犬とあなたと珈琲と。Vol.80 村松道尚
聞逃し配信中(音楽は全てダミーです)
収録:レディオ湘南 レディオ湘南をリンク⇒https://www.radioshonan.co.jp/
宝製菓presents radio café『犬とあなたと珈琲と。』FM83.1MHz レディオ湘南(第1.第3土曜 16:00~16:29)放送
湘南の海を見下ろす、小さなコーヒーショップ『TAKARA CAFÉ』。オーナーは心理士でドッグカウンセラーのしらたゆうこ。店長はカフェオレ色の17歳、愛犬の“うり”。美味しい珈琲を飲みながら、お客様との会話に耳を傾けてみませんか。
今回のお客様はドラマーの村松道尚さん。藤沢市南口から徒歩数分の音楽スタジオに『ドラムスクール ナオ』を立ち上げて2年。サッカーに夢中で進路を考えていなかった中学時代。偶然見つけたドラムが未来を変えます。「よく耳にする〝自分はリズム感がない〟の言葉は日本人特有の刷り込みでは?」と話すナオさん。落ちこんでいる時はドラムを叩くと気持ちが安定するそう。サッカーの試合に負けてグレた少年がドラマーになるまでや音楽講師として大切にしていることを伺いました。
―こんにちは。ナオさん、GW中ですが、ありがとうございます。お待ちしておりました。
村松道尚さん(以下 村松):祐子さん。こんにちは!お邪魔します。あっ、うり店長もこんにちは。
―こんにちわんわん。ナオさん、わんちゃんは大丈夫ですか?
村松:わんちゃん、大好きなんですよ。
目次
かっこいい!
ソロ演奏動画
―ナオさん、村松道尚さん。村松さんと松村さんってちょっと間違われるっぽいですね
村松:しかも、道尚と尚道…間違われます。
―そうですよね…。村松道尚さんはミュージシャン活動とご自身で立ち上げたスクール『ドラムスクールナオ』の先生でもいらして、最近はどうですか。
村松:嬉しいことに、スケジュール結構埋まってきています。祐子さんもいらっしゃってくださったんですけど、藤沢駅南口から徒歩5-6分のところにある『太陽ぬ荘(てぃーだぬそう)』という音楽スタジオで『ドラムスクールナオ』を立ち上げて2年位経ちました。やっと今、ホームページができたので、これからさらに力を入れていきたいと思っています。
―ホームページ見ました。ナオさんの演奏はライブ体験していますが、ホームページの演奏動画もめちゃくちゃかっこいいですね。
村松:ありがとうございます。あれが、僕のキャリアの中で初のドラムソロ動画で、いまできることを色々詰め込んでみました。
―技術もさることながら、ナオさんの本質っていうのかな…内面というのも、私の知っているナオさんのイメージにピッタリで心地のいい映像でした。
サッカー少年が
ある日突然ドラマーに
―ナオさんがドラムをはじめたきっかけって…聞いたことなかったですよね。
村松:あーそうですね。中学2年生のときに色々ありまして、はじめて触ってからですね。
―中学2年の時に…
村松:ずっと小中とサッカーをやっていたんですけど、最後の試合に負けてしまって。それでいわゆる、グレるような感じ…にちゃったんですよね。
―完全に中二病じゃないですか…
村松:それで友達と校内をぷらついていたら、たまたま吹奏楽部の部屋があって「遊びに行こう」となったんですけど、入って見たら、そこにたまたまドラムセットが置いてあって座ったんですよ。そうしたら先生が来て。その方がとてもいい方で、僕に「叩いてみろ」って言ってくださって。そしたら、なんかちょっと叩けちゃって。で、文化祭のちょうど前の時期だったので「ドラムがいないから、ぜひやってくれないか」って言っわれたんですよね。
―えー、それで吹奏楽部に入ったんですか?
村松:そういう感じではなくて、文化祭のバンドメンバーのようなカタチで。文化祭のステージに立てるなら、やろうかなって感じで思いましたね。
―文化祭までは、どのくらいの練習期間があったんですか?
村松:2-3か月だったと思うんですけど。そうしたらですね、母親が「せっかく出るならドラムを習った方がいいんじゃないか」って話しをしてくれて。それがきっかけで『新堀ギター音楽院』の平塚の教室に通いはじめたんですよね。
―すごい偶然の出会いだったんですね。すぐに応援してくれたお母様も素晴らしいし、もしその先生が「なにやってるんだ!」って怒って追い出していたら、それっきりだった可能性もありますよね。
村松:ありますね。まぁ、本当にいい先生に出会えたなと思います。
―よかったですね。ちなみに、その文化祭では何を演奏したんですか?
