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犬とあなたと珈琲と。Vol.81 犬を選ぶときの大切なポイント

聞逃し配信中(音楽は全てダミーです)
収録:レディオ湘南  

宝製菓presents radio café『犬とあなたと珈琲と。』FM83.1MHz レディオ湘南(第1.第3土曜 16:00~16:29)放送

湘南の海を見下ろす、小さなコーヒーショップ「TAKARA CAFÉ」。オーナーは心理士でドッグカウンセラーのしらたゆうこ。店長はカフェオレ色の17歳、愛犬のうり。美味しい珈琲を飲みながら、お客様との会話に耳を傾けてみませんか。

お客様は常連客のゆきさん(株式会社イヌと暮らす代表取締役)。今回のテーマは『犬を選ぶときの大切なポイント』。犬と暮らすと決めたとき、相棒選びの決め手はなんでしょう。もちろん外見の好みも大きな理由となるでしょう。でも、人と犬にも相性があります。家族とわんこが互いに快適にストレスなく最後まで幸せに暮らすために必要なポイントとは。今回も保護活動をしながらトリミングサロンを経営しているゆきさんと、人と犬の関係を研究しているドッグカウンセラーの白田祐子がそれぞれの視点で考えていきます。


祐子 こんにちは。ゆきちゃん、いつもありがとうございます。
ゆき こんにちわ、祐子さん。今日はたける君と来ましたぁー(写真は本文の最後にあります)。

祐子 はじめまして。会いたかったよー、たける君。小さいー。
ゆき ですよね。驚くと思いました。ブリーダーさんからレスキューした黒柴なんですけど、体重が5キロ位で「豆柴」って呼ばれるサイズですね。さらにガリガリ君なので小さい。これから医療と身体のケア、心のケアが必要ですが、とても素直な子なので順調に慣れてきてくれています。

祐子 いっぱいご飯を食べて、心と身体が元気になってから、新しい家族探しだね。
ゆき そうですね。もう少し時間をかけて、ゆっくりケアしていきたいと思います。じゃあ、いつものカフェオレお願いしまーす。

*中山ゆきさんが所属する保護団体の譲渡会の情報は「PAK」(Paws Adoption かながわ)

性格の不一致で別れます…
は絶対に避けたい!


ゆき 祐子さん。この前来た時、保護施設で注目されやすい犬は「子犬のような目」って呼ばれる表情をすることが、明らかになっているって話をしましたよね。実際、譲渡会で注目されやすい子は「近寄ってきてくれた」とか、自分に対するアクションがあるかどうか…そういう要素ってとても大きいと思うんです。でも、これから犬と暮らしたいと思っている人が犬を選ぶ時って、どういう点に気を付けるべきだと思いますか?

祐子 犬の選び方と注意点。大切。人間同士が「運命の人」って思って付き合っても、「性格の不一致」とか「価値観の違い」とか悩みが出てくるのに、話し合いで解決できない犬が相手となると、せっかくのドッグライフがアンハッピーになりかねない。苦しんだり、我慢したりするのは人も犬も同じだもんね。

ゆき うんうん、おっしゃる通り。一目惚れからのギャップ!

祐子 そうそう!犬は他の動物に比べてバリエーションがとても広いから、一目惚れも多いと思う。でも、これから20年近く一緒に暮らしていくんだから「性格の不一致でもう一緒に暮らせません」は、絶対に避けたいところだよね。

ポイント1
サロンが必要かどうか


祐子 ゆきちゃんの専門である、美容院に行く必要があるのかないのか。これも、長い時間を一緒に暮らしていくには、重要なポイントになると思うけど…

ゆき 重要ですね。時間的にも経済的にも、その差は大きいと思います。月に一度、二か月に一度となると、生涯美容院に通う回数ってとんでもない回数なので。

祐子 人気のある犬種でこの子たちはサロンが必要っていうのは?
ゆき 絶対に必要なのは「トイプードル」「マルチーズ」「シーズー」あとは「シュナウザー」。今は「ドゥードゥル」

