犬友さんができると別れが辛い…
今回も心理士でドッグカウンセラーのしらたゆうこがパーソナリティを務めるラジオ番組、宝製菓presents radio café『犬とあなたと珈琲と。』に寄せられたお便りにお答えします。
新しい出会いには
悲しみもつきもの
今回のお便り:ユカリングさんからいただきました。
祐子さん、うり店長こんにちは。私の話を聞いてください。人生の折り返し地点にいる主婦です。最近、ヒトとの距離感に悩んでいます。父が転勤族だったので幼馴染と呼べる友達はおらず、その時その時、出会った方々や趣味の場などで何度も顔を合わせる人とは、親しく会話を楽しんでいます。ところが最近、そのように親しくしていた人の一人が亡くなったことを知り、ショックでなりません。連絡先は知らないけれど、私にとって友達のような存在でした。せっかく親しくなっても、ある日突然会えなくなってしまう。誰かと親しくなることは楽しいことですが、悲しみもつきもので、どんな距離感を保つといいのか苦しいです。特に、これからワンコを飼いたいと思っていますが、犬友さんができると、悲しい思いをまたするかもしれないと勇気がでません。なんだか暗い話ですみません。暑い日が続きます。ご自愛くださいませ。
🐾🐾🐾
ユカリングさん。ありがとうございます。連絡先は知らないけれど、親しくされていた方の訃報を聞いて心を痛めておられる。ユカリングさんはお友達やお知り合いの方たちを大切に思うことのできる、気持ちの豊かな方なんでしょうね。読んでいて、しんみりしてしまいました。
ただ、別れの悲しみなどの心労から、これからの出会いを避けてしまったり、「ワンコと暮らしたい!」という思う気持ちを遠ざけしてしまっては、もったいないと思うんですね。生活から彩が失われていくのではないでしょうか。
今を見て
今を感じるコトも大切
たとえば、犬は「今を生きている」と言われています。今、目の前にある「嬉しいこと」「楽しいこと」を全身で味わいながら、今を生きています。そして、今、楽しかったことの積み重ねが、今日になり、明日になり、その犬の全体となって一生がカタチ作られていく。私はそう考えています。
犬のしつけをするときも、過去の経験、過去の行動から「こうなるだろう」と、「未来」の行動を決めつけてしまうと、行動範囲が狭まって、視野も狭まり、出来ることも見逃してしまいます。なので、今を見て、今を感じることが、とても大切になってくるんですね。
ユカリングさんの持つ、他者を思う優しさに、「今を生きる」犬たちが持つ、しずかな強さや真っすぐな思いがトッピングされると、また違った景色が広がるかもしれません。
私も会いたいとどんなに願っても、二度と会えない人がいます。その人は犬を通じて出会った人です。悲しみは大きいけど、出会えたことは奇跡だと思っています。ぜひ、ワンコと暮らして、新しい扉が開かれることを願っています。
この記事はFM831レディオ湘南:radio café『犬とあなたと珈琲と。』(第1.第3土曜16:00~16:29放送)2024年7月20日放送分を加筆修正しました。
本記事は「こちら」から視聴可能(後半20分以降です)
レディオ湘南は世界中どこからでもワンクリックで視聴可能です。
番組サイトにもぜひ遊びにきてください→『犬とあなたと珈琲と。』
◎『With a Dog』は犬の認知行動療法と飼い主のコーチングという“心理学を軸”としたドッグトレーニングを行う立場から、ヒトと犬の心と行動の関係についてお伝えしています。
文:白田祐子(しらたゆうこ)
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白田祐子(しらたゆうこ)
プロフィール:認定心理士。ヒトと犬の心と行動カウンセリングラ「ル・ブラン湘南」代表・ドッグカウンセラー。
1990年代から犬の行動や心理を独学し、保護施設などでしつけのボランティア活動を開始。パートナーは2005年生まれの雑種の女の子で名前は“うり”。大学で心理学を専門的に学び、人と犬の関係や犬の心の成長の研究を行い独自のメソッドを確立する。2013年にパーソナルドッグカウンセリングを開始。人と犬のパーソナリティを重視したコーチングは特に多くの女性に支持されている。
保護犬猫の譲渡会開催や地域行政と連携した“犬のしつけ”相談業務など、教育、行政、法律と多方面で人と犬の問題に向き合い、犬専門雑誌の監修や執筆も行う。愛玩動物飼養管理士、ホリスティックケア・カウンセラー、ペット災害危機管理士、小動物防災アドバイザー、猫防災アドバイザー他、ペット関連資格多数。湘南ビジョン大学講師。2014年より神奈川県動物愛護推進員。2019年よりFM83.1Mhzレディオ湘南にレギュラー出演、2022年4月から新番組『radio cafe犬とあなたと珈琲と。』がスタート。