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犬とあなたと珈琲と。Vol.38 氷見 亀樹

聞逃し配信中(オープニングや曲はカットされています)
ミキサー:レディオ湘南 高橋優佳

宝製菓presents radio café『犬とあなたと珈琲と。』FM83.1MHz レディオ湘南(毎週金曜 16:00~16:29)放送中

湘南の海を見下ろす、小さなコーヒーショップ「TAKARA CAFÉ」。ここで“宝物”の話をすると探し物が見つかるとか?…オーナーは心理士でドッグカウンセラーのしらたゆうこ。店長はカフェオレ色の愛犬“うり”。美味しい珈琲を飲みながら、お客様との会話に耳を傾けてみませんか。

今回のお客様は書家で美文字講師の氷見亀樹(HIMI KIJYU)さん。子供の頃から学校から帰宅すると書道家のお母さまのお弟子さん達と机を並べ、書道の練習や勉強をするなど書は日常生活の一部でした。昔は「やりたい事もぼんやりとしていて、親の敷いたレールに乗っていくのが普通で不満もなかった」。でも、結婚後、自宅で子供向けの書道教室を始めて25年。亀樹さんのターニングポイントとは。結婚・家族・パンデミック。流れるような美文字で愛の言葉を綴る、姫先生の美しさに惚れ惚れしました。


―こんにちは、亀樹さん、お久しぶりです。ようこそお越しくださいました。

氷見亀樹さん(以下:亀樹):こんにちは。お久しぶりです。

―今日はリボンちゃんはご一緒じゃないんですか。
亀樹:今日は残念ながらお留守番なんです。

―リボンちゃんはマルプーちゃんですよね。

亀樹:そうなんです。今年5歳になります。先代のマルチーズはもともと実家で飼っていましたが、父が亡くなったのを機に我が家で預かるようになって、16歳まで一緒に生活していました。その後、すごいペットロスになってしまって、ダーリンが新しく連れてきた今のワンちゃんが前のワンチャンとそっくり!それで「リボーン」という名前をつけました。

ー本当はリボーンちゃんなんですね。今度はリボーンちゃんも一緒に遊びにきてくださいね。

物心ついた時から
「書」は身近な存在


―亀樹さんは書道家でいらして、一瞬にして心を掴む『愛され美文字講座』も主宰されていますね。

亀樹:はい。書道だけではなく、ペン字・筆ペンも教えて25年以上経ちます。お教室は銀座と川崎にありまして、出張レッスンも行っております。

―お名前の亀樹さんは雅号で「亀」に「樹」。お苗字の氷見さんは本名で「氷を見る」。なので、樹氷を見上げる亀…なんだか映像が浮かぶような、とても幻想的なお名前ですね。

亀樹:ありがとうございます。私の書の先生が本橋亀石(きせき)と言います。先生から一文字「亀」をいただいて「樹」は本名の一文字なんです。

―生徒さんのお子さん達からは「姫先生」と呼ばれることもあるそうですね。「姫先生」はピッタリの呼び名です。書道は初めてどのくらいですか?

亀樹:母も書道家でしたので、物心ついた時から書は身近な存在でした。母は「亀」に「泉」と書いて、「亀泉(きせん)」と申します。幼少時から自宅には大勢のお弟子さん達がおられましたので、学校から帰ってくると、どなたかが学ばれている。そんな環境で門前小僧のようなもので、気付けば書道に触れて学んでおりました。

―日常生活にあったから自然に興味を持って真似をして、それが知識や経験となって身について行く。理想的ですね。途中で他のことに興味を持ったり、書道自体に飽き足りはしなかったんですか?

亀樹:完全に生活の一部になっていましたので「飽きる」と言うことはなかったですね。特に私は継続することが得意な体質だと思っています。それから、私は反抗期がなくて親が敷いたレールの上を歩くのが楽でしたし、とても素直に育ちました(笑)。それに対して何も不満はなかったので、今でも「自分は恵まれていたんだな」と親に感謝を感じております。

キャンペーンガールや
読者モデル時代

―大学に進学されてから、師範や書道指導者免許を取得されたそうですがそれはご自身の意思で?

亀樹:いえ、それも…実は私は興味がなかったんです。母がセッティングしてくれて…という感じでした。姉も当たり前にそうしていたので、そのような流れが私にとって普通でした。ですから、特別「さぁ、やるぞ!」というような情熱はなかったですね。むしろ大学時代はキャンペーンガールや「JJ」や「CanCam」の、今でいう「読モ」のようなお仕事をしていて、それが楽しくて学業はそっちのけという感じでした。

―モデルなどを本業にしようとは思わなかったんですか?