祐子 カットしてあげないと、どんどん毛が伸びてしまう系だね。

ゆき あと「ポメラニアン」や「柴犬」に代表されるようなダブルコートの犬は、それほど毛は伸びなかったとしても、毛が抜けきらないと、蒸れたり不衛生になりがちなので、何か月かに一度はサロンでグルーミングをすることをおススメします。

 あと、抜け毛の少ないシングルコートの犬種でも、毛が伸びてきて目に入ったり、口に入ったりするし、トイプードルみたいな縮れ毛は毛が落ちないので、伸びるとどんどん毛玉になっちゃうから、プロの力によるカットが必要です。対照的に「ダックスフンド」や「チワワ」「ジャックラッセルテリア」はストンと毛が落ちるし、蒸れる心配もあまりないので、自宅でシャンプーしやすいと思います。

祐子 なるほどー。「パグ」は皮膚がたるんでいるからケアが必要そう


ゆき そうですね。バブルバスなんかで入浴すると、かゆみやニオイの原因になる雑菌もすっきりするので、皮膚たるみ系のワンコや脂のでやすいワンコもサロンが必要ですね。

祐子 サロンに行く必要があるワンコたちは、慣れてもらわないと大変だ。

ゆき そこなんですよ。子犬を迎えて、ワクチンが終わる生後3か月頃には、トリミングに出してほしいです。体毛は伸びていなくても、足回りの毛や爪を切って「慣れさせること」が大切。たとえば、個体にもよりますけど、トリミングが必要な子って、だいたい4か月頃から毛がもつれ始めて、放っておくと、5か月頃には毛玉ができちゃうんです。毛玉をほぐすのって、子犬にとっては本当痛くて「ひーひー」言っちゃうから、痛いだけでトリミングが嫌になっちゃう。

祐子 そうかぁ。小さいときは、自宅でのケアも楽しくて「自分でやりたい」って思うけど、この子はサロンに出すべき犬種かどうかを知って、必要なら早めに連れて行くこと。家族以外の人にカラダを触られたり、自宅以外の場所で過ごすことはいい学びの場にもなるよね。

ゆき はい、そういう「犬目線」って大切。トリミングがストレスになったらお互い悲しくてつらい時間になっちゃうし、サロンでは耳や爪、肛門腺や歯のケアもするので、全身どこを触られても大丈夫になるキャパを磨く場にもなります。飼い主さんの「自分でやりたい!」を応援する知識も提供できるので、ぜひ早めに連れてきて、色々質問してもらいたいです。

祐子 ずっとお世話になる専門家とは早く知り合っておいた方がいいよね。

音楽:Swing Out Sister『Waiting Game』(楽曲はYouTubeにリンクされています)

ポイント2
自分の性格や生活を見直す


ゆき 犬を選ぶ時の注意点。他にどんなことがありますか。

祐子 人と犬が一緒に暮らすとき、一番大切なのって、お互いが必要以上にストレスがかからないことだと思うのね。例えば、自分のキャパシティー以上のストレスがかかると、体も心もバランスを崩してしまう。

 犬なら「吠える」「噛みつく」など「困った行動」と言われる行動が現れてきちゃう。それに対して飼い主が「どうしてそうなの」って、イライラしたり、悩んだり、戸惑ったり、時には恐怖を感じたり、お世話が嫌になったりしてしまえば、残念ながら改善には向かわない。むしろ、犬の行動は悪化して『負のスパイラル』に陥ってしまう。

ゆき 聞いているだけで辛すぎる…。ストレスの回避となると、やっぱり〝相性〟みたいなことですかね。相性って難しい…。または自分のキャパを広げるか…それも難しい。

祐子 なかなかどっちも難しいところだよね。でも、人でも犬でも共通していえるのは、お互いを知ることじゃないかな。〝犬を知り、自分を知る〟こと。

ゆき 自分を知る…

祐子 ずっと一緒に暮らすんだから、一番大切なポイントは自分のエネルギーや生活習慣に合っているかどうか。具体的には、自分はどういう性格タイプで、何が好きで、どう暮らしていきたいのか。

