犬とあなたと珈琲と。Vol.128 矢口 雅己

聞逃し配信中(音楽は全てダミーです)
収録:レディオ湘南
宝製菓presents radio café『犬とあなたと珈琲と。』FM83.1MHz レディオ湘南(第1.第3土曜 16:00~16:29)放送
湘南の海を見下ろす、小さなコーヒーショップ『TAKARA CAFÉ』。オーナーは心理士でドッグカウンセラーのしらたゆうこ。2代目店長はカフェオレ色の愛犬“うるる”。美味しい珈琲を飲みながら、お客様との会話に耳を傾けてみませんか。
今回のお客様は、”江の島フィッシャーマンズマルシェ”実行委員長。そして、たこ焼き『風天』のオーナー矢口雅己さんが登場。たこ焼き一筋18年――なぜ続けられるのか。その答えは「いつもニコニコ」とコツコツの積み重ねと語ります。さらに、家庭でも活かせる“失敗しないたこ焼きの焼き方”のコツも飛び出します。マルシェへの想いや、「おやじの会」で子どもたちと向き合うエピソードも。笑いあり、ロックあり、ちょっとしんみりもあり。だからこそ最後に響くのは、「人こそ宝物」というまっすぐな言葉。人と人とのつながりを感じるひととき。たこ焼きはお出しできませんが、ぜひ耳で味わってください。

――いらっしゃいませ。こんにちは。矢口さん、お待ちしておりました。
矢口雅己さん(以下 矢口):おじゃまします。お久しぶりです。あっ、看板犬がいるんですね。
――そうなんです。うるるです
矢口:前に会ったかな?
――会いましたよね。うちの子は沖永良部島出身の雑種の女のこです。3月14日片瀬漁港で開催されたフィッシャーマンズマルシェに連れて行ったコです。
矢口:そうでした。あの時はバタバタと忙しかったです。
――たこ焼きを焼いている時にお邪魔してしまいました。ご対応ありがとうございました。
目次
たこ焼きの小さい玉に愛と
美味しさを込めて
――さて、矢口さん。矢口雅己さんは、たこ焼き屋さん『たこ焼き風天』のオーナーでいらして、江の島片瀬漁港で開催されている『江の島フィッシャーマンズマルシェ』の実行委員長を務められ、さらに藤沢「おやじの会」での活動や白旗神社で「赤鬼」役など、色々な地元界隈に出没する、おやじさんでいらっしゃいます(笑)
矢口:はい。実は消防団もやっておりまして14年になります。たこ焼き『風天』は藤沢本町の自宅兼店舗で18年ほど営んでおります。
――18年ってすごいですね。
矢口:元々会社に勤めていたんですけど、人に使われているのも面白くないので自分でね。子供も大好きだし「地域の人気者になれればいいな」って思って…。
――なんだか“らしい”感じがします。とは言え、長く続けられる秘訣ってあると思うんですけど、どうでしょう。
矢口:そうですね…。謙虚に“いつもニコニコ”を心がけているつもりですが…コツコツ毎日やっていくしかないです。
――わたし、たこ焼きが大好きで、お店ではお酒を呑みながら食べられと知って「絶対にお店へ!」って思ったんですが、なかなかチャンスがなく、フィッシャーマンズマルシェのキッチンカーでソースと塩コショウをいただいたんですけど、たこ焼きって人を幸せにしますよねー。嫌いな人っていないんじゃないですか?
矢口:そうですね。まぁ小さい球の中に色々込められているので…
――愛がね…
矢口:美味しさも愛も。
――時々、関西の友達が「たこ焼きパーティーしよう!」って、誘ってくれるんですけど、家庭のタコ焼き機でも上手に焼けるコツってありますか。
矢口:どうしても、ネタを流した時に温度が下がってしまうので、そうするとまた熱くなるのに時間がかかってベチャベチャになったりするので。よーく熱してから丁寧にゆっくり、ネタを入れて、具を入れてってやれば、できるかと思います。
――確かに!熱くなる前にせっかちに入れちゃっているところがあるかもしれない。その後、なかなかまとまらなくて、いじってグチャグチャになっちゃう!
矢口:そうすると、結局、最終的に焦げ付いちゃうので、落ち着いて。
――落ち着いてですね!間合いを良くとって(笑)。矢口さんは、お店で焼く時とイベント会場で焼く時とあると思うんですが、その違いってありますか?
矢口:特に違いはないですね。いつでもどこでも 魂込めて焼いているので
――魂込めて!ロックですからねー
矢口:そうです
――これまでで印象に残っている出店場所やエピソードはありますか。
矢口:実店舗で2-3年やり始めた頃に、うちのすぐ近所の老人福祉センター「やすらぎ荘」のスタッフの方から声を掛けられて、そちらの桜まつりに初めて出店したんです。その時、利用者さんもスタッフさんもすごい温かい人で、感謝感激でございました。それが印象的でした。
”江の島フィッシャーマンズマルシェ”
実行委員長も自分らしく!