亀樹:家がとても厳しかったので‥。本当はスチュワーデスになりたいという夢もあったんですが、それすらも反対されてしまいました。でも、それまでずっと流れにのってきたので、自分のやりたいこともよく分からず「ぼや」っとした感じだったので不満はなかったですね。

家族の愛の元
自由に生きる


―でも、それがどこかで切り替わった。

亀樹:それは結婚してからです。先日32周年の結婚記念日でしたが、ダーリングが「やりたいことをやればいい。YOUやっちゃいなよ!」って感じなんですね。ただ「子どもが優先」という条件でしたので、子育ては優先してやっていました。子供を第一にするという生活は私もすごく楽しく大切にしていました。そして、子供たちが小学生にあがる頃から、自宅で少しずつ子供向けの書道教室をはじめていきました。

―「YOUやっちゃいなよ!」というご主人の助言もあったということなんですね。

亀樹:はい。家族の愛のもと本当に今は自由にさせてもらっています。そう、ダーリンの座右の銘は「わかりあおう、愛こそ全て」です。

―「愛され美文字」にさらに愛が注入されたんですね。自宅でのお教室も続けながら、銀座ではじめたお教室は亀樹さんのアイコンになっていると思います。

亀樹:ありがとうございます。子育てをしながら、子供たちが勉強している横で、私も勉強のようなものを積み上げながら「いつか銀座でお教室を持つからね」と、ずっと言い続けてきたんです。そして息子の大学が決まった瞬間「銀座で第二の人生を歩こう!」と、翌週には銀座にお教室を構えました。

―事前準備をされて本当にその日を待っていたんですね。銀座は亀樹さんにとってもお似合いの場所だと思います。

子供とお年寄りが
書を通じて交流


―今はコロナウィルスの関係で思うようにいかないところもあると思いますが、老人ホームでも書道ボランティアをされているそうですね。

亀樹:はい。これは私の教え子の小学生や中学生の生徒ちゃん達が先生となって、赤い墨を持って添削をするというスタイルで、私はそのサポートをするだけです。例えば「優しい」とか「愛」とか「花」などのお手本を見ながら、お年寄りの方やホームの方に練習をしてもらって、そこに子供たちが添削をします。添削と言っても常に「花丸」を書いている状態なんですけど。

最後に一文字、色紙に書いてもらって差し上げる。そうすると、ご本人が手を合わせて、涙を流して子供たちの手をとって喜んでくださったり、ご家族の方たちも大変喜んでくださいますね。「お年寄りと子供たちの交流のきっかけ」になっていただけたらいいなと思ってとても私も楽しみにしているので、また再開できることを望んでおります。


亀樹:そういえばこのお店は『TAKARA CAFE』って言うんですね。ネーミング通り“温かい宝物”をいただいている感じで温かい雰囲気ですね。

―ありがとうございます。『TAKARA CAFE』は失くした宝物が見つかったり、新しい宝物に出会えたりする。そういう場所になるといいなと思って名付けたんです。

亀樹:宝物ってみなさん一つ一つ持っていて、大切にしているものなのでとても素敵な名前ですね。

―ありがとうございます。もしよかったら亀樹さんも宝物の話きかせてください。

母は書く人。
私は教える人の殻


―亀樹さんの宝物は何ですか。
亀樹:筆や硯や和紙などのお道具は大切に譲り受けたものですが、その中でも、もちろん母の作品が一番です(写真上:お母様が亀樹さんのお子様のために書いた作品)。

―お母様の作品
亀樹:私はこれまで教えることに専念してきましたが、母は書く人でした。

―お母様は新しい作品などは…?
亀樹:母は数年前から認知症を患っておりまして、もうすでに私のことも分からない状態になっております。ですので、書を書くことはできませんので、今までの書は本当に宝物になっております。

―亀樹さんご自身は作品制作はされないんですか?

亀樹:母とは実家の東京のお教室・私の川崎のお教室・銀座のお教室をしていたんですけど、母は全部のお教室を私に任せて、母は書くことに没頭していました。ですので、私は自分で「書かない人」だ「教える人だ」とブロックをかけていました。

―自分自身でブロックをかけていたんですね。
亀樹:そうです。多くの方たちから「個展を出さないか」と誘われていたんですけれどもブロックしていました。

いまは本能が解放され
人の為に書きたい


亀樹:そのブロックが外れ始めたのは、2019年の秋に「韓国で展覧会に出してみないか」と誘われたのがきっかけです。ちょうどその時、インバウンドのお仕事も始まっていましたので「これはチャレンジしてみたい!」って思ったんです。それで2020年の3月に韓国へ行くテーマと展覧会が決まりました。ところが、韓国に行く3日前に韓国がロックダウンになって、日本もパンデミックになり、お教室も3月中旬からクローズ。結局、韓国に行くことができず、夢はその段階で封印されてしまいました。

―それは本当に残念でしたね…。

亀樹:そうですね。その後は涙をポロポロ流しながら、部屋に籠もって狂ったように書を書いていたんです。「私ってこんなに書きたかったんだ」という想いが溢れてきて、ただただ本能のままに、筆が自分の感情を流れるように書き続けていたら、自分を解放するという…自分に変化が起きた時期でもありました。

―本能が解放されて、自分自身の中に変化が生まれて、その内なる変化は外側での変化にも現れましたか?

