犬とあなたと珈琲と。Vol.92 杉原栄子
聞逃し配信中(音楽は全てダミーです)
収録:レディオ湘南
宝製菓presents radio café『犬とあなたと珈琲と。』FM83.1MHz レディオ湘南(第1.第3土曜 16:00~16:29)放送
湘南の海を見下ろす、小さなコーヒーショップ『TAKARA CAFÉ』。オーナーは心理士でドッグカウンセラーのしらたゆうこ。店長はカフェオレ色の17歳、愛犬の“うり”。美味しい珈琲を飲みながら、お客様との会話に耳を傾けてみませんか。
今回のお客様はキャリアコンサルタントの杉原栄子さん。厚労省が謳う『人生100年時代』。「人生100年なんだから、体が動くまでは年金貰わないで働こうね」。そういうメッセージに受け止めたと話す杉原さんに、キャリアイメージの持ち方やハートグラムカードを使用した職業適性診断をしていただきました。「棺桶に片足入れても『もっとこれがしたかった!』って思うくち」。ただいま保育士試験にチャレンジ中!最近お手伝いしているインタビュアーのお仕事やプロフィールを変更した理由などなど、元気モリモリに伺いました。
―こんにちは。栄子さん。ようこそお越しくださいました。
杉原栄子さん(以下杉原):祐子さん、こんにちは。お邪魔します。あっ、うり店長もいますね!
―そうなんです、こんにちわんわん。栄子さんのお宅のワンちゃん。カニンヘンダックスフントの「アポ」ちゃんは最近どうですか…
杉原:とっても元気で絶好調です。7月はアポも一緒にグランピングに行って家族で楽しんできたんですよ。アポが2回ヘルニアになったときは、もう一生この子が歩く姿を見る事はないかと、夜も寝れない位悩みましたが、犬の鍼治療を祐子さんにご紹介頂いて本当に助かりました。いい病院を紹介していただいたおかげで今はすっかり歩けるようになって、家族旅行もこうして楽しめています。
―ヘルニアの時は大変でしたものね…。鍼治療が効果テキメンで本当に元気になってよかったです…。
杉原:そう…今じゃ元気過ぎていたずらばかりするので「アポ」ではなく「ワルポ」と呼んでいます。じゃあ、カフェオレお願いしようかな。
目次
人生100年時代
どう働くか
―さて、栄子さん、杉原栄子さんは現在キャリアコンサルタントとして活躍されていらっしゃる。そういう顔も持っていらっしゃって、最近では…先月ですね、湘南工科大学で学生さんたちと交流されてきたそうですね。
杉原:私が所属している異業種交流会「湘南事業家フォーラム」が主催でした。湘南工科大の教授もメンバーのお一人なんです。
―湘南事業家フォーラム…
杉原:はい。学生さん達に「地域にこんな会社があるんだ」ということを知ってもらうために、地元企業の社長さん達を中心にブースを設けて、そこで将来設計の選択肢の一つになるように体験をしてもらっています。私も学生さん達のキャリアプランのお役にたちたいと思って、ブースを設けました。
―「キャリアコンサルタント」は、どんな仕事が自分に向いているか、あるいは、自分に合った職業はあるかなど、職業選択に関する知識の普及やキャリア形成に向けた支援や相談や助言を行う専門職…あっていますか。
杉原:あっています!キャリアコンサルタントは以前からあった資格ですが、2016年から国家資格になりました。厚労省は『人生100年時代』を謳っていまして、「人生100年なんだから、体が動くまでは、年金貰わないで働こうね」っていうメッセージだと私は思っています。
経験や個性から
自分の強みは何かを知ろ
―これから社会に出る人もそうですが、どんなに長く働いていても「自分は本当にこの仕事が向いているのかな」とか「自分はこのままでいいのかな」って、迷ったり、悩んだりする人も少なくないと思います…
杉原:私が子どもの頃は新卒で入った会社に定年までというのが当たり前の時代でした。今は途中で方向転換して、全く別な仕事に就く事も「アリ」になりました。でも「なんでもあり」だと返って悩んでしまう人が多いと思います。選択肢が多いのは良い分、悩みますよね…自分の本当にしたい仕事もボヤけてしまいます。ましてや、初めて就職活動をする学生さんが「キャリアのイメージを」って言われても、よくわからないですよね。