――今は色々なところで黄色のキッチンカーで登場されていますが、その中の一つに「江の島フィッシャーマンズマルシェ」があります。今は実行委員長をされていらして、江の島フィッシャーマンズマルシェは、もともと未利用魚の活用や朝獲鮮魚・地場の野菜や果物などの販売、そして、漁船クルーズなど海の魅力を体感するイベントとして、毎月第三土曜日曜開催で始まったそうですね。今はキッチンカーをはじめ、出店者の幅も広がって、実際、3月は犬のイベントを手掛けている「和市」さんとのコラボで盛り上がっていました。開催も真夏はお休みの時があったり、土曜日のみ開催の時があったりなど、変化はありますが、今年で6年目。実行委員長を引き継いでどうですか?
矢口:そうですね。”真面目な役割”というか、そういうのが苦手なタイプだったんですけど、地元で活躍できるというのは嬉しいので、「自分らしく盛り上げていこう」という思いがあります。このマルシェの魅力は、漁港ならではの鮮魚販売と地産地消。地産地消は、僕ら地元の飲食業仲間も長年やってる活動なので“この場ならでは”の魅力を発信できたらと思ってます。守るべきところは守り、でも、あまり「型」にはまらず。本当に僕らしく、実行委員メンバーや出店者と連携しながら、続けて楽しくやっていきたいと思います。
――楽しさが伝わってきます。実は今日、まさに終了したばかりで、明日も9時から15時まで開催予定です。今回は江の島芸術祭とのコラボで、これもまた面白いですよね。
矢口:はい。やっぱり片瀬漁港って江の島も目の前に見え、大きな富士山と最高のロケーションがある。そういう場で楽しんでもらいたいです。
――開催中止などの詳細はInstagram「江の島フィッシャーマンズマルシェ」でチェック。そうそう、このお店は『TAKARA CAFÉ』って言うんですけど『TAKARA CAFÉ』では、いつもみなさんに「宝物」について、お話しを伺っているんですね。
矢口:宝物ですか…
――はい。宝物です…。ぜひ、矢口さんも聞かせてください。

音楽:Chicago『Saturday in the Park』(楽曲はYouTubeにリンクしています)
過酷な環境の子供時代。
家族がなによりの宝物

――今日は「江の島フィッシャーマンズマルシェ」の実行委員長で、たこ焼き『風天』のオーナー矢口雅己さんとお話しをしています。ではでは、伺います。矢口さんの「宝物」はなんですか。
矢口:それは家族です。自分は10歳の頃に母親を亡くしまして、それからは父親もちょっと家に帰って来ず…まぁ月に1回位、顔を出す程度で。あとは外で遊んじゃっていました。ですので、ほとんど6才離れた兄と二人で生活していたんですけど、やっぱり自分で家庭を持ったときに、もちろん義理の父母もそうですが、そういった「家族」が本当に宝物です。
――なんかしんみり…今は奥様とお子さんと…
矢口:そうですね。長女が去年結婚しまして
――えー、おめでとうございます!
矢口:実は今年の2月21日に孫娘が
――あら!おじいちゃん!素敵。賑やかになりましたね
矢口:はい。今、娘が里帰りしていて、一応、1ヶ月生活する予定だったんですけど、もう1ヶ月超えて…
――まだ居るぞと(笑)
矢口:まだ居ます(笑)
――お孫ちゃんは
矢口:かのんちゃんといいます
――かのんちゃん~。下のお子様は?
矢口:4月で22歳になりまして、専門学校生なんです。理学療法士の勉強をしているので、そのうち僕のバキバキになった身体をほぐしてもらおうと。勉強してもらってます。
「親父の会」に参加。
地域活動を積極的に

