:29)放送中。宝製菓presents radio café『犬とあなたと珈琲と。』
湘南の海を見下ろす、小さなコーヒーショップ「TAKARA CAFÉ」。ここで“宝物”の話をすると探し物が見つかるとか?…オーナーは心理士でドッグカウンセラーのしらたゆうこ。店長はカフェオレ色の愛犬“うり”。美味しい珈琲を飲みながら、お客様との会話に耳を傾けてみませんか。
今回のお客様はライフスタイルブランドで生活雑貨の商品企画をしている“人生の愉しみ方を探求するサラリーマン”かもしたともみさん。かもしたさんの子供の頃の宝物は「ミッフィーの絵本とモンチッチ」。子供の頃は素朴で可愛いものが好きで、大人になって“モノ作りに携わりたい”と思い、今は「かわいいものを作る」お仕事をされています。これまでの苦労やストレスを感じたときの心の整え方も聞いてみました。
目次
雨の日だって生活を愉しく!
――こんにちは。ようこそいらっしゃいました。
かもしたともみさん(以下:ともみ):祐子さんこんにちは。お久しぶりです。
――カウンターの下にうり店長がいるんですが、ワンちゃんと暮らした経験ありましたか。
ともみ:実は実家で3匹飼っていました。小学校のときから30歳位までだったんですけど、みんなミニチュアダックスで1匹目がテリーで、次がメグ、最後がネオでした。
――きっとみんなお空から見守ってくれていますね。ともみさんは今はアパレル企業の商品企画を担当しているんですよね。みんなが憧れる仕事だと思います。
ともみ:ありがとうございます。私はいま、ライフスタイルブランドで生活雑貨の商品企画をしています。例えば、フレグランスとかレインアイテムをゼロから企画して商品化することをしています。何度か転職はしているんですけど『生活を愉しくするものに関わりたい』という気持ちが軸にあるので、ずっと雑貨やインテリアにかかわる仕事をしてきました。
――特に思い入れのある商品やお気に入りの商品はありますか。
ともみ:結構いっぱいあるんですけど、今の時期だとミモザ柄のビニール傘がとっても気に入っています。塞ぎがちな雨の日の気分を上げてくれるような色とデザインで、うちのECサイトの書き込みにも、『雨の日が楽しみ』と書いてくださる方がたくさんいらっしゃるんですね。本当に人気で累計8万本以上も売れているんですよ。
――すごい!実はその傘、私も持っているんです。3色ある中で迷わず黄色をゲットしました。
ともみ:そうなんですか!嬉しいです。本当にかわいいですよね。
イメージは
日常の風景から
――インスピレーションやアイディアが浮かびやすいシチュエーションはありますか?
ともみ:多分、歩いているときが一番多いですね。朝のお散歩中とか通勤中にすれ違う人とか、お花とか建物とか、色んなところからイメージが沸くことが多いですね。
――SNSを見ていても何気ない日常を切り取った写真が多いですね。そして時々“カエルのピクルス”が登場しますよね。ずっと気になっていました。
ともみ:ケロちゃんですね。今日も一緒なんです。
――ケロちゃんはお守りですか?それとも親友?
ともみ:どっちもありそうです。お守りのようでもあり、お友達のようでもあり。会社にも一緒に行っていますし旅にも連れていきます。
――実は私もぬいぐるみを持ち歩くタイプなので、後で一緒に写真撮りましょう(笑)
ともみ:そうですね、ぜひ!
ミッフィーの絵本と
モンチッチ
ともみ:TAKARA CAFÉで宝物の話をすると“探していた宝物に出会えると”いう噂を聞いて今日は来たんですけど本当でしょうか。
――なにかを言葉にすることで心の整理がついたり、今まで気付かなかったことが見えてくる、そういうことってあるかもしれませんよね。もしよかったら“宝物の話”聞かせてください。
ともみ:生まれたときに伯母からもらった”ミッフィーの絵本”と保育園の頃から一緒だった”モンチッチ”を大切にしていました。モンチッチは大きいのと小さいのとふつうのコの3匹がいていつも一緒に寝ていましたね。周りの女の子たちは当時リカちゃんを持っていたんですけど、私はまったく興味がなくて、むしろ苦手なくらいだったんです。
――リカちゃん人形はどうして苦手?
ともみ:苦手というか…なんだかキレイすぎるというか、そんなイメージでした。
――確かにモンチッチやケロちゃんとは真逆ですもんね。
ともみ:そうですね。ケロちゃん達はほっこり系なので私はそっちが好きなんだと思います。
――今も好きなものは変わらないですか。
ともみ:特に意識したことはないですけど、好きなテイストや色はあまり変わっていないかもしれないですね。
お客様レビューに
感謝の涙
――クリエイティブな仕事はいつ頃から興味を持ち始めたんですか?
