犬はしっぽで語る
犬は気持ちが身体に現れる生き物
あたし達の感情を知るために、人間は犬の姿勢や表情を見てくれるよね。
特に、耳の位置や瞳孔の広がり、目の動きや肩の緊張具合。それから、口の開き方なんかも大切だって、ママがよく言ってるワンね。
でも、それはちょっと専門的過ぎかもしれない。あたし達のきもちを知るには、【カーミングシグナル】って呼ばれる犬の共通言語があるんだけど、それが一番わかりやすいワンよ 。例えば、舌ペロやあくび、首かいかいは「緊張している時」の合図。
人間はこの仕草を面白がったり、リラックスしているって勘違いするみたいだけど、本当は全然違うの。もちろん、眠い時はあくびをするし、かゆい時には掻くわよ。そこの違いは、ママさんやパパさんが 一番よく知ってるワンよね。
しっぽの右左
うり達はしっぽでも多くのきもちを伝え合うワンよ。
しっぽを振っていれば「喜んでいる」って思う人間はいるかもしれないけれど、怒っていたって振るんだから。振る時の角度やリズムが違うワンね。でもね、簡単にきもちを見分ける方法は「どちら側に振っているか」なの。
右側寄りに振るときは「嬉しいワン」。 左側寄りに振るときは「イヤだワン」
写真は、うりがスフィンクスの時のしっぽ。地面に当たって、自然にしっぽが曲がったから、この写真の左右の向きは、たまたま。なので、しっぽの向きで、きもちを知るのは、あくまでも「しっぽを振っているとき」の理論なんだワンね。
そうそう、うりのお友達のママさんは左利き。でも、子供の頃に「左利きを直しなさい」って言われたんだって。人間の社会は右利きがマジョリティー。だから、レフティーにはリスクがあるからって。本当にそうなのかな?
人間の手も、あたし達のしっぽも、なんだか不思議ワンね。
思うのは、人間のその器用な手を見た時に、しっぽを右寄りに触れる仲間が増えてほしいってこと。決して、しっぽを足の間に挟んで震えたり、ゆっくり揺らした後に噛みついたり、そういう気持ちにならずに済むよう、人間の手のやさしさを、温かさを、心地よさを、家を持たない仲間たちや、ずっと閉じ込められている仲間、人間に見捨てられて泣いてる仲間たちに、届けたいワンな。
人の手の優しさを教えてくれる、そういう活動をしている人間たちを本当に尊敬するし、感謝するワンね… ありがとうワン。
うりもそうして助けられたから、ママと一緒にやれることを一生懸命頑張ろうと思うんだ。
うりパイセンは15歳“語る
21.Mar.2021付けInstagramより一部改稿
Instagram account→doggy_uri
文と写真・白田祐子(しらたゆうこ)