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犬とあなたと珈琲と。Vol.18 友瀬 まり

聞逃し配信中
ミキサー:レディオ湘南 高橋優佳

宝製菓presents radio café『犬とあなたと珈琲と。』FM83.1MHz レディオ湘南(毎週金曜 16:00~16:29)放送中

湘南の海を見下ろす、小さなコーヒーショップ「TAKARA CAFÉ」。ここで“宝物”の話をすると探し物が見つかるとか?…オーナーは心理士でドッグカウンセラーのしらたゆうこ。店長はカフェオレ色の愛犬“うり”。美味しい珈琲を飲みながら、お客様との会話に耳を傾けてみませんか。

今回のお客様は声優・ナレーターで英語講師の友瀬まりさん。自分の特長は集中力の高さ。「でも長続きはしないんです」と語る友瀬さん。でも英語だけは別。それも苦手科目だったはずなのに、蓋を開ければ英語講師の道に。英語が「嫌い」から「面白い」に変わったきっかけは『ハリーポッター』。「原書でもいいから早く読みたい」という気持ちが苦手意識を上回り、ハリーの世界に夢中になったそうです。


――こんにちは。まりさん、ようこそいらっしゃいました。
友瀬まりさん(以下 友瀬):祐子さん、こんにちは。お久しぶりです。来ちゃいましたー。 

――お久しぶりです。今日はまだ暑いから”だんぼちゃん”はお留守番かな。
友瀬:そうですね。夜になってからお散歩に出ようと思っています。うりちゃんもお久しぶりです。お散歩まで時間があるのでちょっとゆっくりして行ってもいいですか。

――もちろんです。

2000円のマイクの
元を取らなきゃ!

――前回、まりさんとお会いしたときは「お部屋に防音コーナーを作っている」って聞いてびっくりしました。声優のお仕事のためだったんですよね。

友瀬:そうなんですよ。今の所には去年引っ越してきたんですがお部屋の声の反響がすごくて。これだとマズイ!仕事にならないということで…でも個人用防音設備は驚くほど高額なので「それなら作ってしまえ」と。安いパーテーションに吸音材をひたすら貼りつけて作りました。ただね、大変なのでもうやりたくないかな。

――仕事用のマイブース、かっこいいですね。声優はいつ頃から目指しはじめたんですか?

友瀬:意識したのは中学の頃です。でも、実際に養成所に通い始めたのは大学からで、バイトをしながら養成所に通っていました。オーディションを色々受けていたんですけど、最終に行っては落とされる、通称「面接落ちのプロ」になってしまいました。それでも頑張ってはいたんです。ただ、途中で“見てはいけない世界”を覗いてしまった感じもあって「あー、もう辞めておいた方がいいな」って思い、完全に離れていました。

でもその後、違うお仕事をしながらフリーランスのサイトを探していたら、その中に「声のお仕事募集中」という案件が目に入って、ダメ元で応募したら採用していただけました。それをきっかけに、少しづつ、声のお仕事がメインになっていった感じです。その頃はちょうどコロナ禍だったので、そういったリモートでの声の仕事の需要も高まっていたんでしょうね。

――一旦離れた世界での再チャレンジ。事前準備をしっかりされたんですか?

友瀬:それがですね…今言ったように本当に偶然だったので、ほとんど何も準備なしで入っちゃいました。マイクも手元にない状態だったので、とりあえずアマゾンで2000円のマイクを買うところからのスタートだったんです。「もし、この2000円の元が取れるなら、もうちょっと頑張ってみよう」と思って進んできました。だから未だに自分が声優やナレーターとしてお仕事ができていることを不思議に感じることがあります。

スカッと系の
声優してます

――今では毎日オーダーの入るお仕事もあるんですよね。

友瀬:ありがたいことにそうなんですよね。声のお仕事は企業紹介のナレーションや単発のものが多いんですけど、YouTubeのスカッと系と呼ばれている漫画動画は、ほぼ毎日お仕事いただいています。

――スカッと系とは、どういうのですか?

友瀬:家庭内や人間関係のいざこざを最後はスカッとふっ飛ばすというような感じです。

――あー。SNSで広告が流れてきて見たりします。まりさんの漫画動画は何で検索すればいいのかな。

友瀬:『ダメ男漫画はると』です。そのタイトルの通りに主にダメ男さん達が大活躍するんですけど、もちろんたまにしっかり男子も登場するんですよ。ちょっとスカッとした気分になっていただけるかなと思います。

―まりさんが一人で演っているのね?はると君も?

友瀬:はると君って登場人物にはなかなか出てこないんです。でも登場人物が家族単位だったり、職場単位だったりするので、多い時は7人位いるのかな、少ない時でも3-4人を演っています。

――わぁすごい。「ダメ男漫画はると」検索してみます。


友瀬:祐子さんのこのお店、落ち着くお店ですね。「TAKARA CAFÉ」ですよね。変わった名前ですけど、何か“お宝”が隠されているカフェだったりするんですか?