――今はお孫ちゃんもいて、お子様はもう大きくなりましたが、本当にお子様が大好き。それで「おやじの会」のこともお聞きしたいんです。「おやじの会」って、ちょっと調べたら…、最近は「藤沢市おやじの会連合」主催の花火大会やイベントなどもあるので、子供や学校と接点がない方も耳にする機会があると思うんですけど、全国的にみると、実はその歴史って以外と古くて、1982年に川崎で発祥したそうです。
矢口:そんなに前からあるんですか…
――そうなんです。結構、前なんですよね。それで、2000年頃から藤沢市も力を入れはじめて、2021年に「藤沢市おやじの会連合」が発足したと聞いてます。矢口さんがおやじの会に関わりだしたのはいつ頃ですか?
矢口:そうですね16年ほど前に、長女が地元の小学校に入学したときですね。自分の同級生も父兄として多くいて、その同級生に「一緒におやじの会やってみようよ」って誘われて。そんな感じで、未だに子供関係などを楽しませてもらってます。
――そうなんですね、今はどうなんでしょう…。子供たちはタブレットを使ったり、ゲームをしたり、習い事をしたりとか、なんだか忙しそうで、環境も影響している気もしますが、あまり友達同士で走り回ったりするのを見かけない印象ですが、どうですか?
矢口:まぁ、うちの子たちも、小中学と外の公園で遊んだりはしていたんですけど、ボール遊びをしちゃいけないとか、大声を出すとちょっと近隣の迷惑になるとか。ただ、そういう環境の中でも、友達とゲームをしたりゲームの情報を交換したり、習い事もそこに仲間がいると思うので、人と触れ合うのはこれはこれでいいんじゃないかと思います。
――なるほど。触れ合うカタチは変わっているけどもってことですね。
矢口:そうですね。
――矢口さん的には「でも、こういうところは残しておきたいな」っていうのはありますか
矢口:こういう環境の中でも、子供が集まれるところを残していただきたいですね。
――おやじの会はそういう子供たちが集まる場所も提供したりするんですよね。何か遊びを通じて?
矢口:そうですね。小学校のおやじの会では、毎年「紙飛行機道場」というのがあります。体育館で手作りの紙飛行機を作って、その飛距離を競い合うという。
――あー!飛距離を競い合う。面白いですね!
矢口:やっぱり、紙飛行機の折り方がわからない子もいるので、そこは親父たちが教えたり、周りの友達が教えてあげたり。それで、優勝者には親父たち手作りの「お菓子のメダル」とか「首飾り」とかを贈呈するという。
――いいですね。コストもかからないし。子供たちは喜びますか?
矢口:そうですね。そういう「お菓子で作った」っていう“手作り”のがまたね…
――嬉しんですね。
矢口:嬉しい。うちの下の子なんかも、6年間ずっと参加しています。
――賞を獲ったりしてるんですか?
矢口:ちゃんと、賞も3回位とって(笑)
――あーすごい!(笑)段々、矢口さんも子供のように見えてきましたが(笑)、さて、ここで一息、なにかお好きな曲をおかけしましょうか。
矢口:ありがとうございます。40歳になってから、おやじバンドを組んでいるんですが、バンド名は『γGTP-49』。まぁ、昭和49年生まれていうのもあるし、肝臓数値的にも49はいいんじゃないかということで。そのバンド仲間の今ドラムを担当している友達が、中1の頃なんですけど、体育館の掃除の時間に掃除もせず、体育館に置いてあるピアノで弾き語りをしまして。その曲が「かっこいいな~」って思って。「今日一日を精一杯生きている」みたいな中、中学生になって、周りの環境も変わって、少しは先のことを考えるようになって「このままどうなるのかなぁ」って思いだした頃でした。そんな時に、その曲名を聞いたら、訳すると「なるようになれ」だって教えてくれました。当時の自分と重なったんですね気持ちが…。そんな感じで…ビートルズの『Let it be』(楽曲はYouTubeにリンクしています)