 たとえば、静かに読書をしたり、インドアで趣味を楽しむタイプで、お散歩のついでにCAFÉでのんびりする時間が好き。そのとき足元に相棒のわんこがいたら最高!そんな暮らしに憧れている人が、活動量が多くて、エネルギーの高い犬種を選ぶと理想郷は崩壊ガラガラ…。犬は運動不足や欲求不満が原因で吠えるし暴れるし、CAFÉでじっとなんてしていられないよね。家の中でもストレスからイタズラが多くなって、もう、ひっちゃかめっちゃか。

ゆき ひっちゃかめっちゃか。カオスですね。正直うちも子犬を預かるとそうなります…(笑)

気が合えば
人も犬も気楽で幸せ


ゆき 人気の犬種でいうと、一般的には「ジャックラッセルテリア」とか、テリア系はエネルギー高いですよねー。

祐子 カラダが小さくて見た目もキュートだけど、壁を垂直に登っていくんじゃない?ってパワーの子もいるよね。一緒にスポーツを楽しみたいけど、大型犬は無理かなっていう人にはいい相棒になる。汚れたらじゃぶじゃぶ洗えそうだし。

ゆき いいですねー。すごく楽しそう。私がよく言うのは「ボーダーコリー」の活動量もすごい。こっちが参っちゃうくらい。個人的な意見ですけど。

祐子 ボーダーコリーも人気がある。スポーツ万能で物覚えもいいよね。もともと牧場で働く犬だから、かわいいがるだけじゃ、生活にも飼い主に物足りなさを感じるかもしれない。フリスビーやアジリティとか頭を使ったり、ルールがあるスポーツをさせたり、役割を与えてあげるといいよね。アクティブな家族じゃないと窓の外を行き交う人に吠える位しか、エネルギーの発散方法が見つからなくて可哀そうかな。そういう相談は結構多い。

ゆき 『働く犬!』それキーワードかもしれないですね。仕事がないと、悶々…イライラしちゃう的な人いる。犬か!笑

祐子 犬の大敵は退屈だよね。特に働く犬は歩くだけじゃつまらないかもしれないよね。エネルギーが高くて興奮しやすい犬と暮らすのは「大変だな」って、私は思うけど、飼い主がアグレッシブなら、たとえ犬が室内を走り回っていたとしても、一緒にワーワーやって、「だめでしょ」なんていう注意も「ワッショイ!ワッショイ!」って楽しくなっちゃったりして。飼い主の寛容性の違いで犬の幸福度やしつけ方も変わってくるから、やっぱり相性は大切。

ゆき わっしょいわっしょい(笑)あるあるかもー。

ポイント
犬の特性を調べよう


ゆき タイプが似ていたり、エネルギーが近いと相手への寛容性も高くなるから幸福度も上がる。確かに…。でも、もしエネルギーが合わなければ「困った行動」とか、しつけの問題にも発展していって、これは致命的。毎週末アウトドアを楽しみたい彼女と週末はおうちでのんびりゲームをしていたい彼氏じゃ、まあ逆でもいいですけど、これはすれ違いが起きちゃいますね。

祐子 ねっ。別れる原因になるかもー。犬と一緒に野山を駆け回りたいのか、表参道とかをおしゃれに歩きたいのかじゃ、犬が求められる行動が全然違う。どうだろう…「ペキニーズ」は犬の中では運動量が少ない方だから、おしゃれ散歩にも合うかもしれない。あと、自宅に人を招くのが好きな人が、飼い主以外は苦手ですっていう〝ワンマンドッグ〟を選ぶと、犬はストレスしかない。「柴犬」とかの日本犬は本来ワンマンドッグ。選べるものなら犬だって飼い主を選びたーい。

