ブログ

  1. HOME
  2. ブログ
  3. 犬の心理
  4. 他の犬に飛びつく愛犬。どうすればいい?
 

他の犬に飛びつく愛犬。どうすればいい?

まっすぐこちらを見上げる茶色と白の小型の子犬

心理士でドッグカウンセラーのしらたゆうこがパーソナリティを務めるラジオ番組、宝製菓presents radio café『犬とあなたと珈琲と。』に寄せられたお便りにお答えします。

お散歩中は
緊張の連続

MASAさんからいただきました。
祐子さん、うり店長、こんにちは。うちの1歳半のマルプー(女の子)はお散歩で他のワンちゃんを見かけると嬉しそうに近づきたがるのですが、近くまで行くと飛びつきます。噛みつくことはありませんが勢いがすごいので、身構えないといけず緊張の連続です。相手に触れる前にリードを引きますが、離れてからしばらく吠えやみません。みなさんお散歩で会う顔見知りの方たちで、うちの子がこんな状態なのに優しく接してくれるので感謝しています。どう対応すると大人しくなるのでしょう。アドバイスをいただけると嬉しいです。

MASAさんありがとうございます。
どうしたら、他の犬に静かに近づけるようになるのか。というご質問ですね。

一歳半!
遊びたい盛りです

優しい顔見知りさんお散歩で会える、とてもいい環境にお住まいですね。マルプーは人も犬も大好きで陽気な子が多いですし、まだ1歳半ですから遊びたい盛り。みんなと戯れたい一心なのではないでしょうか。でも、その願いが叶わず「引き離されてしまう」から「吠え」ちゃうんですね。

この状態が続くと、引き離されたときの「不満」や「不快感」が他の犬と関連付けされてしまい、「犬を見るだけで吠える」ようになる可能性が高まります。事態が悪化する前に解決しておきたいです。

正しい姿勢で
成功体験を与える

では、どうやったら引き離さずとも静かに近づいてくれるのかなんですが、これはMASAさんが正しい姿勢を教えてあげるしかありません。これまでの「飛びついたら引き離す」だけだと、「どうやるのが正しいのか」「なぜ引き離されるのか」がわからずに、パニック状態になってしまいます。

なので、方法としては、顔見知りの方にお会いしたら、マルプーちゃんのリードを首輪やハーネスにより近い位置で踏んで立ち上がれなくする。

或いは、MASAさんがしゃがんで、リードを後ろに引くのではなく、下(地面の方)に引いて立ち上がれないようにしてください。

マルプーちゃんは「他の犬に近づきたい」「ニオイを嗅ぎたい」という、犬の持つ欲求を叶えたいのですから、その姿勢で他の犬と交流することができれば、「こうすればいいのか」と、行動とよい結果が結びついて、その行動が強化されていきます。とてもシンプルですよね。

周囲の協力ももらい
一からスタート

本来は子犬時代に他の犬と交流するなかで、自分の欲求の叶え方ともいえる「正しい近づき方」を身につけるべきでした。でも、身につける機会がないまま成長してまったと思われますから、いまからMASAさんがアシストをしてあげなくてはいけません。

もし、うまくいかない場合は「抱っこ」からスタートしてください。抱っこしてしゃがんで、相手にニオイを嗅がせてから、こちらも嗅がせてもらう。その時は正面からではなく、横から近づいて絶対にface to faceにならないようにすること。

そして、もう一つ大切なのは「大丈夫かな」という不安な気持ちや「飛びつくかも!」って、一気に高まる緊張感は、リードを通して、逆に「飛びつけ!」の合図になってしまうこともあります。

犬の行動は飼い主の心と「合わせ鏡」のようなものです。自分自身が不安な気持ちでいると、犬にネガティブな反応を起こしてしまうので、深呼吸して「大丈夫」っ、笑顔で呟いてみることも大事です。顔見知りの方には「挨拶の練習をさせてください」と、伝えることをお勧めします。飼い主さん同士が笑顔で話す姿は犬をリラックスさせます。

どうでしょう。MASAさん。
少しは参考になったでしょうか。まずは挑戦してみてください。やってみて、自分では難しいというときは、またご連絡ください。顔見知りの方が優しい方たちばかりなのは、MASAさんとマルプーちゃんの良いところをたくさん見てくれているからだと思います。みなさんと友好的な関係を続けてくださいね。今年もワン!ダフルな一年になりますように。

この記事はFM831レディオ湘南:radio café『犬とあなたと珈琲と。』
(第1.第3土曜16:00~16:29放送)
2024年1月20日放送分を加筆修正しました。

本記事は「こちら」から視聴可能。
レディオ湘南は世界中どこからでもワンクリックで視聴可能です。
番組サイトにもぜひ遊びにきてください『犬とあなたと珈琲と。』

◎『With a Dog』は犬の認知行動療法と飼い主のコーチングという“心理学を軸”としたドッグトレーニングを行う立場から、ヒトと犬の心と行動の関係についてお伝えしています。

文:白田祐子(しらたゆうこ)

うり店長のInstagram
ル・ブラン湘南のInstagram

白田祐子(しらたゆうこ)

プロフィール:日本心理学会認定心理士。ヒトと犬の心と行動カウンセリングラボ「ル・ブラン湘南」代表/ドッグカウンセラー。
1990年代から犬の行動や心理を独学し、保護施設などでしつけのボランティア活動を開始。現在のパートナーは2005年生まれの雑種の女の子で名前は“うり”。
大学で心理学を専門的に学び、人と犬の関係や犬の心の成長の研究を行い独自のメソッドを確立する。2013年にパーソナルドッグカウンセリングを開始。人と犬のパーソナリティを重視したコーチングは特に多くの女性に支持されている。

里親制度の普及や地域行政と連携した“犬のしつけ”相談業務など、教育、行政、法律と多方面で人と犬の問題に向き合い、犬専門雑誌の監修や執筆も行う。
愛玩動物飼養管理士、ホリスティックケア・カウンセラー、ペット災害危機管理士、小動物防災アドバイザー、猫防災アドバイザー他、ペット関連資格多数。湘南ビジョン大学講師。2014年より神奈川県動物愛護推進員。2019年よりFM83.1Mhzレディオ湘南にレギュラー出演、2022年4月から新番組『radio cafe犬とあなたと珈琲と。』がスタート。

関連記事

カテゴリー

  • ラジオカフェ
  • 犬の心理
  • 講演・イベントレポート
  • お悩み相談
  • 犬と暮らす
  • 日々のあれこれ
  • うりパイセンの独り言
  • 湘南しっぽラジオ
//サムネイルを取得 //ここから構造化データの記述