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触らせてくれない犬。嫌いの合図?


今回も心理士でドッグカウンセラーのしらたゆうこがパーソナリティを務めるラジオ番組“宝製菓presents radio café『犬とあなたと珈琲と。』”に寄せられたお便りにお答えします。

想いが通じないときも
あるんですね…。

今回のお便り:イニシャルA/Kさんからいただきました。
祐子さん、うり店長こんにちは。はじめてお便りします。私はワンコが大好きですが、家で飼うことはできません。そのかわり、色々な場所で出会うワンコ達を見ては癒されています。飼い主さんに声をかけて触らせてもらう時は本当に幸せな気分になりますが、時々、ふと避けられたり、吠えられたりすることもあります。犬はよく「犬好きな人がわかる」って言いますが、想いが通じていないときもあるんだなって、がっかりすることも。触らせてくれない犬は私が嫌いという合図なのでしょうか。

🐾🐾🐾

イニシャルA/Kさんありがとうございます。犬が触らせてくれないときは嫌いの合図?と言うご質問ですね。

「はじめまして」のワンコも「いつもこんにちは」のワンコも、自分に近づいて来てくれると嬉しい気持ちになりますよね。そして、犬の身体に触れると、本当にほっこりした気持ちになります。

触られる事への寛容性は
さまざま


ただ、飼い主さんが「触ってもいいですよ」と言ってくれても、A/Kさんはワンちゃんに避けられたり、吠えられたこともあったとのこと…。

でも、あまりがっかりしないでくださいね。手を出すと「サッ」と避ける犬は案外多いものです。これは「嫌い」なのではなく、接し方など「それは苦手です…」という、合図なのかもしれません。

そもそも、撫でられるのが好きな犬ばかりではないんですね。たとえば、愛玩グループの小型犬やフレンドリーなレトリーバー種などは、知らない人にでも「撫でて」って寄っていくことがありますが、日本の犬種は触られることをあまり「好ましく思わない」傾向にあります。

「好きな人には触らせる」「嫌いだから触らせない」ではなく、触れられる事への寛容性など「犬種による特性」や「個体差」もあるんだと覚えておくと、あまりがっかりしないで済むかもしれませんね。

可愛いからジッと見ちゃう。
犬にはNG⁈


犬への接し方ですが「犬が好き!」って方は、自分の愛情を伝えたいし、「可愛いワンコの顔をたっぷり見たい!」という思いから、犬の顔を真正面から覗き込むことが多いように思います。犬の目線に合わせてしゃがんで、真っすぐ見つめる…。

人間なら完全に目がハートになって「好き」の気持ちが伝わる行動かもしれません。でも、犬が相手の場合はNGなんですね。

人と犬の見つめ合いは、犬にも人にも「幸せホルモン」と呼ばれるオキシトシンが放出されることが科学的にわかっています。でも、それは「信頼関係」が築かれた間柄だけです。そうではない場合、犬は正面から真っすぐ目を見られるのは、とても苦手なんです。

犬の気持ちは「嫌だなぁ」「うーん…困ったな」「早くどこかに行ってくれないかな…」です。平和的に物事を解決したい犬たちは、こんな時、相手と目を合わせずに無視をします。あまりにしつこいようであれば「あっちへ行け」と吠える事もあるでしょう。

「見つめられるのが嫌だから目を逸らしている」という意味を知らないと、ワンコが自分の方を見るまで、ジッと見つめたり、「こんにちは」「こっちだよ」など、声をかけたりしてしまうかもしれません。それは、犬にしてみると、とてもストレスのかかっている状態なんです。

一方通行の愛情に
ならないように


頭の上から手を出す、覆いかぶさるように見降ろす、大きな声で話しかけるなども、とても緊張感を与えます。もし、犬が顔を背けたり、その場を離れようとしたら、それは「これ以上は近づかないで」の合図。一旦、終了です。

犬への思いが「愛の押し売り」や「一方通行の愛」にならないように、犬のことをもっと学んで実践していく。そうすることで、その時はボディタッチできなくても、長い目で見れば、犬たちに信頼され、仲良くなれる。私はそう信じて、慌てず、ゆっくり接するように心掛けています。

イニシャルA/Kさん。どうでしょう。
少しは参考になったでしょうか。もっと詳しい話は『犬に好かれる人の特長3つ』というコラムを書いていますので、『ル・ブラン湘南』のホームページのブログ欄から、ぜひチェックしてみてください。これからもワンコ達にたくさん愛情を振りまいてくださいね!

この記事はFM831レディオ湘南:radio café『犬とあなたと珈琲と。』(第1.第3土曜16:00~16:29放送)2023年5月20日放送分を修正しました。

本記事は「こちら」から視聴可能。後半部分にお便りのコーナーがあります。
レディオ湘南は世界中どこからでもワンクリックで視聴可能です。
番組サイトにもぜひ遊びにきてください→『犬とあなたと珈琲と。』

◎『With a Dog』は犬の認知行動療法と飼い主のコーチングという“心理学を軸”としたドッグトレーニングを行う立場から、ヒトと犬の心と行動の関係についてお伝えしています。

文:白田祐子(しらたゆうこ)

うり店長のInstagramは『こちらから』
ル・ブラン湘南のInstagramは『こちらから』

白田祐子(しらたゆうこ)

プロフィール:日本心理学会認定心理士。ヒトと犬の心と行動カウンセリングラボ「ル・ブラン湘南」代表/ドッグカウンセラー。
1990年代から犬の行動や心理を独学し、保護施設などでしつけのボランティア活動を開始。現在のパートナーは2005年生まれの雑種の女の子で名前は“うり”。大学で心理学を専門的に学び、人と犬の関係や犬の心の成長の研究を行い独自のメソッドを確立する。2013年にパーソナルドッグカウンセリングを開始。人と犬のパーソナリティを重視したコーチングは特に多くの女性に支持されている。

里親制度の普及や地域行政と連携した“犬のしつけ”相談業務など、教育、行政、法律と多方面で人と犬の問題に向き合っている。愛玩動物飼養管理士、ホリスティックケア・カウンセラー、ペット災害危機管理士、小動物防災アドバイザー、猫防災アドバイザー他、ペット関連資格多数。湘南ビジョン大学講師。2014年より神奈川県動

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