村松:本当に記憶が薄れているんですけど、福山雅治さんの『桜坂』とか『ルパン三世のテーマ』だった気がします。
―気がするのね(笑)その辺はあまり強く思い出としては残っていないんですね
村松:そうですね(笑)
母親とドラム。
進む道が切り拓かれる
―独立してスクールを立ち上げるまでは、その『新堀ギター音楽院』の講師をされていたんですよね。
村松:そうです。勉強は苦手で高校には行きたくなかったんですよね。そうしたら『新堀ギター』のチラシがたまたま学校に貼ってあって「ここなら勉強もしないでいけるんじゃないかな…」っていうところで、3年間学ばせていただきました。卒業後もバンドを組みながら、いろいろと活動しながら講師をやっていました。
―『新堀ギター』は高等部(高等専修学校)があるというのを聞いたことがありました。すごいエスカレーター式だったんですね。ピタッとはまった瞬間ですね。
村松:そうですね。本当に親父にはすごい大反対されちゃったんですけど、母親が応援してくれたので、ここに入学出来たことは本当に大きな財産だなって思います。
――へー、運命の出会いみたいのって本当にあるんですね。
―サッカーの試合で負けてグレた少年が夢中になれるものに出会って、進路も決まって、手に職も持った。すごい、良かった。
村松:確かにそうですね。ずっとやっていたバンドで「売れたいな」って思って頑張ってきたんですけど、ちょっと鳴かず飛ばずで思い通りにいかなかったりもしたんですけど、本当に音楽を通じて、いろいろな方と出会えたので「宝物」になるかなと思います。
―本当に宝物ですね
村松:そういえば、この店の名前も『TAKARA CAFÉ』ですよね。なんかすごく素敵な名前ですね。こんな話をするのにピッタリですね。
―ありがとうございます。『TAKARA CAFÉ』は、ここで宝物の話をすると、失くした宝物が見つかったり、新しい宝物に出会えたりする。そんな場所になるといいなと思って付けた名前なんです。もしよかったら、ナオさんも宝物の話聞かせてください。
音楽:Lauryn Hill『Can’t Take My Eyes Off Of You』(楽曲はYouTubeにリンクしています)
落ち込んだとき。
眺める・座る・叩く
―ナオさんの宝物はなんですか。
村松:そうですね、やっぱり「音楽」に尽きますね。
―ナオさんにとって音楽とは?
村松:人って「衣・食・住」あれば、生きていけると思うんですけど、それ以外のことも大事だなって思っていて、その中で一番身近なのが「音楽かな」と。音楽って一番人間の身近にあるエンターテインメントで気持ちを奮い立たせてくれるというか、心を輝かすもの。人生を豊かにしてくれるものだなって思っています。
―まさしく。ナオさんは特に気分を上げよう!っていう時に聴く音楽、聴く曲とかありますか?
村松:うーん…その時によって違うんで…特にないんですけど、あえていうと、女性の歌モノなんかが好きかなって…ありますね。
―例えば誰?
村松:例えばそうだな…アリシアキースとか。日本でも海外でもそうなんですが、波長の合う、聴いていて疲れない感じの音楽がいいですね。
―じゃあ、逆に落ち込んでいる時とか悲しいときは?
村松:落ち込んでいるときは基本聴かなくて、その代わりドラムを眺めたりとか。ダメな時もドラムセットに座ると、とても落ち着くので。まぁ…僕ね、ちょっと見た目が「怖い」って言われることもあるんですけど、実は結構メンタル弱くて、人間関係とか会話とか振舞いとか、結構気にしちゃうところがあって。でもね、ドラムを叩いているとそういうことが忘れられて、いい精神状態になれるんです。
コンプレックスを活かす。
きっかけは音楽
ーそうか「見た目が怖い」ね。最初の瞬間は確かにそう思うかもしれない…。
村松:髪型とか服とか、好きなので。しかもそのうえ、すごい天然パーマ。子供の頃はそれがすごく嫌で、短めというかスポーツ刈りみたいな感じでにしていたんですけど、中学のときに坊主をやめて伸ばしたら、チリチリのアフロになっちゃいまして…。それでいじめられたりもしていたんだけど、専門学校に入ったら、たまたま仲良かった先輩が「その髪型を活かすといいよ」って言って、美容院を紹介してくれたんですよね。そこでツイストパーマっていうのをかけてからずっとです。楽だしコスパもよくて、自分の持っているものを活かせる髪型なのかなって思っています。
―そういうことがあったんですね。今はもうトレードマークですよね。コンプレックスみたいなものも、音楽・ドラムに救われて、気持ちが不安定な時もドラムセットに座ると安定してくる。最強のものを手に入れましたね。でも、それは、今までナオさんが向き合ってきた時間や経験の裏打ちがあるからこそ。なのかな…。
村松:そうですね。嘘をつかずに、真摯に向き合ってきたとは思っています。人との出会いとか、信頼できる友達に出会えたり、ドラムを通して携われたことも本当に沢山あります。
―いいですね。休日は普段どうやって過ごされているんですか
村松:休みの日はゆっくり散歩して、コンビニでコーヒーを買って、近くに自然が多いので、海を見に行ったり、ちょっと山を歩いたり。自然の中でゆっくりするのが、とても好きですね
―そういうところからインスピレーションを受けたりもしますか
村松:そうですね。鳥の声とか風の音とか、自然の音もそうなんですけど、建物とか洋服とか映画とか、ニュースとか。歌詞を書くのが好きなので、生きていくうえで感じるコトとかを音や歌詞に落とし込ようにしていますね。
―かっこいい~(笑)
リズム感がない?