一こういうことがしたい…って、ぼんやりと持ったイメージをうまく具現化できるといいんですが…
杉原:そこなんです。たとえば、求職中や在職中の方であれば、これまでのキャリアを振り返って、経験から得たことやこれから活かせる能力や強みはなにか。それをキャリアコンサルタントと一緒に整理することで「今後どうやりたいのか」が見えてくると思います。学生さんであれば、自分自身のことを理解して、将来どんな職業人生を目指したいか、そのためにどうすれば良いのか。それを一緒に考えます。
一一緒に考える!これまでの経験から得た、自分の強みとはなにか。そして、それをどう活かしていくか…そこまでしっかり整理されていくと、迷いも晴れて、自信もついてきそうです。栄子さんが、そうやって相談者さんと一緒に道筋を立てていくとき、気を付けている点はどんなことですか?
杉原:たとえばですが、とにかくクライアントさんのお話を傾聴するところから始めます。信頼関係を築く事を第一優先にしています。助言をすることは楽ですが、クライアントさん自身が“腹おち”しないと行動には移らないので、ご本人の意志でご自分のキャリアプランを決めていく。その為の「ガイド役」になるよう気を付けています。それから、特に学生さんは難しく考えてしまうので、たとえば「楽しいと感じることは何?」とか「興味や趣味は何?」から入るようにしています。
―本人が楽しいと感じるコトはなにか…それで思い出しました。「自分の性格タイプ」と「向いている仕事」をマッチングしてくれる、面白いツールがあるって聞きました。
杉原:そうなんです。大学生には特にゲーム感覚で試せる『ハートグラムカード』という、藤田サトシさんと言う方が開発したカードを使います。25枚のカードの質問に「Yes」「迷った」「No」で答えてもらう、簡易検査的なものです。
―面白いですね。具体的にはどういう質問があるんですか?
杉原:たとえばですね「友達の中では自分がリーダーでなければ気が済まない」とか「いじめられても我慢して誰にも相談しない」とか…こういう簡単な質問に答えてもらうんですね。祐子さんもやってみます? 3分位でできちゃいますので
―やってみたいです!
音楽:Sergio Mendes & Brasil ’66『Watch What Happens』(楽曲はYouTubeにリンクしています)
ハートグラムカードで
自分発見と職業発見
―さて、どんな感じでしょう…
杉原:まず、このゲームの話を説明しますと、オープンマインドなタイプのキャラクターが「天使」と「キリギリス」なんですね。反対にクローズマインドが「蟻」と「裁判官」。その中には入っていないんですけど、ヒエラルキーで三角形の組織にいる方が心地いいのが「犬」。こういう5つのキャラクターがあります。今回、祐子さんは「天使」と「キリギリス」、まさにオープンマインドなんですよ。
―どんな職業が向いていますか?
杉原:たとえば、「天使」ですと保育士さん・看護師さん・調理師さん・動物飼育員・カウンセラー。まさに祐子さんの今のお仕事ですね。因みに「キリギリス」というのは、歌手・芸能人・モデル・YouTuber・デザイナー・画家・キャビンアテンダント・セールスマンなど、わりと明るくて華やかな感じ。そういうものが祐子さんにはあると。
それで、反対に「裁判官」と「蟻」はクローズで、わりと一人でやったり、ストイックだったりというのがクローズマインドの方。犬はまさに消防士さんとか自衛官とか会社員さんがこのタイプなんですが、上からしっかり指示されてその通り動く仕事。それが向いているかな…という感じになりますね。
因みに私は祐子さんと同じで「天使」がダントツに多くて、次が「キリギリス」で、2枚だけ「裁判官」がありました。なので、人に色々奉仕したり、みなさんと接するのが好き、華やかなのも好きなんだけど、時々厳しいこともバシりという杉原栄子でございます!