これからも周りには
多くの仲間がいてほしい

――では、最後に矢口さん。これから見つけたい宝物はなんですか。
矢口:やっぱり「人」です。家族、仲間、お客さん。僕の周りには人。これからも「人」が一番の宝物になると思うので。
――たこ焼き、子どもの遊び、鬼、そしてマルシェ…いろいろな活動をされていますが、人で繋がっていますものね。
矢口:はい。もうそれは、出会いと感謝感謝!でございます。
――お店以外で美味しいたこ焼きと矢口さんに出会えるのは?
矢口:GWに関しては明日のマルシェもそうですが、4日が白旗神社さんで『フードパーク』というのをやってます。5日も白旗神社さんで『牛若祭』という、沢山の鯉のぼりがぶら下がっているなか、みなさんがご奉仕しています。僕もたこ焼きを提供しています。抽選で食数決まっちゃてるんですけど、無料配布となっています。
――明日は、江の島片瀬漁港の「フィッシャーマンズマルシェ」。4日-5日は白旗神社で美味しい「風天」のたこ焼き食べられるかもしれません。みなさん楽しみにしていくと思います。
矢口:はい!お待ちしておりますっ!
――今日はまだお時間ありますか?
矢口:もう少しゆっくりしていきます
――では、楽しいお話を聞かせてくださったお礼に…私からもう1杯、いかがでしょうか。
矢口:ありがとうございます。遠慮なくいただきます
――では、ごゆっくりお過ごしくださいませ。

矢口さんの番外編

――白旗神社の節分では赤鬼に扮していると聞きました。これ、めちゃくちゃ面白いです。矢口さん“赤鬼リーダー”って聞きました。
矢口:そうですね。お蔭様でそんな大役をいただいております
――泣いちゃう子も多いと思うんですが、どんな気持ちで赤鬼をやっているんですか?
矢口:基本は、怪我なく事故なく喧嘩なくですが、いやーもう…本気で鬼になりきってっていますので。本気で泣かせにいってます。常に、遊びも仕事も本気。そうじゃないと、相手にも失礼なんで。
――最後の記念写真でも泣いちゃう子がいるとか
矢口:そうですね。3分間の豆まきが終わったあとは、鬼も改心して“優しい鬼”となって、撮影会に戻るんですけど、それでもね、ちっちゃい子はどんな鬼でも鬼なので、ギャンギャン泣きます。それでも、ママさんたちが「抱っこしてください」って、こちら(鬼)に突き出してくるので、無理やり鬼が抱っこして写真を撮る(笑)。今、大阪に暮らしていて、元々は藤沢市にいた方なんですけど、節分には豆をまきに来てくれます。鬼も本気ですから(笑)でね、最後に一言、子供の耳元で「夢で会おうね」って言うんですよ。そしたら、また泣いちゃって(笑)
――怖い怖い(笑)トラウマになっちゃいそう。でも、それが大人気なのわかります。体力続く限りですね、頑張ってください。
矢口:そうですね。まだまだ行きます!
<関連サイト>
『江の島フィッシャーマンズマルシェ』
『たこ焼き風天』
番組サイト『犬とあなたと珈琲と。』
⇒⇒過去のお客様が一覧で見られます
インタビュー・構成・文:白田祐子(しらたゆうこ)
うるる店長のInstagram
ル・ブラン湘南のInstagram

白田祐子(しらたゆうこ)
プロフィール:日本心理学会認定心理士。ヒトと犬のカウンセリングラボ「ル・ブラン湘南」代表/ドッグカウンセラー
1990年代から犬の行動や心理を独学し、保護施設などでしつけのボランティア活動を開始。現在のパートナーは沖永良部島出身、雑種の女の子で名前は“うるる”(うり店長は2023年お空組)。大学で心理学を専門的に学び、人と犬の社会心理学と犬の心の成長が専門。2013年にパーソナルドッグカウンセリングを開始。人と犬のパーソナリティを重視したコーチングは特に多くの女性に喜ばれています。
保護犬猫の譲渡会開催や地域行政と連携した“犬のしつけ”相談業務など、教育、行政、法律と多方面で人と犬の問題に向き合い、セミナー講師、犬専門雑誌の監修や執筆も行う。愛玩動物飼養管理士、ホリスティックケア・カウンセラー、ペット災害危機管理士、小動物防災アドバイザー、猫防災アドバイザー他、ペット関連資格多数。湘南ビジョン大学講師。2014年より神奈川県動物愛護推進員。2019年よりFM83.1Mhzレディオ湘南にレギュラー出演、2022年4月から新番組『radio cafe犬とあなたと珈琲と。』がスタート。神奈川県三浦郡葉山町にて『お寺でわんにゃん縁結び』を主催