――発掘すると出てくるかもしれませんよ(笑)。TAKARA CAFÉ は、ここで宝物の話をしたら失くした宝物が見つかったり、新しい宝物に出会えたりする。そんな場所になるといいなと思って付けたんです。

友瀬:すごい素敵ですね。夢があって私の好きなファンタジーのお話にも出てきそうです。

――もしよかったら宝物の話きかせてください。

愛犬名は最初から
だんぼ一択


――まりさんの宝物はなんですか。

友瀬:もうこれは、はっきりしています!物心がつく前から小さい頃はひたすら「ダンボ」が大好きで、高校生からはそこにハリーポッターも加わってそれが私の宝物になりました。

――愛犬の名前の“だんぼ”は耳が大きいからと思っていましたが、ダンボが好きだから?

友瀬:その通りなんです。だんぼはイングリッシュコッカースパニエルなので耳が大きいのが特徴です。なので会う方みなさんに「耳が大きいからダンボなのね」って言われるんですけど、実は次に飼うワンコの名前は絶対に「だんぼ」って決めていたんです。だから犬種問わず、性別問わず、あと耳がどうであってもだんぼって決まっていたんです。

――まりさんの“だんぼ”は女の子だもんね。ダンボはキャラクターとしては私も大好きだけど、ストーリーはあまり知らないかも…。

友瀬:あー勿体ない!ディズニー映画には色んな可愛いキャラクターがいますが、主役の中でダンボは唯一喋らないキャラクターだって知っていましたか?

――喋らないの?

友瀬:他の動物たちは喋るんですよ。時々、象の「パォーン」みたいな鳴き声は出すけど、ダンボもダンボのお母さん象も一切喋らないんです。

――知らなかった。今度見てみます。
友瀬:ぜひぜひ今夜にでも見てください!

ハリポタは
ボロボロの書籍も宝物


――ハリーポッターは?

友瀬:ハリーは映画から入る人が多いんですけど、私の場合は本でハマりました。高校の頃、友達に日本語版を借りたんです。正直あれは分厚いので途中で挫折しかけちゃったんですけど、クライマックスに来るとどの巻でもそうなんですが、伏線回収と盛り上がりが凄いんです。だから読み切る頃にはすっかりハマっていました。それで、何巻か続けて借りて読んだんですけど、当時はまだ全巻は揃っていない状態だったんですよ。

それでも続きが知りたくて色々情報を集めていたら、原書はもう出版されていて日本語版は「翻訳のため1年待ってください」っていう状態だったんです。だからそこで、読みたい気持ち先行で手を出しちゃったんですよ。原書の方に。もちろん電子辞書引きまくりながらだったんですが、原書を読んでますます好きになっちゃいました。

おかげで家には日本語版も英語版も全部揃っているので、幅広く本棚を占領していますね。読み終わってボロボロになった本も私の宝物です。

読みたい気持ちが
英語好きに


――もともと原書を読む英語力は身についていた?

友瀬:いや‥それがですね、中高時代は数学と並ぶほど大嫌いな科目でした。中1の入り口からコケてしまって、高校の頃には目も当てられない状態で「英語アレルギー」レベルだったんです。だから当時を知っている友達に言わせると「絶対外国なんて行かない」って言っていたよねって。だから本当に電子辞書引きまくりながらで、なかなか先に進まないし、感動して泣いているのに意味のわからない単語が出てきて、鼻水をちょっと出しながら辞書引いたりしていました。

――苦手意識よりも読みたい気持ちの方が圧倒的に上回ったのね。

友瀬:本当にそれです。その位、先が知りたかったですよね。そもそも私はハマるとほかが目に入らなくなるくらい物事にのめり込むタイプでもあったので、1冊読み切る頃には英語って面白いってなっていました。

――ハリポタも面白いけど、英語も面白いと感じた…

友瀬:はい。アレルギーから「面白い!」に変りました。当時、大学へは惰性で学科を決めて入っていたので「これでは卒論が書けない」と思い、大学2年に上がる時に英米文学科に転専攻しました。更にはせっかくなら喋りたいよねと思って留学までして、結果、英語の講師にもなりました。今は声の仕事と2本立てでやっています。

――苦手だった教科を教える立場にまでなる。ハリーとのすごい出会いですね。

友瀬:ほんとうにハリーに感謝です。

点が一つに繋がり始めて
もっとワクワク


友瀬:最近、高校生に英語を教えていたら、教科書にスティーブ・ジョブズの演説が取り上げられていたんです。その中に「人生は関係ないと思っていた一つ一つの点が将来繋がることがある」っていうようなことが書かれていて、それが妙にしっくりきたんです。

――一つ一つの点が将来繋がる…。

友瀬:そうなんです。私はさっきも話ましたが、何かにハマると他が目に入らなくなる位、のめり込むタイプなんです。だから気象予報士や保育士、マイナーなとこでは天文宇宙検定なんていう資格も持っていて、一時期「試験好き」とも言われたくらい色んなことを勉強して資格をとっていたんです。

試験勉強をするときの集中力は半端ないって自分でも思っていますが、その集中力は半年しかもたないんです。だから時間限定なんですけど、半年集中して一発合格を狙って、そして次はまた何かを見つけて集中する。そうやって色々な結果を出してきました。