―面白い。「自分は案外こういうところあるよね」とか「あーこういう仕事もありかも」とか、占い感覚で気軽だけど意味は深い。
杉原:そういえば、このお店の名前って『TAKARA CAFÉ』ですよね。ちょっと「タカラ」で思い出したんですが、私は短大を中退したんですが、その後、初めて勤めた会社が『タカラ倉庫』という名前だったんです。それで、ちょっと昔のことを思い出しました…
―宝物がいっぱい入っていそうな倉庫ですね。『TAKARA CAFÉ』は、ここで宝物の話をすると失くした宝物が見つかったり、新しい宝物に出会えたりする。そんな場所になるといいなと思って付けた名前なんです。
杉原:あら、素敵!
―もしよかったら、栄子さんも宝物の話聞かせてください。
誘われたら断りません。
動き回るのが大好き!
―栄子さんの宝物はなんですか
杉原:モノではないんですけど、お風呂で湯舟に浸かっている時が大好きです。
―夜、バスタブに浸かって、昼間のスイッチをオフにすることを大切にしている人って尊敬します。私はどうしても「まぁいいか」って、それがなかなかできない…。
杉原:私の場合は、どちらかというとせっかちな方なので、あっちゃこっちゃと動き回るのが大好きなのと、更にお誘いをいただくと断れない方なので、気が付くと予定を詰め込み過ぎていて「あ~、今日も忙しかったー」と、思いながら、ボォーッとお風呂に浸かる時間も必要というか…大切な時間です。
―今日一日「働いたぜー」って満足感や充実感を反芻する感じでしょうか杉原:ジッとなんてしていられないですー
―エネルギーありますよね(笑)そして、そのエネルギーを使って、とにかくチャレンジ精神に富んでいらっしゃって、
―今も『株式会社Venus Style』という会社でお手伝いをはじめられたそうですね
杉原:そうなんです。湘南地域の『カーブス』や、カフェ&BAR『PRONTO』。それから、リハビリ専門のデイサービスなどを運営している会社なんですが、子育て支援事業の一つである『ぐるっとママ湘南』という、ポータルサイトのお手伝いをさせていただいてます。
―そこでは、どんなことをされているんですか?
杉原:そのサイトには、湘南にゆかりのある人物100人に同じテーマでインタビューをする企画がありまして、前回は100人目が徳光和夫さんでした。今回は「あなたのヒーローは?」というテーマで、私がインタビュアーとしてスタートしたところです。
―楽しそうですね!じゃあ、外に出て色々な方にお話を聞いて歩くんですね…
杉原:思いがけない話を聞くのって本当に面白いですよね
―はい。私もここ『TAKARA CAFÉ 』で、みなさんのお話を聴いていると、本当に興味深いです。
一度や二度の挫折で腐らず
チャレンジを続ける
―そういえば、先月ですか「新しくした」と仰っていた、栄子さんの名刺…裏面の自己紹介が一新されていましたね。
杉原:そうなんです。気づいちゃいましたか、『破天荒な父親のもと、子供の時に2度夜逃げを経験。家業が傾き短大中退。運送会社で経理として働き7年後、オーストラリアに留学。帰国後、青学の二部を卒業して、アップル・エルメスなどの外資系企業で35年勤務。2019年藤沢市議選初当選、しかし2023年落選。でもメゲません』って書いてあるんです。
―でもメゲません!笑っちゃだめなのに、面白いですね…以前のものとは全然違っていて…なにか心境の変化がありましたか。
杉原:キャリアコンサルタントとして大学で講義をさせてもらう機会がありまして、最初のつかみをどうするか考えた時「アップルやエルメスにいたんです」って言うよりも、「夜逃げを2回経験しています」って話し始めた方が、学生さんが注目してくれるかなって。そして「一度や二度の挫折で腐らず、諦めずにチャレンジし続ければ、必ず道は開ける。短大中退でもアップルに入れた私を見て」と話します。
―人生いい時もあるけど、同じ位、井戸の中に潜るようなときもあるよって感じですね…
杉原:その通り!特に私はそのふり幅がすごく激しいなって。きっと、棺桶に片足入れても「もっとこれがしたいー!」って思うくちです(笑)
―頼もしい!