亀樹:「人の為に字を書きたい」という思いが強くなって、今は商品のロゴを書くようになりました。それで、私は相手の魂に乗ってそれを文字化していく…憑依するというんでしょうか、そういう事が得意なんだと気付きました。教えることと両方でバランスをとりながら、今も教えることにおいても商品のロゴを書くことにおいても「人の為に」ということを楽しんでいます。

速く・美しく・
丁寧に


―亀樹さんが動画で文字を書くのを見ると本当にため息がでます。読める芸術というか、リズムとビートを感じます。亀樹さんは「線は3秒、文字は3分で変わります」というフレーズをお使いになりますよね。亀樹さんの考える「美しい文字」とは?

亀樹:よく書道では止め・跳ね・払いと言われています。そういうこともありますが、私の場合は線一本に「緩急」をつけるといことでしょうか。そして、文字は崩しすぎないで、みんなが読める、誰でも読めるということにフォーカスを置いています。そして「速く・美しく・丁寧に」が大切だと思っております。

―「速く・美しく・丁寧に」。「速く」というのもポイントなんですね。

亀樹:速い方が効率はいいですよね。「丁寧にゆっくり、かっちりと」では、手書きは面倒ということになってしまいますし、読む人の心にも入りません。読む人も書く人も気持ちよくなる文字が美しさや品格、そして運気をあげていくものだと思っております。

レッスンは
ラブレターを書くこと


―今も素敵な言葉が数々ありましたが、レッスンでも、言葉のチョイス、文章のチョイスも素敵ですよね。例えば、亀樹さんがある方の言葉を書いていました。その一部が、確か『誰かを好きでいることは、小さな祈りのよう、その人がそばにいても、遠くにいても、どうか元気でいてください』。そんな言葉で練習するなんて!

亀樹:レッスンはラブレターを書くことが多いんです。やっぱり女性はキュンキュンするような気持ちが大切ですよね。そして男性には「女性はそう思っているんだよ」ってね。それを書面で伝えていけたらいいなって思っております。

―そういえば…中学生の時、ラブレター書きの代行を随分したことを思い出しました。ここで、何か愛の感じる曲をおかけしましょうか。

亀樹:ありがとうございます。では、私は幼稚園から高校までピアノを習っておりまして、思いつくのはクラシックなんです。自分を整えたい時に聞いている曲をお願いしたします。リストの『愛の夢第3章』です。(楽曲はYouTubeにリンクされています)。

これからも
心に響く文字を表現したい


―今探してる宝物はなんですか
亀樹:心に響く文字の表現です。まだまだ追求して、もっと勉強して、妄想を膨らませていきたいです。そして、文字を通して心豊かなになれる場所を一つでも増やしていければと思っております。

―心が豊になる言葉を手書きの文字で綴る。ペンと紙は私の必需品でもあって大好きな組み合わせです。これからも「姫先生」の愛の言葉を広めていってください。今日はお話しを聞かせていただいたお礼にもう一杯いかがでしょうか。

亀樹:では、遠慮なくいただきます。

―ごゆっくりお過ごしくださいませ。
亀樹:ありがとうございます。もう少しゆっくりしていきます。


氷見亀樹さんのホームページは「こちら」

犬とあなたとスイートX‘mas。


只今、TAKARA CAFÉ ではクリスマス企画を実施中です。番組宛にメッセージをいただいた方の中から抽選で5名様に、宝製菓さんからお菓子の詰め合わせBOXが届きます。お名前・ご住所・電話番号・「クリスマスプレゼント希望」と明記の上ドシドシご応募ください。〆切は12月23日放送終了まで。ご応募は下記のURLから。人気商品の詰め合わせ!沢山のご応募お待ちしております。
応募先⇒『こちら』

番組サイト⇒『犬とあなたと珈琲と。』

インタビューと文:白田祐子(しらたゆうこ)

うり店長のInstagramは『こちら』
ル・ブラン湘南のInstagramは『こちら』

白田祐子(しらたゆうこ)

プロフィール:日本心理学会認定心理士。ヒトと犬の心と行動カウンセリングラボ「ル・ブラン湘南」代表/ドッグカウンセラー。
1990年代から犬の行動や心理を独学し、保護施設などでしつけのボランティア活動を開始。現在のパートナーは2005年生まれの雑種の女の子で名前は“うり”。大学で心理学を専門的に学び、人と犬の関係や犬の心の成長の研究を行い独自のメソッドを確立する。2013年にパーソナルドッグカウンセリングを開始。人と犬のパーソナリティを重視したコーチングは特に多くの女性に支持されている。

里親制度の普及や地域行政と連携した“犬のしつけ”相談業務など、教育、行政、法律と多方面で人と犬の問題に向き合っている。愛玩動物飼養管理士、ホリスティックケア・カウンセラー、ペット災害危機管理士、小動物防災アドバイザー、猫防災アドバイザー他、ペット関連資格多数。湘南ビジョン大学講師。2014年より神奈川県動物愛護推進員。2019年よりFM83.1MHzレディオ湘南に出演中。

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