それは勘違いです
―楽器もテクニックだけではないですよね。
村松:そうですね。それがすごい大切で、よく「手と足を別々に動かせない」って言葉を聞くんですけど、それは先入観です。フィジカルとメンタルって違うと思うんですけど、音楽ってメンタルの部分がすごく大きいので、まず、僕の場合は「やってみて」「座ってみて」って言うんですね。自転車を漕ぐのも水泳も、手足をバラバラに動かしていると思うんで。ちなみに僕は泳げないんで!
―でも、いやぁ、リズム感が…って言われたりもしませんか
村松:それは本当に多いんですけど。でも「リズム感がない」ってみなさん言うんですけど、二足歩行ができている時点で実はリズム感ってあるので。やっぱり、どこかで刷り込まれているんですよ「リズム感がない」って。
―確かに、誰でも手拍子を打つことはできますものね
村松:世界中で「名曲」と呼ばれる曲ほど、テンポ通りじゃないんですよ。1曲をギターとかベースとか分解して聴いてみると、全部テンポが違っていたりするんですよね。
―気分が乗ってくるとやぱりどうしてもテンポがあがっちゃいます
村松:そう。それがいわゆる「グルーブ」というもので。「グルーブ」って言葉は、元々レコードの「溝」のことで「pocket is groove」とか言われたりするんですけど、レコードの溝がずっと続くように「円」でとらえるものですね。なんですかね…こう…グルングルンって。それが心地良さを生むので、「フォーム」とか「スティックの握り方」も大切なんですけど、まずは「座ってみて・叩いてみて・触ってみる」。練習もスティックさえあればどこでも叩けるで。
―確かに。今、テーブルとこのトレーがあるので、何かできますか?どんな感じ?
村松:じゃあ、ちょっとやってみます(即席演奏は本文先頭の聞き逃し配信で視聴できます)
―それってなにかネーミングあるんですか?この叩き方はなにとか…
村松:いや、今のは本当に感覚で叩いています。
―おー、かっこいい。ありがとうございました。無茶ぶりしちゃってすみません。ではでは、ここで一息、なにかお好きな曲をおかけしましょうか。
村松:そうしましたら、Earth, Wind & Fireで『September』(楽曲はYouTubeにリンクしています)
目標は
ブルーノートに立つ!
―今、探している宝物はなんですか
村松:ブルーノートに立つことです。以前、ある方とお酒を飲んだ時に「今やりたいことは何?」って聞かれて、即答ができなかったんです。そうしたら「目標に向かって行動すれば叶うから、そんなんじゃ絶対にダメ」って言われてしまって…心にガッツンきて。その時に思いついて言ったんです。でも、よく考えたら、それって本当に夢だなって思いました。
―言葉にすれば夢は叶う。ブルーノート!そのステージに立つ日が来たときには、絶対に教えてくださいね。
村松:すぐにメールします。
―今日は楽しいお話を聞かせて頂いたお礼に、もう一杯いかがでしょうか。ゆっくりお過ごしくださいませ。
村松:ありがとうござます。
ドラムスクールナオは⇒「こちら」
番組サイト⇒『犬とあなたと珈琲と。』
インタビュー・構成・文:白田祐子(しらたゆうこ)
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白田祐子(しらたゆうこ)
プロフィール:認定心理士。ヒトと犬の心と行動カウンセリングラ「ル・ブラン湘南」代表・ドッグカウンセラー。
1990年代から犬の行動や心理を独学し、保護施設などでしつけのボランティア活動を開始。パートナーは2005年生まれの雑種の女の子で名前は“うり”。大学で心理学を専門的に学び、人と犬の関係や犬の心の成長の研究を行い独自のメソッドを確立する。2013年にパーソナルドッグカウンセリングを開始。人と犬のパーソナリティを重視したコーチングは特に多くの女性に支持されている。
里親制度の普及や地域行政と連携した“犬のしつけ”相談業務など、教育、行政、法律と多方面で人と犬の問題に向き合い、犬専門雑誌の監修や執筆も行う。愛玩動物飼養管理士、ホリスティックケア・カウンセラー、ペット災害危機管理士、小動物防災アドバイザー、猫防災アドバイザー他、ペット関連資格多数。湘南ビジョン大学講師。2014年より神奈川県動物愛護推進員。2019年よりFM83.1Mhzレディオ湘南にレギュラー出演、2022年4月から新番組『radio cafe犬とあなたと珈琲と。』がスタート。