病児保育園を作りたい!
保育士試験にチャレンジ中
―さて、信じられないですが…今年も残すところたったの2か月!来月は師走です。年内にやっておきたいことってありますか?
杉原:保育士試験の勉強です。病気のお子さんを預かる「病児保育」というのがあるんですが、それを藤沢市の駅近に作りたいんです!そのために、まずは自分が保育士になろうとこれまで試験を2回受けたんです。資格取得までに残り3科目の合格が必要でして、今回は4月の試験に向けて年内勉強します。一生勉強ですから!
―はい!そのマインドは私も大好きです。栄子さん、やっぱり荒波に飛び込んでいく。なんだか壮大な計画が始まりそう。ぜひ私も応援させてください!
杉原:ありがとうございます。「もっともっと!」これからの私にも期待してください
―はい!では、リラックスも大切なのでここで一息…なにかお好きな曲をおかけしましょうか…
杉原:じゃあ、昔、付き合っていた彼がサプライズでクリスマスディナーコンサートに連れて行ってくれたことがあったんです。それ以来大ファンになった、小野りささんの『イパネマの娘』をお願いします。
これだけは私がナンバー1を
見つけていきたい
―今、探している宝物はなんですか
杉原:これだけは私がナンバーワン!と思える「何か」を見つけていきたいです。一つのコトを突き詰めている方を見ると「いいな」って思うんです。だから、その「何か」を見つけて、もっともっと突き詰めてみたいです。
―いつまでも働く女性のお手本でいてください。応援しています。今日は楽しいお話を聞かせてくださったお礼にもう一杯いかがでしょうか
杉原:いいんですか?ありがとうございます
―ごゆっくり、お過ごしくださいませ
杉原:遠慮なくゆっくりさせていただきます。
―今度はアポちゃんも一緒に来てくださいね
杉原:アポも連れてきます。ありがとうございます。
番組サイト⇒『犬とあなたと珈琲と。』
「株式会社Venus Style」のHP⇒「こちら」
インタビュー・構成・文:白田祐子(しらたゆうこ)
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ル・ブラン湘南のInstagram
白田祐子(しらたゆうこ)
プロフィール:認定心理士。ヒトと犬の心と行動カウンセリングラ「ル・ブラン湘南」代表・ドッグカウンセラー。
1990年代から犬の行動や心理を独学し、保護施設などでしつけのボランティア活動を開始。パートナーは2005年生まれの雑種の女の子で名前は“うり”。大学で心理学を専門的に学び、人と犬の関係や犬の心の成長の研究を行い独自のメソッドを確立する。2013年にパーソナルドッグカウンセリングを開始。人と犬のパーソナリティを重視したコーチングは特に多くの女性に支持されている。
保護犬猫の譲渡会開催や地域行政と連携した“犬のしつけ”相談業務など、教育、行政、法律と多方面で人と犬の問題に向き合い、犬専門雑誌の監修や執筆も行う。愛玩動物飼養管理士、ホリスティックケア・カウンセラー、ペット災害危機管理士、小動物防災アドバイザー、猫防災アドバイザー他、ペット関連資格多数。湘南ビジョン大学講師。2014年より神奈川県動物愛護推進員。2019年よりFM83.1Mhzレディオ湘南にレギュラー出演、2022年4月から新番組『radio cafe犬とあなたと珈琲と。』がスタート