ゆき たしかにーーー。うちはよく人が集まるんですけど、柴犬のミミちゃんはたいてい違う部屋へ避難してます。申し訳ない…

祐子 うりもね家ではそうだよ。もちろん犬の性格は「特性」が100%ではないけれど、たとえば、牧羊犬は音に敏感な犬種が多いから、それなら呼び鈴のピンポン音とか生活音をどんどん聞かせて慣らしていこうとか、動いているものに敏感に反応する狩猟犬であれば、自転車やバイクに飛びつかないよう、小さい時からコントロールしていこうとか。将来、起こりうる問題行動の予防もできる。

ゆき 受け入れるキャパを少しずつ広げていくんですね。キャパがあればストレスも少なくてすむ。人間と一緒ですね。

音楽:Glenn Frey『True Love』(楽曲はYouTubeにリンクされています)

ポイント4
誰のエネルギーに合わせるか


祐子 犬と人の相性。ただ、家族がいるときは、みんなが同じ性格ってことはないだろうから、普段、お世話をするのは誰なのかを考える必要があるよね。特に二世帯同居で若夫婦は日中仕事で普段は高齢の親と一緒。そうなると「本当に大型犬で大丈夫ですか」って聞きたくなるケースもあるかな。ゆきちゃんは家族が多いけど、どう?

ゆき 確かに…誰が一番面倒を見るのか…って、そこになるのかもしれないですね。

祐子 雑種の場合は保護団体経由なら、個体別の性格とかリアルな情報を聞くことができるからいいよね。私は初めて犬猫と暮らす人こそ、保護動物はおすすめだと思っている。相性のアドバイスをしてくれるし。その話もじっくりしたいんだけど…これも話はじめると閉店時間になっちゃうから、また今度。

ゆき え!また今度?あっという間に時間は過ぎていきますね…

祐子 犬と暮らしたいと思ったら、まず自分たちの性格や暮らしを見つめなおして、これから犬と一緒にどう暮らしていきたいかを具体的に思い描くこと。そして、犬の特性を調べて、未来予想図に合った犬を迎えること。これが『犬選びのコツ』と言えるんじゃないかな。よくわからなければ、ぜひ専門家に聞いてもらいたいです。

ゆき 今は専門家も増えてますから、ずっとお付き合いできる病院やトレーナーさんが近くにいるか探しておくことも大事ですね。

祐子 その通り。時間はまだ大丈夫?今日も犬談義のお礼にもう1杯どうぞ
ゆき ありがとうございます。いただきます。


番組サイト『犬とあなたと珈琲と。』 
保護犬猫支援店/トリミングサロン『イヌと暮らす』 

放送構成と文:白田祐子(しらたゆうこ)

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白田祐子(しらたゆうこ)
プロフィール:日本心理学会認定心理士。ヒトと犬の心と行動カウンセリングラボ「ル・ブラン湘南」代表/ドッグカウンセラー。
1990年代から犬の行動や心理を独学し、保護施設などでしつけのボランティア活動を開始。現在のパートナーは2005年生まれの雑種の女の子で名前は“うり”。大学で心理学を専門的に学び、人と犬の関係や犬の心の成長の研究を行い独自のメソッドを確立する。2013年にパーソナルドッグカウンセリングを開始。人と犬のパーソナリティを重視したコーチングは特に多くの女性に支持されている。

里親制度の普及や地域行政と連携した“犬のしつけ”相談業務など、教育、行政、法律と多方面で人と犬の問題に向き合い、犬専門雑誌の監修や執筆も行う。愛玩動物飼養管理士、ホリスティックケア・カウンセラー、ペット災害危機管理士、小動物防災アドバイザー、猫防災アドバイザー他、ペット関連資格多数。湘南ビジョン大学講師。2014年より神奈川県動物愛護推進員。2019年よりFM83.1MHzレディオ湘南に出演中。

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