ともみ:私はこんな感じでマイペースなので就職について直前まで深く考えていなかったんです。ただ、いざ就職活動が始まるといわゆる“氷河期”に入っていてかなり大変な状況だったので、内定をもらうために就職する理由とかやりたいことを一生懸命探したという感じです。普段からものづくりとかイベント企画のように「なにかを作り上げること」が好きだったので、ものづくりに携わりたいという気持ちに辿り着きました。
――子供の頃はミッフィーの絵本やモンチッチのように可愛いものが好きで、大人になってものづくりに携わりたいって思って、今はその両方に関わっている理想の仕事をしている印象です。
ともみ:そう言っていただけると嬉しいというか恥ずかしい感じなんですが、いまの仕事は自分の感性やアイディアが形になるところが大好きなんですね。会社のお金で商品を作らせていただいているので、ブランドのコンセプトに沿った企画や売上も利益も出さないといけなくて、そこが本当に大変ではあるんですけど愉しいです。ECサイトのお客様レビューに嬉しいコメントを見つけたときは、本当に涙が出るほど嬉しくなります。
不運の時を
乗り越えて
――理想の仕事に就くまでには色々なことがあったと思います。これまでに「これは参ったな」というようなことはありましたか。
ともみ:色々あったんですけど、一番参ったのは12年前にリストラにあったことですね。
――どう自分の心を整えていきましたか。
ともみ:ひたすら自分に向き合っていましたね。というと、かっこいいんですけど、私は“ひとりの時間”が必要な人間なのでノートとペンを持ってカフェとか公園に行って、頭の中を書き出して整理するようにしていました。
リストラから少しして、とあるテレビ通販の会社から内々定をいただいて「よっしゃー!」と思っていたら、直後に東日本大震災が起きてそれも取り消しになってしまったり、同じタイミングで自営業だった父の事業も悪化したりと、リストラ以外にも自分の力ではどうしようもないことが続けて起こってしまったんですね。そのときは、もう本当にどうしようもなくて家でよくお菓子を焼いていました。
吉方位のタイミングで
一人旅
――今もひとり時間を大事にしているイメージです。
ともみ:そうですね。たまに旦那さんを置いてひとり旅に出ます。特に上高地が大好きで、毎年上高地が吉方位になるタイミングに出発して、ひとりで散策して温泉に浸かって運気を上げて帰ってきます。
――吉方位の温泉。聞いただけでリフレッシュできそうです。占いをすごく勉強しているんですよね。
ともみ:そうなんです。『自分のご機嫌と運気は自分で変えられる』と思っているので、運気を上げるために算命学という占いも勉強しています。
――私も占っていただいて、占い結果のキャッチコピーが『冷静と情熱の雨』。これは私の好きな小説のタイトルにも似ているので気に入りました。これから使いたいと思っています。ありがとうございました。
ともみ:嬉しいです。ぜひ(笑)
自分で自分の体を
緩めるストレッチ!
――ストレスを感じた時は体を動かすと言う人も多いと思います。スゴレッチ体操の認定トレーナーとしてYouTubeで動画の配信もされていますよね。スゴレッチはすごいストレッチという意味でいいですか。
ともみ:はい、そうです。「スゴいストレッチ」の略で『スゴレッチ』といいます。
――もともと子供の時から体を動かすことは好きだった?
ともみ:そうでもないんです。むしろ身体が硬いし足も遅いから運動は苦手ジャンルでした。でも、そんな私にもできて、自分で自分の身体を緩めることができるのが『スゴレッチ』で気にいっています。
――犬の散歩はリフレッシュできる一方で、“犬の文通“って私は呼んでいますが、他の犬からのメッセージを読む時間、匂い嗅ぎの時間は立ち止まっている時間って結構長いんです。その間に私もできそうなストレッチってありますか。
ともみ:呼吸を整えることで、おそらく色々な不調が楽になるんじゃないかなと思います。もしよかったら、呼吸を深める「メトロノームストレッチ」をやってみましょう。これは座りながらでも立ちながらでもできます。メトロノームのように上半身を左右に揺らすだけの簡単なストレッチです。肋骨を緩めて肺を広がりやすくすることで呼吸が深くなって血液の巡りをよくする効果が期待できます。
頭の後ろで手を組んでください。手を組んだら肘をできるだけ広げましょう。肘が180°くらい開くのが理想ですがイタ気持ちぃところで大丈夫です。では上半身を右に傾けます。右ひじを床に近づけて左肘は天井に近づけるイメージです。この時、力を入れるとより曲がらなくなってしまうので、力を抜いて上半身の体の重みを利用して傾けるようにしましょう。
こうすると体の側面や肋骨が伸びていくと思います。いかがでしょうか。ここで鼻から4拍吸って、口から4拍出す呼吸を2セットやってみましょうか。吸って×4、吐いて×4、最後は吐ききって。これを左右やると呼吸がしやすくなると思います。
思い込み力で晴れ女に!
