愛犬が噛まれた!そのときどうする?
今回も心理士でドッグカウンセラーのしらたゆうこがパーソナリティを務めるラジオ番組“宝製菓presents radio café『犬とあなたと珈琲と。』”に寄せられたお便りにお答えします。
友人の愛犬が
ガブっとされた!
今回のお便り:キャラメルマキアートさんからいただきました。
白田さん、うり店長、いつも楽しく聞いています。以前放送していたミックス犬やデザインドックのお話しなど、知らないことも多く、また、質問コーナーでも沢山学ばせてもらい様々な気づきがあります。ありがとうございます。そこで質問があります。散歩中、友人の小型犬が大型犬にいきなり顔をガブっとされました。友好的に近づいてきたので挨拶をさせようとしたときのことだそうです。すぐに引き離したのでケガはなく、そのまま別れたみたいですが、もし、後で負傷していることに気づいたら…と思うと怖くなりました。このような時は、どのように対応すれば良いのでしょう?よろしくお願いします。これからも放送を楽しみにしています。
🐾🐾🐾
丁寧なお便りありがとうございます。ご質問内容は愛犬が噛まれたときの対応の仕方ですね。キャラメルマキアートさんのお友達は何事もなかったとのこと。本当に良かったです。
相手の連絡先を
確認する
さて、愛犬が噛まれたときは、相手の「名前」と「電話番号」を聞く。そう覚えておくといいと思います。ただ、本気で噛まれたり、不意打ちの攻撃を受けたりしたとき、犬はパニックを起こしますから、首輪やハーネスが抜けないよう、愛犬のケアで精いっぱいになることもあると思います。
特に噛まれたところを確認しようとすると、負傷した部分を見せないように逃げ出そうとしたり、暴れたりする可能性もありますから、興奮を高めないようにする注意が必要。そのためにも、まずは、その場を離れて犬を落ち着かせることが最優先です。
「えー、そんな中で相手の連絡先を聞くのは、ちょっと難しいのでは?」って思いますよね。でも「念のために連絡先を教えてもらいたいので、ちょっとそこで待っていただいていいですか」と、声をかけたり、近くに顔見知りの方がいたら連絡先を聞いてもらうようお願いできるといいですよね。私もそういう経験が何度かあります。
愛犬が最優先。
トラウマをつくらせない
相手の方に「どうして連絡先を教える必要があるの」って尋ねられたら、「念のためです。もしものときのためですので、何もなければ連絡はしません」とだけ答えるようにしましょう。
もし、相手が拒んだ場合は大きなトラブルに発展しかねませんので、それほどの傷でないようであればその場を離れた方が安心ですね。その場を離れて愛犬の「気分転換」をさせてあげる。そちらの方が重要だと私は思っています。
他の犬との交流にネガティブ感情を持つことのないよう、あまり同情したり、なだめたり、慰めたり、騒ぎ立てたりせず、いつも通り、楽しい気分でお散歩を続ける事が大切です。
傷害罪や民事訴訟に
発展することも
咬傷事件はそもそも、どちらの犬が原因なのかという問題は必ずつきものです。でも、相手を傷つけた場合はその事実を認め、お詫びして、かかった医療費は負担する。それは最低限の飼い主責任です。
愛犬が人を噛んでケガをさせた場合は、刑法第209条の過失傷害罪に問われますし、民法第718条では「動物の占有者は、その動物が他人に加えた損害を賠償する責任を負う。」とあり、飼い犬が他の犬に傷を負わせた場合、相手の飼い主から民事訴訟を起こされることもあります。
「私も不注意でした」と挨拶をしあって別れられる程度でしたら安心ですが、あとから大きな歪にならないよう、早い段階でコミュニケーションをとることが大事だと思います。
どうでしょう。キャラメルマキアートさん。
少しは参考になったでしょうか。犬と一緒に暮らしていると、いつ自分が被害者や加害者になるかはわかりませんよね。ですから、愛犬にしっかり目を向けて「変化」に気付いてあげることが大切です。これからも、お友達のワンちゃんとお散歩を楽しんでくださいね!またお便りお待ちしております。
この記事はFM831レディオ湘南:radio café『犬とあなたと珈琲と。』(第1.第3土曜16:00~16:29放送)2023年6月3日放送分を修正しました。
本記事は「こちら」から視聴可能。後半部分にお便りのコーナーがあります。
レディオ湘南は世界中どこからでもワンクリックで視聴可能です。
番組サイトにもぜひ遊びにきてください→『犬とあなたと珈琲と。』
◎『With a Dog』は犬の認知行動療法と飼い主のコーチングという“心理学を軸”としたドッグトレーニングを行う立場から、ヒトと犬の心と行動の関係についてお伝えしています。
文:白田祐子(しらたゆうこ)
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白田祐子(しらたゆうこ)
プロフィール:日本心理学会認定心理士。ヒトと犬の心と行動カウンセリングラボ「ル・ブラン湘南」代表/ドッグカウンセラー。
1990年代から犬の行動や心理を独学し、保護施設などでしつけのボランティア活動を開始。現在のパートナーは2005年生まれの雑種の女の子で名前は“うり”。大学で心理学を専門的に学び、人と犬の関係や犬の心の成長の研究を行い独自のメソッドを確立する。2013年にパーソナルドッグカウンセリングを開始。人と犬のパーソナリティを重視したコーチングは特に多くの女性に支持されている。
里親制度の普及や地域行政と連携した“犬のしつけ”相談業務など、教育、行政、法律と多方面で人と犬の問題に向き合っている。愛玩動物飼養管理士、ホリスティックケア・カウンセラー、ペット災害危機管理士、小動物防災アドバイザー、猫防災アドバイザー他、ペット関連資格多数。湘南ビジョン大学講師。2014年より神奈川県動物愛護推進員。2019年よりFM83.1Mhzレディオ湘南にレギュラー出演、2022年4月から新番組『radio cafe犬とあなたと珈琲と。』がスタート。