でも、いかんせん計画性がないというか、衝動的というか、取った資格をどう活かそうかまでは考えていなかったんです。ところが最近、それらの点が思わぬ形で繋がってくることが実際にあって、ジョブズの言葉を読んだときに「あ!ジョブズ君なるほどね」「そういうことだね」って思えたんです。

――声の仕事も一旦離れて点になったのに、いま繋がりましたね。

友瀬:声の仕事をする中でも面白いことが色々起きているんです。声メインで行こうと思っていたのに、なぜか実写映画やモデルといった私本体が出るようなこともあったりして、今「人生何が起こるのか!」と本当にワクワクしています。

――それはワクワクですね。でも、英語だけはずっと続いて、今に繋がってきたんですね。

友瀬:言われてみるとそうですね。

――ハリーポッターの魔法?

友瀬:本当!ハリーの魔法です。いい魔法かけてもらっちゃった。自分の「6か月の壁」を打ち破ってくれましたね。改めて考えてみると、必死になって原書を読んで、それで終わりじゃなかったですね。

苦手なことも
仲良くなるのが一番


――英語の勉強法として、まりさん自身の経験から何かアドバイスするとしたら?

友瀬:私はハリーポッターを読む時、全然英語力のない状態でした。なので、正しく訳せなくても“単語”が意味を教えてくれていたので、物語の世界に入ることができました。お話の世界に入ってしまえば、厄介な文法は「多分こうなんじゃない、あーなんじゃない」で、なんとかなっちゃいました。そうしたら一気に英語との距離感がなくなって、むしろアルファベットが丸っこくて「可愛いね」って思えるようになったので、英語と仲良くなることが一番大事だと思います。

――仲良くなること。大切ですよね。私も何か読んでみようかな…

友瀬:ぜひぜひ、ハリーでいきましょう。ハリーで!(笑)

犬の呼び方
あるある


――うり店長がクンクンしに来ましたね。
友瀬:ぼんちゃんのニオイする?

――普段は「ぼんちゃん」って呼んでるの?
友瀬:そうなんです。うり店長は?

――「うーちゃん」や「うーたん」「きつねちゃん」とか呼んでいます(笑)あるあるだよね。
友瀬:それで笑える話があるんです。ちょっと犬になって再現してもいいですか?

――もちろん!声優さんだものお願いします。

※実演はトップの音声バーよりご視聴ください。17分30秒頃からです。

――面白かった(笑)お礼に何かお好きな曲をおかけしましょうか。

友瀬:ありがとうございます。明るいミュージカル『マンマ・ミーア』の映画が大好きで、映画でこの曲を知ったんです。「何気ない日常がいつのまにか大切で、それが指をすり抜けていってしまう」というちょっとしっとりした曲。サントラ版から『slipping through my fingers』をお願いします(楽曲はYouTubeにリンクされています)。

挑戦することが
原動力


――今探している宝物はありますか。

友瀬:「挑戦できる何か」です。こうして話てみると、資格試験にしろ、毎回何かにチャレンジすることで前進してきたように思うんです。だから、挑戦は私を動かす原動力でもあるし、挑戦することで自分の引き出しも増えてきたので、これからももっと「挑戦できる何か」を探していけたらなと思っています。

――これからも色々なことにチャレンジして、魔法の杖で周りを楽しませてください。今日はお話しを聞かせていただいたお礼にもう一杯いかがでしょうか。

友瀬:嬉しいです。ありがとうございます。

――ごゆっくりお過ごしくださいませ。
友瀬:はい。ありがとうございます。お言葉に甘えて。

友瀬さんの愛犬だんぼちゃん

友瀬まりさんのホームページは「こちら」
番組サイト⇒『犬とあなたと珈琲と。』

インタビューと文:白田祐子(しらたゆうこ)

Instagram:@doggy_uri
      @ル・ブラン湘南

白田祐子(しらたゆうこ)

プロフィール:日本心理学会認定心理士。ヒトと犬の心と行動カウンセリングラボ「ル・ブラン湘南」代表/ドッグカウンセラー。
1990年代から犬の行動や心理を独学し、保護施設などでしつけのボランティア活動を開始。現在のパートナーは2005年生まれの雑種の女の子で名前は“うり”。大学で心理学を専門的に学び、人と犬の関係や犬の心の成長の研究を行い独自のメソッドを確立する。2013年にパーソナルドッグカウンセリングを開始。人と犬のパーソナリティを重視したコーチングは特に多くの女性に支持されている。

里親制度の普及や地域行政と連携した“犬のしつけ”相談業務など、教育、行政、法律と多方面で人と犬の問題に向き合っている。愛玩動物飼養管理士、ホリスティックケア・カウンセラー、ペット災害危機管理士、小動物防災アドバイザー、猫防災アドバイザー他、ペット関連資格多数。2014年より神奈川県動物愛護推進員、湘南ビジョン大学講師。2019年よりFM83.1Mhzレディオ湘南にレギュラー出演中。

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