――ともみさんは体も動かしていますが、知的で落ち着いた雰囲気があって誰からも愛されるタイプだと思います。自分の性格で自慢できるところや好きなところは?
ともみ:転んでもタダでは起きないようなタフさかなと思います。就職氷河期に就職したり途中でリストラされたりと色々あるんですけど、この時代の日本に生まれただけでもラッキーだと思っているので「人生を愉しまなきゃ損!」っていう気持ちで生きています。
――肩書が『人生の愉しみ方を探求するサラリーマン』ですものね。色々なシーンで活躍を見たり聞いたりしていて“なんでも器用にこなせる印象”を私は持っていますが、特にご自分で一番上手に扱えるモノやコトってなんだと思いますか。
ともみ:器用かどうかはわからないんですが、“思い込み力”は上手く扱っていると思います。例えば、以前は“雨女”だと思っていたんです。でも“晴れ女”になりたいなって思っていたら見事に“晴れ女”に変わりまして、今お出掛けするとき大抵晴れています。
――今日晴れたのは自分の力だって思い込んだってことですね。なんでもポジティブに変換した方がお得ですよね。
ともみ:そう思っています。
――ここで何か1曲おかけしましょうか。
ともみ:Norah Jonesの『Don’t Know Why』をお願いします(楽曲はYouTubeへリンクされています)。20年位前にひとりでよく中国に出張に行っていた頃、機内で聞いて一目ぼれというか一耳惚れをして、中国に着いてすぐにCDを買ってしょっちゅう聞いていた思い出の曲です。
時間という
宝物を求めて
――今探している宝物はありますか?
ともみ:今は時間です。大事な人と過ごしたり、学びを深めるための時間が欲しいと思っています。
――24時間の枠組みの中でそれをどう活かすかは大切なことですよね。これからも愉しいことのおすそ分けをお待ちしております。今日はお話しを聞かせていただいたお礼にもう1杯いかがでしょう。
ともみ:お言葉に甘えてお願いしたいです。
――ごゆっくりお過ごしくださいませ。
ともみ:ありがとうございます。
ともみさんから
番外編
リストラや父の事業の悪化や大震災…。人生どん底の時、それを見かねた友人たちの勧めで出会ったのが占いでした。占ってもらうと、私がリストラされた時期は運気上昇のタイミング。夜明け前がいちばん暗い。そう、これは、次のステージに進むために必要な通過点だと知りました。苦労や試練と思える状況は「新しいステージに行くために必要なできごとのこともある」。私は占いを通じて、今までとは違う視点を持てるようになったと同時に、自分自身の宿命やギフトを知れたことで“人生が楽に愉しく”なりました。そんな経験を周りの人にもおすそ分けしたいと思い、算命学の学びを深めています。
インタビュー・文:白田祐子(しらたゆうこ)
番組サイト⇒『犬とあなたと珈琲と。』
Instagram:@doggy_uri
@ル・ブラン湘南
白田祐子(しらたゆうこ)
プロフィール:日本心理学会認定心理士。ヒトと犬の心と行動カウンセリングラボ「ル・ブラン湘南」代表/ドッグカウンセラー。
1990年代から犬の行動や心理を独学し、保護施設などでしつけのボランティア活動を開始。現在のパートナーは2005年生まれの雑種の女の子で名前は“うり”。大学で心理学を専門的に学び、人と犬の関係や犬の心の成長の研究を行い独自のメソッドを確立する。2013年にパーソナルドッグカウンセリングを開始。人と犬のパーソナリティを重視したコーチングは特に多くの女性に支持されている。
里親制度の普及や地域行政と連携した“犬のしつけ”相談業務など、教育、行政、法律と多方面で人と犬の問題に向き合っている。愛玩動物飼養管理士、ホリスティックケア・カウンセラー、ペット災害危機管理士、小動物防災アドバイザー、猫防災アドバイザー他、ペット関連資格多数。2014年より神奈川県動物愛護推進員、湘南ビジョン大学講師。2019年よりFM83.1Mhzレディオ湘南にレギュラー出演中。