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犬のうんち。拾わないご近所さんに困った!


今回も心理士でドッグカウンセラーのしらたゆうこがパーソナリティを務めるラジオ番組“宝製菓presents radio café『犬とあなたと珈琲と。』”に寄せられたお便りにお答えします。

ご主人はいつも
手ぶらでお散歩…

今回のお便り:キャラメルナッティーさんからいただきました。
うり店長、白田さん、いつも楽しく聞いています。近所のワンコのパパさん。お散歩の時、いつも手ぶらで、ワンコの落とし物もそのままにしている所を見かけました。ママさんがお散歩の時はちゃんと拾っています。パパさんとは何度かご挨拶をした程度ですが、マナー良く落とし物も拾ってもらうには、どのようにお声がけしたら良いでしょうか?お知恵をお借りできましたら嬉しいです。

🐾🐾🐾

はい。ワンコの排泄物を拾わない人への対応についてですね。

犬の排泄物を片付けることは、飼い主にとって最低限のマナー。なんですが…実際問題、現実はどうも違う。犬や猫の糞問題・糞害は地域全体の問題ですよね。そして、一歩間違うと大きなトラブルにも発展しまいますから、犬と暮らしている人、そうでない人にも共通のテーマだと思います。特に、糞害に悩む人が恨みから、動物虐待に発展するケースもあります。

本来、犬にはなんの責任もなく、100%飼い主の責任ですが、犬除けの毒団子を撒かれて、それを食べたワンコが死亡したという事件もあります。被害に遭うのは動物たちですから、他人事ではありません。

目的は目の前の物を
拾ってもらうこと


さて、今回のお悩みは声のかけ方ですね。

私はいつも明らかな現行犯の時に限って「落としましたよ」「忘れてますよ」と声をかけます。それと同時にビニール袋を差し出します。拾ってもらうのが目的ですからそれ以上のことは言いません。

放置していく人のほとんどは、それがダメな行為とわかっているはずです。ですから「犬の飼い主たるや…」とお説教をしたり、「いつも拾ってないですよね」と、嫌味はここでは言いません。「はい、どうぞ」と笑顔でビニールを渡すだけです。

あなたのことは
みんなが知っていますよ


一度、何度か見かけたことのあるワンコのご主人が、そのまま立ち去ろうとしたことがあります。

目の前の出来事でしたので声をかけたら「汚いからいやだ」と言われました。「えっ?」と思いましたが、急いで拾って「帰ったら奥さんに渡してくださいね」と手渡しました。これは「あなたのワンちゃんのことはみんな知っていますよ」「奥さんのことも知っているんですよ」というアピールです。私ができる最大の意地悪なんですね。

ただ、世の中には色々な人がいます。同じ地域に住んでいて、いつも見かける人であれば、大きなトラブルになることも少ないかもしれませんが、そうでない場合は逆恨みされたりすることもありますから注意が必要です。

積極的に挨拶をして
孤立させない。


以前、私と同じ神奈川県動物愛護推進員の方が排泄物を拾わない人に注意をしたところ、「じゃあ、もう飼うのをやめた」って、犬をその場に置いて行かれたことがある。そう話していました。

そこまでなるには、多分、言い争いなどがあったのでしょう。ですから、声をかけるときは冷静になって、「あー言えば、こー言う」という状況になった時はその場を離れることも大事です。その代わり「私たちはいつでも見ていますよ」「あなたが落とし物を放置していることは、みんなが知っていますよ」という態度を取り続けることが大切だと私は考えます。

そして、このような人に対しては敬遠するよりも、挨拶をしたり、犬友さんと何人かいるときに遭遇したなら、取り囲んで話しかける(笑)。その位しちゃうと、周囲の目が気になりだして“拾わずに逃げる”方が段々苦痛になり、最終的には拾うようになった。そういう人もいましたよ。

「今、目の前にあるこれ拾おうね」そういう気持ちでビニールを渡す。私はそうしています。

この問題、みなさんはどうしているか、ぜひ教えてもらいたいです。

キャラメルナッティーさん、どうでしょう。
少しは参考になったでしょうか。藤沢市には『きれいで住みよい環境づくり条例』というのがあります。その第10条が「飼い犬等のふんの放置等の禁止」。行政が勧告や命令などをしても改善されない場合は20,000円以下の罰金が科されるというものです。覚えておくといつか役立つかもしれません。

この記事はラジオ番組:radio café『犬とあなたと珈琲と。』(毎週金曜16:00~16:29/FM83.1Mhzレディオ湘南)の2023年2月10日放送分を修正しました。

本記事は「こちら」から視聴可能。後半部分にお便りのコーナーがあります。
レディオ湘南は世界中どこからでもワンクリックで視聴可能です。
番組サイトにもぜひ遊びにきてください→『犬とあなたと珈琲と。』

◎『With a Dog』は犬の認知行動療法と飼い主のコーチングという“心理学を軸”としたドッグトレーニングを行う立場から、ヒトと犬の心と行動の関係についてお伝えしています。

文:白田祐子(しらたゆうこ)

うり店長のInstagramは『こちらから』
ル・ブラン湘南のInstagramは『こちらから』

白田祐子(しらたゆうこ)

プロフィール:日本心理学会認定心理士。ヒトと犬の心と行動カウンセリングラボ「ル・ブラン湘南」代表/ドッグカウンセラー。
1990年代から犬の行動や心理を独学し、保護施設などでしつけのボランティア活動を開始。現在のパートナーは2005年生まれの雑種の女の子で名前は“うり”。大学で心理学を専門的に学び、人と犬の関係や犬の心の成長の研究を行い独自のメソッドを確立する。2013年にパーソナルドッグカウンセリングを開始。人と犬のパーソナリティを重視したコーチングは特に多くの女性に支持されている。

里親制度の普及や地域行政と連携した“犬のしつけ”相談業務など、教育、行政、法律と多方面で人と犬の問題に向き合っている。愛玩動物飼養管理士、ホリスティックケア・カウンセラー、ペット災害危機管理士、小動物防災アドバイザー、猫防災アドバイザー他、ペット関連資格多数。2014年より神奈川県動物愛護推進員、湘南ビジョン大学講師。2019年よりFM83.1Mhzレディオ湘南にレギュラー出演中、2022年4月(毎週金曜16:00~16:30)から新番組『radio cafe犬とあなたと珈琲と。』がスタート。

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